《秩序》と《混沌》の神々が世界の支配を巡り勝負をするために作り出した『盤』である四方世界。その四方世界を見下ろす神々がここにいます。
カラカラと、コロコロと、骰子の転がる音が響きます。
その出目によりある神は喜びの声をあげ、ある神は嘆きの声をあげます。
ここは神々の遊技場。今日も今日とて神々は世界の支配を巡るために《宿命》と《偶然》の骰子を振っています。
その神々の遊技場にいつの頃か見覚えのない神が現れました。
その神は襤褸切れと見紛う長衣を身に纏い、焼け爛れた様な冠を被ったみすぼらしい男の神です。
その神は他の神たちのように骰子を振るでもなく、さりとて世界を支配せんとシナリオや『駒』を用意するでもなく、ただ四方世界を座り込んで見下ろし眺め続けています。
神々はその神に共に遊ばないかと声を掛けたこともありますが、ただ無言で眺め続けるばかり。
そのうち特に害もないのでいいかと放置するようになりました。
ある時神々の中の一人がふと思い立ち、また男神に声を掛けようと思い彼に近づきました。
そして以前と同じように声を掛けます。
一緒に遊ばないか、と。
しかし結果は変わらず。男神は四方世界を眺め続けています。
ああ、やっぱりだめか。声を掛けた神は諦めて戻ろうとした時、男神の傍らに古ぼけた本が置かれていることに気が付きました。
興味を持った神はその本はなんだい? とその男神に尋ねます。
男神はその言葉に反応し、傍らの本を見つめます。
その本を見つめる男神の表情は郷愁や愛情、そして深い後悔などをごちゃ混ぜにしたような複雑なものでした。
しばし男神は考えるように動きを止めます。それから声を掛けてきた神に黙って本を差し出してきました。
声を掛けた神は一言礼を言い、パラパラと本の中身を検めます。
その本には一つの世界の始まりから終わりまでが描かれていました。
火の発見によって始まった世界。そしてその火が消えようとしている事によって終ろうとしてる世界。
そんな世界でもなお懸命に生きようとする人の物語。陰鬱で救いのない物語。
この世界にはそぐわない物語。
でも、魅力的で面白い物語だ。その神はそう思いました。
全てをそのまま使うわけにはいかない。でもそのエッセンスをうまく入れ込むことができればこの四方世界はもっと面白くなる。
そう思いその神は他の神々にも相談しました。なるほど面白そうだと他の神々にも満場一致をいただき、その世界観を取り入れる事となりました。
そして神々は楽し気に言いました。さあ新たな冒険を始めようと。
男神はそれにも取り合わず、再び四方世界を眺め続けます。その眼差しには僅かに期待が込められているような気がしました。
これにて2章は終わりです。
これでもっとダークソウル要素を出しやすくなるぞー。