ゴブリンスレイヤー ~魂を継ぐ者~   作:ウォルナット

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不死の英雄祭

 棍棒剣士は街の中心である大教会を目指し街を駆けていた。

 

 

(たはは……まあ、あとはあいつとの模擬戦で終わりだ。受けてくれたあいつのためにもビシッと決めてかっこよく終わらせないとな)

 

 

 知恵の試練の失敗を恥じつつ、後に訪れる栄光に思いを馳せていると程無く教会の入り口のある広場が見えてきた。

 既にたくさんの街の人々が広場を取り囲み、メインイベントの開始を今か今かと待ちわびているようだった。

 

 

「来たぞ!」

 

 

 誰かが棍棒剣士のことに気付いたのか声を上げた。

 それを皮切りにワッと広場が歓声に包まれた。

 

 棍棒剣士はその歓声に応えるように手を上げながら広場へと入り、予め聞かされていた定位置についた。

 

 走ってきたせいで少し上がっていた息を整えながら待っていると、重々しい音を立てながら教会の扉が開かれ中から黒い鎧を纏った青年戦士が現れた。手にはやや大振りな大剣が握られている

 彼が纏っている鎧は、伝承で『王』が着ていたとされる衣装だ。完全な漆黒という訳ではなく、あちこちが斑に黒が薄れているのが印象的だ。

 対する『英雄』である棍棒剣士は、『王』と対照的な白の鎧を纏い、片手剣と中盾を手に携えていた。こちらは英雄とはかくあるべしと言わんばかりにあちこちに装飾がなされ、煌びやかといった印象を抱かせる。

 もちろんそれぞれ木製の模造品だが、そう感じさせない見事な造りとなっていた。

 

 棍棒剣士はあらかじめ決められた口上を述べ、これからの戦いに臨む準備を進める。

 対する青年戦士はただ静かに佇み、口上を受け止めるのみであった。

 

 

「いくぜ!」

 

 

 予定調和の前準備も済ませ、棍棒剣士は手に持つ剣で切りかかる。

 

 

「フン!」

 

「ぐあっ!?」

 

 

 青年戦士はそれに対し、手に持った大剣の強振(フルスイング)でもって応えた。

 思わぬ反撃を受け、棍棒剣士はなんとか盾で受けるが、吹き飛ばされ思わず尻餅をついた。

 

 

「どうした。立て」

 

 

 青年戦士はそう言って棍棒剣士へと手に持つ剣を突き付けた。

 

 

 

『英雄』と『王』の戦い。その物語は『英雄』の華々しい勝利によって結ばれる。

 そう考えていた棍棒剣士の甘やかな考えは、青年戦士の手によってあっけなく打ち砕かれることとなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 守りの剣は常に切っ先を相手に向けた楔の形に振るべし。

 

『王』を演じるにあたり、盾を持つことを許されなかった青年戦士は、どこかで聞きかじり、まるで実践できた試しのないそんな剣技を振るう。

 

 右左(タルホ)左右(レベツ)上下(アルティバーソ)! 

 

 真に使い手と呼ぶに足る者が見れば『未熟』の一言で済まされるようなソレは、未だ新米の域を出ない棍棒剣士に確かな脅威となって襲い掛かった。

 

 

「うっ……グゥ……ッ!!」

 

 

 青年戦士の大剣が棍棒剣士を弾き、崩し、打ち据える。

 棍棒剣士も苦し紛れの反撃をするも、腑抜けた一撃など受けてやる義理はないとばかりに捌かれ、更に強かな反撃でもって応えられた。

 

 

「どう、して……」

 

「フン」

 

 

 棍棒剣士は膝を突き、思わずといった感じで疑問の声を漏らした。

 青年戦士はそれには答えず、つまらなそうに鼻を鳴らす。

 

 

「情けない。それでも『英雄』か。……それとも、自分は『英雄』なのだから勝てて当然とでも思っていたか?」

 

「……!!」

 

 

 青年戦士の言葉に棍棒剣士は図星を突かれたように目を見開いた。

 

 

「どれ。一人二人、殺してみれば理解するか。『英雄』など、ただの肩書に過ぎないのだと」

 

 

 そう言うと、青年戦士はあらかじめ見つけておいた至高神の聖女へとその手に持つ剣の切っ先を向ける。

 

 

「え……」

 

 

 驚きの声を上げる聖女へと一歩、また一歩と歩みを進めていく。

 周りの人々もこれらの一連の流れが予め定められたものなのか、そうでないのかわからず揃って口を噤み、成り行きを見守っている。

 広場は沈黙によって支配されていた。

 

 

「……ろ」

 

 

 棍棒剣士が絞り出す様に言葉を発した。

 しかし青年戦士は歩みを止めることなく、また一歩聖女へと歩みを進める。

 

 

「やめろ」

 

 

 今度は小さくともはっきりと制止の声を投げかける。

 しかし青年戦士は歩みを止めない。まるでお前の言葉など聞く価値はないと言わんばかりに気にも留めない。

 

 

 聖女の目前まで辿り着いた青年戦士は、その手に持った剣を大きく振り上げた。

 

 

「やめろおぉ!!」

 

 

 棍棒剣士は叫びながら青年戦士へと襲い掛かる。

 青年戦士はわかっていたとばかりに振り返り、剣を棍棒剣士へと叩きつけた。

 棍棒剣士は再び吹き飛ばされる。

 

 

お前の相手は俺だ(ウォッチミー)!!!」

 

 

 しかし今度は直ちに態勢を立て直し立ち上がる。

 そしてその手に持つ剣を青年戦士へと突き付けた。

 

 

(なんだ、やればできるじゃないか)

 

 

 狙い通りの展開に青年戦士は思わず口の端を吊り上げた。

 兜を被っていてよかった。

 そう思いながら棍棒剣士へと向き直り、大剣を両手で構える。

 

 

「うおおおお!」

 

「シッ!」

 

 

 今度こそ、正しく民を守らんとする『英雄』とそれを迎え撃つ『王』の戦いが始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 誰かが言った。今年の『英雄』は頼りないと。

 誰かが言った。今年の『英雄』は情けないと。

 誰かが言った。今年の『英雄』は華がないと。

 

 

 

 本当にそうだろうか。

 

 

 

『英雄』とは、もっと賢き者だろう。あの知恵の試練のような無様は晒さないはずだ。

『英雄』とは、もっと強き者だろう。今の彼のように容易く転がされるなど言語道断だ。

『英雄』とは、もっと煌びやかな者だろう。今の彼のように薄汚れてはいないはずだ。

 

 

 

 本当にそうだろうか。

 

 

 

 農作業をして土に手を触れれば、手が汚れる。当たり前のことだ。

 

 ならば、彼は何故薄汚れているのだ? 

 

 決まっている。戦っているからだ。英雄譚のように鮮やかに、華やかなまま勝利するなんてあり得ない。

 

 何のために? 

 

 決まっている。自分達()のためだ。彼は、『英雄』は力無き自分たちのために戦って(汚れて)いるのだ。

 

 

 

 

 自分達は、このままでいいのだろうか? 

 

 

 

「……ばれ」

 

 

 自分達も戦場(あそこ)で戦うべきだろうか? そんなわけがない。

 自分達には戦う力がない。だからこそ、ああやって『英雄』が戦っているのだ。

 

 

「がんばれ」

 

 

 ならば仕方ないと言って見ているしかないのだろうか? 自分達には力がないのだから? 

 そんなことはない。自分達にだってできることがあるはずだ。

 

 

「がんばれ!」

 

 

 例えば、ほら。誰かが叫んでいるように応援をするとか。

 

 そうとも。如何に『英雄』といえども本当になんでもできるわけがないのだ。

 

『英雄』といえども人だ。食わずには生きられない。ならば彼のために食事を作ろう。

『英雄』といえども武具なくして戦えない。それらの武具を作るのは『英雄』である必要はないはずだ。

『英雄』といえども無敵ではない。敵の情報などはあった方がいいだろう。ならばその情報、我らが集め伝えよう。

 

 

 

 そうとも。自分達は何もできないわけではない。できることが少ないだけで、できることはあるのだ。

 直接戦うことはできずとも、『英雄』に協力することくらいはできるのだ。

 

 

 

「頑張れ!!」

 

 

 

 とりあえず、今は『英雄』を応援しよう。

 それが、今自分のできる事なんだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

(まいったな……)

 

 

 棍棒剣士と打ち合いながら、青年戦士は胸中で独り言ちた。

 腑抜けた棍棒剣士に活を入れるべく、打ちのめし、至高神の聖女を殺すフリをすることによって『負ければ聖女(大切な者)殺される(奪われる)』と知らしめようとしただけだった。

 

 思惑通り作戦は成功。棍棒剣士に火がついていつもの調子を取り戻したようだった。

 問題は、火が付きすぎたという事だろうか。

 時が経つごとに、一撃一撃打ち合うごとに、攻撃が強く鋭くなっていく。どういうわけか、周りの人々も呼応するように棍棒剣士を応援し始めた。

 これではまるで。

 

 

(本当に『英雄』と『王』の決戦みたいじゃないか。……いや、それでいいのか)

 

 

 想定外の状況に困惑していた青年戦士も、これこそが本来の依頼の目的だったと気付き落ち着きを取り戻した。

 

 

(となると……)

 

 

 棍棒剣士と打ち合いながら、依頼人たる教会長へと視線を向けた。

 模擬戦を始める前は不安げにしていた教会長だが、今は手に汗握るといった感じでこちらを見ていた。

 青年戦士に視線を向けられたことで本来の目的を思い出したのだろう。大きく頷いてみせた。

 

 

(よし。……ココ!)

 

「グゥ……ッ!!!」

 

 

 更に二度三度、打ち合いをしながらタイミングを見計らい、再び強振(フルスイング)により棍棒剣士を吹き飛ばす。

 青年戦士は態勢を崩した棍棒剣士に突撃し、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

「……! ォオオオ!!」

 

 

 民衆の声援(願い)を背負いし『英雄(棍棒剣士)』がそのような勝機(スキ)を見逃すはずもない。

 死中に活とばかりに盾を構えながら突撃。『(青年戦士)』の懐に潜り込んだ。

 

 

 

 棍棒剣士は決して賢い人間ではない。

 子供の頃から強ささえあれば頭の良さなど不要と勉強を放棄し、棒を振り回すことにばかり尽力していた。

 それは、決して難しいわけではないはずの知恵の試練で晒した無様さでもって証明されている。

 それでも。

 

 

痛み(経験)を忘れるほど、バカじゃない!!)

 

 

 懐に飛び込んだことにより『王』の一撃は十全にその威力を発揮できなくなった。その軌道に盾を割り込ませる。

 

 

「オオオ!」

 

 

 盾と大剣が接触した瞬間、突撃の勢い、全身の力のすべてを込めて盾で振り払った(パリィ)

 態勢を崩した青年戦士の胸の中心目掛け全力の突き放ったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

(まだだ! 直撃の瞬間後ろに飛ばれて威力を消された! まだ……)

 

「「「ワアアァ!!!」」」

 

 

 民衆の上げた突然の歓声に棍棒剣士はビクリと背筋を震わせた。それにより今が祭りのイベントの最中であると思い出した。

 

 

「見事! 今一度勝利した『英雄』に大きな歓声を!」

 

 

 慌てて青年戦士に駆け寄ろうとするも、教会長に遮られる。

 

 

「こちらは私に任せて続きを」

 

 

 そう小声で促された棍棒剣士は、苦虫を嚙み潰したように表情を歪めながらも頷き、教会の中へと入っていった。

 

 

「……大丈夫ですか?」

 

「イテテ……まあ、なんとか」

 

 

 去り行く棍棒剣士の背中を見送ってから教会長は青年戦士に声を掛ける。

 青年戦士もそれに応えるようにゆっくりと身体を起こした。

 

 

「お疲れさまでした」

 

「いえいえ。……それに、まだもう一仕事ありますからね」

 

 

 青年戦士のその言葉に教会長は首を傾げた。

 そんな教会長に向けて、青年戦士はイタズラっぽく笑みを向ける。

 

 

「そろそろつきますかね」

 

「え? ああ、そうですね。そろそろかと」

 

 

 青年戦士が大鐘楼へ目線を向けたことにつられるように教会長もそちらへと目を向けた。

 

 この祭りの最後は、『王』に勝利した『英雄』が大鐘楼の鐘を鳴らし、その存在を知らしめることによって終わる。

 

 入り口からの距離的に、そろそろ棍棒剣士が辿り着くであろうと察した青年戦士はその手に持つ大剣を天へと突きあげた。

 その瞬間、街中に鐘の音が鳴り響く。

 

 

「祝え! 新たな『英雄』の誕生だ!!」

 

 

 その声を皮切りに、不死教の街はこの日一番の歓声に包まれたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お前、最後の一撃ワザとだろ」

 

「ハハッ!」

 

 

 ジトリとした目を向けながら問いを投げかけた棍棒剣士に、青年戦士は誤魔化すように笑って応えた。

 

 彼らは今、教会の屋根の上、大鐘楼へと続く通路にいた。

 あれから時間は流れ、既に日も落ち夜となっている。街は後夜祭で賑わっていた。

 冬の夜の空気は冷たく、普段であれば身体が震えそうなものだが、散々動き回り体の火照った二人にとっては、その冷たさが心地よく感じられていた。

 

 

「でも、最後のパリィは見事だったぜ。それは本当だ」

 

「……」

 

 

 青年戦士の素直な賞賛をうれしく思うも、そこまでに至る経緯に関しては当の本人のご膳立てによるものだと思うと複雑にも思う棍棒剣士だった。

 

 

「あー! いた!!」

 

 

 棍棒剣士がなおも言い募ろうとして口を開いた瞬間、それを遮るように少女の声が響いた。

 声がした方を見ると、至高神の聖女の姿がそこにあった。彼女をここまで案内してきたのか、後ろには教会長もいる。

 

 

「皆探してたわよ。主役はどこだって。早く行きましょ」

 

 

 何かを言おうとして遮られたせいか、しばらく口をパクパクとさせていた棍棒剣士だが、一つため息をついて首を振った。

 

 

「……次は実力で勝つからな!」

 

 

 言い捨てるようにそう言うと、棍棒剣士は聖女に引き摺られるようにこの場を去っていった。

 

 

 二人と入れ替わるように今度は教会長が話しかけてくる。

 

 

「改めて、今回はありがとうございました」

 

 

 そう言って彼は頭を下げた。

 

 

「いえ。こちらも報酬は頂いていますから」

 

「そうなんですが、そうではなく」

 

「?」

 

 

 教会長のその言葉に青年戦士は首を傾げる。

 

 

「……不死教の教義、というものをご存じでしょうか?」

 

「いえ……」

 

「いろいろとありますが、要約すれば『懸命に生きよ』というものです」

 

 

 不死教。正確には『()()の教え』というもの。

 その教えの本質は、『生きることは過酷であり、その過酷の中でも生きるための術を教える』ためのものだと教会長は言う。

 

 

「私は祭りが盛り上がりに欠けるのは、『英雄』と『王』の戦いに華が足りないからだと思っていました。でも、それは違ったのかもしれません」

 

 

 そう言う教会長の顔には、恥じらうような表情が浮かんでいた。

 

 

「本来の不死の英雄祭は、今日のようなものだったのかもしれないと、今は思っています」

 

「というと?」

 

「生きることは過酷であり、戦いというものはなおのこと過酷である。ただ生きるだけでも懸命に生きなければいけないのに、戦いの中で華など求めるなどできるはずもありません」

 

「……」

 

「そしてこの祭りで語られるような戦いとは、即ち『英雄』が負ければ民衆も死ぬというもの。なれば、民もまた一丸となり『英雄』の勝利に貢献するべき。それこそが『懸命に生きる』というものなのだと私は思います」

 

 

 そう言われ、青年戦士は思い出す。確かに今日の棍棒剣士はいつもと違ったように思えた。

 人々の声援を受けるごとに一撃が重く、鋭くなっていっていた。まるで、声援を力に変えているがごとく。

 

 

「伝統を継いでほしいと思っておきながら、私自身が伝統を理解できなかった。私は、それが恥ずかしい。でもあなた方が今日私にそれを気付かせてくれた。だからありがとうございました」

 

 

 そう言って教会長は再び深々と頭を下げた。

 

 

「あー……そ、そうだ!」

 

 

 教会長の下にも置かない態度に座りが悪くなった青年戦士は誤魔化すように思いついたことを口に出す。

 

 

「この祭りって不死の英雄祭ですよね? その割には不死要素がない気がするんですが……」

 

「不死要素、ですか?」

 

「死から復活したり、大怪我がすぐに治るだとか……」

 

「え? ああ……ハハッ!」

 

 

 青年戦士の下手くそな話題替えが面白かったのか、あるいは疑問の内容が彼にとって面白かったのか、教会長は噴き出す様に笑い出した。

 

 

「……失礼しました。そうですよね、普通そういう風に思われますよね」

 

 

 教会長は仕切り直す様に一つ咳ばらいをすると疑問に答えた。

 

 

「先程も言いましたが、この不死教は『懸命に生きよ』という教えですからな。この不死は世間一般で思われているものとは違うのですよ」

 

「はあ……」

 

「つまり、生きてない(ノーライフ)故に死なない(アンデッド)ではなく、そもそも死んでない(ノーデス)で不死ということですな」

 

「なるほど」

 

 

 そんな話をしていると街の方がにわかに沸き立った。

 どうやら棍棒剣士たちが街の方に辿り着いたようだ。

 

 

「……私達も行きませんか? 明日懸命に生きるために、今日は英気を養うということで」

 

「……ですね」

 

 

 そう言って顔を見合わせ笑い合うと、二人も街の方へと下りて行ったのだった。

 

 

 

 




不死教
かつてこの地に存在した土着信仰であり、既にこの街以外では伝わっていない宗教。
今よりずっと過酷だった時代において、生き延びるための術を教え伝えていた。
現代においては地母神や至高神といった神の信仰に追いやられ、かなりの部分が失伝されており、その教えのすべてを知る者はいない。



というわけで都市依頼編でした。これを都市依頼と言っていいのかはわかりませんが。

今回のエピソードは私なりの不死の使命や巡礼に対する考察だったりします。

不死の使命や巡礼。アクションゲームとして楽しむだけなら特に何も思わなかったのですが、ダークソウル世界の歴史を考察してみるとなにかおかしいと思いました。

不死の巡礼は、
1.北の不死院から不死人がロードランに訪れる
2.不死教区の教会の鐘とクラーナの住居の鐘を鳴らす
3.センの古城を攻略し、アノールロンドで王の器を授かる

と続いていき、火継ぎへと続いていくのは今更説明するまでもないことだと思います。
ですが、ここでひとつ謎が浮かびました。
何故これほどまでに手段が確立されているのかということです。

このようなことが必要になる時というのは、最初の火が陰った時だと思います。
そしてこのような事態になるのは、ダークソウル1の世界の歴史的に2回目。
1度目は知っての通りグウィンが火継ぎを行いました。
これはダークソウル世界の住人的に神話や神の御業として語られるべきことだと思います。
なのにどうして人ができるように整備されている?ということですね。

そしてもうひとつ。城下不死教区という名付け。
どうして宗教区でも教会区でもなく、不死教区なのか。

この辺を考えるに、不死を肯定的に捉えていた時代があり、不死教という宗教があり、その教義の中に巡礼により英雄に至るという考えがあったのではないかと私は思いました。

この巡礼は、
1.巡礼者は城下不死街の不死教区で巡礼の申請を行い、大鐘楼の鐘を鳴らすことによって巡礼者が現れた事を世に知らしめる。ちなみにそう考えると不死街は巡礼者のための宿場町や拠点だったんじゃないかという考えもあります

2.決められた各地を巡りながら試練をクリアしたり、協力をしてもらったりしながら最終的にイザリスに赴き、こちらでも鐘を鳴らす。そうするとセンの古城への道が開かれる。

3.センの古城を攻略し、アイアンゴーレムを打倒する。ここまでを死なずに達成できるものは英雄と呼ぶに相応しいとされ、グウィンに謁見することを許された。

と、本来ここまでのものだったんじゃないかなと思います。
もしそうであるなら、不死の秘宝がエスト瓶という回復アイテムなのも、いろんな亡者がエスト瓶を持っているのも納得ができます。
『死なないでくれ』という願われていた。巡礼者は何人もいた。今は製法が失われたが故に秘宝扱いされているが、かつてはエスト瓶を作ることはそれほど難しい事ではなかった。ただそれだけの話だったのですから。

謁見した後は、そのまま神族の末席に名を連ねるのか、あるいは銀騎士の一員になるのか、あるいは新たな王権を戴き地上に戻り新たな国でも興すのか。といったところですか。

この辺の考えと、ゲームのシナリオを混ぜ合わせたのが今話のお話となります。





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