この世界には大まかに分けると3つの種族が存在する。北一帯を支配する人間族。南一帯を支配する魔人族。東の巨大な樹海の中でひっそりと生きている亜人族。
人間族と魔人族は長年戦争を続けており、魔人族は個々の力で、人間族は数の力で。大きな戦争こそなかったが、拮抗した状態が長年も続いていた。しかしそのバランスも崩れる事となる。魔人族による魔物の使役によって。
魔物とは野生動物が魔力を取り入れ変質した異形した生命体で、それぞれが強力な種族魔法を使う害獣。今までの常識では魔物を使役することは不可能で仮に出来たとしても、1・2体が限度だと思われていた。しかしその常識が覆され、人間族の数のアドバンテージが崩落。人間族の絶滅が危惧される。
そんな時だった、ある人物の元に神託が来たのは。人間族の神【エヒト】、この世界の人間は宗教政治で発展しており、守護神として崇められている神の提案をすぐに実行。別の世界の人間、まだまだ育ちたがりの高校生1クラス分の子供達(+大人1)をこの世界へと拉致召喚するのであった。
この世界、【トータス】の戦争に紆余曲折あって巻き込まれた【地球】の子供達。トータス世界にやって来たことで彼らの力は、地球でいた時の何倍にもなり、さらには【魔法】と言う力も手にした。とは言っても彼らの殆どが戦争どころか、命の奪う事を知らない学生。
中には剣道などの競技で技を競い合う経験をした者がいても、戦争と言う正義の名の下で容易く行われる殺し合いはないし、そのための戦闘訓練も受けていない。それは召喚した彼らも知っていてか、訓練期間が設けられる。
だが何事にも例外は付きもの。地球から召喚された一人の学生【南雲ハジメ】。
彼は周りの同級生が戦闘職の性能を持ち、トータスの人々を凌駕する身体スペックを持つ中、ただ一人この世界の住人と同じレベルで尚且つ、天職が非戦闘職の【錬成師】だった(非戦闘はもう一人いるが、そっちは戦争時の食糧難を解決する職業)。
それにより、元より彼をよく思っていなかった生徒による虐めが発生。クラスのまとめ役である生徒には努力しないのが悪いと言われる始末。
ハジメだって自分なりに努力はしていた。魔法の適正も無く、無能のレッテルを張られた自分では力では叶わないのを悟って、彼はこの世界に関する知識を集めていたのだ。その矢先、事件が起きた。
訓練の一環で訪れた世界でも有数の危険地帯、【七大迷宮】の一つ【オルクス大迷宮】。騎士団の団長や団員が見守る中、無双するクラスメイト達。ハジメ自身も騎士団が思いもしなかった工夫で魔物を撃破しながら、下へ下へと順調に降りていく。
そして訓練の最終目的地まであと一歩と言うところで、迷宮が彼らに牙をむく。戦いの最中に、壁が崩れ内部に隠れていた宝石が露出。その美しさに女性陣が目を奪われたのを見た一人の生徒が、団長の言葉を無視して回収に向かった。向かってしまった。
宝石はトラップだったのだ。彼らは石橋の上に転送され、骸骨兵と巨大な魔物の挟み撃ちに。団員が生徒を逃がそうと奮闘する中、本格的な死の恐怖に生徒たちはパニックとなり、思い思いに動いてしまう。その事態を収めらるカーストトップの集団や団長は巨大な魔物【ベヒモス】に集中しっぱなし。正確にはリーダーの青年が周りを見れていなく、過剰な自信を持っているのが原因なのだが…………
機転を利かせ自分に出来る精一杯で団長をはじめとした人物を後方へと下がらせ、クラスメイトを安全地帯へ逃げるまでの時間を稼いだハジメ。ベヒモスを唯一自身が使える力、【錬成】でその巨体を埋める(詠唱ありきなら魔法も使える)。
その姿に驚愕の色を見せるクラスメイトだったがありったけの魔法を放ち、ハジメが脱出する時間を確保。しかし放たれた魔法の中に悪意が混じっていた。
ある生徒が放った魔法の火球は途中で曲がり、ハジメへと迫る。咄嗟に立ち止まり直撃を避けたが、後方へと吹き飛ばされた。そこにベヒモスの反撃。こちらも必死の思いで回避したが、ここまでの戦闘で石橋にかなりのダメージが蓄積しており、石橋は崩れ去った。
石橋の崩壊によって奈落の底に落ちたハジメは、今世紀の運全部使ったと言っても過言ではないほどの偶然と奇跡によって生きて残った。そこで遭遇したのはベヒモスが可愛く見える程、凶暴な魔物たち。
中型犬ぐらいの大きさで後ろ足がやたらと大きく発達し、赤黒い線がまるで血管のように幾本も体を走り、ドクンドクンと心臓のように脈打つ不気味な兎。同じく赤黒い線が体に走って脈打ち二本の尾を持つ、大型犬サイズの白い狼。
更に強い、二メートルはあるだろう巨躯に足元まで伸びた太く長い腕に、三十センチはありそうな鋭い爪が三本。先2体の魔物と同じく、赤黒い線を体に走らした白い毛皮の持ち主。地球の生命で似ているのは熊だろうか?
狼の魔物を瞬く間に蹴散らした兎の魔物とは、桁違いの力をハジメの前で見せつけ、その力をハジメに向けて振るう!
爪熊の一撃はハジメの命こそ奪いはしなかったが、左腕を引きちぎり喰らう。あまりの痛みに穴と言う穴から溢れた液体で身を汚しながら、残った右腕を壁に当て『錬成』を無意識に発動。縦50センチ、横120センチ、奥行2メートルの穴をあけその中へと逃げ込む。
それでもなお、ハジメを喰らおうとする爪熊の恐怖に『錬成』を使い、奥へ奥へと逃げ込み力尽きて気絶した。それから数時間後、獲物に逃げられたことに怒り暴れ狂う爪熊の隙を窺い、穴の中に入っていく小さな影が一つ。
まだ乾ききってない血痕の後を辿り横穴の奥へ奥へと進む小さな影。キャンディの様な丸っこい頭部に青い瞳。感情を感じさせないぬいぐるみの様な影は、タボタボの服袖を引きづりながらゆったりと歩みを進める。
横穴の最奥、そこで小さな影が目にしたのは左腕を失った
それからすぐに再び空間の歪み、自身の結界と現実をつなぐ扉を出現させその中から使い魔を呼び出し。ナース服に身を包む使い魔は本物の看護師の様にスムーズに迷いなく、止血。新品の包帯を巻きつけ、毛布を優しくかけ結界の中へと帰って行く。
発見した時よりも安定した息遣いをしているハジメ。その姿を相変わらず真顔で見つめる中、結界の入り口から新たな使い魔を呼び出して外を見張らせる。なにかに怯えるように息を荒げ始めたハジメの頭を優しくなでながら、小さな影も静かに眠りにつく……………
それからどれぐらいの時が立ったのだろう? 少なくともハジメが奈落の底に落ちてから3日は経過した。
(生きてる? ………助かったのか?)
疑問を抱きながらもぼんやりと覚醒するハジメ。目を覚ましたハジメは一気に起き上がろうとして_
「あぐっ!?」
天井に頭をぶつけた。大きな音が洞窟の中に響き渡り、その音によって小さな影はハジメの覚醒を察知。
「シャルロッいったぁ~」
その小さな影を視界に入れた瞬間、ハジメは大きく動揺し、まるで逃げるかのように立ち上がろうとして再び頭をぶつける。
(な、なんでまどマギの【シャルロッテ】がここに!? え?なんで?いったいどうして?)
ハジメは世間一般的に言うオタクだ。両親がそういう関連仕事をしている事も有り、自然とアニメやゲームにのめりこんでいた。だからこそ人一倍目の前の存在に驚き恐怖する。
ー お菓子の魔女。その性質は執着。欲しいものは 全部。絶対に諦めない。お菓子を無限に生み出せるが 大好物のチーズだけは自分で作ることができない。チーズさえ持っていれば 簡単に隙をつくことが出来ただろう。 ー
それがハジメの知る
当の本にはハジメに恐怖の感情を向けられているとは知りながらも、ゆっくりと歩み寄るに歩み寄る。
(来るな!来るな!来るな!来るな!来るな!来るな!来るな!来るな!来るな!来るな!来るな!来るな!来るな!来るな!来るな!来るな!来るな!来るな!来るな!来るな!来るな!来るな!来るな!来るな!来るな!来るな!来るな!来るな!来るな!来るな!来るな!来るな!来るな!来るな!来るな!来るな!来るな!来るな!)
恐怖のあまり腰は抜け、言葉を発することが出来ない。やがて目をつむり、歯を食いしばる。ハジメにはもう、抗う気力すら残ってはいなかった。
「え?」
やがてハジメが感じたのは痛みではなく、優しく頬をなでる布。恐る恐る目を開けると眼前に広がる無機質な顔が流れる涙を優しい手つきで拭い取る姿。ハジメから距離を取ったシャルロッテは振り返りゆっくりと右手を差し出す。
困惑の表情を浮かべながら、恐る恐ると右手を伸ばす。やがてハジメは自身の何倍も小さな腕を優しく、しっかりと握りしめたのだった。
この一つの出会いがハジメの未来をどう変化させるのかは、ここからのお話。
悩みに悩んだ結果、本作のハジメはハーレムルートには行きません。√は決まってますがハジメヒロインがシャルロッテじゃないってことは言っておきます。
小説パート(主人公以外の視点)
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いる
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いらない