結末は決めていましたが、想定以上にさらさらと書けたのはびっくり
とある企業が所有するEランクのプライベートダンジョン。
ここには多額の借金を重ねた債務者が冒険者として雇われ、借金を返すまで労務を続けていた。
いわゆる屑の見本市のような場所であり、最低限の食事と借金を背負った探索者用の通貨"エクカ"を給料として与えらている。
囚人たちは首輪の魔道具を取り付けられ、人権も何もないような環境で働くことを余儀なくされる。
俺――歌川政信は、そんな地獄へと叩き込まれた。
政信はここに叩き込まれた経緯を思い出し、未だ憤懣やるせない。
そりゃ、蓑草鞋に手を出そうとしたさ。ただアイツは"蓑の妖"って、隠れるスキルを持っていたから隠れれて逃げたんだよ。
他のモンスターに探すように命じても言うこと聞かねぇし、諦めたんだよ。ヤれなかったんだから問題ないだろうが!!
それにモンスターに何をしたって法には触れないんだ。何が問題あるって言うんだよ!!
殺さないんだ!!グラディエーターよりはマシだろ?(本業のグラディエーターが聞いたら怒り狂います)
クソ、トラめ俺の言い分を聞いたら思いっきりぶん殴りやがって……ポーションで直したのにまだ痛むじゃねぇか
真那も気を使うべきは殴られた俺だろうが、どうして殴ったトラを心配するんだよ。
ジジイ共、俺のカードを奪いやがって!!
そりゃ、Cランクはババアから借りたモンだよ。なんだよ買い取れって、1億だ?そんな金あるわけないじゃないか!!
1億払うまで俺のカードを差し押さえるってどういうことだよ。
手持ちのカードはすべて奪われ、渡されたのはDランクオークとEランクのゾンビ2枚だ。
トラめ、爺さんにチクリやがって、クソが、帰ったらただじゃ済ませねぇ。
そう考えている政信に怒鳴り声が響く。
「マサノブゥ―――さっさと偵察行かねぇか!!そんな屑カードしかもってねぇ屑のテメェの仕事ださっさとやれ!!」
「ハィィィィィイ!!」
班長と呼ばれる男の怒鳴り声に情けない声を上げる政信。マップ、携帯電話それらを与えられない探索は非常に難航し、イレギュラーエンカウントに会おうものなら何もできずに死にかねない。
最悪な環境、最悪の状況行かなければ班長から殴られる。
故にぐちぐちと言いながら、偵察に向かう政信。先にモンスター――ゴブリンが5体ほどいることを確認すると班長の所に行き報告をする。
これで自分の仕事は終わりかと思ったら、激怒した班長からぶん殴られた。
「とれぇんだよ!!ゴブリンぐらいさっさと始末してこんか!!」
班長の理不尽な命令と暴力。
このダンジョンでは首輪の魔道具の効果によってバリアが改造されており、班長などの上位者であれば下位のメンバーを殴ることができるのだ。
殴り飛ばされた政信は班長を呪いながら、ゴブリン退治へと向かう。
「畜生……何だってオレがこんな目に」
政信の愚痴を耳ざとく聞きつけた班長が再度怒鳴り声をあげる。
これ以上殴られてはたまらない。政信は走ってその場を立ち去った。
その後ろで同じような屑たちがにやにやと笑いながら見つめていた。
ちょうどいい身代わりのサンドバックが来たとでも言いたげに
少し前まではキャバクラに行ったり、彼女とデートしたりと言った充実した大学生活を送っていた。それが、トラがチクったせいでこの様だ。
復讐心を滾らせても、ここから脱出するチケットにはなりえない。
この後、政信はボスモンスターの囮兼盾に使われたり、チンチロでエクカを巻き上げられたりしながら、この地下で過ごすことになる。
政信がこの地獄から抜け出すことができるかどうかは未だ分からない。
とりあえず、地下〇〇に出荷。
屑同士の足の引っ張り合いで恐らく帰れない……