宇宙戦艦ヴンダー 《Reise zu einem Wunder》   作:朱色の空☁️

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発進回の1歩手前です。

車校ダルい_(´ཫ` )⌒)_
でも書くのは楽しいです。٩(๑•ᴗ•๑)۶
ではお楽しみください


取り巻く縁環

第2話

 

 

「お姉様が生きてるって本当?!」

珍しく整頓された暁・睦月研究室に飛び込んできたのは息を切らしたユリーシャであった。その原因の主はリクで、キリシマが帰還したのを藤堂長官から聞いたリクは、その場で使者の生死についても質問していた。その結果をユリーシャに話したことでこうしてアポ無しでユリーシャが飛んできたのだ。

 

「ああ。意識は戻ってないけど確かに生きているよ。」

 

「良かった…!」

張っていた気が途端に切れてユリーシャはへたりこんで嬉し涙を流した。

 

それを支えるリク。

 

「今は軍病院の個室で眠っていてずっと体調をモニターされている。お見舞いに行く?」

 

「行きます。」

笑みを浮かべたユリーシャは女神と言われても差し支えない程だった。

 

「うん、それじゃあ私から藤堂長官に許可を貰おうか」

たまたま来ていた真田さんが言うが早いか受話器を取り、藤堂長官に電話をかけ始めた。

 

「でも一応軍の病院で軍関係の人が多いわ。ユリーシャさんのことを知らない人も多いからちょっとその格好はマズイわね。私の制服の予備あるからそれ来てこっか。」

 

 

こうして、4人は制服を来て軍病院に赴いた。

 

 

 

 

ざわ...ざわ...

「あの人たち姉妹?メッチャ美形なんだけど」

「ていうか睦月主任じゃん、でもあの人暁主任二めっちゃ似てるし」

「しかも横に真田さんがいる?!まさかあの見知らぬ金髪美少女は真田さんの親戚?!」

 

 

 

 

 

 

ここまでザワザワされるのは想定外だった。ユリーシャさんとハルナの顔面偏差値が近すぎて姉妹のように見られてしまってる。オマケに真田さんがいることで、周囲の人の想像がどのように暴走したかは分からないが

「あの金髪美少女士官は真田さんの親戚」って事になってしまっている。

 

 

 

2人が『誰でもハートを狙い撃ち出来る顔面凶器』だったのを改めて知った…。

 

 

 

「なかなかカオスな状況だね…」

「リク、カオスって何?」

「混沌って意味だよ…」

「噂話が加速度的に広まっていくな、刺激的ならなんでもアリか…」

 

 

いやいや、これはナシよりのナシでしょ真田さん。

でも、着替えたことによって、「姉妹説や親戚説ができてしまったが」ユリーシャが軍病院に入っても変な目で見られることは無かった。

 

4人は、サーシャさんを診た医師に連れられて病室まで歩いている。

「藤堂長官からお電話を頂きましたが、本当に驚きましたよ。お2人がこんなに姉妹みたいに見えるなんて。」

 

「あはは。ハルナ、言われっぱなしだね、私たち。」

「髪の色統一したら分からなくなりそうだね。欺瞞工作してみる?」

「面白そう…!」

 

いや2人とも何考えてんだ?それは実行するなよ。

 

「でもユリーシャさんも制服着てきたのは良い判断だと思いますよ。さあ、こちらです。」

 

気づいたら病室の前に着いていた。

 

病室の中は消毒液の独特な匂いに占拠されていた。心電図モニターと呼吸機の規則的な音。命を刻むリズムに支配された空間は入る者の顔を真剣な面立ちに描き換える。

 

「お姉様は生きてるんだよね…」

 

「ああ、確かに生きているが、まだ目を覚まさない。原因は不明だ。」

 

「ですが真田さん、サーシャさんの脳波は地球人では見たことの無い波形を示しています。私としては、コレが鍵かと思われます。」

 

こればかりは地球の医療もお手上げだ。眠ったままのイスカンダル第2皇女サーシャ・イスカンダル、長い長い夢を見ているのか、あるいは…。

 

「お姉様と一緒に帰れるのよね?」

 

「ああ、wonder計画にはイスカンダルからの使者を丁重に送り届けることも含まれている。たとえサーシャさんが目を覚まさなくても何らかの方法を使って船に乗ってもらい、必ず送り届ける。」

 

「イスカンダル王室として、改めて、地球の皆様にお願い致します。」

 

いつものユリーシャとは違う、「皇族としてのユリーシャ」はどこか威厳のある雰囲気だった。

 

「お任せ下さい。地球人は恩を仇で返すような種族ではありません。必ずやあなた方の故郷に送り届けてみせましょう」

 

リクが真剣な顔でこう返した。

 

「あらあら、リクはユリーシャさんの騎士かな?」

「僕は真面目な方だぞ?」

 

「あらあら照れちゃって~」

 

「3人ともここは病室だよ。彼女が寝ていても静かにしてあげないと。」

 

真田さんが場を収めたことで、サーシャさんのお見舞いはお終いになった。

こうして4人は帰路に就いた。のだが…

 

 

 

 

「提督にお聞きしたいことがあります!!」

 

「ん?なんだ?」

「こっちから聞こえるね。」

「提督って確か沖田さんのはずだが。ここにいらしてるのか?」

 

声の聞こえた方の通路を覗いてみると一人の男が診察室に半ば強引に入っていく様子が見えた。

診察室を覗いてみると、沖田提督と彼の主治医の佐渡酒造先生、そして1人の青年がいた。

 

「ねぇ、何かあったの?」

ハルナはドアの外にいた短髪の青年に事情を聞いてみた。

「ああ、メ号作戦が陽動だってことを、司令部付きの人の立ち話で耳にして、今カッカしてるんですよ、アイツ。ところで貴方は?」

 

「ああ、自己紹介が遅れてごめんなさい。私は暁・睦月研究室の暁ハルナです。階級は一等宙尉です」

 

「自分は島大介三等宙尉です!暁一尉、先程は失礼しました」

(なるほど、島くんだね。礼儀正しい人だね。)

「そんな階級付けたり固くなったりしなくて大丈夫。多分歳近いから、私のことは普通に呼んでほしいな」

 

「僕は、彼女と同じ研究室にいる睦月リク。同じく一等宙尉。でも階級は気にしないで欲しいな」

 

「私は幕僚監部所属、真田志郎だ。そこの彼は恐らく古代進くんだね?」

「はい、古代守さんの弟です。」

(なるほど、なら真実を話した方が良さそうだな)

 

 

真田さんはすぐに行動を起こした。病室に入り、古代の肩に手をおき、一旦落ち着かせた。

「沖田提督、彼がこうなるのも無理はありません。1度私たちの方で、彼ら2人に『あの計画』について伝えてもよろしいでしょうか?」

 

 

「…分かった、私の方から藤堂長官に事情を話しておく。真田くん、あとは頼む。」

「了解しました。」

 

「なんなんですかあなたは…」

 

「まぁまぁ落ち着いて。真実を知りたくないかな?」

「じゃあ島くん、君も行こうか。」

「は、はい。」

 

 

こうしてお客さん2人を連れた状態で、4人は研究室に戻って行った。

 

 

 

 

 

 

「それじゃあ最初から話していこっかな」

「はい、暁さん、睦月さん、真田さん、お願いします。」

古代と島は暁・睦月研究室にいた。メ号作戦の真実、そして極東管区がこっそり進めていることについて聞くためだ。

極秘のため、外部に漏らさないという誓いのもと。

 

 

「まず今から8年くらい前にガミラスが太陽系にやってきた。彼らに立ち向かった国連宇宙軍は、技術の差に敗れて大敗。でも第二次火星沖では辛勝したけど。ここまでは君たちも知ってるはず。その頃極東管区では地球からの脱出船として巨大な船が設計、建造されていた。それが『buße』という贖罪の名を冠する1隻の船。贖罪計画とも言われてたね。それの設計者は私とリクよ。」

 

 

「そうなんですか!?」

「うん、全長2500mの翼を持つクジラみたいな船だよ」

 

「そしてbuße設計後建造が進められてたんだけど、今から1年前に、地球から168000光年離れた星、イスカンダルから1人の使者がやってきた。それが彼女『ユリーシャ・イスカンダル』だ。彼女は僕達にイスカンダルからのメッ(ry…」

 

 

「ちょちょちょちょっと待ってください!リクさん、そこで国連宇宙軍の制服着てる美女がイスカンダル人ですか?!」

 

 

 

「うん、他の星の人がここまで僕達に似てるのは確かに驚くよね。でも事実なんだよ。そして出身が違う者同士でも仲良くなれることもまた事実だ。あ、制服の件は後で話すよ」

 

「美女なんて、言われるとなんか嬉しいね。」

ユリーシャは笑顔だ。と言ってもいつもの事だが。

 

 

「それじゃあ説明に戻ろう。ユリーシャさんが持ってきたのはメッセージと波動エンジンという『ほぼ永久機関』の設計図だ。メッセージによると、イスカンダルには放射能を除去できる装置があるらしい。僕達はそのメッセージを信じて、bußeを改造。世界中の協力を得て、恒星間航行ができる宇宙戦闘艦『wonder』を生み出した。ざっとこんな感じかな」

 

「そしてメ号作戦のことなんだが、陽動であることは極秘であった。私は君の兄、古代守に伝えることが出来なかった。その真の目的は、イスカンダルから波動コアを運んでくる使者から波動コアの受領。君たちが保護したイスカンダル人『サーシャ・イスカンダル』だ。今は軍病院で眠っている。私たちが病院にいたのは彼女のお見舞いをするためで、ユリーシャが制服来ているのはイスカンダル出身である彼女が怪しまれずに軍病院に入るためだよ。」

 

 

「兄に会っていたのですか?!」

今まで静かに話を聞いていた古代が声をあげた。

「ああ、最後に彼にあっている。彼からコレを預かった。」

そう言って、真田さんはポケットから「中原中也の詩集」を取り出した。

 

「これは、兄さんが読んでいた詩集…」

「守は帰って来れないことを悟っていたかもしれない。だからコレを私に渡したのだろう。古代くん、彼に作戦の真実を伝えられなくて本当にすまない。」

 

真田さんは頭を下げた。

 

「真田さん、顔を上げてください。自分はあなたを恨んでいません。ただ、最後まで兄の親友でいてくれて、ありがとうございます。」

 

真田さんの心が救われた瞬間だった。彼自身、メ号作戦が陽動であることを親友に伝えられなくて後悔していた。今こうして古代進に会えたこと、全てを話せたことで真田さんの心は幾分か軽くなった。

 

「ここまでで何か気になったことはあるかしら」

古代が手を挙げた。

「じゃあ1つだけ。何故ユリーシャさんと仲がよくなったんですか?」

 

「あ〜、それはね、wonderの改設計をしてる時に波動エンジンの事で質問しに行ったのがキッカケなのよ。2人とも波動砲条約は知ってるよね?」

 

「ええ、まぁ。」

 

「あの条約は私たちの発案なの(あ、これはナイショね)」

「「ええ!」」

 

「波動砲は私たちの故郷イスカンダルでは禁断の力なの。それで悪しき時代を作ってしまった。それを地球で再現されたら私たちと同じ愚行をしてしまう。だから前もって回避したかったのよ。」

 

「そして条約関連で話していたらここまで仲良くなったと…」

「まぁこんな感じだね」

 

 

「他には?」

 

「大丈夫です…情報詰め込みすぎでオーバーヒートしそうです。」

「おっと大丈夫?」

 

 

「じゃあもう遅いからこの辺でお開きにしようか」

若干脱線気味なこのお話会は真田さんの言葉でお開きとなった。

 

「また何かの縁で会うかもしれない。じゃあまた、古代。」

「はい、真田さん。」

古代と島の2人は帰路に着いた。心無しか彼の雰囲気が柔らかくなっていた。

 

 

 

 

「真田さん、あの船に乗せる人員はどうするんですか?」

「一応新兵も乗るかもしれない。人手不足だからな。でも、宙佐クラスの人は何人か乗せたいな。」

 

「でも、私たちがどうこう言っても無理なものは無理ですよね」

「でも、あの人たちと一緒に乗りたいよ!」

ユリーシャはあの二人が気に入ったようだ。

 

 

 

 

古代は自分の住居である『極東管区第3地区22番団地6号棟402号室』に戻った。

 

(兄さん…ただいま)

 

誰もいない部屋に1人、兄を失った古代は後を追おうとは思わなかった。いや、暁さん、睦月さん、真田さんと話をしていなかったら自分は狂ってしまっていたかもしれない。ひたすら憎悪に駆られてそのままになってしまってたかもしれない。

ベットに仰向けになり目を閉じる

「兄さん、あの人たちにまた会えるかな…」

 

(奇妙な縁だけど、すぐに会えるさ)

「…!兄さん!」

兄の声が聞こえたかと思ったが、すぐに目を閉じた。

 

 

数分後、国連宇宙軍用の携帯端末にメールが入った。

内容は、明日極東管区本部ビル正面に集まるようにとの事だった。

 

 

 

 

 

 

一方、ハルナとリクは…

「ハルナ、リク、君たちもあの船に乗るつもりかい?」

「もちろんです。あの船を作った者たちとして、最後まで見届けます。」

「ケジメは最後までつけます。」

 

2人の決意は硬かった。

 

「多分、藤堂長官か芹沢軍務局長から要請が上がってくるから準備しておいた方がいいね」

 

 

「そうですね。久しぶりに自宅に帰るとしましょう」

「研究室暮らしが長かったですからね」

この2人はbußeからwonderへの改設計以来、家に帰っていない。一応ガスと電気は止めてもらってるが、大事なものは全部家に置いたままだ。

 

 

 

2人は久しぶりに家に帰っていった。

 

 

 

 

 

同時刻、ユーロ管区エプシロン社

 

「君の依頼通り、波動砲の欠点改善用のデータは渡したよ。アカギ博士」

エプシロン社本社ビル執務室にて、カイン社長とアカギ博士が話していた。

社長はお気に入りのコーヒーセットでコーヒーを入れている。ちなみにオムシス製のコーヒー粉末ではなく、社長のコレクションの豆で入れてある。こだわりがよく見える。

 

 

「ありがとう、カイン。あの天才たちはちゃんと改良できたと思うわ。」

「その根拠は?」

「特にはないわ。研究職としての勘よ。」

「またいつものよく当たる勘か。そういえば、君もあの不死鳥に乗ると聞いたんだが。」

「あら、耳が早いわね。私は外宇宙とガミラスに興味があるからよ。それとあの船の未確認骨格…研究者として、興味をそそられるわね。」

「でも、要請も何も来てないのにどうやって乗るんだい?」

「コネよ。波動砲の改善データの見返りとして乗せてもらうの。」

狡猾な赤木博士、手段は選ばない。でも、自分の見たいもののために真っ直ぐである。

 

「欲望忠実博士…」

「うん?何か言ったかしら…?」

「いや、なんでもない。」

 

「あと、2人連れていきたい優秀な人材がいるの」

「それは誰だい?」

 

「1人はユーロ管区の局地戦闘機乗り。17歳でエースパイロットまで登り詰めた努力家よ。名前は『式波・アスカ・ラングレー』ドイツと日本のクォーターよ。彼女の戦闘シミュレーションのデータがコスモファルコンの操縦システムの一部になってるの。」

 

「とんでもない人材を連れてくね君は。それでもう1人は?」

 

「もう1人は私の同僚なんだけど24歳の日本とイギリスのクォーター、4分の1イギリス人。大学飛び級で今は私の研究室で副チーフを務めてる『真希波・マリ・イラストリアス』よ」

 

 

「君は一体何がしたいんだ?」

 

 

「分かりやすいことよ。あの船の秘密解明とガミラスを知ることよ。」

 

 

 

「死なないようにね…」

 

「真実を知れずに死ぬのはゴメンだわ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

取り巻く縁の力で引き寄せられる人達。

彼らは1羽の不死鳥に集う支度をするのであった。




赤木博士が船に乗ります。
アスカ&マリも乗ります。
真田さんと赤木博士が意見交換したらヤバい兵器が生まれそうですww

アスカは原作に則って戦闘機乗り、マリは、原作では碇ユイさんと研究室にいたという話があるので研究職になりました。


あとTwitterやってみます
進捗ちょこちょこ上げよっかなと考えてます。
投稿予告とかすると思う。


https://mobile.twitter.com/TJ2gQhbg3f4uar6
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