宇宙戦艦ヴンダー 《Reise zu einem Wunder》   作:朱色の空☁️

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発進回、後編です。
ここで主がやりたかったことその1をやります。


【挿絵表示】

☝️Wunderの挿絵です

主のTwitterです
こちらでも公開します。
https://mobile.twitter.com/TJ2gQhbg3f4uar6


我赴くはソラノカナタ

『現在、衛星軌道ドック周辺にガミラスタイプ駆逐艦、巡洋艦クラスの艦艇を確認』

 

艦内に鳴り響く警報音とともにMAGIシステム3rdの人工音声が鳴り響く。

航海艦橋に向かう古代と沖田艦長。艦長室から艦橋までそこまで距離はなく、2人は無重力空間を器用に泳いで艦橋にたどり着いた。

(まだエンジンはかかってないので慣性制御はされていない)

 

「状況報告!」

航海艦橋に入るなり、沖田艦長は席に着いていた士官に命じた。

 

「ドック周辺にガミラスの駆逐艦、巡洋艦を確認しています数2、距離15000。」

索敵用レーダーの席に座っていた船務長の森雪が答えた。

「到達までの時間は?」

「推算すると1200秒かと」

副長席に座っていた真田さんが、距離とスピードからざっくりと計算した。

 

「ドックの防衛システムは?」

「ドックの防衛システムは高圧増幅光線砲、奴らには傷もつけられませんよ!?」

砲雷長の南部康雄が分かりきっていることを答えた。

 

 

 

「沖田艦長、ここは奴らに牙を剥いてみるのはどうでしょう?」

「強行発進という手もありますが...?」

リクとハルナも航海艦橋に飛び込んできた。

 

「「ええぇー!!」」

 

古代と沖田艦長、ハルナとリク以外が叫んだ。いきなり発進しようというのだ。叫ばないのは異常である。

 

「いきなりの実戦は無茶ですよ!」

「本艦の操舵は未経験です、上手くいくか分かりませんよ!」

 

 

「かけてみようじゃないか、皆。」

徳川機関長が声をあげた。

「ここでダメだったら全て終わりじゃ。なら儂はやってみたいぞ。幸いにも、波動コアの接続準備は完了しておる。あとは大電力をどこかから調達するだけじゃ。そのあてもあるんじゃろう?お二人さん?」

 

「もちろんです。真田さん、送受信システムの準備をお願いします。」

リクが不敵な笑みを浮かべ真田さんに頼む。

 

「.......分かった。ここは、かけてみよう。」

 

 

「全艦、発進準備!! 主機、点火準備!!!」

 

 

「了解!!」

沖田艦長の号令の元、Wunderは強行発進の準備に取り掛かった。

「波動コアは2つじゃ! 暁くんは左舷、睦月くんは右舷に向かってコアの装填をしてくれ!」

 

「「分かりました!!」」

 

航海艦橋を飛び出した2人は二手に分かれて、波動エンジンの元に向かった。

 

 

2人が駆け出していくのを見届けた沖田艦長は、

「総員、第一種戦闘配置!」

 

第一種戦闘配置の宣言を行った。

 

「了解、第一種戦闘配置発令。艦の主制御を戦闘艦橋に移行、座席ロック解除、ヒルムシュタムタワー移動開始!」

真田さんが安全装置を解除して、榎本さんが押したものと同じボタンを押した。

 

座席ロック解除音とともに警報音が鳴り、航海艦橋の床全体が大型アームで持ち上げられる。そして大型アームに取り付けられているサブアームが各員の座席の床と接続される。各員が戦闘艦橋全体に等間隔に配置されるように、サブアームによって立体的に移動していく。

 

 

そして、重重しい音が響いて戦闘艦橋のロックがかかった。

 

直後に全天周式スクリーンに戦闘艦橋の起動を示す英文が表示され、瞬時にドック内部の映像が表示される。

初回起動時とは違い、プログラム等は表示されてない。

しかし、全天周式スクリーンの中心に赤いラインの羅針盤と高度を示す目盛りが表示されている。

 

 

「これは...!」

通信士の相原義一が驚きの声を上げた。

「暁くん自慢の戦闘艦橋システムだ。敵を直接視認出来ることを目指した答えだよ。さて、発進準備を進めようか。」

 

「了解っ!ドック内部の整備員を全員艦内に退避させます!」

 

『Wunderはこれより強行発進を行う! ドック内の作業員は直ちに現作業を中断。全員艦内に退避せよ! 繰り返す現作業を中断し、全員艦内に退避せよ。』

ドック内部に響く緊急連絡により、ドック内の作業員は艦内に待避していく。

 

「森、敵艦の様子は?」

「距離10000、こちらを伺ってるものかと思われます。」

 

「敵はまだドックと判定した訳では無いのか...?」

 

「だが、いずれ敵側も攻撃を仕掛けてくるだろう。真田くん、送受信システムの準備は?」

 

「ドックの受信レクテナは立ち上げが完了しています。現在、変換システムの最終チェック中、まもなく終了します。あとは送信側の準備完了を待つだけです。」

「真田副長、どうやってエンジン始動用の電力を得るんですか?」

古代が頭に「?」を浮かべて質問する。

「フッ、良い方法だよ。相原通信士、極東管区に繋いでくれ。」

思わせぶりな笑顔を見せながら、相原に通信を繋ぐように頼む。

「了解、繋ぎます!」

 

スクリーン前方に通信ウィンドウが開き、藤堂長官が映った。

 

『おお、沖田くん』

「長官、電力の方はどうなっていますか?」

 

『現在、極東、豪州、北南米、東アジア、ユーラシア管区で最終準備が行われている。ユーロとアフリカは地球の反対で射角が地球を掠めてしまう。そのため、ユーラシア管区に送信システムを臨時で設置して、所有する全輸送船の核融合機関で電力を賄っている。もう少し待ってくれ。』

 

「分かりました。ですが、あまり時間がありません。」

 

『分かっている。こちらでも送信準備を急ぐ』

 

「徳川くん、両舷機関室の方はどうなっている?」

「少々お待ちを、機関室!状況は?」

 

徳川機関長が自分のコンソールに通信ウィンドウを2つ開き、状況の確認を行った。

 

 

『こちら左舷機関室! たった今、波動コア装填準備完了です!』

機関士の山崎奨が持ち前の大きな声で準備完了の旨を報告した。

「同じく右舷機関室! こちらも準備完了です!』

機関士の薮助治が真剣な顔と口調で応える。

 

「艦長! 両舷とも準備完了とのことです!」

「よし、送電システムは?」

 

『先程、国連本部から連絡に入った。全管区、準備完了とのことだ。』

 

「分かりました。こちらも波動コア装填はいつでも可能です。」

 

 

 

 

 

一方、ドックと思わしき物体を光学で確認したケルカピア級とクリピテラ級はひたすら観測を行っていた。

 

『艦長、観測結果が出ました!前方の小惑星らしき物体の内部に大規模な空洞を確認!』

ザルツ人士官の1人が艦の観測機器を使用して前方の小惑星の正体を暴いた。

『内部スキャン完了! 推定全長2000メートルの巨大な鳥型の戦艦が格納されてます!』

 

『艦長、黒ですね』

クリピテラ級の副長が険しい顔をしながら艦長に攻撃を促す。

艦長が頷く。決断は下される。

『全艦に通達! テロン衛星軌道上の小惑星を艦船ドックと断定! マルス沖で潜伏中の本隊に通達! 全艦戦闘態勢! 陽電子カノン、魚雷発射準備!』

 

そして、ガミラス艦から最初の一撃が放たれた。

 

 

 

 

 

ドガァン!!

 

「何だ!」

「状況報告!!」

「ドックの管制塔が破壊されました! ガミラス艦からの魚雷攻撃によるものかと思われます!」

森船務長が素早く応える。

「ドック制御システムオフライン! ゲート展開不能!」

真田さんも報告する。今まで遠隔で制御していたドックのシステムが攻撃によって切れたのだ。

「これじゃ発進できませんよ!」

南部砲雷長が悲観的な言葉を発する。

 

 

「艦長! 古代戦術長意見具申!」

そんな時、古代が沖田艦長に提案をした。

「聞こう」

「波動エンジン始動後、ショックカノンにエネルギー伝達、正面方向への一斉射撃でゲートを破るべきと考えます。」

 

「開かないなら壊せって事ですか。でもいけるんですか?」

気象長の太田健二郎が疑問を浮かべる。

 

「可能だ。だが、やたらめったら撃ってもこちらに被害が及ぶ可能性がある。AU-09!」

真田さんが呼んだのは一体のロボットの名前だ。

『番号ナンカデ呼ブナ! 「アナライザー」ト呼べ!』

「ショックカノン18門一斉射でゲートを破壊するためにはどの部分を狙えば良いか直ちに計算してくれ。」

 

「了解! MAGIシステムと連携シマス!」

彼はAU-09、通称アナライザー。Wunderに搭載されているサブコンピュータだ。計算能力はMAGIシステムには1歩劣るが、アナライザー自身がロボットで会話可能なため、直接計算内容を伝えれば即計算開始できる。即応性に長けるのが彼の強みだ。

 

「アナライザーが計算完了するまでに準備を進めるぞ。徳川くん、波動コアの装填を!」

「了解! 両舷とも準備は良いか!」

 

『はいっ!』

『行けます!』

 

防護服を来て準備万端なハルナとリクが通信ウィンドウ越しに応えた。

 

「じゃあ行くぞ!カウント!5!4!3!2!1!」

 

ガッコン!

 

『『せーのっ!』』

 

カチカチカチ!

 

両舷とも全く同じタイミングで波動コアがエンジン内部の『波動コアコンジットベイ』に装填、回路が接続された。

 

 

『両舷、波動コア接続を確認! 後は電力です!』

山崎さんが機関室の集中制御ブースで両舷の波動コア接続を確認した。

「お二人さんよくやってくれた! 直ちにエンジン内部から退避してくれ!」

徳川機関長が退避を促す。

『『はい!』』

「よし、『ヤシマ作戦』発動!」

 

『うむ!送電シークエンス開始!!』

 

 

 

 

『ヤシマ作戦』

 

かつて戦国の世、源平合戦。屋島の戦いで那須与一は平家側の姫君が船上に掲げた扇をその矢ではね飛ばした。

 

そして今、人類を救うべく飛び立つ船に力を与えるべく、ドック外設の受信レクテナに向けて狙いを定めて大電力が送られる!

 

 

 

 

《地球》

 

「ヤシマ作戦発動! マイクロ波送電準備! 第一次接続開始!」

 

「了解! 各管区の一次及び二次変電所の系統切り替え。全開閉器を投入。接続を開始!」

 

「各管区発電設備は順次運転開始、出力限界まであと0.2」

「電力供給システムに問題なし」

「全インバータ装置に異常なし!」

「第1次遮断システムは順次作動中」

「各管区、全送電回路開きます!」

「電圧安定!」

 

「第二次接続開始します!」

「全管区、第1から第11変電所に投入開始」

「電圧変動幅問題なし!」

「電力低下は許容数値内、問題ありません!」

「第三次最終接続!」

「了解、全電力、超高出力マイクロ波送電システムへ!」

「全開閉器投入準備!」

「送電準備完了!」

 

 

《Wunder》

「マイクロ波受信レクテナ問題なし! 地球自転、ドックの軌道周回速度との誤差、リアルタイムで修正中!」

「マイクロ波減衰率、許容範囲内!」

「全変換システム、1番から20番まで準備よし!」

「波動エンジンとの給電接続問題なし!開閉器に異常なし!いつでも行けます!」

 

 

「長官、受信準備完了です!」

 

『よし、カウント開始する! 10! 9! 8! 7! 6! 5! 4! 3! 2! 1!』

 

『送電開始!!』「送電開始!!」

 

その時、7本の極太マイクロ波の束が、地表の送信アンテナから放たれた。それは大気を紫に焼き、大気中に壮大に放電しながら宙へと登っていく。

 

それは空へと昇る龍のごとく。宇宙からも確認できるマイクロ波の龍は、ドックの受信レクテナに向かってひたすら登っていく。

 

 

 

そしてその光景は、ガミラス艦からも確認できた。

 

 

 

『惑星テロン地表より、マイクロ波発射を確認!』

『マイクロ波?! 攻撃では無いのか?!』

 

『マイクロ波の予測着弾地点算出! これは..! 敵艦船ドックです!』

 

『そうか! マイクロ波を発射したのは無線でエネルギーを送るためか...!』

 

 

気付いた時には遅かった。何者にも邪魔されることなく空間を突き進んだマイクロ波の束は、ドック外設の受信レクテナに飛び込んだ。

 

 

 

 

再びWunder戦闘艦橋。マイクロ波受信を受けて、変換システムは膨大なマイクロ波を整流、莫大な電力に変換していた。

 

「変換システム正常! 現在、180000000ギガワット!」

「波動エンジンとの回路接続! 全開閉器投入!」

「了解! 接続します!」

 

「波動エンジンに電力流入あり! 起動電圧まであと0.2.....0.1.......」

 

 

波動エンジン起動に必要なのは極めて莫大な電力である。しかし、地球上の全管区がまたもや力を合わせて今度はWunderに電力を送った。

 

 

 

そして、船が目を覚ます時が来た

 

 

 

「起動電圧突破します!!」

さあ、目覚めの時だ。Wunderよ...。

 

「フライホイール始動!」

沖田艦長が高らかに声を上げる。

 

「了解! フライホイールロック解除! 回転開始します!」

 

 

Wunderの双胴式波動エンジンのフライホイールが回り始める。最初はゆっくり、でも力強く回り、あっという間に高速回転に達しエンジンが唸りを上げていく。

 

それはWunderの雄叫びのようにも聞こえた。

 

 

 

「「命が.......吹き込まれていく.......!」」

 

 

 

左舷機関室でハルナはそう呟いた。誰にも聞こえない程小さい声だったがそれは間違ってはいなかった。

 

 

『フライホイール回転数上昇! 5000! 6000! 7500! 9000! 12000!』

 

どんどん回転数が上がるフライホイール、思わずその場で見とれてしまう光景を見つめる機関士達。しかし彼らは計器を見なければならないのでコンソールが敷き詰められてるブースに詰め、波動エンジンの始動を見守る。

 

 

『来ました! フライホイール充填102%! 臨界突破!』

 

 

「始動、最終段階です!」

 

 

「了解! 島航海士!準備は?」

 

「こうなった以上覚悟は決めました。いつでもどうぞ!!」

決して「どうにでもなれ」という口調ではない。

覚悟が決まった目をしていた。

 

「アナライザー? 計算結果はどうだ?」

 

『ショックカノン18発一斉射デ、ドック正面ゲートを破壊スルタメニ射撃スルベキポイントハ.......確定シマシタ!! 前方スクリーンに表示シマス!』

 

アナライザーとMAGIシステムの計算も完了、計算結果に基づき、射撃するべきポイントが前方の映像に重ねる形で18箇所表示される。

 

 

「アナライザー、よくやった。」

沖田艦長が彼を褒める。

アナライザーが振り向き自身の5本指で器用にピースする。

 

 

『回転数36000!! オールグリーン!!』

右舷機関室の薮が両舷のエンジン状況をモニターで確認、点火可能の主旨を伝える。

 

「コンタクト...行けます!!」

徳川機関長も沖田艦長に点火可能と伝える。

 

 

「フライホイール接続まで、5、4、3、2、1!」

 

「接続っ!!」

徳川機関長が思いっきりレバーを押し込む。

 

「「点火!!」」『『点火っ!』』

沖田艦長と古代、ハルナとリクが同時に声を上げる。脅威のシンクロ率である。

 

 

双胴式波動エンジンが目覚めた。力強い唸りを上げて全長2500メートルの不死鳥に無限に近いエネルギーを与えてゆく。

 

そして、両舷第2船体の後部メインエンジンノズルに光が灯った。

 

慣性制御システムも緩やかに起動していく。

 

 

 

 

「主砲発射準備!!」

 

「了解! 主砲発射準備!」

古代が各砲塔制御室に配置用意を通達する。

「ショックカノン、エンジンよりエネルギー流入あり!」

南部がエネルギーの伝導状況の報告を行う。

 

「アナライザーとMAGIシステムの計算結果を各砲塔制御室に転送、目標割り振り完了!」

 

甲板上の第1から第4主砲、アレイアンテナ基部付近の第1、第2副砲が砲身を上下に動かしながら旋回。ひとつの砲塔で3つの目標を狙うために砲身がバラバラに動いていく。

 

「照準よし!!」

 

「撃ち方始め!」

 

「撃ちーかたー始めっ!」

古代の号令によってWunderの主砲と副砲、計18門の陽電子衝撃砲が青白い光を放ち、射撃すべきポイントに着弾した。

 

ドガァン!!

 

 

メインゲートが大爆発を起こし、破片がドック内部に飛び散る。爆煙も発生した。

 

 

 

「反動推進制御良好! 操舵システム問題なし! 行けます!」

島航海士が舵を強く握り、決意を露わにする。

 

「往くぞ! Wunder発進!!」

「了解! Wunder、発進します!!」

 

 

破片と爆煙が支配するドック内部、その空間を裂きながら全長2500メートルの不死鳥は、溢れんばかりの力を解き放ち、宙へと飛び立った。

 

 

 

 

《ガミラス艦side》

『正面、敵艦船ドックにて爆発発生! 陽電子を観測!』

 

『艦船ドック内部より高エネルギー反応確認!』

 

『まさか! 動体反応確認しろ!』

 

『動体反応1!これは、あの超大型艦です!!』

 

『ワープアウト反応確認!僚艦です』

赤い空間の歪みから緑色の艦が出現していく。

 

『デストリア級より通信! これより総攻撃に移るとの事です!』

 

『よし、全艦攻撃開始!』

 

 

 

 

 

 

《Wunder side》

 

「正面に敵艦8隻確認!戦艦2巡洋艦3駆逐艦クラス3!」

 

「いきなりかよ!」

南部が声を荒げる。いきなり実戦は無茶だと思ってるのだろう。

 

『大丈夫です。この船を舐めてもらっちゃ困りますよ』

右舷機関室から睦月が通信でそう応えた。

かなりの自身だ、

 

「古代、南部。ショックカノン、魚雷、対空兵装のテストをこの場で行う。全艦砲雷撃戦用意! 目標、敵艦隊!」

 

「了解!」

「艦首魚雷装填! 発射口開け!」

Wunder艦首に魚雷が装填されて、発射口が開かれる。

対空パルスレーザー砲塔も稼働を開始する。

 

 

「敵艦より魚雷発射を確認! 数20! 左右に分かれて挟撃するものと思われます!」

森がレーダーで確認した魚雷の詳細な動きと数を報告する。

「対空防御開始!」

南部の指示により、両舷の対空パルスレーザー砲塔が恐ろしい勢いで連射を始める。濃密な弾幕はもはや弾幕と言うより光の翼のようにも見える。

 

そんな弾幕を突破できるはずもなく、ガミラス艦の魚雷は呆気なく全弾迎撃された。Wunderの損害は0。

 

「艦首魚雷、撃てぇ!」

古代の号令によって艦首の魚雷が一斉に射撃された。雪風に搭載されていた物の正式版で威力は折り紙付きだ。

 

 

魚雷に気付いたガミラス艦は素早い動きで回避行動を取るが魚雷はその動きについて行く。獰猛なピラニアに食いつかれたガミラス艦4隻は一撃の下に宙の藻屑と化した。

残りの艦3隻はデストリア、ケルカピア、クリピテラが1隻ずつ。腕のいい砲撃手がいたのか、対空防御で撃ち落としたようだ。

 

そして高速機動でWunderに肉薄する。

 

しかし、それを見てWunderは黙っていない。

 

「第1から第3主砲、自動追尾開始!」

「MAGIシステムによる未来位置予測をリアルタイムでフィードバック!」

MAGIシステムには位置予測位なら容易いことである。

「主砲発射!薙ぎ払え!」

 

「撃ち方始め!」

Wunderの主砲から青白い光の束が発射された。しかし、今回は狙うというより『相手が来ると思われる位置でショックカノンを使って船を切る』といった感じである。

 

ハルナとリクが主砲を3秒間持続的に照射できるように設計して、さらにMAGIシステムの予測があるから出来るワザである。

 

そしてそれは成功した。MAGIシステムの位置予測の通りにガミラス艦は動き、そしてショックカノンの餌食となった。

 

宇宙に一瞬の恒星を3つ創り出し、船は消えていった。

 

 

「目標殲滅!」

 

「よっし!」

古代が小さくガッツポーズをする

 

「古代、南部」

沖田艦長が2人に声をかける。

「「はい?」」

 

「よくやった」

2人は素直に喜んだ。これからの大航海、何が待ち受けていてもこの船は乗り越えていけるだろう。

そういう確信があった。

 

「古代、ナイスだ」

島が親指をたてている。

「ああ!」

それに応えて古代も親指を立てる。

 

それを見て微笑を浮かべる森雪。

 

穏やかな笑顔な真田さん。

 

 

 

そして、機関室で笑顔なリクとハルナ。自分たちの作った船がついに飛び立ち、興奮しているが必死に隠そうとしている。

 

「やっと飛び立った...!」

 

「この船はどんな苦難も乗り越えていける..!」

 

そして3人で航海艦橋の窓から外を見ているマリとアスカ、赤木博士。

「なかなかダイナミックな船出じゃない」

「いやぁ~勇ましい不死鳥だね~気に入っちゃうにゃ」

「さて、ガミラスが黙ってなさそうね...。」

 

 

 

そして力を託し、船出を見送る地球。

「Wunderが往く...希望を乗せて奇跡を起こすために...」

「総員、Wunderに敬礼!」

 

極東管区司令室の全員がモニターに映るWunderに向かって敬礼をした。

極東のみならず、全世界の管区でも同じことが起こっていた。

 

地球の人々がWunderを見送る。彼らは祈りを送るよりも、奇跡という曖昧なものを信じた。

 

曖昧な力ではあるが、人が信じる力はテクノロジーをも超える。

 

どうやら昔からそう言われているみたいだ。

 

だから彼らは奇跡を信じて、一翼の『奇跡の名を冠す不死鳥』に希望を託した。

 

 

 

 

西暦2199年2月11日

宇宙戦艦Wunder進宙

イスカンダルに向けての航海を開始




Wonder発進!!!

やりました...やりたいことようやく1つ目出来ました...
この小説のOP(?)が欲しいと思ってたらめちゃくちゃ良いの出てきました。
投稿者の許可を得てここに掲載します。

曲名 Your hope
作詞作曲 Ucchii0 ボーカル Haruna
https://m.youtube.com/watch?v=35pGszktDLY

Wunderの挿絵もやっと完成しました
皆さん、お待たせしました。m(*_ _)m
かーなーり時間がかかってしまいました。すんません

今回使用したマイクロ波送電は、結構現実的に考えられている技術です。

宇宙で発電した電力をマイクロ波に変換、それを地上に送信して地上の受信局で電力に変換するって感じです。今回のはそれの逆バージョンです。

発進編はこれにて終了です。次の章まで時間がかかりそうなのでお待ちいただけると幸いです。
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(>人<;)

では主は資格試験の勉強に取り掛かります
第一種戦闘配置!目標、資格!
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