宇宙戦艦ヴンダー 《Reise zu einem Wunder》   作:朱色の空☁️

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古代くん&森さんのお話です。

授業開始前に何とか書きたい(4月1日)


コスモナイトの科学的設定が難しい( ˘•ω•˘ )


凍てついた海原、戦士の碑

「沖田艦長はなんで僕らに命じたんだろうか」

古代は「空間汎用輸送機 コスモシーガル」のコクピットで森と話していた。

 

「分からない、沖田艦長は何がしたいのかしら? まあとにかく、任務に向かいましょうか。えーっと、保安部からは伊東さんと星名くん、医療班からは原田さんね。それとアナライザーね」

 

「正直生存者がいるとは思いませんがね」

伊東真也がちょっと酷いことを言う。彼は常に他人を見下している雰囲気があり、そのため他の科ではよく思われてなかったりするが、ちゃんと仕事出来る28歳である。ちなみに二尉である。

 

「まあまあ、たとえ生存者がいなくても、現場を調べることで何があったのかも分かりますから」

そう言ってその場を収めるのは同じく保安部の星名透。階級は准尉*1で、伊東が全幅の信頼を置く右腕的な存在だ。人当たりが良くエイムも良い美少年である。

 

 

『シーガル、発艦準備状況知らせ』

「こちらシーガル、システム異常なし、発艦準備完了」

 

『了解、ハッチ解放。電磁アーム稼働します』

 

電磁アームによってシーガルが持ち上げられて、船外に移動していく。

 

 

Wunderは波動エンジンを両舷とも停止させている。しかし、補助エンジンからのエネルギーでアンノウンドライブから重力子&斥力子生成、器用に空に浮いていた。

 

しかしかなり低空のため、シーガルを出すのが限界だ。ほかの艦載機はだいたい無理。

 

シーガルは凍てついた海原の上を飛んでいく。仲間の呼び声に応えるために。

 

 


 

「 ♪♪♪~お三方! ここは宝の山ですな!」

榎本は鼻歌を歌いながら真田のもとへやって来た。

「ああ、どうやら私が動く必要は無さそうだが.......」

 

現在ハルナ&リクと真田は、破棄されたコスモナイト採掘場で採掘の指揮を執っていた。

 

コスモナイト90.......。それは宇宙環境下で自然生成された天然の合金であり、エンケラドゥスがまだ熱を持っていた頃に生まれた物である。

 

タンタルとコバルト、タングステンが合わさることで出来たこの偶然の産物は、尋常じゃない耐熱性を持ち、電気等のエネルギーを伝導させ蓄積も可能な、まるでコンデンサのような特異な性質を持つ。

 

そしてコレを1度炭化させて、膨大な圧縮をかけながら焼く事で、エネルギーコンデンサのパーツとなる。

希少で手間がかかるゆえ、地球の宇宙艦のエンジンに搭載するコンデンサは「コスモナイトを節約した構造」となっている。

 

今までの地球艦はそれで出来たが、イスカンダルのオーバーテクノロジーはそうもいかなかった。

 

そこで、採掘したコスモナイト90をそのまま艦内工場でせっせと加工、Wunderにピッタリのコンデンサを作ろうと言うのだ。

これもこの船が尋常じゃないほど大きく、『こんなこともあろうかと主義』で建造されたから出来る荒業である。

 

 

 

「コンデンサ1基あたりに500kgで両舷合わせて4基で合計2tお願いしまーす!」

 

「その後、コンデンサ完成までの間に出来るだけ採掘をお願いしまーす!」

陣頭指揮としてハルナとリクがしゃかりきに動き回っている。

真田が暇そうにしてるのも彼らが仕事全取りしてしまってるからだ。

 

 

「なら、私はコンデンサの設計の確認をしておくかな。2人には内緒で」

「優秀な部下を持つと楽ですか?」

榎本が茶化すようにして聞く。

「部下ではないな、うむ、賑やかな友人だな」

 

真田は2人とはもう1年以上の付き合いである。最初に出会ったきっかけが波動エンジンであった。オーバーテクノロジーを理解して、なおかつその改良案で議論を重ねた時から真田は2人にかなりの興味を抱いた。

そしてWunderの設計に関わった時には、時には寝食を共にして徹夜して、協力して設計図を書き上げた。

 

その時点で、「仕事仲間」としてではなく「友人」という関係となっていた。

 

(2人とも、私を1人にしたな?)

 

真田はタブレット型端末を手にしたまま、2人の元へ歩いていった。

友人2人がしゃかりきに動き回っているのに1人だけ別のことをしてるのは頂けなかった。昔の自分ならそれでも良かったかもしれないが、今は友人がいる。

 

一緒にやりたいタチなのだ。技術屋は。

 

(なんか「初心に戻りました!」って感じの顔してますね〜副長。)

榎本がにやけ顔で真田の後ろ姿を見ていた。船外服越しでも「楽しそうな雰囲気」がよく見える。

 


 

「そういえば、暁さんと睦月さんってよく似てるよね」

ふと森が日頃の疑問を口に出す。

「? そういえば2人とも髪が白いし、さっきも何か兄弟姉妹みたいだったし.......」

 

「お2人とも火星出身の純マーズノイド、経歴データでは内惑星戦争後に移民してきたってことになってます」

伊東が2人の大雑把な出生を伝える。保安部はその設置目的上乗員のデータも閲覧出来るため、こういう情報も誰にも聞かずに知ることが出来る。

 

「なってます? それってどういうことですか?」

 

「軍病院ではこんな噂があったんですよ、『開かずの間』には入るなっていう噂ですよ? もしかしたらお2人は開かずの間の住人なのでは?」

 

「まさかね.......」

 

SID《まもなく、救難信号発信地点です》

艦載機内蔵コンピュータシステムSIDが、目的地接近を知らせた。

 

そこに横たわるのは凍てついた船、全長80メートル程の小型艦艇だった。

 

古代はシーガルをその艦艇付近に着陸させた。

 

 

 

「このシルエット、間違いない.......」

森が確信とも呼べる一言を発する。

「磯風型突撃宇宙駆逐艦.......ゆきかぜの同型艦だ」

 

「皆さーん! ここから入れそうです!」

医療班の原田真琴がハッチを見つけた。彼女は佐渡の助手としてWunderに乗艦した、いわば看護師さんだ。

 

入口見るなり、古代がちょっとした異常を発見した。

 

「伊東さん、これって.......」

 

「ええ、ハッチが外側から開けられている。それも爆薬で吹き飛ばす形で。」

ハッチは無くなっていたが開閉機構がぐにゃりと曲がっていた。

 

外部から爆弾を仕掛けない限り、こんなことは起こらない。

 

「とにかく、中に入ってみよう」

「それに賛成です、戦術長」

 

艦内はエンケラドゥスの冷気で霜に覆われていた。艦内の空気に触れて一気に水分が凝結して、艦内を凍らせた。恐らくそうだろう。

 

つまりこの船はエンケラドゥスに軟着陸後、何者かの手によってハッチが壊された。ということだろう。

 

艦内には凍結した遺体が船外服のまま横たわっていた。

原田が生体反応感知モニターでチェックしても、返ってくるのは無慈悲なアラーム音。どこか分かってたはずだが現実を見ると悲しくなってくる。

 

「ダメです.......生体反応、ありません」

「これで全員、凍ったまま亡くなったんですね.......」

星名からもいつもの笑みは無くなり、悲しげな顔を見せる。しかし、伊東は考え込む顔を見せる。

「星名、磯風型の乗員数は?」

 

「確か、24名です。あれ?」

「そういえば気になっていたんですが、艦橋以外の部屋を回ったはずなのに、遺体は10体しか無かった」

ここまで見てきた凍死した遺体の数が少ない.......。もし全員凍死してたならもっといたはずだ。

「自ら外に出たのか、誰かが外に引っ張り出したかということになる」

遺体の数が合わないのはそれが答えだろう。

 

 

艦橋に上がると、小さな電子音が鳴っていた。

 

発信源を探すと、通信士席のコンソールの救難信号発信ランプが点滅していた。

 

「なるほど。予備電源が生きていて、ひたすら信号を送っていたのか.......」

 

「私はここにいるよ、そう言っているみたいね」

森は静かにスイッチを切った。

 

 


 

 

『テロンの輸送艇を確認。サルバーS-VI型戦車、投下』

 

 

ガミラスの強襲揚陸艦から2両の戦車が投下された。それらはエンケラドゥスの凍結した地面をものともせず疾走し、直ぐに目標を見つけた。

 

『目標確認、砲撃開始』

 

一筋の光が一行を襲う。

 


 

爆発の光に気付いた一行が外を見ると、ビームを放つ戦車がシーガルを破壊した後があった。戦車は確認できただけで2両。そのうち1両がこちらに照準を向けていた。

 

「伏せろっ!」

 

一同艦橋内で伏せた。戦車のビームが船体に直撃し、爆発が起こる。

 

「あわわわわわわ!」『アララララララ!』

爆発の衝撃で原田とアナライザーが転がってしまい、艦橋手前の通路で止まった。しかし、重たい扉が閉まってしまった。

 

「原田さん! 大丈夫ですか!」

星名が扉の向こうへ呼びかけた。

「閉じ込められちゃいました〜!」

 

「ちょっといいか? 開けてみる。ふんっ!」

古代が力んで扉を開けようとするが、引っかかっているようで開かない。

「アナライザー! 役に立つんじゃなかったのかよ?!」

 

「森さん、通信をお願いします。そのコンソール多分生きてます」

星名が森に通信を依頼する。船外服の通信機では近距離しか繋らない。

「分かりました」

森が通信用コンソールを操作すると、まだ電源が生きていたため問題なく作動した。

 

「こちらメディック、Wunder応答願います、現在我々は敵の攻撃を受けています! Wunder、応答願います!」

 

呼びかけ続けるとWunderから応答があった。

 

『こちらWunder! 本艦は現在、敵からの攻撃を受けている!』

敵の戦車はWunderの方にも砲撃を行っていたのだ。

 


 

一筋の熱線が戦車に命中する。しかし、微塵も効いてないのが目に見えて分かる。

 

採掘班の1人が採掘用の熱線で攻撃したようだが、それは足止めにもならず、勇敢な熱線発射車両は戦車の砲撃で爆発を起こす。

 

 

「なんでここにもガミラスがいるの?!」

リクが大声で質問しながら猛ダッシュする。

「そんなの偵察機とかが私たちを見つけたからでしょ?!」

ハルナは汗だくになりながら猛ダッシュする。

「とにかく走るんだ!」

真田も猛ダッシュする。現在技術者トリオはガミラスの戦車に追いかけられている。

 

「戦車で人を追いかけるのは少々ルール違反なのでは?」と思いたくなるが、そういう言い訳は通用しない。

 

「お三方!こっちです!」

 

榎本が、塹壕のようになっている部分から頭を出しながら声を上げた。

それは確実に3人のヘルメット内蔵スピーカーに届き、3人はそこに目掛けて猛ダッシュ、飛び込んだ。

 

「「セーフ!」」

 

「危なかった.......。だが、Wunderを攻撃するにはあまりにも戦力が少ない」

 

「敵さんはマジの攻撃をしたい訳じゃなさそうですな」

榎本も肯定する。Wunderを完全に撃沈するにはWunderと同規模の戦艦か、同規模の戦力が必要だ。

 

 

戦車だけで何がしたいのか?

3人はじっくり考えていた。

 

 

 


 

 

 

 

「出せない?! 何でだよ!」

一方、右舷第2格納庫では航空隊隊長の加藤三郎が艦載機発着管理員と話し合っていた。

 

「ここからは出せない! もっと高度を取らないと出せないし、採掘班を収容しないといけないから高度も上げられない!」

ご最もな言い分である。

 

「マジかぁ.......。じゃあ俺たちどうすんの?」

航空隊の篠原弘樹がグ○コ*2のポーズをする。

 

 

「仕方ない、あれを拝借するか.......」

「あれって何ですか?」

 

 

 

 

 

その頃アスカは、艦の後方、第1格納庫行きのトラムリフトに乗る為に、リフトの停留所に向かって走っていた。

 

(これだけ高度が低いと私のファルコンも出せない。でもゼロなら出せる!)

 

停留所までは走って1分、ユーロ空軍叩き上げの身体能力で停留所にたどり着くと先客がいた。その人物は女性でありながら航空隊の服を着ていた。

 

「あなた、航空隊の人? 見たことないけど」

 

「私も出ます。艦載機の操縦はできます」

それは主計科に配属されていたはずの山本玲だった。

「.......シミュレータのスコアは?」

「ハードで90です。機体はコスモゼロです」

 

「良い腕ですね! ぶっつけ本番だけど一緒に助けに行きましょ!」

 

「ええ!」

 

 

 

 

第1格納庫に着いた2人はコスモゼロに乗り込んだ。山本は機首が赤、アスカは橙だ。

コスモゼロはあと1機あるが、航行システムの調整が済んでない状態で搬入されたので動かせない。

 

 

「整備員さん! 乗ります!」

「了解です、式波二尉! 」

アスカが整備員に声をかける。そして勢いよく乗り込む。

山本は航空隊ではないので流石にバレたらマズイのでこっそり乗り込む。

 

『コスモゼロ2号機出します! ってちょっと!  誰だ1号機に乗ってる人?!』

整備員はゼロ1号機に乗ってる人を知らない。

「整備員さん! 1号機の方も動かしてください! 大丈夫ですから!」

 

 

2機のコスモゼロがカタパルトに運ばれていく。実機ではぶっつけ本番でゼロに乗るが、2人は緊張してない。

しかし、これを見て驚く人が1人。

 

「おい! 誰が乗ってる?!」

 

「2号機に式波二尉が乗ってますが1号機は分かりません!  二尉が乗せたとしか.......」

 

「なんだって?!」

 

時既に遅し。カタパルトから射出され、メディックの援護に向かっていった。

 

 

加藤はイラついた表情で

「.......艦橋に向かうぞ、そこからならあの2人に通信できる。行くぞ」

と仲間に告げるとトラムにまた乗り込んで艦橋に向かった。

 

 

 

 

「私は採掘班の救援向かう! 玲さんはメディックの方へ!」

「了解!」

 

 


 

 

「こちらメディック! 応答お願いします!」

『メディック、聞こえるか? 現在救援に向かっている! 採掘班の方へは式波二尉が向かってる!』

誰の声かは分からなかったが救援は確かに向かってくれてるようだ。

 

「皆、救援が来るわ! 採掘班の方へは式波さんが向かってるみたい!」

「式波二尉が? .......ゼロを出したのか。でももう1人は?」

 

「そんなことより救援が来るまで凌がないとマズイですよ戦術長。ガミラスの歩兵が数人こちらに向かってきてますよ」

「迎撃するので古代戦術長も加勢をお願いします」

保安部2人組が敵を発見、既に何時でも銃を撃てるように準備していた。

 

「敵影確認。数4、武装の携帯を確認」

「正面から来るのかよ.......。搦手はなしか? 」

「一定距離まで近づいたら迎撃する。アナライザーそっちはどうだ?」

閉じ込められた原田とアナライザーは脱出に専念中、今はアナライザーが指から熱線を出してドアの切断に取り掛かっている。

 

『モウ少シデス』

ドアを焼き切る光がチラつく艦橋内でひたすら身を隠し.......

 

「撃て!」

 

古代の号令で3人は一斉に、携帯武装の「南部97式拳銃」を撃った。

敵はヘッドショットを食らい、その場で倒れた。

 

「よし、命中」

「敵はどこから来るかは分からん。星名、左舷側を監視してくれ、戦術長は右舷側をお願いします」

「分かった」

敵はあれだけとは限らなかった。まだいるかもしれないし、同じ方向からまたやって来るとは限らない。

 

『開キマシタ!』

その時、

 

バリンッ!!!

 

艦橋の窓が盛大に割れて左舷側から敵兵が数人乗り込んできた。

敵兵は3人、古代が持っていた拳銃を射撃で落とすと森を横抱きにして敵兵2人はそのまま脱出して行った。

 

「森くん!」

「さっきのやつはブラフかよ!」

伊東が敵兵を撃ち殺そうとするが、森が人質にされてるため迂闊には撃てない。

 

敵兵1人がが足止めとして艦橋の中に陣取っているため、古代と伊東、星名は咄嗟に艦橋入口の手前に逃げ込んだ。

 

 

少しでも顔を出そうものなら殺られる。真空の艦内にそういう空気が満たされた。

 

 

ふと古代が足元を見ると、先程落とされた自分の拳銃と同じ形状の拳銃が床に氷で張り付いていた。

そしてその氷は敵兵の牽制の銃撃で剥がれかけていた。

 

好機、古代は覚悟を決めて敵兵の前に身を晒し、氷で張り付いていた拳銃を取る。

 

そして向こう側の壁に身を隠し、一瞬の隙を突いて射撃。その射撃は綺麗にヘッドショットを決め、敵兵は艦橋の入口に転がった。

 

 

「救急箱!」

原田が咄嗟に敵兵の応急処置をしようとする。

 

『敵デスヨ』

「そうだぞ!」

アナライザーと伊東が異論を唱えるが、

 

「関係ない!」

看護師として、救助対象は敵味方問わずであった。

 

しかし、

 

命中箇所からは血ではなく、火花が散っていた。

「えっ.......!」

「こいつはロボットかよ!」

 

 


 

 

(ファルコンより性能良いけど、少しだけクセがあるわね)

 

採掘場の救援に向かったアスカはコスモゼロの性能を賞賛しながらクセを感じていた。

若干左旋回が得意なようだ。そして右旋回は少し遅い。

そんなクセもエースに取っては微塵も障害にはなり得ない。

 

「目標、敵戦車確認! 攻撃開始!」

 

コスモゼロの機銃が火を吹き、ビームの弾丸が高速で発射される。

 

戦車は自慢の砲塔で対空迎撃をするが、そんなもので落とされたらエースの名が廃る。

 

的確に戦車に当てて撃破する。

 

(さて、採掘場はダイジョブそうだから玲さんの方に行ってみよかな。でもどっから湧いたのあの戦車.......。揚陸艦?? キャンプ地?? 探してみようかな?)

 

そう考えながら山本の元へと飛ぶアスカであった。

 

 

 

 

 

氷結した大地を駆ける古代、そしてそれを追うかのように生まれる弾痕。

 

現在古代は、森を救出するために敵兵を追跡していた。辺りに点在する氷塊にその都度身を隠しながら銃撃、敵の足元を狙い、逃げ道を塞ぐのが目的だ。

 

そして敵を崖まで追い込む。

もう逃げられない、今ここで決める。

 

そう思い慎重に狙いを定め、何時でも撃てるように銃を構える。

 

しかし、ここで敵兵が思わぬ反撃を受ける。

森が意識を取り戻し、敵兵の脇腹に膝蹴りを打ち込み、体制が崩れたところに肘鉄を側頭部に打ち込む。

そして脱出、しかしこの反撃が効いたのか、敵兵が手持ちの火器を森に向けた。

 

ピキュンッ!ピキュンッ!

 

古代の拳銃が火を吹き、敵兵の頭部、胸部に命中。そのまま敵は倒れた。

「古代くん!」

「大丈夫か?」

 

これで森は助かった.......が、

 

「.......! マズイ、伏せろ!」

敵の揚陸艦らしき艦艇が近づいてきて、機銃を掃射してきた。弾痕が量産される。

古代は起き上がった森に覆い被さる形で庇った。

 

 

「やっぱりいた! って戦術長?! マズイ!」

アスカはコスモゼロの機銃連射で船体を穴だらけにする。

 

そして、

「目標確認、陽電子機関砲発射!」

山本の駆るコスモゼロの陽電子機関砲が陽電子の塊を放ち、揚陸艦を破壊する。

 

ついでとばかりに敵戦車を機銃で葬る。

 

 

 

今度こそ危機は去った。

 

「良い腕してるぜ.......」

「うん.......」

古代はゼロのパイロットに賛辞を送り、森は古代に引っ付く様な体制でそれに同調する。

 

 

傍から見ればロマンチックな光景だ。氷結した大地と一点の曇りもない宙がそのシチュエーションを助けている。

 

 

しかしそんな時間も長く続くはずがなく、

 

 

「.......?!!? ありがとう! お陰で助かったわ!」

自分のやってる事に気付いて森が赤面しながら離れた。

「ああ、俺はこいつに助けられた。.......!」

古代が森に拾った拳銃を見せる。ふとグリップ部分を見ると、よく知ってる人物の名前が彫られていた。

 

 

 

「どうしたの?! ねえ! 古代くん!」

森が声をかけるが古代はいてもいれなくなって走り出した。

 

磯風型の船体に辿り着くと、星名と伊東が撃破した敵ロボットを運び出していた。

「戦術長?」

 

そして船体に銃を向け、1発づつ氷に向かって撃っていく。

 

 

張り付いていた氷が一部割れて剥がれ、艦名が明らかとなった。

 

「磯風型突撃宇宙駆逐艦 ゆきかぜ」

 

艦側面には筆で書いたような文字で「ゆきかぜ」と勇ましく書かれていた。

つまり、古代守の駆った船。

 

 

「.......これは兄さんの船だ」

「兄さんの雪風だったんだ.......!」

 

エンケラドゥスに静かに眠るゆきかぜは墓標と呼ぶべきか、古代は決められなかった。

 

だからせめて、ここに勇敢な者がいたという証を残すこととした。

 

 

【記録】

救難信号は磯風型突撃宇宙駆逐艦、

ゆきかぜのものと判明。

 

生存者は無し

 

備考

乗員数と遺体の数は一致せず。

 

 

 

勇敢なるゆきかぜ24名の魂、ここに眠る

 

 

艦橋に戻った古代の座席には、形見の銃を入れたホルスターが置いてあった。

*1
(少尉1歩手前)

*2
お手上げ状態




コスモナイト90とコンデンサの科学的設定は『耐熱性』『エネルギー伝導性』『強度』の面から行いました。
耐熱性で『タングステンとコバルト』、伝導性で現実にコンデンサに使われている金属『タンタル』を使い、強度で『1度炭化させて焼き固める』工程を踏むという設定になってます。
(原作では熱線で採掘してたので相当な耐熱性があるかと)
うp主的には『エンケラドゥスの内核付近で生成されて、地殻変動で地表付近に移動してきた合金』がコスモナイト90で、それを『焼き固めて超硬合金にした』のがコンデンサの材料って感じです。


科学的設定難しいですが、上手く出来てるといいなぁ。



次回は反射衛星砲がやってきます
赤木博士&真田さんで組ませます。

(*´∇`)ノ ではでは~


追記 アンケート期間もう少し伸ばしてみます
   投票人数が10人になったら打ち切るつもりです 
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