宇宙戦艦ヴンダー 《Reise zu einem Wunder》 作:朱色の空☁️
応用情報技術者試験が終了しましたので、再開いたします。
それでは、盲目と自由。開始です
「伊藤さん、どうするんですかこれから」
「うるさい今考えている……!」
営倉から辛くも逃れた伊藤と藪は、右舷第三格納庫に格納されているシーガルの貨物ユニットの中に身を潜めていた。七色星団の戦いで営倉にも多く被弾して、そこに拘留されていた人は全員吸い出されてしまった。辛くも脱出した伊藤と藪は、残念ながら現在「死人」扱いとなっている。営倉に被弾して人が吸い出されて遺体が発見されていない以上、
そんな中運よくシーガルの貨物ユニットの中に転がり込んだ2人はありつけた携帯食のクラッカーを齧りながら今後の事を考えていた。というより考えているのはほとんど伊藤だろう。藪はもう考えることをやめている。「長い物には巻かれろ」と言う状態になっている。
「あぁーっ!!」
「大きな声を出すなっ……これは……」
「……ねっ?」
目の前のトランクに入っていたのは、予備の拳銃だった。
時は少々遡る。フリングホルニ率いる第101特殊人型戦術兵器打撃部隊第一軍は、レプタポーダまであと50万キロの宙域にまで到着していた。
「これより艦隊は、レプタポーダ収容所港湾管制塔の誘導に従う。高度3万を過ぎたらType-nullを投下するぞ。ディッツ中尉、準備は?」
「完了してます。いつでも降下可能です」
「焦るな、合図無しの飛び出しは許さんぞ」
レプタポーダ収容所に収監されているガル・ディッツ提督の奪還作戦。その作戦要綱は、ハッキリ言って電撃作戦だ。Type-nullの着地による大規模な衝撃で一気に混乱させて、その混乱に乗じて「ディッツ提督の側近が収監されている囚人を解放」してさらに混乱を誘う。収容所が大混乱に巻き込まれるため、志願で集まった突入隊が側近と合流。そのままディッツ提督の監房に急行して提督を奪還する。
つまるところ、Type-nullという巨大兵器があるからこそ出来る「大道具頼りの無茶苦茶な作戦」だ。
「レプタポーダ管制塔より入電。【貴官らを出迎える。ゆるりと休まれたし】です」
「バカな連中だ。我々はこうして奇襲しようとしているんだぞ?」
「司令。口が悪いですね?」
「口くらい悪くなるだろう。管制塔に送れ。【格納庫に異常あり、機体は甲板上に立膝させた状態で降下する】以上」
「ザーベルク」
「降下開始まで、残り1500ゲック」
順調にカウントダウンが進められ、目の前のモニターのカウントがゼロに向かって進み続ける。
「司令、一つよろしいでしょうか?」
「どうした?」
「作戦の名称はお決まりでしょうか?」
作戦開始数分前、1人の艦橋勤務のザルツ人士官が声をかけた。実を言うと、この船にはガミラス人ザルツ人問わず優秀な人員が乗り込んでいる。これはクダンが人種に囚われない思想の持主であり、実力主義でもあるが故である。
余談ではあるが、ガミラスでは青い血が高貴で優れていると言う思想が広まっているがあくまでそれはガミラス星での話。この船の中では少尉中尉と言った階級の差はあれど人種の壁という物は基本的には存在していない。アウル・クダンと言う人物が軍内部でフラーケンに次ぐ異端と言われる所以はここにある。
「名称か……考えていなかったな。ガル・ディッツ救出作戦で良いかと思っていたが」
「折角の電撃作戦です。電撃にちなんで、【ラミエル作戦】はどうでしょうか?」
「……案外悪くないかもしれんな。【ラミエル作戦】」
「そんな……とんでもないです」
ラミエル。サキエルと同じくアリステラ星系にて観測されたそれは、絶対的な防御力と圧倒的な砲撃力で作戦に参加した数多のガミラス艦艇を焼き払ってきた使徒の一角。大口径荷電粒子砲を、変形させた自らの巨大な正八角形の体躯から繰り出すその一撃は、大隊規模での砲撃で辛くも討伐済みとはいえアリステラ星系での戦闘の記憶に色濃く焼き付いている。
「では、ガル・ディッツ救出作戦改め【ラミエル作戦】とする、総員持ち場に付け!」
クダンの命令が艦橋に響き、各々が持ち場に戻る。正面モニターに超長距離望遠で撮影した収容所の画像が表示された。
(海賊まがいの危なっかしい方法だが……側近くん、何とか頼むぞ)
「泣けるだけまだマシな方よ。人間壊れたら涙も流せないし泣き方すら忘れてしまう」
3杯目のココアを飲みながら、このひと時だけハルナはマリの部屋で落ち着いていた。目元に涙が伝った線が薄く残っているが、泣き腫らしてはいなかった。精神的にも落ち着いてきたらしく、俯いていた状態からしっかり前を見るようになっている。
「リっくんもそうだけどハルナっちは頑張り屋さん。だけど頑張りすぎ屋さんで自身への加減を間違えがち。銀河暴走超特急してどっかで潰れるかもしれないから気が気でなかったりするにゃ? でも今、こうして誰かに頼ってでも落ち着こうとしているのは良い事にゃ。……惚れた?」
「間違ってもないから安心してください私が好きなのは彼だけです。……マリさんって、私達からしてみればすっごく安心するお姉さんみたいな感じなんです」
「おやおや、私の本質分かっちゃった感じ?」
「多分、冬月さんがシンジ君を引き取ったときにマリさんがこうしてお姉さんとして接してくれてたんですよね」
「何もかも分かってしまうとか怖いにゃ。やっと本調子かにゃ?」
「調子、戻ってきた感じです」
頼れるお姉さん枠に色々聞いてもらって、少しずつ調子が戻って来たハルナの顔は少し明るかった。
「ありがとうございました。また、聞いてもらってもいいですか?」
「もちろんにゃ。お姉さんに任せなさい」
その言葉を聞いたハルナはスプーンでココアをかき混ぜると残りを飲み干し、一礼してマリの部屋から出て行った。
マグカップの底に溜まっているはずのココアパウダーも残さず溶かして飲んだため、コップの底は随分と綺麗な状態だった。
マリの部屋から出たハルナのもとに、一本の着信が入った。
「私です」
『休憩中失礼します。西条です』
「今休憩終わったとこだから大丈夫よ。どうしたの?」
端末越しに聞こえる最上の声は、明らかに平常時の声とは違っていた。何か良くない事があったのだろうと思い聞いてみる。
『それが……偵察に出たシーガルの信号が途絶しました』
「途絶?! 呼びかけ続けてる?!」
『継続的に信号を送ってますが、応答なしです。レーダーの現状復旧状態での暫定索敵限界範囲での捜索を行ってますが……墜落した可能性が、あります』
自分が休んでいるときにマズい状況になったことを確信したハルナは航海艦橋に走った。
「艦長に意見具申して! 『100式発艦で惑星に降下、シーガル捜索を行う。人選は航空隊長に一任』って!」
端末を切ってそのまま走っていった。
『UX-01接舷。固定作業急げ!』
『桟橋用意、展開!』
荒れ地となっているレプタポーダに碇泊した次元潜航艦から下船したフラーケンとハイニ、そして森は、航宙艦艇ドックに並ぶ機械化兵軍団を見ていた。
「どこもかしこも機械化兵、無敵ガミラス今何処」
「勢力広げすぎの弊害だな。機械化兵での人員水増しの手札がなければこの広さは支えられん」
砂埃舞うレプタポーダ航宙艦艇港にガミロイドの群れ。フラーケンも思わずため息が出てしまう。
そうこうしているうちに桟橋が展開され、森はノランのエスコートの元レプタポーダの地に降り立った。
ガミラスは現デスラー政権の掲げる拡大政策によって版図を今なお加速度的に拡大し続けている。それこそ、生身の人間のみでは管理しきれない程に。大小マゼランの統一が完了した今、その広大な支配範囲をガミラス人のみで管理するのは無理があり、一部の植民地惑星や収容所惑星には多数のザルツ人が配属されていたりもする。しかしそれでも人手が足りないので、現状主要施設以外は機械化兵を大量に動員して何とか維持しているというのが現状だ。
「ようこそイスカンダルのユリーシャ殿下。私はこの第17収容所の所長を務めさせて頂いておりますデバルゾ・ボーゼンと申します。遠路はるばるよくぞお越しくださいました」
明らかに上の物には媚びへつらうその露骨な態度に、フラーケンが顔をしかめる。上に戻りたいという感情が浮き上がっていて、「権力好き」であることがよく分かる「フラーケンが嫌いな人種」だった。
「イスカンダルのお方はどうぞこちらに、身の回りの世話はこのものがいたします」
ボーゼンが紹介したのは、金髪のガミラス人だった。まるで喪服のような黒い服に身を包み、浅くお辞儀をした。その動作には全く淀みがなく、昔から体が覚えているかのような動きだ。
「こちらへ」
そのガミラス人に森は、ガミラスの要人警護用車両に誘導された。
「ではキャプテン、自分もここで失礼します。ありがとうございました」
「ああ……達者でな」
ノランも要人警護の任としてフラーケンの元から離れた。フラーケンは二等一等の区別そのものに関心がなく、今回ノラン達二等ガミラス兵を乗せる作戦にも何も反対しなかった。
ノランが森の警護に着こうと要人警護用車両に乗り込もうとすると、ボーゼンの指揮棒が正面を遮った。
「どこへ行こうというんだね?」
「自分には、あの方をお守りする任務があります」
対してノランは堂々と答える。
「二等臣民の癖に口答えするなぁ!!」
それに対して怒りが沸騰したボーゼンは指揮棒をノランに叩きつけた。
「二頭臣民の分際でっ! 一等の我々にっ! 口答えするなぁ!!」
指揮棒で次々に殴りつけるボーゼンに、何も反撃が出来ないノランはうずくまってしまう。
「さっさと消えてくれっ!!!」
力いっぱい振り下ろされた指揮棒は、
ノランには当たらなかった。
「俺はな、あんたみたいなヤツは嫌いなんだ。デバルゾ・ボーゼンさんよ」
何とフラーケンがボーゼンの指揮棒を腕ごと受け止めていた。そのままボーゼンの腕をねじり上げるようにして指揮棒を離させた。
後方では、暴力を振るわれたノランをハイニが介抱している。
「今にしてみれば鬱陶しい区分があるが、ガミラス臣民であることには変わらん。それと、元部下を滅多打ちにしたツケを手早く返してもらおうか」
開いてるから腕を構えて、いまにも殴ろうとしているフラーケンの目は、正しく猟犬や狼の目だ。
「お止めなさい!」
争いを止めるべく森が声を上げて、ノランの近くに歩み寄った。
「イスカンダルが命じます! 貴方の務めを果たすのです!」
勿論のことだが、森はイスカンダル人ではない。だがいてもたってもいられなくなった森は、その立場を利用してノランを助けた。
それはボーゼンに殴り掛かろうとしていたフラーケンの怒りをも沈静化させて、その場を支配した。
ノランは森に手を取られ、そのまま立ち上がった。
フラーケンは茫然としていたが、ハイニに肩を叩かれて元に戻った。その頃にはノランと森が警護車両に乗り込む寸前だった。
慌ててボーゼンを離して服装を正すと、ドアが閉まる寸前でこう話した。
「ユリーシャ様、ノランとは今回の任務でしかあったことはないが、仕事に誠実なやつと言うのは俺が保証してます。見苦しい所をお見せしてしまったが、存分に頼ってやってください。ノラン……後は頼むぞ」
「ザーベルク!」
元上司の言葉を受け取って、ノランは任務を継続することを決めた。
______
「改めて自己紹介させていただきます。私は、貴方様の身の回りのお世話をさせていただくこととなりました。エリーサ・ドメルと申します。ユリーシャ様、お名前の方は所長より伺っております」
エリーサと名乗ったガミラス人は、恭しくお辞儀をした。その手元には奇妙な服が乗っている。奇妙、と言うよりは、「変った服」だ。宝石のような装飾が見られれば、白や肌色を多用した落ち着いた印象を併せ持つお淑やかな美しさを持つ服だ。
「長旅でお疲れの所申し訳ありませんが、着の身の方を整えさせて頂きます」
そう言ったエリーサは微笑を浮かべながらその「変った服」を丁寧に広げ始めた。
流れに従うしかなさそうな森は、渋々艦内服のチャックを下ろした。
________
(初めてこんな服着た……)
流石に口にしてしまうと怪しまれてしまうので思わず出かかった言葉を飲み込む。地球でいう所のスレンダーラインやマーメイドラインのドレスの様な見た目をしているが異様に着心地が良い。崇拝対象のイスカンダル、その皇族専用にあしらわれた物のようで、生地も一級品で肌触りも良い専用品を使っていることだろう。
「お似合いですよ」
そう言われて、自分が本当に皇族として扱われている事を否応なしに実感する。部屋の外にはノランを待たせている。仕立ててくれる人がいて、護衛の人もいる。たったここまで数十分の事でイスカンダルがどれほどガミラスに進行されているのかがよく分かった。
「こちらの衣服はいかがいたしましょうか?」
森が脱いだ艦内服をこれまた綺麗にたたみ終えて抱えたエリーサは、森に判断を仰いだ。
「そのまま取って置いてもらえますか?」
「かしこまりました。それと、首元の翻訳機の方はそのままでよろしいでしょうか?」
「私はイスカンダル語以外分からないので、そのままの方が有難いです」
自身が地球人であることは今のところ気付かれていない。だがイスカンダル人として認識されている以上下手に動かなければ怪しまれないと考えた森は、脱出等に使えそうなPDAが入ったポーチ等を残しておくことにした。
と言うよりも、盲目的なまでに信仰されている以上、崇拝対象を疑う事を知らないのではないかと疑問に思ってしまう。それを少し怖く思ったが、なるべく平穏を装う事に注力する。
それをエリーサから受け取った森は、ノランを呼びつけた。
「ノランさん」
「いかがなさいましたか?」
「これを貴方に預けます。大事な物のですので、無くさないようにお願いします」
「かしこまりました。必ず」
____________
「おお〜ユリーシャ様! 漸くイスカンダルの姫君らしくおなりだ」
ややわざとらしく言葉を連ねるボーゼンを他所に、森は思慮に浸っていた。
自分がこれからどうなるのか、そして無事にイスカンダル側に渡ってWunderと合流するためにはどうするのか。
少なくとも、これから連れて行かれるのはガミラスの本拠地であるガミラス星。その中枢にいると思われる「デスラー総統」の元だろう。名前からして国家元帥、皇帝、独裁者のイメージが掻き立てられるが、今は取り敢えず大人しくしていることが最優先だろうと考えた。
一報ボーゼンはと言うと、綺麗な言葉の裏側で自身の進退について考えていた。貴族や上官に対しての接し方一つで自身の進退に影響するのは当然の事なのだが、イスカンダル皇族に対しての場合は、「影響する」のではなく「直接関わって来る」のだ。
ガミラスは、イスカンダルを盲目的なまでに信仰している。それこそ、来賓、VIPなどと言う言葉で片付けられるような立場ではなく、「信仰対象」であり「全ガミラス臣民の心の支え」だ。イスカンダル王族に対して迷惑をかけたり害を与えたりしたらそれこそ自身の立場が一瞬で危うい物となり気付いたキャリアが音も立てずに瞬時に水泡と化すだろう。
だが、イスカンダル王族来訪は好機の一面も持つ。丁重に持て成し良い印象を植え付けておけば自身のキャリアに箔を付けることが出来る。それこそ「一生もの箔」で、自身の立場を大きく持ち上げることも出来れば、ボーゼンの様に何かしらの事情で左遷されていた人が本星に返り咲くことも十分に可能だ。
ボーゼンの性格上コレを好機と捉えるのは当然なのだが、同時に後ろ暗い事情がバレてしまわないか気になる所だ。物資の横流し、囚人の銃殺、その他私刑パワハラ諸々。叩けば幾らでもホコリが出る以上、叩かれたくないボーゼンは上手く持て成すしかない。その為にはどうすればいいのか、自身の保身全開私利私欲優先の頭脳で考える。
だが、その思考は一本の内線で一時停止することとなった。
「おっと通信が、少々失礼しますね……何だどうした?」
目の前に王族がいる状況での通信は失礼なのだが、一旦断りを入れて内線をつなぐ
「……何ぃ?!」
どうやら、ボーゼンからして見れば「冗談であって欲しい事」が、今空で起こっているらしい。
そのままボーゼンは部下と機械化兵を連れてどこかへと走って行ってしまった。
「一体、何が……?」
「私にも分かりません。ですが緊急事態なのは確からしいので一先ずここに待機しましょう」
ノランの提案を受け入れて森はここに待機することにした。
『100式発艦急げ!』
左舷第3格納庫に怒号が響き、100式の発艦準備が進められる。シーガルの信号が途絶し安否不明。ただ惑星に降下したというのは事実であり、運が良ければ古代が生存しているかもしれない。
「ステータスオールグリーン。100式、山本出る!」
ハルナの意見具申を受けて山本がシーガル捜索に出ることになり、操縦桿を握っている。複座式の後部座席には通信士として岬が乗っている。
「戦術長、無事ですよね……?」
「そう願いたいわね」
電磁アームで100式が艦外に移動され、そのまま発艦。シルビア恒星系第四惑星、仮称「シルビア4」への降下を開始するべく軌道を取った。
「シーガルの信号途絶地点は?」
「観測で作成した地形図によると、この近辺です。まだ正確な地図が作れていませんが、少なくとも、途絶地点はこのマーカー付近です」
「なら飛ばすわよ!」
操縦桿を手前に引き、大気圏への突入コースを取る。地表面に垂直に大気に突っ込むことは出来ないので、大気の壁に機体を平行にして、100式の機体底部を大気に擦る様にして惑星を周回しながら突入を図る。こうする事で多少揺れはするが安定して大気圏内に入る事が出来る。
その瞬間、100式の真横に何かが猛スピードで通り過ぎ、薄い大気の層でも十分伝わる程の横殴りの衝撃波に襲われた。
「うわあああぁぁぁぁぁっ!!!」
100式を衝撃波で吹き飛ばしたのは、全高80mのあの巨人だった。
「えっ嘘?! あれってメルダのじゃん!!」
「あれはテロンの機体?! 艦橋! テロンの偵察機らしき機体を確認!」
『テロンだと?! 彼らもこの宙域に来ているのか! ……中尉はそのまま降下! こちらで通信を試みる!』
フリングホルニから降下サインが出て降下を始めたのは良いのだが、思いもよらない客も来ていた。嘗て次元断層で共闘して、限られてはいるが親交もあるテロンが、テロンの宇宙戦艦ヴンダーがこの宙域に来ているとは思いもよらなかった。
「了解! 降下を続けます!」
『おい貴様っ!! 何をしている!』
ハイドロスピーカー越しにレプタポーダ管制塔からの怒鳴り声が聞こえてくる。
アクシデントはあったものの、現在メルダとType-nullはフリングホルニから発艦してレプタポーダに降下中。地表面に垂直になるようにヘッドダイブを敢行している。厳密には地表面に垂直になるようにしてるのではなく、静止軌道からレプタポーダの自転速度に合わせて斜め下方向に落ちているのだが、地表面から見ればまっすぐ頭の上から落ちてきているように見えるはずだろう。
「なぜここに?!」
先ほどの機体の事は艦橋の方に任せることにしたメルダは思慮に浸ることをやめ、瞬く間に数値が変わっていく高度計に目を光らせた。
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「何なんですかアレぇ?!」
「次元断層の時の巨大ロボット!!」
横殴りの衝撃波に機体を吹き飛ばされたが、何とか立て直した山本は、キャノピー越しに上空の宇宙空間を見て落ち着きを取り戻す。突然の追突未遂事故に動揺していたが、何とか落ち着きを取り戻したメルダはもう一度操縦桿を握り直しす。
そして降下を再開しようとしたときに、突然100式の通信が酷いノイズに襲われた。
「今度は何?!」
「通信回線に強制介入! 発信位置は後方の艦艇からです!」
『テロ……機! こ……聞こえ……なら回線を開い……れ!』
「日本語?! これ日本語ですよね?!」
「向こうはこっちの言語翻訳できるの! 百合亜回線!」
「はっはい!!」
ガミラス艦からの通信介入でハッキリ聞き取れた言葉は少ないが、少なくとも回線を開いてほしいという意図は伝わった。自信を轢き殺しそうになったType-nullはさておき、未遂事故の後に通信がタイミングよく入ってあという事は無関係では無い事は明らか。山本は岬に回線を開くように頼む。
「こちら宇宙戦艦Wunderの艦載機100式! 山本です!」
『こちら第101試作人型戦術機動兵器打撃部隊第1軍の旗艦フリングホルニ。艦長のアウル・クダンだ。巻き込んでしまい本当に済まない!』
「いや死んでないですけど何が起こっているんですか?!」
『旧友を救いに来ている。貴官は?』
「Wunderから出た偵察機の信号が途絶えて捜索に!」
通信に数瞬の空白が起き、再び通信機から発せられたクダンの発言は、耳を疑うようなものだ。
『……甲板に機体を着けてくれ! そのまま降下するぞ!』
「ええぇっ?!」
_____
「よろしいのですか司令?!」
「構わん! こちらの強行作戦でレプタポーダは厳戒態勢、今行かせればもれなく対空の餌食だ。いくら陽電子兵器が自粛されようが、対空機銃は例外だからな」
大気圏内。それも実際に施設があり何の装備も無しに歩き回れる環境ゆえ、高威力を誇る陽電子ビーム兵器の系統は自粛するしかない。しかし、艦船搭載型とは違う対空機銃は「陽電子を用いていない」。対消滅によるガンマ線放出を気にすることもないので、今このままテロンの機体を行かせたら死にに行かせることと同意義となる。
だから甲板に着艦するよう伝えた。
厳しい顔をしたクダンではあるのだが、またあのテロンの巨大戦艦を見ることが出来るかもしれない。そして同じ司令官として気の合う話を続けたオキタ艦長にまた会えることに内心喜んでいる。
「テロン機着艦! 慣性制御固定よし!」
「Type-nullは?!」
「現在成層圏を降下中!」
「よし! 全速急降下! 遅れを取り戻せ!」
「ザーッ! ベルクッ!!」
操舵士が舵輪のすぐ横にある高度調整用のレバーを一気に下に下げる。その瞬間艦橋全体にガクンと衝撃がかかり、一気に高度計が下がる。目の前の暗い宙の景色にレプタポーダの荒地の大地が顔を出し始める。
「熱圏突破! 中間層に入ります!」
「山本機から通信!」
「繋げ」
『100式山本です! 現在フリングホルニと惑星に降下中!』
山本からの報告は耳を疑うものであり、同時に第101艦隊がこの宙域に来ていることを示すものであった。
「待て! そこにフリングホルニがいるのか?!」
『だから! フリングホルニがいるんです! それと次元断層の時の巨大ロボも!』
通信内容はやや混沌としているが、次元断層で邂逅して一時的に共に航海をしたフリングホルニがシルビア4に降下していて、何故かType-nullが先行して大気圏外からスカイダイビングをしているとの事だ。
「とにかく無事という事でいいのか?!」
『無事です! 状況的に、今下手に離れたら地表の対空にやられそうなので一緒に降りて、地表が落ち着いたら捜索を開始します!』
「……相原、艦外の全ての修復作業を現時点をもって中断。艦外作業員を全員収容、シルビア4に降下する」
『聞こえてましたよ艦長殿。現作業を20分後目安で片付けます。出れるのは今から25分後くらいですかね。機関長、エンジン温めて置いて下さい』
「既にやっとるわ」
「艦長、この宙域に101艦隊がいるというのは……」
「ガミラス星まで最短距離で帰還も出来るはずだ。理由なら後にクダン司令に訳を聞けばいい。甲板部員の収容を急がせろ」
「幸い、レーダーと外部環境カメラの修理は暫定的ではありますが完了しています。最悪戦闘になったとしても対処は可能と思われます」
西条もコンソールの半分を支配するレーダーモニターを見つめる。完全復旧とはいかないものの、半径50光秒圏内の観測は可能となっている。最大稼働で半径75光秒。全く使えない状況とは天地の差がある。
「山本機の信号を追えるか?」
「既にマークしています。現在シルビア4に降下中。機体ステータスも問題なく送信されてきます。……推進器を切っている様なので恐らく……」
「フリングホルニの甲板上に緊急着艦しているという事でしょう。クダン司令は100式が地球の機体だと分かって着艦指示を出したという事となりますが、とにかく100式の降下の支援をしてくださっているのは確かですね。お会いした時にお礼をしなければなりませんね」
真田が西条の言葉を繋ぐ形で答える。まさかこんな形でまた再開をする事となるとはだれが予想しただろうか?
いや、誰もしていないだろう。沖田艦長でさえ予想だにしなかった事態であり、同時に嬉しい誤算であった。
「戻りました! 状況どうなってますか?!」
マリの部屋から大急ぎで飛んできたハルナは、肩で息をしながら真田に状況を聞いた。
「君の進言通り、今100式はシルビア4に降下している。だが、シルビア4の近辺に第101艦隊が確認されて、今共に降下しているそうだ」
「へっ? 101って……メルダとクダン司令の艦隊ですか?」
「そのまさかだ。何か理由があってここに来ている様だが、降下速度が異常に速い」
そう言って、真田は自信のコンソールに向かって手招きをして、ハルナに100式のステータスを見せた。
「隕石ですか……? コレ」
「一般的な再突入時軌道のように滑らかな軌道ではなく、隕石の様に真っ直ぐ降りている。断熱圧縮による空力加熱を深く考慮しなくていいとはいえ、とても正常な物ではないな」
「コレ、明らかに強襲目的じゃない?」
気づいたら背後に赤木博士が立っていた。作業着を着たままでここに来たのだろう。
「赤木博士ビックリさせないでくださいよ~」
「艦橋に顔出したら揃って何か見ていたから気になるでしょう? それよりこの船、光学で見えるかしら?」
「多分大気圏突入時の大気との摩擦光で逆光が酷いですよ? おまけに隕石も真っ青な速度なので」
「でもなぜ強襲と?」
「一般的な強襲部隊って、普通はやらないビックリ仰天な手を使うでしょ? 敵側の意表を突くことが出来るからね。丁寧に滑らかに降りてくると思ってたら思い切り豪快に最速で降りてきたら流石の貴方達も驚くでしょ?」
「「まあ、確かに……」」
赤木博士の意見も尤もであるが、なら何故フリングホルニはそんな豪快な方法で降りながら尚且つType-nullにスカイダイビングをさせているのだろうか?
そこは直接聞かないと分からないのだが、久しぶりにメルダに会えることにハルナの表情はほんの少しだけ少し明るくなった。
「何故こんなことに……」
「一難去ってまた一難ですねぇ」
踏んだり蹴ったりな伊藤と藪と、それに巻き込まれた感が強い古代は、収容所惑星の警備用ガミロイドに連行されて、まさかの収容所内にいた。
このような状況に至るまでに様々なことがあったのだが、要約するとこうだ。
シーガルで偵察に向かったのは良かったのだが、そこに偶然潜伏していた伊藤と藪が顔を出して古代に銃を突きつける。一瞬のすきを見て古代が操縦桿を思い切り引いて2人の姿勢を崩したが、その時藪が誤って銃を撃ってしまい、シーガルの契機とコンピュータが破損。燃料計のコントロールが狂いエンジンが使い物にならなくなり、そのままシルビア4の地表に胴体着陸。シーガルは破損して巡回警備に見つかり、脱走者として強制連行。そして今に至るといった具合だ。
古代からしてみれば、大事な人をガミラスに連れ去られてさらに伊藤と藪の乱入で偵察先で捕まるという巻き込まれた状態。伊藤と藪からしてみれば、営倉付近に被弾してもれなく吸い出されかけて取り敢えず潜伏できそうな所に身を隠したものの、シーガルが墜落して連行されて踏んだり蹴ったり状態。
自業自得と言われればそれで済んでしまう話だが、余りにも運が付いて無さ過ぎる。
「……のせいだ」
藪が我慢の限界に達したのか、ぶつぶつと何かを連呼し始めた。
「……何だって?」
「アンタのせいだっ!! アンタの口車に乗せられてっ!! アンタに着いていったらっ!!!」
《黙れ!》
警備のガミロイドに取り押さえられ、藪はそのまま地に伏せられた。ここは敵地。本当に偶然と言うしかない不幸でここにやって来てしまったが、今は大人しくチャンスを伺う。近傍にはWunderもいる。異常を察知してくれれば飛んできてくれるかもしれない。
現状何もできない古代に出来る事は、虎視眈々としている事だった。
《緊急警報、緊急警報! 上空より、強襲降下中の大型艦を確認! これは訓練ではない! 繰り返す! これは訓練ではない!》
古代からしてみれば何を叫んでいるのか分からなかったが、明らかに異常事態を告げるサイレンとその後の慌てようから、敵襲を受けていると察知した。
それと同時に、自分たちの左方の奥、収容所の出入口と思われる巨大なゲートの奥で爆発音が響いた。
「何だ?!」
第17収容所惑星の収容所は、全て独房で構成されている。管理室が中心に位置し、その全周に独房が並んでいる。地球でいう、所謂「パノプティコン」と呼ばれる全展望監視システムに類似したこの収容所は、その管理室から全ての独房の状況をモニターすることが出来、そこから独房のロックを解除することも可能だ。
そこに収監された場合「待っているのは死」というのがこの収容所のアングラな話。それは収容所所長のボーゼンが、囚人を塀まで追い詰めコレクションの猟銃で撃ち殺す事を趣味としているためであり、日々囚人の数人がボーゼンの気まぐれで選ばれては野鳥狩りの感覚で撃ち殺されている。
囚人を選ぶ過程で独房を選んで開ける必要があり、その手間を煩わしく思ったボーゼンにより独房のロックがかなり簡易的な施錠となっていて、囚人選びの際に手早く開けることが可能となっている。
そこに目を付けた「ガル・ディッツの側近」は身分を詐称し、新しく配属された給仕係として収容所に潜入。収容所の粗雑な囚人管理体制を把握し、管理室へ向かう事がかなり簡単であることを確認した。
そして、ボーゼンのコレクションから「ボーゼンのお気に入りではない拳銃」を複数、収容所に蓄えられている一般兵用の拳銃を怪しまれずに運べるだけの量を拝借し、給仕用のトレイに忍ばせ管理室に直行。
管理室のコンソールを操作して独房のロックを全て解除。解放された囚人は一斉に収容所の外……シャバに向かって走り出し、実行犯と化した側近は廊下に潜んで囚人たちに拳銃を給仕……ではなく給銃をする。最後はタイミングを見計らってフリングホルニからの突入部隊に合流する。
これで収容所は少なくとも大混乱に陥ることとなるため、実質作戦第1段階は大成功だ。
そして肝心の最終目標である提督の身柄保護だが、提督が一般房エリアではなく特別房に投獄されているため、フリングホルニからの突入部隊に任せるだけだ。
「命大事にしてこその任務です。後はお願いします」
作戦第1段階を完遂した側近は脱走させた囚人に銃を渡しながら、今頭上で強行降下中のフリングホルニに残りを託した。
「レプタポーダ大気圏再突入終了! 船体に損傷無し! 現在速度25ガット地表到達まで残り250ゲック!」
「Type-nullは?!」
「残り240ゲックで収容所に着地します!安全速度ギリギリです!」
「ディッツ中尉! 必ず減速はかけるんだ! 収容所が真っ二つに綺麗に割れるしお前も危ないぞ!」
『了解! 安全域まで逆噴射減速開始!』
「駐機中のテロン機は?!」
「問題ありません! 慣性制御良好ガッチリ固定されてます!」
「宜しいっ! 突入隊! 覚悟は良いか?!」
『こちら突入隊! 全員覚悟できてます!』
「総員! 本艦は地表面衝突80ゲック前に艦底部推進器での急減速を行いレプタポーダ収容所に強行着陸を行う! 艦内乗組員は座席に付き安全ベルト着用! 突入隊は機体回収班用車両に乗り込み待機! 着陸次第ハッチを開放し突入隊は収容所内に突入せよ!」
「地表面観測に動きあり! 作戦続行の合図です!」
正面モニターに映し出されたのは、黒煙が上がり脱走した囚人で溢れた収容所の姿だ。日々野蛮な狩りが行われていた収容所は混沌に満ち満ちていき、警備員も対処しきれていないようだ。
「側近くんめ派手にやってくれたな。そこまでやれとは言ってないんだがまあ良い。降着装置を降ろせ、降りるぞ。反撃はどうだ?!」
「ありません! 囚人脱走により収容所機能が軒並みダウンしたと思われます!」
「ならば好都合!」
協力者である「ディッツ提督の側近」の成功を確認し、フリングホルニはさらに降下していく。同時に艦底部のハッチを開き降着装置を降ろし、姿勢制御スラスターも全て展開する。
「落下速度正常! 地表到達まで、残り120、110、100、90……」
「衝撃に備えェッ!」
その瞬間、操舵士が艦底部姿勢制御スラスターを全力で噴射。艦の慣性制御による姿勢制御でも殺しきれない加速度を強引に打ち消していく。
艦全体に強烈な揺れが走り、艦橋で立って舵を取る操舵士は舵輪にしがみ付き何とか体勢を保つ。
降着装置に想定以上の負荷がかかったことを正面モニターが知らせる。
それと同時にType-nullも収容所の艦船ドックに着地し、轟音と激震を収容所の敷地一帯に強引に与えた。減速の結果、収容所がクッキーのようにパックリ割れるようなことにはならなかったが、艦船ドックが着地時の衝撃で半壊している。
「着陸完了!! 船体損傷無し!」
「車両搬入用ハッチ開け! 突入開始!」
フリングホルニの左舷に備えられた車両搬入用ハッチが開き、そこから2両の人員移送用装甲車が躍り出た。
そのまま装甲車は正面ゲートに突き進み、半開きとなったゲート正面に横づけした。
「総員生きて帰るぞ! 突入開始!」
装甲車両から10数人の突入部隊が展開し、ガスマスクを着用して各々が機関銃を構え互いの背後を守る形となった。即席で編成した部隊ではあるが、生半可な気持ちで志願した物はしない。それを証明する様に各々の顔は引き締まっていて、機関銃を構える腕は震えていない。
クダンは事前に突入隊に「生命の危機と判断する以外は銃殺を禁ずる」と伝えていた。ここに居るのは囚人。ボーゼンの被害に遭ったものや言いがかりで投獄された者、ガミラスそのものに敵意を持つザルツ人やガトランティス人もいる。
突入隊による被害によっては他国のガミラスに対する敵対心を煽るかもしれない。それを極力抑えるべく各員には閃光手榴弾や催涙弾が支給され、非殺傷兵器主体での戦闘が求められた。
勿論のこと、そのような専門的な訓練を受けていない。しかし、互いに信頼し合いカバーし合うことに関しては日頃の機体整備作業で嫌という程やって来た為、動きに迷いを見せることは無い。
「自由を我らにぃぃッ!!」
解放されて暴れ回るザルツ人に対しても閃光手榴弾と軍仕込みの徒手格闘だけで跳ね除ける。
進路上の人だかりに対しては催涙弾で無力化して全力で突っきる。
最終目標に位置するディッツ提督の独房は収容所の最奥に位置している。そこまで強引に突っ切るしか道がなく、囚人の波を掻き分けるなり切り開くなりして突き進む。
この異常な状況に危機感を覚えたノランは、ボーゼンのコンソールを操作して外部監視カメラの映像を表示した。幸いな事にパスワード等の使用者認証が最初からされていなかったため、それほど時間はかからなかった。
「これは……っ!」
混沌と言う言葉があるが、今スクリーンに映っている状況から察するにこういう時の為に用意された言葉だという事が良く分かる。
ほぼすべての独房のロックが解除され、一般房の囚人が皆脱走している。おまけに囚人が持つはずがない銃火器を持ち、大暴動が起こっている。
既に殆んどの囚人が監房エリアから脱走していて、何時ここまで来るか分からない。
「囚人が暴動を……ユリーシャ様! ここは危険です、次元潜航艦に移動します!」
咄嗟の判断で次元潜航艦に戻ることに決めたノランはボーゼンの部屋から外を確認した。今の所は囚人の暴動はここまで来ていない。
動くなら今だ。部屋に戻り、ボーゼンコレクションの中から手頃なサブマシンガンを拝借して何時でも撃てる様に準備をする。
そのまま森を連れて部屋の外に出て走る。衣服のせいで走りにくい森に合わせ、全方位に気を配り走り続ける。
しかし暴動が収容所の中枢まで押し寄せてしまい、追いつかれそうになる。
「マズい……ユリーシャ様失礼します!」
「えっちょっと何をうわっ!」
ノランが一声かけたその瞬間に森の体はいとも簡単にノランに抱えられ、猛ダッシュで暴動から距離を取る。
ある程度距離を取ってから森を降ろして片手で森を伏せさせ、持ち出したサブマシンガンを掃射。致命傷には至らなかったが、怯ませる事が出来た。
「走りますよ!」
その隙にさらに距離を取り近くのエレベーターに飛び込む。
「ノランさん……先程の方は……」
「ここに収容されていた囚人です。ガトランティス人、ガミラス人。そしてザルツ人……我が同胞もいます」
同じ赤い血を持つ者同士。たとえ任務とはいえ殺すのは張り裂けそうな程の悲しみと苦しみに支配されるだろう。だがノランはその心を全て殺して引き金を引いた。
引き起こされた混沌の中、不殺を貫き通しながら心を殺し、ノランは護衛対象を連れ次元潜航艦に急いだ。
お久しぶりです。朱色の空です。
休載期間中に次回作品や星巡る方舟編のネタ、その他の話も諸々書いていました。
休載=「早く書かないと」と思わない……という事なので、ゆっくり書いたり勉強しながら書いたりとしていたら早テスト。
無事に終わったら次は執筆本格再開……なかなかハードでした。
次回は異星人女子会もう1回やろうかなと思っています。
それでは次の話でまたお会いしましょう
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