宇宙戦艦ヴンダー 《Reise zu einem Wunder》 作:朱色の空☁️
ちなみに、リクハルは2人で頑張れば真田さんレベルでの活動が出来ます。
赤木博士は実質真田さんと同じスペックです。
マリは1/3真田さんです。
それと、艦艇に外付けウェポン用意してもいいじゃないですか。
再編国連宇宙軍(仮称)新型艦艇として、暫定第2世代艦3艦種の設計
暫定第2世代艦艇条件
最低でも20㎝口径のショックカノンを砲塔単位で搭載。
主機関として次元波動エンジン、補機としてケルビンインパルスエンジン搭載
波動防壁搭載
ワープ航法搭載
対高速艦艇、航空機対策としての魚雷発射管、ミサイル発射管、対空兵装の搭載。
戦艦クラスには航空隊1個中隊。巡洋艦には半個中隊。駆逐艦には偵察機の標準搭載
条約範囲内での波動砲の搭載
カミナリサマの小型化と耐EMモードの標準実装
OWシリーズオプション装備の搭載
イスカンダルから出発して3日、解析室に集まった何時もの面々の目の前で発表されたのは、第2世代艦艇の絶対条件。波動エンジンとショックカノン、ワープに波動防壁は皆納得だが、それ以外の要素も詰め込まれている。さらに何だかよく分からない響きの物や聞いた事の無い物まで書き込まれている。
「ケルビンインパルスエンジン?」
聞きなれない単語に頭に「?」を浮かべたマリが質問する。
「オリンポス級宇宙戦闘艦の主機です」
「あの船を持ち出すか、上層部が首を斜めにするかもしれないな」
「いやそもそも、オリンポス級って何にゃ?」
「旧火星自治政府の宇宙海軍が建造した宇宙戦闘艦です。ただ気になるのが、どうやってこれを1から作ったのか何ですよ」
そう言って用紙に殴り書きされた「ケルビンインパルス」と書かれた部分を指で叩く。
「ケルビンインパルスエンジンには不可解な点が多い。内惑星戦争時に火星艦は鹵獲されてリバースエンジニアリングに回されたのだが、地球の核融合期間とは全く違っていた。巷では異星人由来の主機関と呼ばれている。いい顔はしないだろう」
「ハルナっちとリっくんは火星技研にいたんよね? 何か知らないの?」
「うーん、徹底的に情報統制されていたから他の部署の研究とかよくは分からないんです。あくまで私達がやってたのはアンノウンドライブだったので他の部署の事は何とも……」
そう、火星技研で行われていたのはアンノウンドライブの解析とケルビンインパルスエンジンの設計と開発。リクとハルナは関わっていたのはアンノウンドライブの方でケルビンインパルスエンジンの方には関わっていない。40年以上前の噂話から聞いた程度で実物を見たわけではないが、昏睡中に何があったのかを確認する過程で偶然そのオリンポス級の画像を見たのだ。
「でもあるなら使いますよ。でもケルビンインパルスは地球に戻ってから何とかします。恐らく分解解析で出た設計図は地球にある筈なので。曰く付きかもしれませんが、まずは確認取ってからです」
「それと、このOWシリーズと言うのは?」
「これです」
真田に問われたリクは、タブレットの別の設計図をタップした。
「……本気でこれをやるつもりか? これを」
「波動砲頼りにしない為には、こういう戦術兵器も必要なんです。」
そこに書かれていたのは、全長100mは優にある巨大な砲身だった。巨大な端子の様なジョイントと巨大な冷却機構、そして兵装名として《OWC-Y001 100㎝単装長砲身陽電子衝撃砲》と書かれている。明らかに列車砲並のサイズに一同言葉を失うが、リクとハルナは真剣な目でこの巨大ショックカノンを見つめていた。
「これは、艦艇に外付けする陽電子砲です」
「……何だって?」
「艦艇に外付けする陽電子砲です」
「いや、そこは分かった。だがなぜ艦艇に外付けするんだ?」
「波動砲以外の物で波動砲に迫る攻撃力を与えようと思ったら、これくらいのサイズになってしまいます。内蔵式は無理なので外装式になります」
「ショックカノンか……真新しい代物ではないが、こうしてみると異形だな」
真田の言う通りこれは異形そのもの。冷却機構がまるで艦船の給排気口の様に取り付けられていて、極低温の微粒子を取り込んで強制冷却を行う様だ。砲身後部には推進器も取り付けられていて、重量増加分の推力向上も試みられている。
さらに発射機構にはまるで波動砲の様な突入ボルトが備えられていて、通常のショックカノン砲身には見られない陽電子収束機が取り付けられている。かなりのエネルギー量を扱うという事で、発射失敗のリスクを考慮して接続ユニットは多段構造となっている。
接続自体は高度な戦術機動や振動に十分以上に耐えられる構造で「簡単には外れない」。しかし、万が一投棄する事態になった場合は接続ユニットの破壊……ではなく接続部の根元、それも外装兵器側の接続部を爆砕ボルトで発破分離。迅速に投棄する事も可能だ。
「実際には数を揃えて砲撃部隊のように扱うと思います。砲身も長いので陽電子の加速収束も普通の砲塔より長く行えるので相当の射程が期待できます。スペック上ではガミラスの通常艦艇を数枚抜き出来ます」
「なんか……すごいにゃ」
「やっぱり語彙力消えますよねコレ見たら。OWシリーズはこれからも幾つか必要になってくると思います。波動砲に頼らなくてもいい戦闘の実現と地球防衛は、このオーバードウェポンを加えてやっていきます」
オーバードウェポン。それは規格外の力を凝縮された力の結晶であり、使い方によっては「防衛力」になり「暴力」にもなる。これも波動砲と同じ「使い方が求められる兵器」であり、皆一同これは「防衛力」とすべきと感じた。波動砲の時と同様に使い方と向きが求められるそれには責任が付きまとうだろう。
「リっくん、ハルナっち」
「このオーバードウェポンはただ壊す為の力にしたくない。守る力にもなり得るし、正真正銘の守る為の武装としても作れるにゃ」
「守るための?」
「兵器って敵を倒すための物って見られがちだけど、純粋に守るだけの用途で作るのもありだと思うにゃ。例えば……」
そっと耳打ちされたその「規格外の力」のアイディアに耳を疑った2人は情けなくなった。どうして真っ先にこれを思いつかなかったのか。ちゃんと守るための力じゃないか。曲がりなりにでもなくちゃんとした「守るための力」のそれは一瞬のうちに2人の頭の中で形を成した。
「マリさん。ありがとうございます」
「特別な事はしていないにゃ。こういう考え方もあるって事」
その後即座に2人は研究室に戻り、丸1日出てこなかった。翌日真田が様子を見に行ってみると、ベットに腰かけたまま眠るリクとその膝に頭を預けてハルナが穏やかに眠っていた。
溜息を付いた真田が研究室からそっと出ようとするとデスクの大型液晶が点灯していた。
「これは……」
真田も想像した事の無い程の巨大兵装。それは純粋に守る為だけの力であり、同様に規格外の力を凝縮している。ただしそれは「力の結晶」ではなく、「意志の結晶」として生み出されていた。
型式番号 OWD-Y001
通称 ヤタノカガミ
巨大な扇を幾つも重ねた大型の可変式ユニットに産業用ロボットの様な巨大なアームが取り付けられている。フレキシブルに稼働して全方位防御と巨大な堤防の様な波動防壁を友軍に提供する。
八咫鏡。日本神話に登場するその鏡は、天照大御神のご神体と言い伝えられてきた。
天照大御神は世の中の平和を守り、災いを防ぐ神様。守るにはうってつけの名称とお誂え向きの力を与えらえた神の鏡は縁起が良い事も相まって、真田の目にはそれがさぞ頼もしそうに見えた。
まだデータ上でしか存在しない「規格外の効果をもたらす兵装」は、そう近くないうちにその力を存分に発揮する事となるのだが、この時の真田はまだ想像すらしなかったのであった。
超大口径砲誕生です。
前々から考えていたオーバードウェポン構想、ようやくスタートです。
全てはアーマードコアから発想を得て生まれたのですが、これから生み出していくオーバードウェポンの名前には全部元ネタがあります。
次の閑話(?)は眠っているハルナの身に起こった邂逅と対話ですね。
では次のお話で
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