宇宙戦艦ヴンダー 《Reise zu einem Wunder》   作:朱色の空☁️

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真田さんも登場!
ダブル主人公と絡みます
この話は長いです


西暦2198年 贖罪から奇跡へ

第3話 西暦2198年 贖罪から奇跡へ

 

 

イスカンダルからもたらされた波動エンジンの設計図、今までの人類の技術を何歩も飛び越えた超技術を深く理解できる人はいなかった。

 

 

 

ただ1人を除いては

 

 

 

「なるほど、余剰次元空間の解放で生じる重力をエネルギー変換するのか。事実上の永久機関だな」

彼、真田志郎は人並み外れた頭脳で波動エンジンの資料を読んでいた。彼は、「マサチューセッツ工科大学と宇宙防衛大学を通って」国連宇宙軍に入ったとんでもない経歴の持ち主であり、彼にかかれば異星人の超理論も、多少時間はかかるが完全に理解できてしまうのだ。

 

(しかしこのエンジンが出来たとして、起動には…)

 

「初起動には莫大な電力が必要みたいね、この素敵エンジン」

「でも、完成して量産出来たら地球のエネルギー問題はチャラだな」

「?!」

なんとビックリ、真田さんの背後で資料を覗き見する2人の人がいたのであった。

見られてはマズイ資料を見られたことで真田さんは慌てて隠そうとしたが、1つ疑問に思ったことがある。

 

(え、この理論を理解してる…?)

その疑問が、「軍人としての真田さん」ではなく「科学者としての真田さん」を引っ張り出した。

 

「君たち、これが分かるのか!?」

普段感情を出すことが少ない真田さんが珍しく声を上げた。それもそのはず、今自分が見ているのは異性文明の超理論なのだから。

「え、はい…大体分かります」

「私は8割は分かりました」

なんと末恐ろしい頭脳だ、初見で「大体理解出来た」なんて。しかし、それが真田さんの科学者としての自分を暴走させた。

「君たち名前は?」

「僕は睦月リク、こっちは暁ハルナです」

「私は真田志郎だ、ん?君たちの苗字をどこかで聞いたがあるが…」

「ああ、僕たち、元々火星技研にいましたので多分それで名前が軍に伝わったのかなと」

 

(まてよ、火星技研は83年に閉鎖されたのでは…)

 

確かに火星技研は第二次内惑星戦争終結で閉鎖された。しかし彼らは20代…本当に火星技研にいたのなら、彼らは13歳程で火星技研にいた事になる。いくらなんでもおかしい…。

 

もしや、彼らが…?

 

「もしかして、事故で昏睡とかになってないか?」

「「?!?!」」

2人揃って「ああ、バレた、オワッタ」という顔をした。

「軍の病院に40年近く昏睡状態の研究員がいるって何年か前に資料で見たが、まさか君たちのことなのか?」

やはり真田さんは凄い人だった。

「…はい。僕らは火星で事故に遭い、40年近く眠っていました。目覚めたのは3年ほど前です」

「まるで浦島太郎の気分ですよ」

1人だけズレてるのがいるが、2人組の実情を知っているのは軍上層部のみである。そして、40年近く眠って、目覚める確率は0に近い。

言うなれば彼らは、『奇跡の復活を果たした人』である。

 

そんなことを公にしたらメディアに追い回され、軍の技術局の業務にも支障が出る。よって彼らは、過去の戸籍を消去して、もう一度戸籍を作り直した。

 

「2134年生まれ火星育ちの純マーズノイド」ではなく

「2174年生まれ火星からの移民」として…

 

これは彼らの意志によるもので決して軍上層部が強要したものでは無い。大事な事だからもう一度言う、彼らの意思である。

 

「まあ、バレたらマズイことなので、このことは…」

「わかった、他言無用にだな。」

「ありがとうございます…。」

とにかく、真田さんにはバレてしまったが、黙っていてくれることになった。良い人で良かった。

 

「黙る代わりに手伝って欲しいことがあるんだが」

真田さんがそう言った。2人が顔をあげるとそこにいたのは

 

『完全に科学者モードの真田さん』だった。

 

 

 

あの後、2人は真田さんに付き合わされ、あの設計図について議論に議論を重ねた。正直ハルナは手が付けられないほど興奮して、真田さんと一緒に波動エンジンの設計図に食いついていた。それで済むはずがなく、改良案まで出し始めた。2人の正体は実は異星人なのでは?と思ってしまう。

 

なお、真田さんと彼らは年の離れた友人となりました。

 

 

「真田さん、これ、見て貰えませんか?」

「鳥?いや、極めて独特な構造を持つ船だな。」

(これって脱出船じゃないか…)

「その船の設計は僕たちがやりました」

「何だって!!!」

まさかの事実である。爆弾発言を通り越して、ショックは遊星爆弾並である

 

「君たちがこの船を作ったのか!!」

目が飛び出るほど驚いている真田さん。「私はとんでもない人と話していたのか…」と言いそうな顔である。

 

「あはは…、復活して少し経った頃に設計を担当することになって、それが地球最後の仕事になるとは思いませんでした。」

「いや、それはないと思うよ」

「「え?」」

「まだ正式に発表されてないけど、近いうちにそのbußeという脱出船の改装が正式に行われ、イスカンダルへ派遣される。そのため、2人にも設計の一部を変更してもらうことになると思うよ。」

「本当ですか!!」

「ああ、…何だか嬉しそうだな」

「はい、僕らが作った船が…ひと握りの人間を逃がすための方舟ではなく、人類の希望の船となるとは、嬉しい限りです」

「そうだな。…そうだ、私と一緒に波動エンジンの応用技術を考えてみないか?」

 

「やらせてくださいッ!!!」

ハルナがものすごい勢いで食いついた。いや、ホントに真田さんの顔にかじりつくくらいの勢いで顔を近づけた。

 

「あ、ああ…(根からの技術者だな…)」

 

「…ハルナ?そろそろ研究室に戻った方が」

「…ハッ!そうでした!では、失礼します!」

 

バタンッ!

 

(彼らはとても変わった人だな。でも、同じ臭いがする)

 

そう思う真田さんのデスクには、おびただしい量の書き込みと計算式が増えた「波動エンジンの設計図」があった。

 

 

 

 

 

自分たちの研究室に戻ってから数日、2人は設計の変更を行ってた。主な部屋の変化は、リクの机にも書類の山が出来たことと、『床に布団が2枚敷いてままになっていること』くらいである。

 

そう、2人は研究室を自分の住居にしていたのである。つまり住み込み。そうでもしない限り設計変更が間に合わないのも事実である。もちろん人事部にも話を通してあるので、1日3回職員がご飯を運んでくれる。

 

 

プシュッ

ゴキュゴキュッ

プハ〜、ダン!

(栄養ドリンクを勢いよく置く)

 

「疲れたァッ!」

「あれ、まだ4日目だよ、へばった?」

2人とも二徹はしている。最初の日はちゃんと寝た(4時間)が、それからは徹夜続きである。

2人とも目の下にクマができてるがハルナは化粧で上手く隠してるが、リクはくっきり出てる。

おまけに栄養ドリンクの空瓶が列になって並んでる。

「まだまだ…頑張る」

「その調子、でもほんとにヤバかったら仮眠してね、私起こすから」

 

「…そん時は頼むわ」

 

2人の研究室は中央に大型モニターが設置されている。そこに移るのは、「大量の砲塔を装備した、bußeだったもの」であった。

 

「んねぇ…リク、起きてる?」

「おん…起きてる、どした?」

「この波動エンジンのこのパーツ、何なんだろね」

そう言ってハルナが指差すパーツは、波動エンジンのキーパーツであるパーツ「波動コア」であった。

「これだけわかんないのよ、他は分かるけど」

「それを俺に聞いてもなぁ、…そうだ」

「?」

「ユリーシャさんに聞いてみるか。これはイスカンダルの技術なんだろ?ならイスカンダルの人に聞いてみるのが早いと思うぞ」

「よし!それならちょっと準備しないとね!」

「とりあえず藤堂長官に、会えるかどうか聞いてみる。」

(あ、俺も支度しとかんと。あと、目の下のクマ何とかしないと)

「ハルナ〜、お前目の下のクマどうやって隠してた〜?」

 

 

 

 

 

 

 

 

ユリーシャさんは極東管区の軍関係者の宿舎に滞在していた。もちろん異星人とはいえ皇族なので、最高級の部屋を貸し出されていた。

アポをとったらユリーシャさんは快くOKしてくれた。

どうやらあの船の設計図を見てみたいと思ってたらしいのでちょうどいいと思ったのだろう。

そんな特別クラスの部屋の前に2人は立っていた。

 

「めちゃくちゃ緊張する…」

「ん?ハルナ大丈夫?」

「だって皇族だよ!異星人だよ!」

 

ガチャッ

 

「あら、あなた達がトウドウ長官の言ってたお客さんね。どうぞ入って」

「「お、お邪魔します!」」

(皇族なんだよね、ノリが近所のお姉さんみたい…)

「初めてあなた達を見た時兄弟姉妹みたいだったわ、まさか兄弟?」

「いやいや、違います!」

「私たちは火星航宙技術研究所の元研究員です。改めて自己紹介します。私は暁ハルナ、こっちは睦月リク。」

「なるほどぉ〜(ニヤニヤ)あっ、あらためまして、ユリーシャ・イスカンダルです。」

「早速だけど、私に聞きたいことがあるって聞いてるけど」

 

(あ、そうだった、あのパーツについて聞かないと)

 

「僕たち、波動エンジンの理論と構造について一通り確認したんですが、1つ分からない部分があって…ここです。」

そう言いながら、リクは波動エンジンの設計図(手書き)を机に広げた。

 

そして、タキオン粒子波動セクションの中心部を指差した。

 

「その部品は、私の故郷イスカンダルでしか作れません。波動エンジンの部品は地球圏で産出される資源で製造することは出来ますが、波動コアはイスカンダル固有の材質で出来ている部品なので、地球圏での製造は現在のところ不可能です」

 

「じゃあどうやって波動コアを手に入れれば…」

「大丈夫です、私の姉、次女のサーシャが私と同じ宇宙船でこちらに向かう手筈が整っています。」

「良かったぁ〜…ユリーシャさん、ありがとうございます」

「いえいえ、疑問は晴れたかしら」

「はい!」

「そうだ、トウドウ長官から聞いたけど、あなた達が船を改設計したみたいね。私にも見せてもらえるかしら」

「はい!ではこちらをご覧下さい!」

そう言うとハルナは船の設計図を『床に』広げ始めた。

 

 

 

大きすぎるのだ、そもそもの艦の全長が長いので設計図も大きくなるのだがいくらなんでもこれは…。

 

 

「とんでもなく大きいのね…しかも見たことの無いフォルムだわ」

「この船は、元々地球脱出用の船だったんです。ひと握りの人間を逃がすための方舟、しかし今は人類に奇跡をもたらす船として改設計中です。」

「かなり武装が多いわね」

「168000光年を旅する上で、どうしてもガミラスからの妨害が入るでしょう、それらから身を守るための物です。決して侵略の為にあるものではありません。」

ユリーシャは興味深そうに設計図を端から端まで見ていたが、艦首部分の特殊兵器を見た瞬間に凍りついた。

 

「この兵器、まさか…」

 

 

 

この時2人は悟った…

作ってはならないものを作ってしまったと

 




原作では波動砲生みの親は真田さんですが、本編では波動エンジンの応用技術に2人が1枚噛んでるため、その過程で波動砲を考えついてます。もちろん波動防壁も
艦艇解説にもありましたが、この船は原作の2倍の口径の波動砲を二門搭載してます
平気で星壊しができるレベルです

とりあえず、ユリーシャの話、中編終了です
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