宇宙戦艦ヴンダー 《Reise zu einem Wunder》   作:朱色の空☁️

98 / 139
8番浮遊大陸作戦です


Started Moving Disaster-AW4年1月30日-

 無限に広がる大宇宙

 

 

 静寂に満ちた世界

 

 

 生まれてゆく星もあれば、死にゆく星もある

 

 

 そうだ、宇宙は生きているのだ

 

 

 

 生きている

 

 

 

 

 だが、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 この宇宙は、誰の物でもない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 小マゼラン星雲 アリステラ星系外縁部

 

 その闇は、宇宙の闇とは正反対の色をしていた。白。真っ白だ。それを闇と形容できたのは、彼らがそこにいたからだ。

 真っ白な闇から前期ゴストーク級が、メダルーサ級が、ラスコー級が、ククルカン級が這い出る。その舳先は何もない真っ黒な宇宙に向き、三角形を無数に重ね合わせたようなワープエフェクトに艦体ごと包まれ、とある星へと向かった。

 

 

 真っ白な闇。白色彗星と呼称するその移動物体は、アリステラ星系に侵入。それに反応したガミラス駐屯艦隊が応戦に出るが手も足も出なかった。まるで見えない手に擦り潰されたかのような残骸となった艦艇は彗星に飲み込まれ、塵も残さず、存在していたという跡すら許さないというように進んでいく。その舳先はとある星に向いた。アリステラ4、アリステラ星系の第4惑星だ。

 

 

 その彗星から、4隻の巨大艦が姿を現した。2対の翼、水晶のような構造物、大きく伸びた艦尾。そして、竜の頭のような艦首。だが彼女らは護衛と運搬役で、本命は紫の巨人だ。眩い白に染めた身体は一点の曇りもない光を放ち、後光を背負う。

 

 

 そこからは一瞬だった。見えない手で掘り起こされたかのように地面が抉れ、無数の大岩が飛び、真っ白な聖杯が掘り起こされた。その中の「何か」と一緒に。

 

 

 それを、彼女らが持ち出した。細い光の糸で吊り上げられたそれは地の底から引き揚げられていき、見る見るうちに大気圏を突破し彗星に取り込まれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 推定絶対銀緯-21.6度 推定絶対銀経122度

 自由浮遊惑星テレザート

 

 

 1つの星があった。恒星系に属さず、ただそこに存在しているその星は、青々とした水と空気を抱え、その青い星に数えるほどしかない島を点在させていた。星の周りにはハロー環のような物が展開されているが、まるで氷の様に透けて見える。

 そんな人類が理解している天文学では到底理解できないその星は、災厄を見た。

 

 艦隊ごとワープアウトしたガトランティス艦がテレザートに進んでいくが、ある一定深度からは進めなかった。先行していたラスコー級が、ククルカン級が見えない壁に激突し、轟沈した。衝突箇所に光の波紋が広がり、景色が揺らいでいく。

 

 その壁はどうしようもなかった。超巨大ミサイルを叩きこんでもダメだった。光学兵器の全てを叩きこんでもダメだった。火焔直撃砲の斉射を叩きこんでもダメだった。何をしてもビクともしない壁であったが、分かった事があった。

 

 

 テレザートは、自身も知らない力によって守られていたのだ。それはハロー環に似た力場に埋め込まれた楔の様なモニュメント。二重らせんが絡みつくそのモニュメントは人が祈りをささげるような形状で、真っ赤な球体が心臓の鼓動のように明暗を繰り返している。

 

 

 

 

 

 

 小マゼラン外縁部

 白色彗星

 

 

「テレザートの奪取は叶わぬか」

 

『申し訳ございませぬ、大帝。大帝の命を果たせぬ以上、死をもってお詫びする所存です』

 

「構わぬ。テレザートは、我がガトランティスに無くてはならぬもの。その封印の実体について引き続き調べよ」

 

『はっ』

 

 大帝玉座の間。帝政ガトランティスの名称が一堂に会するこの場で、ズォーダーは思慮に耽っていた。テレザートは、この星に永遠にも等しい力を与える事が出来たはず。そしてテレサの力がガトランティスの願いと自分の願いをかなえる事が出来る方法でもあった。

 

 それが出来ないと来た。しかし、白き月は手に入った。NHGの複製も完了している。あとは場所だ。戦力が足りなければ遠征軍や賊の頭目も掻き集めればいい。かのゴラン・ダガームも元は賊の頭目だ。使えない訳では無い。

 

 

(マイナス宇宙。我らガトランティスでも届かぬ領域。我が願いをかなえる唯一の場所)

 

 

「大帝。まもなく、浮遊大陸にガミロンとテロンの船が来襲します」

 

「テロンか。ヤツらの母星の位置は割れたか?」

 

「ガミロンの科学奴隷に口を割らせようとしましたが、奴らも知らぬとの一点張りです」

 

「奴らは本当に知らぬのだ。ブンダー……いや、ヴンダーと呼ぶあの神殺しは、そやつらを捕らえた後に出現した。だが大凡の方向は掴んでいる。サーベラー」

 

「はっ」

 

 サーベラーと呼ばれた白い髪の女性は空に手をかざす。すると何処からともなく星図のようなものが投影され、1つの銀河を映し出した。

 

「奴らが住まう銀河だ。テレザートもこの銀河に住まう一つの星。舳先を変えよ」

 

 ズォーダーの命を受けたサーベラーが鍵盤のように並ぶ結晶体に触れる。触れれば音は響き、重なり、そして禍々しく鼓膜を叩く。

 

「帝星ガトランティス、前進」

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 地球から16.26光年先 エリダヌス40恒星系外縁部

 第1防衛艦隊実働艦隊+待機艦隊

 旗艦ナガトAMD[Dainslave(ダインスレイヴ)]

 

 空間の波紋が無数に出現し、突き破られた。薄氷を纏った68隻の艦艇が一斉に飛び出し、その頃もを脱ぎ捨てる。WILLE宇宙海軍第1防衛艦隊、旗艦にナガトAMD[Dainslave(ダインスレイヴ)]を据えるこの艦隊は、エリダヌス40恒星系に到着した。オーバードウェポンも装備した艦艇がチラホラと見られる中、一部の艦艇は本体と離れ別行動を開始。作戦宙域への先行を開始した。

 

「艦隊ワープ終了。落伍艦ありません」

 

「分かった。浮遊大陸までの距離は?」

 

「推定であと500光秒です。そろそろかと」

 

「艦長を呼びに行く」

 

 いつも通り艦全体の管制をしていたミリシャは、艦長室にいる古代を呼びに艦橋を離れた。第1世代艦と異なり慣性制御が格納庫以外に効いているため、嘗ての磁力靴を履かなくてもいい。足に重りをぶら下げているような不快感が無くなったとガミラス戦争上がりのクルーは喜んでいたが、ミリシャには分からなかった。

 そんな事を考えながらトラムリフトに乗り、艦長室のある区画に降りる。総旗艦とは異なり艦長室が普通の居住区に併設してあるので疑問視されたが、スペース削減をしたかったからと聞かされている。艦長室のドアの前に立ち、タッチパネルに触れ呼び鈴を鳴らす。

 

「古代艦長。入るぞ」

 

「ああ、入ってくれ」

 

 入室許可を得て入ると、ふわりと香ばしい香りがした。これは紅茶だ。馴染みのある懐かしい香りにミリシャは頬を緩ませた。

 

「紅茶、か」

 

「ああ。山南さんに頂いたものだ。折角慣性制御があるんだから楽しめって言われたから淹れてみたが、美味く出来ているだろうか」

 

「試飲してみようか?」

 

「三尉? 義体って飲食が……」

 

 確かに古代の言う通りだ。ガミロイド技術で製造された義体に、嗅覚や味覚と言った摂食に関わる感覚は搭載されていないはずだ。ならなぜミリシャは紅茶だと認識できたのか。

 その答えはただ一つ。ミリシャは自慢げな顔を見せた。

 

「黙っていてすまない。私の義体もアップグレードしたのだ。腹を満たすとまではいかないが、娯楽として楽しむ程度には出来る様になったぞ。と言う事で古代艦長、私にも頂けないだろうか」

 

(だから紅茶の香りが分かったのか)

 

 ミリシャを始めとしたFL乗組員が無理を承知で「食事が出来る様にならないか?」とWILLEに頼んでみたところ、「それもそうだ」と言う事で医療現場等で用いられる人工臓器を応用して義体のアップグレードが行われた。その結果味覚と嗅覚と消化器官系が再現され、FL乗組員は食事を娯楽として行う事が出来る様になったのだ。

 

「うん。美味しい。前に飲まされたコーヒーよりはいける」

 

「物が良かったんだ」

 

 そしてまた一口。

 

「いけない何を寛いでいるんだ。古代艦長そろそろ時間だ。艦橋へ」

 

「おっと。そうだったな」

 

 ソーサーにカップを置き艦長帽をかぶると、古代は両頬を軽く叩き気合を入れた。

 

「紅茶、ごちそうさまでした」

 

「今度はコーヒーをご馳走しよう」

 

「いや、前例がアレだったから……」

 

 


 

 

「艦長あがられます!」

 

 古代とミリシャが艦橋に戻ると戦術長、航海長、通信長、船務長、機関長が手際よく準備を進めていった。古代に敬礼しようとして皆起立しようとするが古代は制した。

 

「作業そのまま。ガミラス艦隊の方は?」

 

「まだです。あっ、来ました。ガミラス艦固有の重力震反応確認、ワープアウト来ます!」

 

 船務長のコンソールに設置されたレーダーに重力震反応が表示され、そこから艦船のマーカーが湧き出てくる。錐もみ回転をしながら赤い歪みから飛び出したのは散々見てきた緑色の艦体。その中にダズル迷彩に染めた艦艇と、何やら巨大な盾を構えたゼルグート級が存在感を放っていた。

 

「バーガー戦闘団。銀河方面第11任務部隊を確認。定刻通りです」

 

「ミランガルから通信です」

 

「繋げ。メインパネルに」

 

 メインパネルに投影されたのは、青紫の髪とほほの縫い跡が特徴的な戦友、フォムト・バーガーだ。ミランガルの艦橋をバックにして不敵な笑みを浮かべる彼は、シャンブロウの一件で親交が生まれ、太陽系に派遣されてきた一流の将校だ。古代より艦隊運用経験が長く戦友でありある意味先輩で、古代も艦隊運用の指導としてバーガーにも教えを乞うていた。

 

『おし、全艦いるみたいだな。こっちも落伍艦なしだ』

 

「まさかバーガーも来てくれるとは思わなかったぞ」

 

『そりゃ教え子がちゃんと艦隊戦するからな。三佐で艦長と司令やるなんて重たいだろうから支えてやらねぇと』

 

「教え子ってお前な……間違ってはいないが」

 

『まぁそっちがメチャクチャ頑張って来たってのは分かってる。俺らはそれを支える。だから気にせずどんとやれ』

 

「ああ。頼む」

 

『んじゃ、あとは手筈通りにな』

 

 通信が切れると、古代はガミラス艦隊とのデータリンクの準備を命じた。ガミラス艦隊との合同演習は太陽系内とお隣の恒星系で何度も行ってきた。だからデータリンク自体は手際よく構築されていくが、それでも実戦となると幾らか緊張が走る。

 

「いいか皆! 第2世代はガミラス艦の10倍は強いし単純なスペックならキルレシオ10:1だ! だから生き残れるぞ! いいな!」

 

「「「りょ、了解っ!!」」」

 

 それを知ってか知らずか南部が皆を鼓舞し緊張を解く。確かに第2世代は強い。Wunderの遺伝子を引き継ぎ新たな技術を受け入れて生まれた新型であり、新たな戦術概念を身にまとったバケモノだ。それは試験航海の時点でバーガーに言わしめるほどであり、それが68隻で艦隊を形成しているのだ。余程の事がない限り大丈夫だ。

 

「装甲突入型ゼルグート、ガミラスでもなかなかお目にかかれない長物が3隻もかよ」

 

「装甲突入型……って何ですか?」

 

「ワープ阻害機能とゲシュ=タム・ウォールを搭載したデカい盾『ガミラス臣民の盾』を装備した防御全振りゼルグートで、メダルーサに対してのメタ艦だ。あの盾とゼルグートがいるだけで、火焔直撃砲は直射運用するしかなくなる。んで、アレが天王星軌道に絶賛配備中だ」

 

「スゲェ……ヤタノカガミとどっちが強いんですか?」

 

「残念ながらアッチだな。艦長、準備完了です」

 

 

「分かった。作戦を開始する!」 

 

 


 

 

 ――地球 第三新東京市 WILLE統合庁舎地下統合指令室

 

 

「連合艦隊、作戦宙域に進入。作戦開始の報あり」

 

「了解。引き続き、戦況の監視に務めよ。よろしいですね?」

 

「勿論ですよ。いずれはやらないといけなかったんですよ、外洋戦闘。バーガーさんも付いてくれてますので大丈夫です」

 

「沖田さんを継ぐ者とか言われてますけど、彼は只の1人の指揮官です。自由にやってもらいましょう。ナガトに打電。『頑張ってねby雪』」

 

「リクさん?!」

 

 急に応援メッセージを打電されそうになって森は慌てて止めた。その左手の薬指にはきらりと光る婚約指輪がはめられている。この3年間で古代と森は婚約し、後は式を待つだけとなっていた。だから外洋戦闘と聞いて不安もあって、出来る事ならメッセージを送りたかったのだ。

 

「無事に帰って来て欲しいんでしょう? 一言打電するくらい目を瞑るから、やっていいよ? 私的利用の件は上官の許可って事で」

 

「……お言葉に甘えて、打たせて頂きます」

 

「リク珍しいね」

 

「いいじゃないか。WILLEになってから、こういうのも容認されてきたんだ」

 

「緩め過ぎはこちらも容認しかねるが、まぁいいだろう」

 

 腕を組みスクリーンを睨む土方も応える。旧連邦平和維持軍の軍服を着て、袖の紋章を水色のバンダナで隠している。WILLEの制服は平和維持軍時代の物をそのまま使っているが、皆揃って水色のバンダナを身につけている。ハルナの様な例外も含めても身に着け方は様々で、腕に撒いたりスカーフにしたり、頭に撒いたり多種多様だ。

 

「作戦第1段階始まりました!」

 

 指令室就きの桐生が一報を投じ、皆がスクリーンに注目した。

 

 

「これが終わったら、古代くんに生存報告しておくか」

 

 

 __________

 

 

――8番浮遊大陸周辺宙域 メダルーサ級艦橋

 

 

「上空に空間跳躍反応!」

 

「何だと!?」

 

 ワープアウトの一報にメダルーサ級艦橋は慌ただしくなり、全艦隊に戦闘配置を出す。輪胴砲塔であればほぼ真上への砲撃も可能だ。速射性と連射性が高く主砲でありながら対空砲にもなれる輪動砲塔であれば迎撃できるだろう。

 

「敵艦空間跳躍! 小型艦3隻です!」

 

「小型だと!? 奇襲か!」

 

「小型艦から不明物体多数! これは……航空機です! 数30!」

 

「何だとっ!?」

 

 

 

――先発突撃艦隊 WILLE'sCF-1stDF-[Y]TURUGI

 

「ワープアウト! ドンピシャ敵艦隊直上です!」

 

「重力アンカー解除! お客さんを降ろすぞ!」

 

「アンカー解除、作戦開始! ご武運を!」

 

 ワープアウトしてきたのはツルギ、アキヅキ、ウミカゼから無数の何かが飛び出し、ガトランティス艦隊に殺到する。物質転送気を持たないWILLEが艦載機を戦闘宙域に送り届けるには、アドミラルを装備して空母になるしかない。しかし、沖田は言った。

 

「ユキカゼ型にしがみ付いていけばいい」と。

 

 つまり、重力アンカーで艦載機や戦術機を甲板や舷側に貼り付けてワープして、戦闘宙域の直上で展開するというのだ。

 一見すると正気の沙汰ではない。重力アンカーがあるとはいえ特急列車にしがみ付くような物で、一つ間違えれば振り落とされてしまう。しかしそれを可能にした装備がある。戦術機と航空機共用で開発されたとある吸着装置があるが、戦術機の手に持たせるか、あるいは航空機のギアに取り付ければこの無茶も可能だ。

 

 この使い捨て吸着装置の愛称は「手すり」。ただ見た目が似てるだけだがそう呼ばれている。

 

「手すりパージ! 全機攻撃開始!」

 

「全機フルブラスト! 艦橋を潰せ!」

 

 手すりをパージしたファルコンspec2と震電が一斉に飛び掛かる。送迎バスであるユキカゼ型のお陰で初速が乗っていて、数秒もしないうちに敵艦隊が視界に入る。一斉にミサイルを放ち、震電は手持ちミサイルを放つ。

 

 総数100発以上のミサイルはピラニアの様に敵艦に突き刺さる。ナスカ級の甲板を砕き、ラスコー級の輪動砲塔を吹き飛ばし、艦橋を爆砕し撃沈させる被害もあらわれた。航空隊はそのまま機首を反転し更なる攻撃に出るが、特異なのは震電だ。雷槍を放った震電はランチャーを捨て爆砕処理をし、片手に電磁汎用小銃片手に超高振動式近接短刀を構える。小銃の速射性で対空火器を潰し、航空機に真似できない機動性で陽電子ビームを避け、近接短刀を艦橋に突き立てる。地球上で使えば健康被害が出る程の高周波で振動する短刀は、敵艦装甲の一瞬の抵抗もねじ伏せて装甲を突き破り、艦橋を串刺しにする。ブリッジブレイカーの異名の通り敵の艦橋を潰していき、作戦移行時刻が迫る。

 

 しかし、航空機も戦術機も損耗無しではない。ガトランティスの速射の前に撃墜された機体も存在する。ガトランティスはよく狙って撃つのではなくとにかく弾をばら撒く戦闘スタイルであり、魚雷を撃墜する事も可能な速射性能を持っている。その弾幕を前にして被撃墜数0は夢にも等しい。既にその矢に射抜かれた機体も何機かいる。

 

 ツルギも、アキヅキも、ウミカゼも敵艦隊を逆落としのように突っ切り、砲火のほぼ全てを波動防壁で防ぐ。

 

「主砲5速! ミサイルもあるだけぶちまけろ! お客さんにサービスしてやれ!」

 

「了解! METEOR起動ロックオン発射!」

 

 3隻からありったけのミサイルが放たれ、進行方向とは逆に突き進む。素早く追撃をしかけようとするガトランティス艦に向けたプレゼントはしっかりと効果を発揮し、ガトランティス艦の真正面にミサイルが突き刺さる。ここまで徹底した攻撃の1つ1つに確かな打撃力が乗せられていて、敵軍の将は苦虫を噛み潰したような顔になっている事だろう。

 

「まもなく敵艦隊を抜けます! 全機撤収を確認!」

 

「よし! 最後っ屁にお見舞いしてやれ! カミナリサマ!」

 

「撃てぇ!」

 

 3隻からカミナリサマが放たれる。Wunderで生まれたこのEMPクラスターミサイルは元々LCMと言う名前を与えられていたが、制式にカミナリサマと言う名前が貰えた。Wunder搭載型よりも小さくなってしまったが効果範囲は半分に抑える事が出来たこの兵装は、第2世代艦でも問題なく使えてガトランティスにも効果的な兵装とされた。

 

 それは思ったよりもずっと正しいようで、艦のシステムを落とす事は出来ないがそれでも通信回路とセンサーを焼く事には成功したのだ。

 

「カミナリサマ起爆確認。ファルコンロスト3、戦術機ロスト2です」

 

「……分かった。本隊に報告しろ。お迎えと合流する」

 

 

 

 

 

 

――地球ガミラス合同艦隊 [N]NAGATO-AMD[Dainslave(ダインスレイヴ)]

 

「先発突撃艦隊より入電。奇襲に成功。なお、喪失機はファルコン3、震電2」

 

 避けられないが損失機が出た。ガトランティスの濃密な弾幕に「よくこれだけの損害で済んだものだと思うべき」か、「自分の作戦で誰かを死なせてしまった」か。古代は性格上前者を選べない。だが、今はそれで沈む事は出来ない。作戦はまだ第1段階が終わったばかりなのだ。

 

「先発艦隊は?」

 

「回収艦隊に合流し合同で各機収容中です」

 

「よし、全艦隊小ワープ用意。同時に、ダインスレイヴをスリープからノーマルに。コンデンサに蓄電し、ワープアウトと同時に発砲する!」

 

「了解した。エンハンスアーマメント」

 

 ミリシャはダインスレイヴを起動し、ホロの弓を構えて弦を引き絞る体勢を取る。270㎝の口径から放たれる鋼鉄の杭は秒速30000キロで敵艦を撃ち抜く質量の暴力の塊だ。光学兵器ではない為弾数が限られるがビームが使えない状況にもってこい。今回のようなワープ直後の砲撃にも使える為痒い所に手が届く。

 

 それが10丁、光速の10分の1で放たれる質量の暴力が10丁もあるのだ。それを装備するナガトとタカオ型タカオ1から3、アタゴ1から3、ミョウコウ1から3が同様にダインスレイヴを構える。小ワープのため波動エンジンは全力運転をしなくてもいいから、その余剰エネルギーをダインスレイヴのコンデンサに溜め込んでいく。

 

「スーパーチャージャー稼働状況良し。チャージ完了まで残り10秒」

 

「回収艦隊よりワープ先座標来ました。ガトランティス艦隊前方3光秒の宙域です」

 

 回収艦隊の1隻のナチが装備するホルスアイにより、ガトランティス艦隊の布陣は既に割れている。数は多いが戦術的な布陣に見受けられない、力押ししか知らないような艦隊だと古代は理解した。

 

『やっぱガトランティスだな。アイツら力押しメインだから』

 

「分かっている。全艦連動、座標設定。第1種戦闘配置のままワープに入る」

 

「ワープ開始20秒前」

 

 ワープする前に速力を上げるのは地球もガミラスも同じだ。艦隊全体が急加速をかけ直ぐにワームホールに飛び込み、1ナノ秒の跳躍の先に敵艦隊を射程に捉える。薄氷を素早く脱ぎ捨てると艦隊は戦闘態勢を整え、ミリシャは目標を睨む。

 

「安全装置解除照準固定!」

 

「撃ち方用意」

 

「放てッ!」

 

 ミリシャが矢を放つとコンデンサにうず高く積まれた電力が一気に食われ、ダインスレイヴはその名に違わぬ一撃を放った。他者を斬り殺すまで鞘に収める事が出来ない魔剣として恐れられるその名の砲は光速の10分の1で弾頭を放ち敵を食い破る。残弾数を気にしなければいけないがそのデメリットを補っても余りある砲だ。

 

「全艦波動防壁を展開。着弾まで残り、3、2、着弾、今!」

 

 遅れて3秒後に爆発光が見え、光学映像で大きくひしゃけて豪炎を上げる敵艦が見える。開戦の火は上がった。

 

「距離を詰めろ! 弾種3速、砲撃開始!」

 

 古代の命令で各艦の主砲が火を噴く。VSPSTはショックカノンの次世代型であり、加害範囲と貫徹力を段階的に変更できる。貫徹力と加害範囲のバランスのいい3速状態の光の束が敵艦に突き刺さり、爆炎を上げる。しかし至近弾の方が多いのは、わざとそうさせているからだ。

 

 

 

――改ゲルバデス級ミランガル艦橋

 

「おっしゃあ! 俺らも撃つぞ!」

 

 ミランガルの艦橋でも戦闘配置が飛び、砲戦甲板が開く。ミランガルは機動戦よりも砲戦能力が高い。打たれ強さはシャンブロウで証明済みだ。それにミランガルは他のゲルバデス級とは違い主砲口径がアップしている。ククルカン級やラスコー級に対し更に優位に立てるだろう。

 

「撃ちまくれ! 上半分はあんまり当てなくていいから嫌がらせしてやれ!」

 

 バーガーの命令通りミランガルが砲撃を行う。兎に角まずは数だ。当てなくていいのは足を止めさせたいからだ。低精度の砲撃だと見せかけているが、敵艦隊の下部集団には確実に当たっている。

 

 クリピテラ級はミサイルと魚雷を、ケルカピア、デストリア級は陽電子ビームを撃ち放つ。時折ガミラス臣民の盾に身を隠し砲撃を防ぎ、砲撃を繰り返す。何だかバーガーらしくないが、「らしくない戦法」をするにはちゃんとしたわけがあった。

 

「そうそう宇宙だから上も下もちゃんと考えないとな」

 

 

 

――回収艦隊 旗艦ムツ

 

「どうだ見えるか?」

 

「流石バーガー戦闘団です。教官役なだけありますね」

 

「元敵、今は教官で親Wunder派。複雑ですが今は共闘するしかない。第1主砲仰角30。狙えるか?」

 

「ギリギリですね」

 

「上げ舵20でいけるか?」

 

「それならいけます。宇宙を海と例えちゃダメなんですよ上にも下にも行けますから」

 

 フソウAMD[Admiral(アドミラル)]の主砲が大きく仰角を取りメダルーサ級の艦底部を狙いに付ける。続けてタカオ型マヤ、ナチAMD[horus eye(ホルスアイ)]が狙いを付ける。続けてヤマシロADM[Ptolemy(プトレマイオス)]も大型のオーバードウェポンを装備しているというのに素早く艦首を持ち上げ、メダルーサ級を捕捉する。

 

「5速にしておけ。しっかり壊せるようにな」

 

 狙うは火焔直撃砲の砲ユニット、Wunderのオリジナルレコーダーに記録されていたNHGらしき艦艇が装備していた艦首砲の小型版だ。ガミラス側で何度確認していて、何度か被害をもたらしてきた大型砲だが、その大きさ故に艦体に収まらなかったのだ。

 

 それが5隻。対して防護もされていない格好の獲物だ。

 

「目標に高エネルギー反応!」

 

「奴さん撃ちたいそうだな。よし撃て!」

 

「撃てぇッ!!」

 

 5隻分の主砲計15条の光が全てのメダルーサ級に襲う。ナチAMD[horus eye(ホルスアイ)]が捕捉した情報では射線は開けている。15本の陽電子の束は捻じれ束ねり5本になり、それぞれの目標に突き刺さる。

 

 そのままメダルーサ級の5連装徹甲砲塔も纏めて貫通し、メダルーサ級下部から艦首甲板に向けて大爆発が起こり、徹甲砲塔が脱落した。

 

「まだいます! 敵艦隊中枢部!」

 

「はぁ?! あいつらどうやったんだ!?」

 

「ククルカンやラスコーを幾つも回して姿を隠していたみたいです!」

 

「発砲反応! 撃ちやがった!」

 

 

 

――改ゲルバデス級ミランガル

 

「メダルーサ発砲! 6隻目です!」

 

「ゼルグートを前に出せ! 受けとめろ!」

 

 バーガーの指示で装甲突入型ゼルグートの1隻が艦体の正面に躍り出て、その巨盾を構える。放たれた火焔直撃砲は事前通告も無しに撃たれたようで友軍のはずのラスコー級とククルカン級を背後から焼き、ガミラス臣民の盾に命中する。

 しかし構えた盾は堅牢だ。ゼルグートの正面装甲厚を遥かに超えるこの盾は、ワープ阻害フィールドを用いた「空間跳躍を用いる武装及びシステム」の無効化能力と単純な物理防御能力を持ち、ゼルグート2世のように艦首から艦尾に向かって串刺しにされる事はもう起こらない。

 

 火炎の一撃を受けた臣民の盾は表面の塗装がやや剥がれたが最後まで受けきり、同型艦の仇の攻撃を無効化した。

 

「臣民の盾異常なし! 反撃可能です!」

 

「コダイ!」

 

『分かってる!』

 

 すかさず古代に指示を出すと、ナガトAMD[Dainslave(ダインスレイヴ)]が照準を合わせる。敵艦が障害物になってしまっているが、南部の正確無比の照準合わせでギリギリを狙い、陽電子の青白い光が艦橋を潰した。

 

 

 

――旗艦 ナガトAMD[Dainslave(ダインスレイヴ)]

 

「最終段階に移行する、機動艦隊攻撃開始!」

 

 敵は決戦兵器を失い、デストリア、ケルカピア、クリピテラ、そしてユキカゼ型が一気に飛び掛かる。デストリア、ケルカピアは陽電子ビームを主体にした高機動戦を、クリピテラ級は複数隻でまとまってミサイル艦隊となり、ユキカゼ型は遠隔操作艦も交えて波動防壁で身を守りながらVSPSTを連射する。やはり機動砲撃戦に慣れているバーガー戦闘団所属艦の方が機敏に動き回り多く撃沈していく。ユキカゼ型はまだ動きが硬く、ガトランティスの弾幕を警戒し過ぎて引き撃ちを繰り返している。

 

「撃沈数は?」

 

「18隻です。バーガー戦闘団には及びません」

 

「今は構わない。生き残る事を第一に戦闘するんだ。防壁優先にして機動砲撃戦を続行。バーガーの方は?」

 

「あっちはプロです30以上やってますって」

 

「まだまだだな、我々は」

 

「ナチhorus eye(ホルスアイ)より緊急入電! 敵艦隊後方より未確認浮遊物体多数接近!」

 

「ッ! 光学出せるか?!」

 

「出します!」

 

 メインモニターに表示されたのは、紡錘状の岩塊らしきものが6つゆっくりと移動する様子だ。これだけではまだ分からない。古代はもっと正確なスキャンをさせるようにナチAMD[horus eye(ホルスアイ)]に指示を出す。20秒もしないうちに結果が送られてきた。

 

「観測結果来ました。岩塊のサイズは凡そ600mで同時に内部からエネルギー反応を確認しています。ミランガルにも送信します」

 

「偽装した艦艇と言うのか? なんでそんな事を……」

 

 偽装艦艇は岩塊をパージし、その姿を晒す。ナガト型の2倍以上の体躯と黄緑色の艦体、輪動砲塔、艦橋丸ごと砲塔にしたかのような塔状の構造物、そして、いつものガトランティス艦とは異なる「船らしい」細長いフォルムだ。そのうち3隻が単縦陣隊形を組み、小型の艦載機サイズの兵器を多数射出した。

 

「アンノウン確認!」

 

「直ちに全艦に共有。砲撃を開sッどうした!」

 

「高エネルギー反応確認、主砲による砲撃ではありません! 予想被害範囲出ます!」

 

 メインパネル状に投影された略図の半分以上が真っ赤だ。機動砲撃戦を仕掛ける艦隊が纏めて蒸発して砲撃戦に徹していた筈の本隊も壊滅的被害を被るレベルの被害に古代は咄嗟に通信を開いた。

 

「バーガー! 機動艦隊を退避させろ! 波動防壁とゼルグートで防御陣形を作る!」

 

『そんなんで防げるのかよアレを!』

 

「やるしかない! アレはどう考えても発射阻止できない!」

 

 そうだ。あんなバケモノが4隻もいてそれが単縦陣隊形でエネルギーを充填しているのだ。火焔直撃砲には劣る……いや、それ以上かもしれない。そう考える程、古代の頭の中で警鐘がうるさく鳴り響いている。

 未確認艦の列は艦載機サイズの小型のビーム砲塔を幾重にも円状に展開しエネルギーを充填していく。艦隊そのものを巨大な砲身にしているようで、充填されたエネルギーは未確認艦へと収束していく。まるで燃えているようだ。自らを犠牲にして撃ち込むつもりだろおう。

 

 

「敵艦のエネルギー反応さらに増大!」

 

「ヤタノカガミを最大展開にしてその他艦艇は密集陣形を取れ! 各艦波動防壁最大展開!」

 

『ゼルグートを最前面に展開してヤタ持ちはその後方だ。下手すると抜かれるぞ!』

 

「攻撃来ます!」

 

「『ッ!! 全艦衝撃に備えろ!』」

 

 単縦陣陣形を軸に集まった大量のエネルギーが一気に放たれる。まるで波動砲の様なエネルギーの暴流が合同艦隊に襲い掛かり、ガミラス臣民の盾に命中した。

 重厚な盾の表面を焼き、溶かし、発散したエネルギーが防御の隙を突き艦体に襲い掛かる。

 機動艦隊は殆どが退避し切っていたが、敵艦隊中枢にまで入り込んでいたケルカピア級、ユキカゼ型が10数隻ほど飲み込まれ、残骸も残さずに消し飛ばした。

 

 本隊はヤタノカガミと臣民の盾で直撃は避けたが、拡散したエネルギーがヤタノカガミの一部を貫通した。幸い喪失艦は出なかったが中破が目立ち、戦闘能力を失った艦が続出した。

 

「状況報告!」

 

「中破6、小破11! 機動艦隊、10隻信号喪失!」

 

「戦闘不能な艦を後方に下げろ! 未確認艦の状況は!?」

 

「未確認艦は……ッありえない、艦体を犠牲にして発射するなんて……」

 

「自艦を犠牲にして撃ったのか……クソっ、退避命令が早ければ……ッ!」

 

 コンソールに拳を打ち付ける。ここまで来て敵の決戦兵器がこちらの戦力を削いできた。防御陣形が少しでも遅れていたらあの暴流に艦体を食い尽くされ1隻残さず消し飛んでいた事だろう。だからそれに比べれば被害は少ない、むしろ良い方……とは思えない。指揮する人間として誰かの命を失わせてしまった事に悔しさで俯く。

 

 

『バカ野郎前向け! 終わってねぇぞ!』

 

「!?」

 

 バーガーに通信越しに叱責され、古代はハッと前を向く。大規模砲撃を凌ぎ切ったとはいえ余裕のない顔をしている。

 

『最低限のダメージで防御できたなら今はそれでいい。死者に詫び入れる事は後でも出来る! 次が来てるから今はアイツをぶっ倒すぞ!』

 

「バーガー!」

 

『指揮官! あいつをどう倒すんだ!』

 

(そうだ、今はこうしている事は出来ない! 相手が分からないなら最大威力で……ッ!)

 

「艦首砲に賭ける! 200センチ5速に設定、発射用意!」

 

 ナガト艦首に搭載された200センチVSPSC。内蔵型オーバードウェポンとも呼ぶべきその固定砲は基礎は主砲塔と同じだが威力は段違い、ゼルグート級の装甲を深く抉る事も可能だ。

 そんな艦首砲に絞り羽状のシャッターが開き、エネルギーの充填が始まる。損傷が軽微だったムツ、キリシマⅡがナガトを中心にしてギリギリまで艦体を寄せ合いナガトに倣って重点を行う。まるで波動砲の様に見えるがナガト型は波動砲非搭載艦だ。すぐにエネルギーは溜まった。

 

「敵の砲撃陣を確認! 充填中です!」

 

「艦首砲斉射、撃て!」

 

 古代の指示で艦首200センチが放たれる。3隻横に並んで放たれた最大火力は通常の主砲による砲撃と同じように捻れまとまり一条の光となる。ビーム口径を絞り貫徹力を極限にまで上げた一撃は真っ直ぐに突き進み、未確認艦を2隻纏めて串刺しにした。その爆発に煽られた他の艦艇は単縦陣陣形を崩してしまい、収束されていた筈のエネルギーは制御を失い拡散して放射された。

 

 波動防壁と臣民の盾を構えて凌ぎきる。死の雨と呼ぶべきビームの豪雨を受け止める波動防壁は被弾経始圧を見る見るうちに溶かしていくが、咄嗟に古代は装甲への電力供給を最大にするように全艦に指示した。青と白の装甲が赤一色に変わり、どんどん赤みが強くなりやがて発光する。

 

 防ぎきれないエネルギーが装甲を叩く。酸性雨に晒されるように被弾痕が僅かに溶けるが、最高強度状態の装甲は鉄壁の防御力を誇り、被弾で相転移状態が崩れるたびに組み直して防ぎきる。半永久機関の波動エンジンがあるから出来る荒業で、装甲が過剰に削られない限りは防御力を提供できる。

 

その光の酸性雨も止んだ。波動防壁を大きく損耗してしまい限界を迎えた艦艇も多数あるが、何とか小破だけで免れた。艦橋の一部に被弾した艦艇もいたが、人命第一の構造が幸いし誰も死者が出なかった。

 

「大丈夫か!?」

 

「全艦健在です。敵艦艇は……大丈夫です。燃え尽きてます」

 

「敵艦隊の様子は?」

 

「あの決戦兵器で巻き添えを食って綺麗に消えてます」

 

『あいつらマジでクソだろ。兎に角、邪魔も消えたし基地奪還するぞ』

 

「あ、ああ。戦闘継続できない艦艇は帰してからだ。報告あるか?」

 

「まだです。ですが、ステータス上では既に6隻ほどでイエローが出てます。バケモノ性能で強がっているみたいですが、戻った方がいいかと」

 

士官の1人が艦隊ネットワークで確認する。有人無人問わず損耗状態が把握できるので、弾薬の融通を効かせたり無理をしている事も一目でわかる。帰還指示を受けた艦艇の艦長は不満そうな顔を見せたが、自艦の状況を突き付けられると反論する事も出来ず艦列を組みワープで帰路に就いた。

 

「帰還艦隊ワープしました。空間航跡も誤魔化されてますね」

 

「トレースされたら一大事だ。常識だろ」

 

「それでも出来ているという事が大事だ。全艦、浮遊大陸基地を奪還する。空間騎兵、ガミロイド部隊を上陸させる!」

 

『はいよ。ガミロイド用意するわ。あとはザーッおいどうしザザーッ』

 

「通信障害、ジャミングか? 発信元探れ!」

 

「やってます! 発信元不明! ですがどの艦艇にも起こってます! 艦長! 艦長……ッ?」

 

古代の目はどこを見ているか分からない目をしていた。焦点が合ってない様だが確かに何かを見ているようだ。

 

 

その時確かに、古代の目と耳はそれを見て、それを聞いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

青々とした星、まるで土星の輪の様なハロー環。黄緑の艦艇、謎の障壁。

 

 

 

そして、何かに対し強く祈る女神。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

遠い星の戦士たちよ

 

 

 

 

 

 

 

貴方達に、全ては

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻、地球で大規模な通信障害が起こり、火星ガリラヤベース跡地から微弱な重力震が観測された。




原作から思いっきりズレていくので、お楽しみください
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。