もう少し丁寧に作品は作りたいものです・・・
英梨々が倫也の部屋で折り紙を折っている。
「何してんだ?」
「見ればわかるでしょ。折り紙」
「なんで急に」
「毎日のノルマなんだからしょうがないでしょ。話つくらないと」
「今日は天気いいし、潮干狩り行けばよかったんじゃねーの?」
「そうだけど、そんな気分じゃないのよ。もう少しサクッと終わらせたいわけ」
「もうすぐ投稿時間だしな・・・」
「そそ」
「で、何作ってんだ?」
「これはね、鯉のぼり」
英梨々が折り紙を使って小型の鯉のぼりを作っている。
「器用なもんだな」
「はい、あげるわ」
「そりゃどーも」
倫也が英梨々から小型の鯉のぼりを受け取り、机の上に置いた。
続いて英梨々は筒状のものを取り出し、工作しはじめた。
「おっ?今度は何作ってんだ」
「これね、夏休みの工作で昔作ったんだンだけど、万華鏡」
「万華鏡って、あの覗くとキラキラしているやつだっけ」
「そうよ」
「あんなの作れるの?」
「簡単なのよ。こうやって鏡を三枚つかって三角を作って筒の中に固定するの」
「ほう」
「それで、覗き穴と後ろには反射させるキラキラしたものをいれるわけ」
「あー。昔は縄跳びのゴムとかはいってたよな」
「あったわねぇ。でもやっぱり貴石ぐらいを使うと綺麗でいいわよ」
「へぇ・・・」
英梨々が手際よく万華鏡を組み立てる。
「でね、こうやって組み立てて・・・完成っと」
「ちょっと見せてみ」
「あっ・・・まっいっか」
「どした?」
英梨々が倫也に万華鏡を渡した。倫也がそれを受け取った。
「でも倫也、それ覗いちゃダメよ」
「なんでだよ?万華鏡を覗かなくて、何に使うんだ」
「そうじゃないのよ。組み立ててみたけど、後ろのところに何もいれてないの」
「おい・・・」
「まっ、鯉のぼりだけにちょうどいいかしらね」
「なんだそれ?」
「どっちも中見ない(中身無い)でしょう」
「おあとがよろしいなっ!」
投稿っと。
※※※
「おい、英梨々」
「なによ」
「1000文字に満たないと投稿できねぇーぞ」
「えっ、文字数足らなかった?」
「755文字だった」
「じゃあ、あとは倫也がなんとかしなさいよ」
「なんとかっていわれてもな」
「とりあえず、万華鏡を完成させるから返しなさいよ」
英梨々は倫也から万華鏡を返してもらって、後ろの部分をこじ開けた。そこに小さなビーニル袋に入った材料をいれる。砕いた貴石や綺麗な金属の粒だ。
「これで、今度こそ完成っと」
「ほう」
英梨々が自分で覗いてみる。なかなかの出来栄えに満足した。それから倫也に渡す。
倫也が覗いてみる。なかなか綺麗ではあるが、だからといって子供の頃のような感動はもう起きない。
「きれいなもんだな」
「なによ、その小学生並の感想は」
「いや、だって特にさ・・・」
「せめて、万華鏡でオチを作りなさいよ」
「無茶ぶりだな・・・」
倫也が万華鏡を見て考える。
「整いました。万華鏡とかけまして」
「万華鏡とかけまして」英梨々が合いの手をいれる。
「明日オープンする駅前のケーキ屋と解く」
「明日オープンする駅前のケーキ屋と解く。そのこころは?」
「どちらも回転(開店)するでしょう」
「ボツにする余裕ないから、これでいいわ」
「・・・せめて笑顔でごまかせよ」
「無理」
英梨々。真顔で投稿ボタンを押す。
(了)
このやっつけ仕事感。