ここはどこかの反省会会場。
「また2桁切ったわね・・・」
「そう・・・だな」
英梨々がエゴサーチをしている。夏休みの物語はそれなりに評価をもらったものの、冬休みの作品はさんざんな結果に終わった。
「だいたい波島出海が悪いのよ」
「どうだろ・・・?」
「何よ倫也。どっちの味方よ」
「そういう問題じゃないよねぇ」
やれやれ、作品作りは難しいものだ。
「倫也先輩。これ、ここで終りなんですか?」
「うん。元々そういう話だから・・・」
「私はぜんぜん納得できませんよ?」
「ほら、出海ちゃん・・・作品はみんなで作るものだから・・・」
「納得できませんね」
出海ちゃんは怒っている。気持ちはわからないでもない・・・
「うーん。打ち切りでしょうがないんじゃないかな」加藤がデータを見ている。シビアだ。
「恵先輩もやっぱりそう思うんですか?だったら、最初からこんな風な構成で作らない方がよかったんじゃないですか?」
「トライ&エラーが大事なんじゃないかな」
「そうそう。何事もやってみないとな」ここは便乗
「無責任なラノベ主人公が何か言っても納得できないけど」目が怖い。
「・・・」
裏方の加藤はできあがった作品を分析している。
「霞ヶ丘先輩はどう考えてますか?」
「あら、私?そうね・・・つまらないものはつまらないわよね」
「ばっさり」
「まず、題名がキャッチーじゃないわけよね。その上で澤村さんの『ポンコツ』を表現できていないし・・・それに、伏線を貼ったり、物語を進行することに文字を費やしていて、読んでていて楽しくない。読ませるだけの文章力もなければ、オリジナルなアイデアのある展開でもないわよね」
「ちょっとぉ、霞ヶ丘詩羽!」
「事実は事実として受け止めないと先に進めないわよ?」
「・・・」
いちいちごもっともだ。
「結局ね、小説は書いている人が面白い時は、面白いものが書けるのものなのよ」
「出海ルートにそもそも無理があるのよ」英梨々が参戦してきた。
「そういうことになるのかしら?」詩羽先輩は冷静。
「それじゃあ、私の立場ないじゃないですか・・・」
英梨々のするどい視線が出海ちゃんを刺している。今にもケンカしそうだ。
「落ち着いて、2人とも・・・」
「だいたい倫也がはっきりしないのが悪いのよね」
「ほら、ラブコメってそういうものだから・・・」
そう、ラブコメだ。昔よりはだいぶ良くなってきている気がするが、同時に原作からの乖離がひどい。所謂原作レイプというやつだ。
「で、安芸くん。これからどうするの?まだ続けるの?」
「続ける」
「ふーん。そう」
加藤の顔は無表情のままだ。中学生加藤にも無理があった。
「とりあえず、今年の予定なんだが・・・まずは春休みに短編集型で作る予定だ。全12話程度で」
「とりあえずっていうけど、それでも1週間に1話作っても間に合わないの、わかってる?」
「えっ、そうなの?」
「だって4月まで70日ちょっとだよね」
「嘘?ほんとだ・・・」
月日の立つのが早い・・・
(続く)