Fate/Silver Order -選ばれし48人目のマスターは銀髪侍-   作:天パ男

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赤き皇帝

 第二特異点、行き先はローマ帝国。

 最初のレイシフト先は情報の得やすい首都ローマであることを事前に銀時たちは知らされていた── 筈なのだが

 

「思いっきり丘ですね。見渡す限り」

 

 清姫は上に広がる青空と大地に広がる草花を見てボソリと呟く。

 それを聞いていたロマニは通信越しに、えー!? と驚いて見せた。

 

『あれれ~、おかしいぞ~』

「どこぞの頭脳は大人な名探偵風に言っても駄目ですよ。もし嘘をついたというのならば……」

 

 ボケて誤魔化すロマニに清姫はニッコリと笑った。

 

『じょ、冗談だってば! こっちでも転送座標がズレってしまったのは予想外だったし、原因はわからないんだ。一応時代はあってるし、首都からもそこまで離れていないから問題はないと思うけど…… 銀時くん。何か周囲に変わったことはないかい?』

 

 ロマニは一応マスターである銀時に状況確認をするように促す。

 銀時は気だるげに空を見上げ、

 

「変わったことと言えばだが…… まあやっぱ、あの変な青空だな」

 

 銀時の見る先の空。そこにはフランスで見たモノと同じ巨大な光の輪があった。

 

『光の輪か。相変わらず原因は不明だ。それに関してはこちらでも引き続き調査を進めていくよ。ですよね所長…… あれ? 所長?』

 

 ロマニはオルガマリーにも同意件を求めようとしたのだが返事がない。

 気づくとオルガマリーの姿はなかった。

 今は小さな体になってしまったので、見失のも仕方がないかもしれないが、いったい何処に行ってしまったのか……

 

『おかしいな? ダヴィンチ、知らない?』

『さあ? トイレにでも行ったんじゃないかい』

『所長ってトイレに行くのか…… ドラえもんなみに謎なんだけど』

「フゥー、ンキュ!」

 

 不可解すぎるオルガマリーの体に話が脱線しかけると、聞き覚えのある獣の鳴き声がマシュの盾から聞こえてきた。

 

「フォウさん!?」

「この小動物、まーたついてきやがったのか」

 

 危険地帯である特異点に態々ついてきたフォウを見て、銀時は呆れる。

 

「フォウさんも狭い基地より広い世界がいいのかもしれませんね。それには私も同意件です」

「はあ。まあ別にいいけどよ…… それより、なんかそいつ腹でかくね?」

「フォ…… ムギュ、キュー」

 

 銀時の指摘通り、フォウの腹部は妙に膨らんでいた。

 フォウは脂汗を流し、さっと目をそらす。

 

「あん? おい、お前…… なんか変なモノ拾い食いしたんじゃ──」

 

 その時だった。

 丘の向こうから、大勢の怒号が聞こえてきたのだ。

 中には鉄と鉄がぶつかりあうような音や、悲鳴の様な声まで混じっていた。

 

「こいつは……… !」

「先輩! これはおそらく多人数戦闘の音かと思われます」 

 

 銀時たちは警戒体勢をとる。

 

『戦闘だって? おかしいな、この時代に首都ローマ付近で戦闘があったなんて話はないぞ』

「要は異常が起きたってことだろーが。んで、所長はいねーみたいだが、どうする?」

 

 銀時はこの状況での判断を所長の代わりに事実上のNo.2となっているロマニに仰ぐ。

 ロマニは勝手に良いのかと一瞬考えるが、状況は一刻を争う。

 直ぐに覚悟を決めた。

 

『よし! 歴史に異常が発生したと仮定し、状況確認の為にマスター坂田銀時、及びサーヴァント、マシュ、清姫には現場へと急行してもらおう! ただし、無茶はしないように。命大事にだ!』

「りょーかい。じゃあ作戦ガンガン行こうぜ、で」

『話聞いていた!?』

 

 ロマニのツッコミはありつつも銀時たちは戦場へと向かって駆けて行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 剣と剣がぶつかり合う。

 兵士の悲鳴が、喝采が、怒号が響き渡っていく。

 奏でられる戦場の歪な音楽に、それでも臆することなく。それどころか己を奮い立たせる要因として、この場の将として、彼女は剣をふるっていた。

 

「はあ!」

「ぐあ!?」

 

 剣の一太刀は一撃で屈強な男の兵士を斬り倒した。

 そのまま一息つく暇もなく、また次の敵を打ち倒し、さらに己の兵士へと指示を出す。

 

「決して広がろうとはせず、必ず固まって動くのだ!! 敵の挑発には乗るでない! あくまでも余の補助をしつつ、的確に敵を討つのだ。確かに我々は数で劣っている。だが臆するな! 敵は所詮はローマの誇りを捨てた烏合の衆。真なるローマである余らにかなう道理はない!!」

 

「おお!!」

「恐れるな!! 皇帝、ネロ陛下に続け!!」 

「我らこそローマである!!」

 

 『ネロ』

 そう呼ばれたの的確に指示を出しつつ敵兵を屠ってきた少女だった。

 この戦場においてはあまりにも場違いな美少女であるネロだったが、彼女の言葉に味方の兵士たちは鼓舞され、士気を大きく上げていく。

 とはいえ数ではネロの率いる兵士たちよりも、敵の兵士たちの方が多いのは事実。

 なんとか戦線を保ってはいるが、正直言ってじり貧に近かった。

 

「むう! 数だけは一丁前に揃えおって、連合め!! やはりブーディカだけでも首都に残しておくべきだったか…… !」

 

 士気の上がっている味方の兵士には勿論聞こえないようにだが、やはり愚痴は漏れてしまう。

 とはいえ、引くわけにはいかない。

 ここを守らなければ首都ローマが敵軍に蹂躙されてしまう。 

 皇帝としてそれだけは決して許すわけにはいかない。

 

「来るのならば来るがよい! 全て斬り伏せ── む?」

「ぐああああ!?」

「な、なんだ!?」

 

 突如、敵軍の後方から悲鳴が聞こえ始めた。

 しかし味方の兵士たちは己の近くにいる為、これはあり得ないことだ。

 まさかブーディカたちが戻ってきた…… とネロが援軍の可能性を考えたが、違った。

 それは、

 

「おらァ!」

「はっ!」

「やあああ!!」

 

 敵兵の悲鳴の原因。

 それは彼らにあった。

 一人は木製の剣で鉄の鎧を着こんだ兵士を打ち沈める男。

 一人は火のついた扇子で兵士を圧倒する少女。

 一人は巨大な盾を華奢な体で振り回す少女。

 彼らの強さは圧倒的で、兵士たちは反撃する余裕も与えられなかった。 

 それどころか、彼らは兵士たち相手に手加減しているようにも見える。

 実際、武器や武装の破壊。精々、気絶させる程度の威力で彼らは兵士たちに攻撃を加えていたのだ。

 敵に対し、情けをかける余裕がある程の強者。

 彼らは初めて見る人間だったが、この強さには覚えがあった。

 

「この力は、ブーディカや荊軻と同じ…… !」

 

 一騎当千とも呼ぶべき、圧倒的な力。

 ネロは思いもよらない援軍に一瞬呆けてしまうが、直ぐに気をはり直す。

 

「あれが敵か味方か…… まだ判断はできぬが、構わぬ! 今が勝機である!! 畳み掛けよ!」

「「おおおお!!」」

 

 ネロは己の兵士の闘志を奮い立たせ、剣をふるう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 戦場にたどり着いた銀時たちの判断は早かった。

 この状況の異常を解決し、情報を得る手っ取り早い方法はどちらかの軍につき、恩を売ること。

 ならばどちらにつくか。

 見たところ、片方は大規模の部隊。片方は少数ではあるが、一人で何人もの兵士を斬り倒す少女が率いる部隊。

 この場合つくのならば正統性があり、この時代において正常であるだろう部隊なのだが……

 

「あの女性の部隊は、恐らくですが首都ローマを守るように戦っていると思われます。そうなると片方の大規模部隊は」

「ローマに攻め入ろうとするどっかの国か、テロリストってわけだ。となると話は早え。あの赤い女につくぞ。それと、おい、ロマニ。あいつらは全員人間なんだろ? 見たところサーヴァントの感じはしねぇ」

『うん。銀時くんの言う通りだ。あの女性を含め、サーヴァントの反応はない。全員間違いなく人間だね』

 

 ローマを守る者ならば少女たちは正しきこの時代の軍である可能性が高い。

 ならば少女の率いる軍につくのがいいだろう。

 ついでに銀時はロマニに人間かどうかの確認をし、マシュへと視線を向ける。

 

「おい、マシュ。相手はサーヴァントじゃねぇ。生きた人間だ。無理はすんな」

 

 銀時は攘夷戦争を生き抜いた侍だ。

 命のやり取りは嫌という程、繰り返し、慣れきってしまった。

 だがマシュは違う。

 彼女は人類を救う為に、カルデアに勤め、サーヴァントとしての常人ならない力を得てはいるが、彼女の性格を知る銀時からしてみれば普通の少女に他ならない。

 いや、寧ろ優しすぎると言ってもいい。

 何せ、侵入者であった自身を卑下することも警戒することもなく、毎日のように顔を合わせてくれていたのだから。

 

「…… ! ご心配、ありがとうございます、先輩── いえ、マスター」

 

 銀時の気遣いを察したマシュは微笑み静かに答える。

 デミサーヴァトである自身は最早、いや、生まれた時(・・・・・)から普通の人間ではない。

 なのに銀時はあくまでもマシュを人間として扱ってくれる。

 それがマシュには不思議と心地よかった。

 

「ですが、私は大丈夫です。無論、手加減はします」

「なんだが、妙に良い雰囲気なのが気になりますが…… ええ、私も無粋な真似は致しません。旦那様の背中は私は守りすので」

「はっ、そうかい。そんならいい。行くぞ、お前ら!」

 

 ここからはあっという間だった。

 銀時を筆頭にまるて戦車のように彼らは敵軍を蹴散らしていく。 

 ただでさえ力で圧倒されているのに、突然の事態に敵兵士たちは対応が遅れてしまいなすすべなく無力化されていった。

 しかし数だけは多いので、敵軍の指揮官クラスらしき兵士は直ぐに体勢を立て直し、自軍を鼓舞する。

 

「落ち着け!! 敵の援軍が来ようとも、数では我らが圧倒的だ。物量で押し返すのだ。心配せずとも我らにあの御方の御加護がある!! 我らこそが真のローマ。ローマの祝福があるのだ!!」

「うおおお!!」

 

 銀時たちの力を目の当たりにしても、彼らの士気は完全に下がらない。

 

「おいおい、随分と血気盛んな連中じゃねーか」

  

 命など惜しくはない。

 そう言わんばかりに兵士たちは迫ってくる。

 この熱量は銀時が攘夷戦争時代に共に戦ってきた侍に通じる所がある。

 特に、かつて共に戦った高杉の率いる鬼兵隊を思い出した。

 それはつまり、敵兵士を率いる将は彼等の心を突き動かす程にカリスマに溢れた人物であるということ。

 

「ちっ。こいつは厄介かもな……… おい、フォウ! テメーはマシュの後ろに隠れてろ!」

「キュ! フォーウ!」

 

 勝手についてきたフォウに銀時は半分呆れつつも放っとくわけにもいかないので隠れるよう指示を出す。

 フォウは言われた通り、隠れようするが、そこで何故か足を止めた。

 

「? おい、なにして」

「フ、フォ……」

「今だ!! 連合ローマ帝国に祝福あれ!!」

 

 体を小刻みに震わせ、顔を青ざめた。

 そうこうしている内に敵兵士たちは人質、いや獣質にでも使えるんじゃないかと、間違いなく、この戦場で一番の弱者であるフォウへと向かっていった、その時──

 

「フォ、ゲロロロ!!!」

 

 フォウの口から何か異物が勢いよく発射された。

 異物は兵士の一人へと向かい、思わず手で受け止める。

 

「うお!? な、なんだ」

 

 兵士は受け止めた異物を確認しようと目を向けた。

 するとそこには

 

()うわよ、こら」

 

 祝福、ではく呪詛を向けてきそうな目で睨む、胃液まみれの小さな人形があった。

 

「「「ぎゃあああ!!? チャ○キーだあァァ」」」

「ぐへぇ!?」

 

 人形、いや今の今までフォウの胃に入っていたオルガマリーを兵士たちは投げ捨て、叫び声を一斉に上げた。

 そして恐怖は瞬く間に敵軍全体へと伝染していく。

 

「て、撤退だァァ!!!」

 

 敵兵士の一人が撤退と言い、戦線を離脱する。

 するとそれに続いて、次々に他の兵士も撤退していき、敵軍は完全に瓦解した。

 残されたオルガマリーは胃液まみれにながら悪態をつく。

 

「あーもうっ。なんで私がこんな目に。ていうか誰がチャ○キーよ。そこはミー○ンにしなさいよね。今度会ったら、目の前で踊ってやるわよ、あいつら」

「しょ、所長。どうしてフォウさんの中に……」

 

 突然の事態にドン引きするマシュ。

 しかしフォウを見たオルガマリーは、それに答える前に怒りを顕にする。

  

「あっ、フォウ! あなた、よくもやってくれたわね…… !」

「フォウ!?」

「逃げようとしても無駄よ! こうなったらベーコンにしてくれるわ!」

「フォーーウ!!!」

  

 小さな獣と小さな人形擬きが、追いかけ合うという謎すぎる光景。

 そこに通信越しにロマニの驚く声が聞こえてくる。

 

『え、所長、そこにいるんですか!? まさかフォウに食べられる形でレイシフトを成功させたのか!?』

 

 ロマニの通信をフォウを追いかけながらも耳にしたオルガマリーは足を止めて気づく。

 

「は── そういえば、確かに私、レイシフトしてるわ!! 適正0だったのに…… やっ、やったわァァ!! 飲み込まれた時はどうしたものかと思ったけど、本当にやったわ!!」

『あー、喜んでいる所、悪いんだけどね、所長。別にフォウに食べられたことは関係ないと思うよ』

「えっ」

 

 両手を上げ、大袈裟に喜ぶオルガマリーへ気まずそうに待ったをかけたのはダヴィンチだった。

 

『私もすっかり忘れてたんだが、今の君の肉体は事実上の魔術礼装だ。生きていた頃の肉体は全くもって無関係だし、そもそも人間じゃなくなっていふからレイシフト事態は可能だったんだよ。フォウの腹の中にいなくても』

「……」

「所長?」

 

 ダヴィンチの説明を聞き、固まるオルガマリー。

 マシュはどうしたのかと呼び掛ける。

 するとオルガマリーは体をプルプルと震わせ、

 

「じゃあ、完全に食われ損じゃないのよ!! やっぱベーコン確定よ、この獣!」

「フォーーーーウ!!?」

 

 再び始まった小さな争い。

 それを見て清姫はため息をつく。

 

「はあー。なんなんですか、これは? 先程までシリアスな雰囲気でしたのに」

「別にいいんじゃねーの。ずっとシリアスばっかだと空気おもてーし。この作品には合わねーよ」

「そうですわよね!! 旦那様」

「………… 清姫さん。ブレませんね」

 

 なんだがいつもの日常の如く、騒がしくなってきた現場。

 そこに見知らぬ者の声が、かかった。

 

「そこの者たち、何者か知らぬが…… 余の軍に助力してくれたことに対し、皇帝、ネロ・クラウディスとして余自ら褒めてつかわすぞ! 敵軍を意図も容易く蹴散らす程の圧倒的な力、天晴れである!」

「なんだこいつ。随分と上から目線だな。つーか、皇帝?」

『ちょっ、ちょっと待った!! 皇帝ネロだって!?』

 

 ネロの尊大な態度に銀時は眉をしかめる一方、話を聞いていたロマニは驚きの声を上げた。

 だがそれも無理もない。

 

『ネロ・クラウディスはこの時代の皇帝。サーヴァントとして召喚されてもおかしくない人物だぞ!! そ、それがまさか……』

 

 

 

  『ネロ・クラウディス』

 

 ローマ帝国の第五代皇帝にして悪名高き暴君として有名な人物。

 しかし暴君と呼ばれたの死後であり、寧ろ当時は市民からの指示は熱く、名君として慕われていた事実もあった。

 それは彼、いや、彼女の身内よりも他者、つまりは民を愛する性格が故であった。

  …… そう。彼ではなく彼女だったのである。史実では男性として扱われている筈なのだが。

 

『ネロ・クラウディスが女性だったとは…… ! こ、これは歴史がひっくり返る新事実だぞ!!』

「………… ふーん。ネロ・クラウディスって女だったんだ。まー、俺、ネロとか知らねーけど」

「ネロ・クラウディスが女性、ね。そりゃあ驚きではあるけど、なんか、もうね、アーサー王だって女だったし。ダヴィンチなんか体をモナリザに改造してるし、今更感があるわ」

 

 ロマニは興奮気味に言うが、意外と現場は冷やかな反応を見せた。

 特に銀時とオルガマリーは、ふーんといった感じである。

 

『ええ!? もしかして僕がおかしいのか……』

「むう。なんだが余、大分失礼な反応をされているような…… まあ、よい! それよりも先程から気になっていることが二つ程あるのだが、そこの珍妙な喋る人形と姿の見えぬ声は魔術によるものか?」

 

 ネロは不服そうにするものの、直ぐに切り替えてみせた。

 人形扱いされたオルガマリーはムッとしているが、ロマニは紳士に答える。

 

『魔術をおわかりとは流石です。おかけで話が早い。我々はカルデアという組織の人間で──』

「まあよい。そこの三名、いや四名と一匹に一体?」

『あ、遮られた』

「改めて褒めてつかわそう!! 特に盾の娘!」

「わ、私ですか?」

 

 いきなり声をかけられたことにマシュはギョッとする。

 

「一見華奢な体をした少女が身の丈ほどの獲物を振り回す、その姿…… 実に好みだ!! なんとも言えぬ倒錯の美があったな! うむ! そなたには余と轡を並べて戦うことを許そう。至上の栄光に浴すがよい!」」

「あ? なーにが許すだ、ガキンチョが。皇帝だが何だか知らねーが助けてもらっておいて強制的に一緒に戦えだぁ? こちとらテメーらみたいな連中に付き合ってやれる程暇じゃねーの」

 

 皇帝故に尊大な態度を続けるネロに銀時は苛立ちを隠そうとせず、はっきりと言ってしまう。

 

「む? 余と共に戦場を駆けるなど一平民であれば至上の喜びである筈だが」

「んなもん願い下げだっつーの。たくっ、おいマシュ行くぞ。こんな奴から情報得るよりさっさとローマに行って、そこら辺のおっさんから話聞いた方がましだ」

「そうであるか…… 報奨もたっぷり与える筈だったのが、残念だ…… 」

「ネロ皇帝陛下。私めの命は貴女と共にあります。どうかこの落ちぶれてしまった浪人である私をお導きください」

 

 ネロの言葉に一転。

 銀時は片膝をつき、頭を垂れた。

 その姿にオルガマリーたちは唖然としてしまう。

 

「ぎ、銀時…… 貴方、プライドはないの?」

「うるせえェェェ!! こちとらオメーらみたいな金持ちとは違ってな、一日を生きるだけで精一杯なんだよ! さあ、皇帝陛下! 共に行きましょう! 我が手足、どうか皇帝陛下の思うがままにお使いください!」

「う、うむ。では早速首都ローマに戻るぞ! 報奨はそこで与えよう」

 

 こうして銀時たちはこの時代の皇帝ネロ・クラウディスからの信頼を得ることに成功し、首都ローマへと向かうことになるのだった。

 

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