異世界。魔王。討伐。   作:カロライナ

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第1説ー茫然。酒場。無人。

「・・・・・・。」

 

ポツンと見知らぬ城下町に放り出されて、早5分経過。

何をすればいいのか、自分の身に何が起こったのか分からず

ただただ、城下町と城を繋ぐ石橋の上で立ちすくんでいた。

 

「え・・・。アレ? え?」

 

ようやく思考がはっきりしてきたころ、自分の身に何が起こったのか

僕はこれまでの記憶を辿ることにした。

 

「えっと・・・」

 

確か、戦友たちと共に怪物たちから逃れるためにショッピングモールで立て籠もりを

行っていて 突然、外が騒がしくなったと思って窓に近づいたら大きな爆発音とまばゆい光

と共に体が吹き飛ばされたんだったな。うん

で、そこから意識がなくなって・・・気が付いたら見知らぬ場内に居て、中世の王様っぽい衣服を着た偉そうなジジイの前で立っていたんだよな。あぁ。まったく意味が分からん。

 

「・・・・・・・・・。」

 

何度、思い返してみても大きな爆音とまばゆい光の後、体が吹き飛ばされたところまでは

なんとか思い出せるのだがその後がどうしても思い出せない・・・。

途方に暮れていたとき、王っぽいジジイが発していた言葉を思い出した。

『酒場で仲間を見つけるがよい』

 

「・・・・・・はぁ。行ってみるかぁ・・・。」

 

もしかすると、あの場にいた仲間のうち誰かが一緒にこの世界に飛ばされているかもしれない。そんな淡い期待が頭をよぎった。今日はもう何処かの宿屋か何かで休みたい気分であったが 少しの希望を胸に俺は重い足を引きずりながら、酒場がありそうな城下町の方へ歩いて行った。

 

 

 

完全に城下町に入って暫らく看板を見続けながら、歩いていると酒場のような

一軒家が目の前に飛び込んできた。看板的におそらくここが、あのジジイの言っていた

酒場なのだろう。もし間違っているなら、颯爽に立ち去ればいいし俺はダメ元で入ってみることにした。道端で買い物を楽しんでいる人たちに、『酒場はここであってますか?』と尋ねてみるのもありだと感じていたが、引っ込み思案な性格の為、声をかけることはできなかった。

中へ入ると軽いアルコールのような匂いが漂っており、それなりに人々で賑わっていた

しかしその賑わっている人々は、どう見ても戦いに熟知したような人物は一人も見当たらなかった。恐らくここに居る人たちは、この城下町に住んでいる人々なんだろう

俺はとりあえず奥にあるカウンターへと移動した

 

「いらっしゃい。何か用かしら? お嬢ちゃん。」

「・・・・・・・・・。」

 

奥のカウンターに辿り着くと、カウンターで退屈そうに頬杖をついていた

女性がこちらに声をかけてきた。年齢は、まだ20代後半ぐらいだろうか? すらっとした

スレンダーな体系に両耳に大き目なイヤリングを付け赤いドレスを着ている髪は黒色で

前髪によって右目は片方隠れていた。

 

「あの、王っぽい人から、ここに来るように言われて・・・。」

「仲間を見つけろって?」

「は、はい。」

 

少しどもりがちな話し方になってしまうが、相手の女性はそんなことはあんまり気にしたような様子は見せなかった。しかし、僕が質問に対して肯定的な返事を返すと突然笑顔だった顔が曇り、残念そうな顔つきに変わった。

 

「な、なにか問題でも・・・ありましたか?」

 

すかさず、顔を残念そうに雲めた理由を聞く 少し嫌な予感がする

 

「残念な話だけど・・・今、一緒に魔王退治が出来るような仲間は全員、別の勇者たちと

 旅に出てしまっていて居ないの・・・。ごめんなさいね。」

 

彼女は申し訳なさそうな顔でこちらを見てくる。

ウソでしょ・・・一人もいないって・・・

 

「あの、だ、誰か居ませんか? 誰でもいいので・・・。」

「本当に全員出払っちゃっていて居ないのよ・・・本当にごめんなさい。」

 

そういうと、今度は彼女は深々と俺に頭を下げてきた。

別に彼女が悪い訳ではないと言うのに・・・

 

「・・・・・・。そうですか・・・わざわざ教えてくださって ありがとうございます。」

「えぇ・・・。」

 

僕も軽く彼女にお辞儀をする。

取りあえず、今 僕がすべきことは同じように異世界入りした仲間を

町を回って探してみることにした・・・。居る確率なんてほぼ0%だけど。

 

 

 






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