異世界。魔王。討伐。   作:カロライナ

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第3説‐出発。友作。帰宿。

 

 

次の日、朝起きると雅がもう隣で起き出発の支度を始めていた。

しょぼしょぼと霞む目を擦りながらベッドから降り、僕も身支度を整えに入った。

10分後身支度は整え終わり、その5分後には宿屋を出て それぞれ武器、防具、道具屋で買い物を済ませた。雅が銅の剣。僕が防具屋の廃材から自作した木の盾を装備し、町の出入り口で集合した。

 

 

「雪、お前武器は?」

「雅こそ盾はどうしたの?」

「俺は、この銅の剣だけで切り抜ける。当たらなければどうと言うことは無い。」

「僕だって、この木の盾だけで切り抜けるつもりだよ。盾の突進を舐めないでね。」

 

 

お互いに顔を見合わせ 軽く笑うと正面を向き直る。

 

 

「雅、心得分かってるよね。」

「あぁ、雪こそ理解してるのか?」

「もちろん。念のため復唱しておく?」

「そうしよう。初めの町を出る前の記念だ。」

 

 

二人で息を整え準備に入る。

息が整った瞬間、互いに魔王討伐までの心得を口にだした。

 

 

1.敵に出会ったら無駄な殺生は控える。

2.銃器の使用は特(別な)事(例)を除いて使用禁止。

3.薬草など原理のわからない道具は“基本”使わない。

4.やむ負えない戦闘では敵の攻撃は全て避ける。

5.絶対に死なない。

 

 

再び顔を見合わせる。雅も決心がついたようだ。

僕達はそれぞれの武器を片手に城下町から、外へ出た。

城下町を出ると、まず目の前に林が広がっておりその奥には高山が見える。

まずはこのまま正面:南側に向かい進んでみることにした。南、南東、東、北東は

高山がありそこを越えることは不可能に思えたためだ。

南に向かう途中、目の前に見えていた林と衝突してしまったが中には入らずそのまま

西へと向かうことにした。しかし、その先に待ち受けていたのは新たな道ではなく

ただの行き止まりと、初めてとなる魔物との遭遇だった。

 

 

「お、おい・・・このチャーミングな魔物は・・・・・・。」

「あぁ・・・。これがスライムだとすれば、この世界はDQの世界・・・!」

「ピギー! ピギーー!!」

 

 

途端に互いの目が光る。幸い、スライムは一匹。心得1の事など忘れ

僕達は途端にある行動に移っていた。

 

 

「こんにちは、スライム君。俺の名は雅よろしくな。」

「同じく、雪。よろしくスライム君。」

「ピギピギー!!」

 

 

そう。その行動とは、魔物と仲良くなってみようとする そのまんまの行動だ。

まずは雅が、スライムと友情の証として握手を試みる。

冷静になって考えてみれば、握手などをする手など無いと言うのにも関わらず・・・

 

 

「ガブッ」

 

[雅に1のダメージ!!]

 

「」

「み、雅ーーーーーーー!!」

 

 

その握手をするはずだった右手はスライムによって噛まれた。

 

 

「イタタタタタタタタタタタタタタ・・・」

「よ、よくも雅を・・・!」

「ピギー! ピギー!」

「いや待て、雪。俺の友人のなり方が悪かったんだ! スライム君を責めないであげてくれ!!」

「みやび・・・。」

「ピギーーー!!」

 

 

今度は握手をするのではなく、笑顔でそのスライムに話しかけ始めた。

 

 

「俺の名前は、雅!! 君の名前はなんていうンだ?」

「ピギー! ピギー!」

「そうか、そうか。ピギーと言うのか。ピギー君、友達にならないか?」

「ピギー! ピギー!」

「ガブッ」

 

[雅に1のダメ-ジ!!]

 

「」

「み、みやびぃーーーーーーー!!」

 

 

笑顔で話しかけて仲良くなろうと言う作戦は、失敗に終わった。

 

 

「おのれ・・・今度こそ、今度こそは・・・雅の仇・・・・・・」プルプルプル

「ピギー! ピギー!」

「ま、待つんだ・・・雪・・・・・・こ、今回も俺が悪かった・・・まだやり方が悪かったんだ・・・」

 

 

プルプルと震えながら痛む右手を抑えつつ雅が立ち上がる。

 

 

「みやび・・・・・。」

「ピギー! ピギー!」

「まぁ、見ててくれ・・・・・・。」

 

 

そして、3回目の魔物と友達になろう大作戦が血行された。

 

 

「ピギー! ピギー!」

「ピギー! ピギー!」

「ピギー! ピギー!」

「ピギー! ピギー!」

「ドムッ」

 

[雅に2のダメージ!!]

 

「」

「み、みやびぃぃぃぃいいぃぃいいい!!」

 

 

この作戦では、スライム語で語りかけてみたようだが結果はご覧の有様。

手痛い体当たりを雅は喰らっていた。

その後スライムは逃走、6番目の心得として魔物と仲良くなるための行為は2度までにする。

と言うのが追加された・・・。

南西は行き止まりと言うことが分かったので、ここから一度 僕達は北上し城下町に戻ることにした。途中、先ほどと同じようにスライムやおおガラスなどの魔物が襲いかかってきたが、雅が初期に喰らった合計4ダメージを除いて全て回避。受け流すことに成功した。

また、心得1にもあるように無駄な殺生は避け なるべく驚かせて逃がすように

戦闘を回避していった。

 

 

「ッテェ・・・。あのスライムに噛まれて体当たりされた部分がまだ痛いぜ・・・。」

「大丈夫?」

「あぁ。大丈夫だ。」

 

 

城下町が目前まで見えたころだろうか、雅が最初の魔物スライムと出会ったときに

追った傷を 水しぶきを飛ばすように手を振り冷やしていた。

本人は、大丈夫と言っているが手に着いた歯型の跡が痛々しかった。

 

 

「きっと、道具袋の中に入っているやくそうを使えばこんな傷一発で完治するんだろうが・・・」

「使いたくは無いね・・・。」

 

 

道具袋の中に入っている薬草を取り出し眺める。

葉っぱの上に様々な細かい種が乗っているだけの粗末な品だ。到底、コレを飲み込むだけ、すりつぶして傷口に塗るだけで、即時体力回復、傷が癒える気がしない。むしろ痛み増加

副作用の効果、傷口悪化の見込みならありそうだ。

 

 

「しょうがねェ・・・最初の城下町まで我慢すっか・・・・・・。」

「宿屋に泊れたら、包帯巻いてあげるからね。」

「ん。すまねぇな。」

 

 

それから、数度の魔物との戦闘を終え何とかミヤビと共に最初の城下町に到着。

城下町に入るときに気づいたんだけど、城から西の方角に塔があるのを発見。

塔の裏側はどうなっているのかは分からないが、見たところこちら側からあの塔を

上り見ることは無理なようだ。向こう側に橋が架かっているのか・・・それとも、何処か洞窟や地下道とつながっていて中に入れるのか。どちらにしろ、僕達は上るつもりはない

無駄な殺生や戦闘回数が増えてこちらが疲労するだけだからだ。とりあえず、まずは

ミヤビの怪我の手当をしなければ。未知の土地で細菌が体内に入り込むのは、よくない事だから。

 

 

「おっと、雪。見てみろよ。」

 

 

急にミヤビが立ち止まり、怪我をしてない方の手でとある看板に指を指す。

 

 

「アリアハン・・・。」

「最後まで読め? アリアハンへようこそ。だってさ。」

「・・・・・・?」

 

 

はははははっ! と雅は爽快に笑いながら言った。不思議な顔しながら雅の方をまじまじと見つめていると雅はその笑った理由を教えてくれた。

 

 

「俺等ここに来るのは2回目だろ? その場合はおかえりなさいの方が正しいなってよ。」

 

 

納得した。そう言うことだったのか。

僕達は互いに納得の意をうなずきで返答し合うと昨日、泊まった宿屋に向かい今夜は

そこで休むことになった。早速、僕は雅の怪我をした手に消毒液を振りかけ包帯とガーゼ

を取り出し、雅の手当に移る。治療は5分前後で終わり、その日は今度こそ、魔物からの

攻撃をまともに受けないと言う心得をまとめてから眠りについた。

 

 

次の日、朝起きると雅は隣のベッドで眠ってはおらず 荷物は置いたままで何処かに出かけているようだった。武器が持っていかず、そのまま無造作に立てかけられていることから

恐らく城下町の中で散歩でもしているのだろう。もう一度布団に寝転がると、木製で出来た天井を見て時間を潰し待ってみた。

 

 

「ふぃ~。ただいま~~。いやぁ、ジジイから地図の食料奪って来た~。」

 

 

僕が起きてから25~30分ぐらいだろうか、雅が遠征するための食料3日分と世界地図を4枚貰って帰ってきた。その食料と地図はどうしたのかと聞くと、何でもあの王っぽいジジイが本来勇者たちに渡すべきものだったらしい。すぐに渡さなかったことも含めて地図を沢山頂いて来たようなのだった。

 

 

「でよ。本来は、10分ぐらいで終わるはずだったんだがジジイがさ、

 冒険の書を書けって五月蠅くてよ。逃げるのに20分ぐらい費やしちまった。」

 

 

冒険の書? ああ。あのジジイがなんか最初の時にそんなことも言っていた気がする。

 

 

「とりあえず、ユキ。朝食でも食べようか。

 このまま、城下町を出ても魔物から逃げ切れる気がしねェ。」

「そうだね。食べようか。」

「そんじゃ、朝食はココの宿屋が出してくれるらしいから早速降りて食べに行こうぜ♪」

 

 

部屋を出て1階に降りる。するとそこには既に2人分の朝食がテーブルの上に置かれて

いつでも食べられる状態となっていた。

 

 

「ヒャッホー♪ 目玉焼きにパンかぁ。」

「異世界初めての料理だね。」

「だな。それじゃ・・・」

『いただきます。』

 

 

両手を合わせて挨拶を行ってから、僕達は出された食事に手を出す。

美味い、美味い。と言いながら食べていたせいか時折、配給のおばちゃんがやってきて

パンのお代わりを沢山くれた。

 

 

 

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