2週間後、8月28日、択捉島沖
東矢「花月は?」
春奈「修理が終わって空母艦隊に合流したよ」
東矢「よし。・・・」
幸谷「・・・なあ東矢、ほんとにこれでいいんだな」
東矢「・・・ああ。最後に大損害が出るのはどこも同じだからな・・・先祖もこんな気持ちだったんだな・・・」
康太郎「赤波作戦に赤海作戦・・・、改めて考えてもあの戦いは・・・」
東矢「ま、そんな昔のことは置いといて、行くか・・・」
幸谷「おう!」
康太郎「はい」
春奈「そうね」
雫「うん」
三雪「はい!」
東矢「・・・我ら黒刃艦隊最後の出撃だ!張り切って行くぞ!・・・全艦、出撃!!」
全員「おう!!」
そうして東矢達は、最後の出撃をした。
数時間後には敵先鋒隊と接敵、ミサイル戦でこれを撃ち破った。
しかし、この時東矢は焦っていた。
日ノ本に搭載していた戦闘機を全て出して索敵を行っていたが、最大の脅威であるビスマルクとベルリンが発見されていなかった。
東矢「・・・(もし、今この艦隊に撃ち込まれたら・・・ほとんどが沈むことになる・・・、どこだ・・・あの姉妹は・・・)」
雫「艦長、補給が完了したので再度索敵に向かいます」
東矢「ああ、頼んだ」
春奈「ちょっと待って。・・・、東矢、これ」
東矢「どうした?」
春奈は無線の音量を上げた。
パイロット「こちら、ヒ7、北極海にて大型艦を発見。戦闘空母ビスマルク、ベルリンと思われる」
東矢「よし!咲凪、爆装を搭載して敵ビスマルクとベルリンに攻撃をしてくれ」
雫「了解!しかし他の機体がまだ・・・」
東矢「村中さんに連絡しておく。とにかく急いで」
雫「はい!」
東矢「俺らも行くぞ!本艦以外はそのままゆっくり進撃して。俺らは全速力でビスマルクに向かうぞ」
春奈「わかった!村中さんに連絡するついでに言っとくね」
ビスマルク、ベルリンを発見したことで作戦を大幅に変更した。
数分後には咲凪が発艦し、村中が派遣した航空隊と合流した。
雫「・・・1機だけですか?」
ハウンド「悪かったな。あれから一人なんでね」
雫「・・・えっ?」
ハウンド「久しぶりだな、コヨーテ」
派遣された機体は1機のみ、しかしパイロットは咲凪が所属していた部隊の隊長だった。
雫「お、お久しぶりです・・・、隊長」
ハウンド「俺はもう隊長ではない、一人しかいないから隊なんて存在しない。まあ、そのおかげで好きに暴れてるんだけどな」
雫「・・・あの、今回の作戦は・・・」
ハウンド「全て聞いてる。先に言うぞ。あれは俺達では無理だ」
雫「えっ?」
ハウンド「あいつらの装甲は並大抵の攻撃ではかすり傷すらつけられん。よって俺らは護衛のみ叩く。あとは甲板上の艦載機だ。いいか、1本1隻、5発1機でやれよ?」
雫「はい!」
ハウンド「見えてきたな、また会おう」
ハウンドはそのまま斜め下に降下していった。
雫「よし、私も!」
雫も攻撃のため降下した。
その頃日ノ本は順調に北極海に近付いていた。
東矢「・・・なあ・・・、春奈・・・」
春奈「んっ?なに?」
東矢「なんで響がついてきてるんだ?」
春奈「知らん。なんか何度も警告はしてるけどついてくる」
東矢「まあいいや。艦隊結成時から生き残った艦艇だ。大丈夫だろ」
幸谷「そうだな」
春奈「東矢。咲ちゃんから連絡。姉妹を護衛していた艦艇を殲滅したって」
東矢「おーう・・・2機で護衛艦隊が全滅か・・・。どんぐらい?」
春奈「えーと、巡洋艦2、駆逐艦4、フリゲート4、航空機60、だって」
東矢「・・・」
幸谷「暴れたなー・・・」
東矢「ま、今あの姉妹は丸裸と。今の内に叩くぞ」
春奈「敵の主力は前線でうちの艦隊と戦ってるけどいくらか送るだろうね」
東矢「時間の問題か・・・急ぐぞ」
全員「おう!」
・・・数時間後・・・
春奈「まもなく見えます」
東矢「逃げなかったか」
前線で攻勢を強めてる間に全速力でビスマルクに接近していたが、砲撃しようとしたとき、最悪の事態がおきた。
春奈「っ!気化弾、来る!!」
東矢「衝撃に備えろ!!」
幸谷「うわっ!!」
ビスマルクからの砲撃が飛んできた。
気化弾は日ノ本の頭上で起爆した。
東矢「・・・っ、ひ、被害報告!!今のは対艦艇用のか・・・」
康太郎「機関、異常なし!」
春奈「レーダー壊滅!通信システムエラー!」
東矢「武装はどうだ?・・・幸谷?」
幸谷「・・・う、が・・・」
幸谷のお腹を鉄パイプが貫通しており、天井板が足の上に落ちていて足が潰れていた。
春奈「幸谷!!しっかりして!!」
幸谷「は、はは・・・。みっともねぇな・・・」
東矢「衛生兵!!」
康太郎「幸谷さん!!」
幸谷「・・・もう、長くねぇよ・・・、こうなったら、俺の最後の任務を、するか・・・」
東矢「・・・、じっとしてろ・・・。何をするきだ?」
幸谷の前にあるパネルにはほとんどの武装が赤く点滅していた。
幸谷「ビスマルクに1発、どでかいの、ぶち当ててやる・・・」
東矢「無理だ。主砲は全部・・・」
幸谷「よく見ろ・・・、2番の真ん中は無事だ・・・、ここに、全エネルギーを・・・」
東矢「わかった・・・」
衛生兵「到着しました!うわ・・・、これはひどい・・・」
幸谷「・・・はあはあ・・・」
春奈「敵ベルリン、攻撃態勢!」
東矢「くっ、こんな時に・・・」
ベルリンが砲撃しようとした瞬間、突如ベルリンの真横に水柱がたった。
水柱の正体は貞夫が乗る戦艦武蔵改だった。
貞夫「東矢め、面白いこと考えてたな。まあいい。いつでも行けるな?」
砲術長「もちろんですぜ!」
貞夫「うっし、撃て!!」
9門の50cm砲、それも至近距離からの砲撃はいくら硬いベルリンの装甲を貫通した。
ベルリンの被弾痕やエレベーター、さらには艦橋や主砲から火柱がたった。
東矢「あ、あれは貞夫さんの戦艦・・・、潜航できたのか・・・」
春奈「すごい・・・、ベルリンを一撃で・・・」
幸谷「はあはあ・・・、おらっ・・・」
東矢「っ?こ、幸谷・・・、そのレバー、ドクロマークついてるんだが・・・」
幸谷「これか?・・・全エネルギーを一つにまとめるレバーだよ・・・」
康太郎「っ!あれをやるんですか!?」
幸谷「そうだ・・・。制御を頼む」
康太郎「わ、わかりました・・・」
東矢「・・・何するきだ?」
幸谷「これだ・・・」
幸谷はある資料を東矢に渡した。
東矢「・・・スーパー・・・レーザー砲・・・?」
康太郎「はい。機関の全てのエネルギーを圧縮してビーム状にして撃つ兵器です。威力は高いはずですが、代わりに艦が沈みます」
東矢「・・・そんなやばいものを・・・」
幸谷「ビスマルクを沈めるにはこれしかない・・・。許せ・・・」
東矢「・・・っ、わかった・・・。頼むぞ」
幸谷「・・・ああ」
幸谷はレバーを一気に下まで下げた。
康太郎「速力低下、推力カットよし。エネルギー充填、2番中央砲身へ、速力ぜろ。セーフティシステム解除・・・」
幸谷「・・・2番砲塔旋回、左に2度・・・、ちょい右・・・、砲身水平・・・」
東矢「・・・」
幸谷「東矢・・・すぐに退艦準備を・・・」
東矢「わかった・・・」
康太郎「エネルギー充填100、120、160、170、190、200、エネルギー充填よし!いつでも撃てます!!」
幸谷「・・・覚悟しておけビスマルク。でけぇ風穴開けてやる・・・」