幸谷「・・・あばよ、ビスマルク・・・」
幸谷は最後の力を振り絞って発射ボタンを押した。
レーザーは青く光ながらビスマルクに向かった。
ビスマルク乗組員「な、なにか光ったものが来ます!!」
ビスマルク艦長「か、回避ー!!」
ビスマルクは急いで回避しようとしたが間に合わず、主砲に直撃した。
主砲には気化弾が装填されておりレーザー攻撃で起爆、艦内からの爆発には弱く、ビスマルクは粉々に散った。
東矢「・・・やった・・・、っ!」
東矢達が喜んでいると突然激しい揺れがおきた。
康太郎「・・・っ!機関暴走!!」
春奈「機関の爆発で機関室に浸水!長くは持たないよ!!」
東矢「総員退艦!急げ!!誰か、幸谷運ぶのを手伝え!・・・幸谷?おい!幸谷!」
すでに幸谷は息絶えていた。
春奈「東矢急いで!」
東矢「・・・っ、すまん・・・」
東矢は幸谷の遺体回収を諦めて艦橋から出た。
甲板では脱出用のヘリが止まっており、残った乗組員は次々にヘリに乗り込んだ。
すでに上空では飛行可能な艦載機が何機か飛んでいた。
パイロット「急げー!!格納庫にも火が回ってる!もう持たないぞ!!」
東矢「これで全員か?」
康太郎「はい!飛ばせー!」
パイロット「こちらHFH1902、脱出する」
東矢達のヘリは一番最後に艦を離れた。
離陸してすぐにエレベーターから火柱が上がり甲板が爆発で吹き飛んだ。
春奈「・・・危機一髪・・・だったね・・・」
康太郎「・・・我々はどこに行くんですか?」
東矢「だいたいは、武蔵だと思う」
康太郎「だいたい?」
東矢「見ろ」
康太郎と春奈は窓の外を見た。
日ノ本の近くになにかが浮上してきたのだ。
春奈「あれは・・・響?」
康太郎「潜水できたんだ・・・」
東矢「おい。響に降りてくれ」
パイロット「了解」
東矢達は浮上してきた響に着艦した。
響艦長「司令、ご無事で」
東矢「そっちも、あの気化弾をよく無傷で・・・」
響艦長「潜航していたのでなんとか、しかし・・・また沈みましたな」
東矢「・・・ああ・・・」
響艦長「・・・幸谷少尉が見当たりませんが、まさか・・・」
東矢「そのまさかだ」
響艦長「・・・そうですか・・・。司令、悲しいところにですが、朗報があります」
東矢「なんだ?」
響艦長「ビスマルク、ベルリン撃沈の報を受け敵艦隊の一部が寝返り敵艦隊は混乱し、壊滅しました」
東矢「そうか・・・。これで制海権はとれたな」
響艦長「そしてもう一つ」
東矢「なんだ?」
響艦長「アメリカ軍、イギリス残存軍、カナダ軍、そしてオーストラリア軍で構成された連合部隊がドイツフランス領ノルマンディーに攻撃、上陸に成功しました」
東矢「・・・そうか・・・」
響艦長「それで、どうしますか?」
東矢「・・・帰るぞ、基地に」
響艦長「了解!」
8月28日、午後2時、北極海戦は双方共に甚大な被害を出し日本側の勝利で終わった。
最終的に独露連合艦隊は100の艦艇を失い、さらに50隻が寝返った。
特別連合艦隊も80隻が沈んだ。
そして東矢達の座乗艦、日ノ本は17名の乗組員と共に北極海に沈んだ。
この海戦の結果は、この第三次世界大戦の終息に向かった。
まず、ロシアでは停戦派のクーデターによりサンビシュ大統領が死亡し国内は混乱。
有力候補の議員等が次の大統領をめぐって争い始め国が分裂する内戦へ突入した。
ドイツではこの内戦の報告とノルマンディーに連合軍が上陸してきたことで停戦交渉に乗り出したが、ドイツ支配領の放棄のみならず、多額の賠償金、さらにドイツ本土の土地を周辺国に譲渡しドイツを失くせという圧倒的不利な条件を叩きつれられ停戦を拒否した。
これが悲劇の始まりだった。
アメリカはこの停戦拒否を聞きファットマン作戦を実行した。
この作戦は後の世でドイツ殲滅事件と言われ、ドイツ本土全てに数万発による核攻撃、ドイツ本土外のドイツ人の処刑、ドイツ人が作った建築物、芸術品等、ドイツに関係する物の抹消等を行った。
これによりドイツ人口8億人の内7億8000万人が死亡、数百件の建築物、数万点の物品が消失した。
さらに、数万発の核攻撃を受けた本土は地盤沈下で領土の8割りが海に消えた。
そして2064年1月2日にドイツ消失が発表された。
その翌月には続々とロシア派の国が降伏、事実上第三次世界大戦は終結した。
この大戦の犠牲は飛んでもない数になった。
軍人だけで約12億人が戦死し、民間人を含めると約50億人が亡くなった。
開戦前の世界人口は96億人、つまり、半分以上の人が死んだ。
さらに、滅んだ国家等もあり、専門家の考えでは復興に数百年かかると予想された。
さらには大量の核攻撃で南極や北極の氷河が溶け海面上昇が起き、海抜高度が低い島や地域は水没、日本も愛知、東京、大阪等の主要都市や沿岸部の大部分が海に沈み、政府は政府機能や天皇陛下を長野に移動させた。
さらに、世界的な不況となり世界中で大飢饉が発生することになった・・・。
・・・半年後・・・
硫黄島基地・・・
東矢「・・・ここも小さくなったな・・・」
雫「そうですね・・・」
戦後、東矢達は除隊し、放棄が決定した硫黄島基地に住み続けた。
しかし、海面上昇により基地の8割が水没、現在は摺鉢山の砲弾群跡の洞窟を改装して住んでいた。
しかし、電気は太陽光や風力で作られ、水は海水を真水生成機で飲めるようにし、食料は戦中からの研究と開発の末、硫黄島でも栽培が可能、海産物も取れたため自給自足の生活ができていた。
ついでにネットも通っていた。
東矢「・・・元気かな。皆・・・」
除隊後、東矢達はそれぞれの道を歩みだした。
まず東矢と雫は硫黄島基地跡で余生を過ごすことにした。
春奈と康太郎は密かに姉弟結婚をし、北海道に移り住んだ。
三雪は貞夫と共に秋風島に住み続け、たまに水上機で遊びに来ていた。
村中は除隊せず、今は艦隊総司令官として地元長野にある臨時停泊所を拠点に日本の海を守っていた。
しかし、大飢饉で多数の艦艇の維持が難しく村中の座乗艦、空母赤城と護衛艦4隻、潜水艦4隻、小型艦8隻、輸送船や補給艦10隻を除いて残りを全て解体していたため防衛には心配があった。
そして幸谷は、「戦争を終わらせた英霊」と、称えられ少尉から大尉へ特進した。
そして墓は摺鉢山頂上に作られ、大尉のバッチが埋め込まれた。。
東矢「・・・ま、これからはゆっくりのんびり過ごそう」
雫「・・・はい」
東矢「・・・あ、そうだ。これを受け取ってくれ」
雫に小さい箱を渡した。
雫「?なんですかこれ?」
東矢「開けてみて」
雫「?・・・っ!」
中には指輪が入っていた。
東矢「・・・完全に逆になっちゃったけど・・・、その・・・け、結婚、してくれ・・・///」
雫「・・・ふふっ、ほんとそうですよ///」
雫はお腹をさすった。
東矢「え、えっと・・・///」
雫「もちろんです。末永く、よろしくお願いします///」
2人は夕焼けの景色を見ながら手を握った。