子供達の戦争   作:秋月雪風

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第六話(初陣)

11月4日

 

硫黄島基地第一ドック

 

康太郎「機関始動、異常なし」

 

春奈「直掩駆逐艦響、潮共に出撃準備完了の知らせあり。各艦隊も順次合流海域に向かってるよ」

 

雫「燃料、弾薬、食料、飲料水、その他物資積込完了」

 

三雪「各部点検完了」

 

幸谷「全武装異常なし」

 

東矢「大和出撃、微速前進」

 

康太郎「微速前進了解」

 

春奈「基地防衛隊から通信、付近に敵影なし」

 

雫「湾内を出ました」

 

東矢「速力上げ第一航行」

 

康太郎「速力上げ、第一航行」

 

三雪「両舷、友軍駆逐艦通過します」

 

東矢「進路変更方位062」

 

康太郎「取舵20、進路062に変更」

 

春奈「第3潜水打撃隊より通信、合流ポイント周辺に敵影見ず」

 

東矢「なら、進路このまま速力上げ第三航行」

 

康太郎「ヨーソロー、第三航行」

 

東矢「ふぅ、指示するのも疲れるな・・・」

 

春奈「お疲れ、東矢」

 

東矢「幸谷は、寝てないよな?」

 

幸谷「・・・スヤー・・・」

 

雫「・・・私の隣でしっかり寝てます」

 

東矢「起こしてくれ」

 

春奈「いつも寝てるわね・・・」

 

多少の問題もあったが大和は無事、合流ポイントに着いた。

 

数時間後

 

黒刃艦隊は北海道釧路沖に差し掛かった頃に第一の作戦に入った。

 

瑞鶴乗組員1「艦隊直掩隊発艦完了!第一次攻撃隊発艦作業急げ!」

 

瑞鶴乗組員2「爆撃機から発艦させろ!1から8番カタパルト発射用意!」

 

春奈「瑞鶴第一次攻撃隊順次発艦中!」

 

東矢「咲凪達は?」

 

春奈「発艦準備中!」

 

東矢「咲凪、状況を!」

 

雫「こちら咲凪!まもなく発艦準備完了します!」

 

東矢「時間が勝負の鍵だ!頼んだぞ」

 

雫「了解!」

 

咲凪は無線を戻した時キャノピーを叩く音が聞こえた。

 

外には飛行服姿の三雪がいた。

 

三雪「お姉ちゃん!頑張りましょうね!」

 

雫「・・・うん!三雪も早く乗って!」

 

三雪「うん!」

 

整備員「少佐殿!発艦準備完了しました!」

 

雫「了解!こちら咲凪、艦橋聞こえますか?」

 

東矢「聞こえる。発艦を許可する!」

 

雫「了解!」

 

三雪「お姉ちゃん!先に行きます!」

 

雫「わかった!」

 

三雪「秋風大尉、発進します!」

 

三雪が乗っている機体が勢いよくカタパルトから出たのを確認した咲凪もカタパルトのスイッチを押した。

 

雫「咲凪少佐、行きます!」

 

咲凪を乗せた機体もカタパルトから勢いよくでた。

 

数分後には第一次攻撃隊と合流し北方四島最大の基地の択捉空軍基地と国後海軍基地への攻撃のため二手に分かれて向かった。

 

そして最初に攻撃を行ったのは咲凪達が向かった国後基地だった。

 

本来ならレーダーで気づかれるはずだったが、この日は偶然にも点検でレーダーは止まっており艦隊にはほとんど人が残っていなかった。

 

そのため一切ばれることなく上空に着いた。

 

ロシア軍人1「明日出撃かー、めんどーくせーなー」

 

ロシア軍人2「ほんとな・・・っ、おい、なんだあ・・・て、敵だー!!」

 

突如敵機が見え、基地内は大混乱になった。

 

雫「かかれー!」

 

咲凪の号令で一斉に敵艦隊に襲いかかった。

 

あわてて戦闘態勢に入ったロシア軍だが迎撃する前に爆撃が始まった。

 

雫「三雪は左の空母を私は右を!」

 

三雪「はい!おりゃー!」

 

雫「私も!おりゃー!500キロの爆弾を食らえー!」

 

咲凪達は次々に敵艦隊に攻撃した。

 

さらに同時刻、択捉基地に爆撃隊12機が到着、滑走路や格納庫を破壊していった。

 

この攻撃で停泊していた艦隊は壊滅、空軍基地は機能停止したが、それでも脅威は残っていた。

 

それは3隻いた空母のうち1隻だけ基地にいなかったことだ。

 

しかし、その空母は意外なところにいた。

 

パイロット1「隊長!レーダーに反応あり!」

 

咲凪「ほんと!?位置は!」

 

パイロット1「位置は・・・嘘だろ。艦隊前方、800㎞、だと・・・」

 

咲凪「数は!」

 

パイロット1「予測ですが、空母1、巡洋艦2、駆逐艦6、輸送船4!航空機多数探知!」

 

咲凪「すぐに艦隊に連絡!これは間違いない!偶然でも撤退中でもない、待ち伏せだ!!」

 

咲凪の予想は当たっていた。

 

この空母艦隊は基地攻撃を察知し敵艦隊が攻撃隊を収容するであろうポイントに待ち伏せていた。

 

この報告はすぐに艦隊に知らされた。

 

東矢「・・・まじか・・・」

 

春奈「どうする?流石に危険だよ・・・」

 

東矢「・・・いや、このまま行く。しかし、戦闘態勢でだ」

 

春奈「了解」

 

幸谷「よし。いよいよ実戦だ!」

 

東矢「総員、戦闘配置!第一戦速!」

 

康太郎「了解!第一戦速!」

 

索敵手1「敵艦隊レーダー捕捉!分析開始します!」

 

索敵手2「高速飛翔体接近、ミサイルです!数24!」

 

東矢「対空戦闘用意!対空ミサイル射程に入り次第発射!」

 

幸谷「おうよ!1、3、4番ミサイル砲用意、発射!2、5、6、7、8番は待機!」

 

観測手1「・・・命中したもよう!しかし、何本か飛んできます!」

 

幸谷「第2射、てー!!」

 

観測手2「・・・・命中!敵ミサイル殲滅!」

 

索敵手1「解析完了。モスクワ級航空母艦1、B級輸送船4、キーロフ改級巡洋艦2、トロツキー級駆逐艦6、あとウィスキー級原子力潜水艦も2隻探知しました」

 

東矢「位置は?」

 

索敵手1「本艦前方500です」

 

東矢「よし、瑞鶴はここで待機して艦載機収容し、戦闘終了次第合流、残りの支援艦隊と第一、第二水雷戦隊、潜水打撃艦隊は上陸部隊と共に迂回して北方四島の占領を、直掩艦隊はこのまま前進、敵艦隊との砲雷撃戦に入る!各艦に伝達!」

 

各艦に指示をだしそのまま敵艦隊へ真っ直ぐ向かった。

 

向かっている間は数回に渡りミサイル攻撃があったが互いに大した損害がでないまま遂に視認できる距離にまで近付いた。

 

観測手「敵艦視認!」

 

索敵手「ソナーに艦あり、敵艦隊は全艦率いて来たようです」

 

東矢「・・・そうか。よし!幸谷、前部砲撃戦用意!」

 

幸谷「了解!」

 

東矢「一番砲塔は前衛巡洋艦、二番砲塔は敵空母、1、2、3番副砲は駆逐艦を狙え!」

 

幸谷「あいよ!砲弾は?」

 

東矢「任せる!」

 

幸谷「わかった!任せとけ!」

 

その頃ロシア艦隊でも砲雷撃戦の準備をしていた。

 

ロシア乗組員1「主砲発射用意よし!艦長、全艦いつでもいけます」

 

ロシア司令官「よし、目標敵戦艦、撃てー!」

 

先に攻撃したのはロシア艦隊だった。

 

東矢「相手は150㎜と130㎜だ。貫通はしないから落ち着いてやれ」

 

戦闘員1「各砲内電圧安定、レールガンとしての使用問題なし」

 

戦闘員2「主砲強化徹甲弾、副砲散弾榴弾装填よし!」

 

幸谷「1番、よし!2番、よし!副砲群、よし!発射用意よし!警報!」

 

東矢「撃て!」

 

幸谷「てー!!」

 

大和から放たれた砲弾は真っ直ぐ敵艦隊へ向かった。

 

駆逐艦には榴弾、巡洋艦、空母には徹甲弾が命中したが、内1発の徹甲弾は空母を貫通し後方にいた駆逐艦に直撃した。

 

この1回の砲弾で大和は巡洋艦1、駆逐艦2を撃沈、空母を航行不能にさせ、駆逐艦2隻を大破させた。

 

見張り員「敵艦隊下がっていきます」

 

東矢「響と潮を向かわせ武装解除して降伏するように伝えろ」

 

春奈「了解!こちら大和。直掩艦は敵艦隊の鹵獲を行え」

 

響艦長「了解」

 

敵艦隊は反転離脱しようとしたが足の遅い輸送船や損傷艦では無傷の駆逐艦から逃げられることなく艦隊全面降伏した。

 

この海戦の結果は巡洋艦1、駆逐艦2隻撃沈し、損傷した空母1隻と駆逐艦2隻、無傷の巡洋艦1、駆逐艦2、輸送船4隻、航空機5機、ロシア軍人約1000名、負傷兵500名の拿捕、捕虜に成功した。

 

しかし、原子力潜水艦2隻は密かに戦線を離脱したが、翌日に択捉島沖で哨戒していた潜水打撃艦隊によって2隻とも撃沈された。

 

その後、北方四島は迂回して向かった上陸艦隊は11月5日に上陸、同月9日に全島の制圧に成功、北の都作戦は圧勝で終わった。

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