Lostbelt No.■.■■ 昏き■■の玉座 作:KEI (~ ̄³ ̄)~
───ノウム・カルデア内医務室───
「キリシュタリア、君はいいのかい?君の身体は既に限界を迎えている。その状態で動けるのが不思議なくらいだ。ブリテンでは現地で万全に備えていたスカンジナビア・ペペロンチーノとオフェリア・ファムルソローネによる魔眼による戦闘の援護、そして、マスター藤丸の健闘。それにより負担は幾分か軽減されたとしても。君が成し遂げたというシミュレーションによる人理焼却の解決より負荷はそれほどかからなかったとしても────。もう一度言うよ。長く見積もっても
「そんなこと百も承知さ、ダ・ヴィンチ。────だけどね。あと少しなんだ。呪いを受けた鴉郎さんと重症を負ったカドックもきっとすぐに回復して起き上がるだろう。ベリルはブリテンの厄災が蔓延した際にドイツ異聞帯に高跳びしたはずだから、彼を────アルフを倒して一緒に異聞帯切除すれば仲間になるさ。デイビットの異聞帯もまた────。あと2つ。あと2つでAチー厶の皆と一緒に────。私の愛する仲間たちと一緒に」
キリシュタリア・ヴォーダイムの生命はもう長くはない、自分の体の事だ、彼にはずっと昔から分かったことだった。
しかし、かれは夢を見る。
Aチーム七人の仲間が全員揃い、そして最後のマスター藤丸とマシュを含めた九人で世界を旅し、世界を────。
『7度目の旅』を愛する仲間たちと一緒に────。
「私が愛する仲間たちと、今度こそ誰も欠けることなく、一緒に世界を救いたい。そのためにまだ立ち止まる訳にはいかない」
「意志は固いようだね。でも技術顧問としてこちらがどうしても無理だと判断した場合はこちらの指示に従ってもらうよ」
「もちろん、そこは把握してるさ。だけどこれでもAチームのリーダーだった男だ。簡単にくたばったりはしないさ。案外なんとかなって地球白紙化を解決した後も長生きするかもしれないよ。まあ、その時はもう見栄を張らずにただのキリシュタリアとして生きるさ」
コンウォールの入江に別荘を建てるのはどうだろうか?いやそれだとカイニスが嫌がるな。ダ・ヴィンチ、君は
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ー人理保障時計 2017年 12月31日ー
ーカルデア内 世界時計 20XX年 12月31日ー
『異星の神』実行体 Uーオルガマリーの襲撃により館内にサイレンが鳴り渡っていた。彷徨海消滅まで15分。
ノウム・カルデア内に召喚されてた多くのサーヴァント、そして、元クリプターのキリシュタリア・ヴォーダイムとオフェリア・ファムルソローネに続きを霊基グラフを持っていた『探偵』シャーロック・ホームズがシャドウ・ボーダーに集まり、あとはシオン・エルトナムを残すのみとなっていた。
ゴルドルフ新所長が仲間を心配し「彼女も今やカルデアのスタッフのひとりだ!置いていく訳にはいかん!」と言う。
後から合流するには20分の時間を有すると聞いてマシュ、藤丸立香が連れ戻しにいこうと行動を起こそうとする。
「救出は無用だ。ミスター藤丸。彼女ほ私にこう告げた。『カルデアは脱出を優先するように。私も必ず追いつきます。まあ、すぐには難しいですが、最後の戦いにはキッチリ間に合わせます』とね」
「藤丸立香、クリプターだった私が入れたことではないかもしれないが彼女はアトラスの錬金術師だ。未来を予測する彼女の言葉を信じよう」
ホームズとキリシュタリアが諭すように語る。
その二人に続きをシャドウ・ボーダー内から見知ったサーヴァントが顔を出した。
「何してるのあの女なら大丈夫でしょ!こんなに余裕を持って脱出できるんだからあの女も逃げ道を一つや二つ準備もんでしょ!いざとなればアレできるはずだし!それよりキリシュタリア、オフェリア、そして後輩、早く乗り込みなさいよ!いつまで項羽様を待たせる気!」
「ぐっちゃんパイセン!!」
「だからそのその呼び方すんじゃないわよ!」
シャドウ・ボーダーから顔を出したのは元クリプターの芥ヒナコだった。
「ヒナコ、いや、ええと、虞美人…さん」
「オフェリア、あなたまだ慣れない!?ああ、もう!知らぬ仲でもないし呼びやすいほうでいいわよ!」
「え、ええ。ヒナコ」
「君の旦那を待たせてしまってすまない、ヒナコ。ゴルドルフ新所長」
「うむ。キリシュタリア!オフェリア!ムニエル!藤丸!キリエライト!速やかにシャドウ・ボーダーに搭乗せよ!見ての通り他のスタッフはとっくに乗り込んでおる」
ゴルドルフ新所長の掛け声に一同が頷き、ノウム・カルデアは彷徨海からの脱出を実行した。
そして、彷徨海のエネルギーを利用し『異星の神』Uーオルガマリーに自爆攻撃をしかけたシオン・エルトナムがストーム・ボーダー内に帰還したのは脱出が成功してから数分の出来事だった。
沈んでた空気が戻り、キャプテン・ネモが気を引き締めるかのような口調でそれを告げた。
「落ち着いたのなら方針の確認だ。今後、カルデアの作戦行動はストーム・ボーダーで行う。『異星の神』の索敵にかからないよう、地球上を不規則に飛行する。地上への着陸は補給、ないし整備時のみ。いくらストーム・ボーダーが優れた艦であっても補給なしではいずれ限界はくる。大規模作戦はあと1度が限界。そのため残り2つの異聞帯、どちらかは"早期解決"、そして空想樹伐採も兼ねつつ補給も行わなければならない。それを肝に銘じてほしい」
「了解した。残る異聞帯は2つだがキリシュタリア、オフェリアからの調書で西ヨーロッパに位置する異聞帯は近代的であることが分かっている。対『ビーストⅥ/S:アルフ・エンブリー』『異星の神』の決着術式の完成次第、西ヨーロッパ異聞帯に乗り込み異聞帯の調査と現地で補給を行いつつ、第7異聞帯を踏破。最後に第8異聞帯に突入、────そして、『異星の神』を名乗るUーオルガマリーとの戦闘に入る。それでいいですね、ゴルドルフ司令官。ミスター藤丸」
「う、うむ。いよいよ最終局面、ということだな。いいとも、やってやろうではないか!でも、ほんと準備は万全にしてからね!」
最後が微妙に締まらない司令官の言葉に万能の天才が強く同意する。
「聖剣の加工も重要だけど、『異星の神』の解析、そして、ビーストⅥのクリプター、アルフ・エンブリーについても調べなくちゃいけない。『異星の神』は本当にオルガマリー所長なのか。ビーストⅥの霊基を持つ彼の目的は何なのか。今のまでは『倒す』道しかないけど敵への理解を進めれば他の道もある。コヤンスカヤと同じように。そうだろ、藤丸君、キリシュタリア?」
「はい!」
藤丸のやる気に満ちた返事にキリシュタリアも同意する。
「それでは、各員慣れぬ拠点で戸惑うこともあるだりうが各自準備に取り組んでくれ。これよりストーム・ボーダーは西ヨーロッパ異聞帯、いやドイツ異聞帯へ向かう」
ホームズの声に乗組員全員が真剣な顔で頷いた。
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昏い王城の間で二人の人物が通信を行っていた。
「
『──────────』
「ああ、恒星級の霊基は厄介だが手の打ちようは複数ある。異聞の『獣』に引き分けたお前の取った手段、令呪を魔力リソースとして活用するのも手段の一つだ」
『──────────』
「"終焉の獣の座"に座るはずだった
『──────────』
「そうだな、冠位クラスのサーヴァントが私の領域
『──────────』
「分かっている。もし私の目指す冠位指定、
伝えるべきことは全て伝えたと判断しクリプター、アルフ・エンブリーと名乗っていた『獣』は通信を切断しようとする。相手がそれに待ったをかけた。そしてコンマ数秒眉間にシワを作り、目を細めた。
『すべてを抱えこもうとすると、お前の強大な両手でもいつかは大切なものが溢れ落ちてしまうぞ、■■■■■』
それは宇宙視点を物事を見る者からのアドバイスだった。
「────同じく人類にカウントされない者の意見として心に留めておこう。ではこれで最後だ。現在しか見ることのできない私では未来のことは確約できないが、────もう会うことはないだろう。さよならだ、デイビット・ゼム・ヴォイド」
いよいよ次話からドイツ異聞帯の話になります。
頑張ろうと思います。
"キリ様とAチームの皆で旅をさせたい!!"
以下ナウイ・ミクトランのネタバレ注意
ところでFGO二部7章わたくしクリアしたのですが……………デイビット好きになりました。かっこいいと心の底から思いました。また、主人公のことを絶対に否定しないと言ったのこれまでの主人公の道を認めててこれまたかっこいいと思いました。惚れた。 デイビットの話を書きたいな思ったりもしました。
ただ最後まで読んで「デイビット!それは間違ってるよ!」と思ったのが他者と信頼を築けないという言葉でした。ペペさんもカドックもキリ様も信頼してたし、コミック、フロムロストベルトでも芥ヒナコはデイビットに項羽様の召喚方法聞いてたし、テスカトリポカとも仲良くやれてるやんって思いました。でもデイビット強いしかっこいいしで惚れた