何気に初の全員集合(?)回です。
バレンタインデーを間近に控えた2月。
渾身のチョコをこさえるウマ娘がいた。
どことなくソワソワするトレーナーがいた。
高田と中西はなんとなく、色めきだった光景を眺めていた。
「いやー、みんな若いね」
「そういう高田さんは、奥さんが現役の頃からもらってたんじゃないですか?」
「うん。てか今ももらってるよ」
結婚から20年以上経つが、夫婦仲は現在も良好らしい。
「爆ぜろ!!」
「中西ちゃん、いきなり物騒すぎない!?」
「だって彼氏のレの字もないですし……あげるにしてもタマちゃんかミヤちゃんぐらいですし……」
「……」
「せめてその同情の目はやめてください!」
所変わって、岩間と細貝は食堂で遅めの昼食をとりながら喋っていた。
「細貝さん、今年もすごい量になりそうですね」
「そうでやすねぇ……いつも通り、ほとんどは義理だと思いやすが」
なんだかんだ顔のいい細貝は毎年1人で食べきるには多いくらいのチョコレートをもらっている。
「そういや、岩間の兄ィが学生時代、いかにもなハート型のチョコもらったってえ噂……あれ本当ですかい?」
「……誰から聞きました?」
「ゴル……ゴールドシップでやすが」
「なぜフルで言い直したんですか?」
「一応、この小説では初めて名前が出やすから」
「メタな話はほどほどにしてください」
「で、真相のほどはどうなんで?」
「……半分事実です。まぁ、別の人あてのものが間違って下駄箱に入っていた、というオチでした」(しかしなぜ知っているんですかゴルシさん)
「……」
「そんな同情の目で見ないでください!」
「ちなみに、何かメッセージとか書いてありやした?」
「『〇〇君へ
〇〇君が△△先生の靴をなめてたのを目にした頃から気になってました。
もしよかったら今度一緒にミシガンでう〇い棒食べましょう』……とフランス語で書いてありました。ちなみにその〇〇君に渡したら狂喜乱舞してました」
「…………ツッコミが追いつかないんでやすが、その送り主、ゴルシの親戚ですかい?」
その頃、盛本と新海、そしてヒシアマゾンはキッチンに向かっていた。
「いやあ、お2人とも助かりますヨ。少々ヘルプが必要だったものデ」
「タキオンのヤバさはなんとなく知ってたけど……これは予想外だな」
「カカオ豆は……流石にアタシも経験ないね……」
遡ること1週間前。盛本は突然、タキオンからカカオの実を渡された。
すぐに察した──
「そもそもカカオ豆どうやって手に入れたの?」
「あれこれ調べて発酵と乾燥まではやりましタ。問題はここからでス」
「しかし、それこそアンタお得意の機械でなんとかならなかったのかい?」
「私の技術をもってしてモ……満足のいくスイーツを機械で作るのは難しいのでス」
「どこの一流パティシエなの?」
「で、この豆を炒りますのでお2人にはまず粗く粉々にしていただきたク……」
延々と作業すること約1時間……
「え、アタシらの労力端折られた!?」
本当に申し訳ない。
「……あとは私でなんとかしましょウ。お2人とも感謝しまス」
「私とアマ姐の分も忘れないでよ~」
新海とアマゾンを見送ると……
「さて……ホワイトデーまではタキオンの弁当のグレードを多少落としてもやむなしでしょウ」
この後、盛本がいつもの5倍発光したのは別の話である。
当日編に続く。
新海と中西はサキちゃん、ミヤちゃんと呼びあっていたり。
当日編は2日後くらいに投稿…できればいいかな?