前書
緋色の女王の、勝手きままな愛。お楽しみください
ウマ歴202X年2月14日。
トレセン学園は、情熱の炎に包まれていた。
雀が囀るさらに前。
アラームが鳴る、一瞬前。
耳をぴくりと動かして。
緋色の女王は目を覚ます。
「……目覚まし時計よりもっ!あたしが一番ナンバーワンッ!」
同室の鹿毛のことなど、忘却の彼方。
問答無用の、高血圧。
寝起きであるので、致し方なし。
そう思いつつ、目覚まし時計に耳ピトする。
聞こえるは、自らの下僕の。
低くてセクシーな、囁き声。
『おはよう、スカーレット。今日も一番早起きだね』
トレーナーのASMR。
それを、催眠術を用いて収録したものだ。
法的には、何の問題も無い。
トレーナーの人権など、この学園においては。
吹けば飛ぶ、儚い物である。
「やっぱり朝は、これが無いと始まらないわね……」
目覚まし時計のジャックに、ウマホンの端末を差し込み。
脳にキマる囁きを楽しみつつ、独り言つ。
アグネスデジタルには、世話になった。
ダミーヘッドマイク、ウマ娘用。
お高い物であっただろうに。
対価は自分が、それにちょっとした罵声を吹き込むだけ。
それだけで、無期限の貸し出しを許可されたのだ。
まぁ、さすがに申し訳なかったため。
108通りの収録を終えた後、菓子折りと共に返却したが。
後に、アグネスデジタルはこう語った。
「これは世に出してはいけない。
デジたん直感しました。
赤ちゃんを量産する。クリークママの、でちゅボイチュ。
マゾを量産する。ダスカ女王たまの、蔑み声。
もう、あたしのような犠牲者を。
これ以上出してはいけないのです……」
彼女は、うっとりと。
ウマホンを被りつつ、次の犯行を画策していたため。
彼女の担当トレーナーは、そっと。
通信教育で習った、催眠音声を。
ダミーヘッドマイクに吹き込んだ。
デジたんしか勝たん。
そして、視点は。栗東寮の一室に戻る。
『スカーレットが一番星。愛してるよ』
「あたしもよ……!」
起床から、一時間が経過。
ダイワスカーレットは、完全なる覚醒を果たした。
やはり、朝はASMR。
部屋を見回すと、彼女と同居人の実績。
それが積みあがるに従い、豪華さを増し。
今や、高級ホテルのスイートルーム。
それと見まごうような、内装。
トレセン学園は、勝たなくとも。
最低限の生活。それは保証されるが、しかし。
勝てば勝つほど、便宜を図ってもらえるのだ。
目が合った、ライバルのぱかぷちに会釈しつつ。
特注した、一際金のかかった厨房へと。
そっと歩を進める。
いつかは、催眠無しでの収録。
それに臨みたいものだ。
そう思いつつ、朝食と、弁当の準備をする。
エプロンには、ひよこのアップリケ。
もちろん、某倶楽部の暗喩だ。
紐を締めて、いざ愛情二万マイル。
「ダイワスカーレット。行くわよッ!」
~
「♪~♬~♬~うまぴょいッ!」
会心の掛け声と共に。
オムレツをひっくり返す。
ぴょいっとハレルヤ、焦げは無し。
まるで、ホテルの朝食のような出来栄え。
卵液を、一度濾す。
濡れ布巾で、フライパンの温度を下げてから整形。
基本を守るだけで、美しい三日月は。
眉のような弧影を、愛する彼に晒してくれるのだ。
納得しつつ、次の調理に移る。
ウィンナーを切り刻み。
火星人を表現しなければならないのだ。
包丁細工をしていると。
「すかーれっと、おふぁよー……」
同室の。
終生のライバルの、ご登場である。
のそのそと、備え付けのテーブルに顎を乗せ。
開口一番、こう告げる。
「すかーれっと、ごふぁん」
いつもの凛々しい姿に憧れる、後輩ども。
彼女たちが見たら、イメージの失墜は間違いない。
甘えん坊将軍の姿に、やれやれと首を振りながら。
餌を与えることとする。
プチトマト。
「むぐむぐ……」
にんじんハンバーグ、ハンバーグ抜き。
「がじがじ……」
オムレツ……と見せかけて、アツアツおでん。
「うわっチャァァァァァァアッ! アッツゥイ!」
期待通りの反応。
ほっこりしつつ、ちゃんと餌を与える。
こやつの舌は、確かなのだ。
朝食と、弁当。メニューは同じ。
毒見役としては、極上である。
「んぐんぐ……今日もスカーレットのごはんはうまいなぁ!
こりゃあ、トレーナーさんも幸せもんだぜッ!」
ウオッカは、強制的に覚醒させられ。
素早く状況を把握すると。
まずはヨイショを試みる。
こう言っておけば、この栗毛。
自発的に。朝昼晩の、極上手料理。
これを貢いでくれるのだ。
もうカフェテリアには、戻れない。
材料費は、自分持ちだが。その価値はある。
なんといっても、籠められている愛情が違う。
ツインテ栗毛の、狂気的な愛情。
このウオッカも、おおいに認めるところである。
「今日の出来はどうかしら。忌憚ないご意見をどうぞ」
「最近は文句の付け所がないなぁ。
最初の頃とは、えらい違いだと思うぜ」
「ふふん。あたしも成長したということね!」
ばるん、と。
胸を張る彼女を見つつ、思う。
本当に、成長も性徴も著しいな、コイツ。
自分も料理には自信がある。
そもそも、彼女に料理を教えたのは。この自分なのだ。
わりといいとこのお嬢様であった、このライバル。
最初は、豪快に厨房をフランベしていた。
それが今や、一流シェフを凌駕するであろう腕前。
恐らく、料理人を志せば。
グルメ史に名を残すだろう。
ひょっとすると、レース以上に稼ぐやもしれぬ。
だが、その未来はおそらく無い。
「毎回思うんだけどさ。引退後は、レストランとかやらねーの?」
「有象無象に振るう腕は無いわ」
これである。
彼女はファンサービスは丁寧だが。
愛情を注ぐ対象が、大変に狭い。
この味を楽しめるのは、彼女の愛する彼と。自分だけだろう。
もったいないとは思うが、まぁ良し。
自分が食えればそれでいい。
「ウオッカこそ。トレーナーさんとの進展は?」
「最近、手をつないでも献血一回分で済むぜ」
「なんと……!驚いたわ。さすがはあたしのライバルね」
「よせやい。褒めすぎだぜスカーレット」
ダイワスカーレットは唸った。
この恋愛クソ雑魚ライバル。
手を繋ぐだけで、病院に運ばれるほどの。
鼻粘膜の、弱さを誇ったが。
凄まじい進歩を遂げている。
ガイドラインに抵触するほどの、触れ合いにはまだ至らぬが。
いつかはきっと。大願を成就させるだろう。
「今夜は、お祝いね……あたしも薄着、解禁かしら?」
「それは勘弁。お前のボディは刺激が強い」
「美しさって罪ね……」
ウオッカは胸をなでおろした。
素直に分かってもらって何より。
そういうのは、トレーナー寮で楽しんでいただきたい。
このライバル。お嬢様育ちのためか。
わりと裸族の気がある。
入学当初は、去年までランドセルを背負っていたとは。
とても思えぬ、発育の暴力。
それに圧倒され、よくICUに搬入されたものだ。
自分も、恋愛強者へと。
凄まじい躍進を遂げたが、この栗毛の性徴。
自分の成長を、常に凌駕する勢い。
今でも、部屋の共有スペースでは。
キャミソール以上の脱衣は、固く禁じている。
「そういえばウオッカ。例の計画は?」
「ん。これだよ。寝室はこんな感じでいいか?」
「マーベラス。さすがねウオッカ。
メルヘンにかけては、右に出る者はいないわ」
「照れるぜ」
ダイワスカーレットは、差し出された図面を見て。
感嘆の唸りをあげた。
前回より、さらに緻密かつ具体化されている。
将来の、ウオッカとそのトレーナー。
2人の愛の巣。それを冗談で、書かせてみれば。
赤い屋根。白い壁面。庭には犬小屋。
そのあたりだと思っていたが……
彼女のメルヘンと、設計士としての能力。
このダイワスカーレットの予想を、遥かに超えていた。
自分と、彼女の。
予測される。引退するまでに稼ぐ、レースの獲得賞金。
メディア露出による、収入。
さらに、お互いのトレーナーの稼ぎ。
それを緻密に計算し、割り出された資金。
そこから描き出されるは、隣り合った一戸建て。
敷地面積を共有することにより、ターフすら内包する。
我らの夢の具現。
未来の、ライバル共生型住宅。
実現を。否応なしに確信させる、その図面。
今なお、進化を遂げている。
「スカーレット。ベッドはこの位置がいいと思うんだが……
お前の要望だと、寝室の面積。デカすぎると思うよ。
中央に置く必要は無いだろ」
「そこは譲れないわ。いい? ウオッカ。
世の中にはね。回転式のベッドというものがあるのよ」
「お前、オレに何を書かせてるの……?」
ウオッカは呆れた声を上げた。
確かに、勝手に彼女も計算に入れたが。
ライバルとして、当然のことである。
自分に落ち度は無い。
だがこやつ、あまりにも。欲望に正直すぎる。
このツインテ栗毛。愛の巣と、肉欲の城。
それを同時に実現しようとしている。
大人しく、モーテルに行けばいいものを。
だが、その強欲。
嫌いではない。
そうでなくば、ライバルなどと名乗っておらぬ。
彼女の寝室は、我が家の子供部屋と。
大胆に、距離を取らせてもらうが。
つくづく、子供の教育に悪い女である。
愛といえば。そうだ。忘れていた。
「スカーレット。そういや今回の試作品は?
満足できるもん、できた?」
「うーん。まだ何か足りない気がするのよね……」
ダイワスカーレットは、倉庫に保管していた試作品第240号を。
台車を押し出し、お披露目した。
自信作ではあるが……未だ、納得には至らぬ。
「何これ。ウェディングケーキ?
お前らの、熱い抱擁はまぁ。いいけどさ。
このマジパン。オレそっくりで、逆に気持ち悪いんだけど。
勝手に出演させないでくれる?」
「あたしたちの愛を、称える下僕が必要だと思って」
「肖像権以上に、オレの尊厳にも気を遣えよ」
「そんなものは無いわ」
「お前、ほんとに唯我独尊だよね」
ウオッカは肩を落とした。
不気味の谷は、とても深い。
努力は認める。認めるが……
こやつ、こと愛情表現に限っては。
努力が常に、方向音痴だ。
何故、聖ヴァレンティヌスの命日に。
結納まで済ませようとするのか。
合同結婚式まで待てないのか、この栗毛。
これは、お零れを狙うよりも。
単独で、チョコを自作すべきか。
そう思いつつ、彼女の暴走。
その抑制を試みる。
トレーナーを、引き合いに出すのがいいだろう。
「トレーナーさん、さすがに引くんじゃねーの? これ見たら」
「あたしの下僕が、これぐらいで引くわけないでしょ。
むしろ、感涙の涙を流し。そのままベッドイン。
初めての夜は、熱くなる。そこまでは読めるわ」
「お前らほんと、お似合いカップルだよ……」
抑制失敗。
まぁわかってはいたが。
この栗毛の愛情を、一身に受け止める彼。
気の狂い方も、そんじょそこらのトレーナーとは。
一線どころか、五車線ほどを画する。
正気では、愛情に圧殺されてしまうためだ。
モルモット氏と、いい勝負である。
頭を抱える、ウオッカは知らない。
己のトレーナーが、内包する愛情。
その莫大な熱量も、眼前の栗毛や、己に。
決して劣らぬ、狂気を秘めていることを。
彼女の恋愛クソ雑魚の改善。
幸せな未来を築くため、彼が日夜。
不断の催眠術を怠らず。
毎日トレーニング後に、彼女にかけ。
その治りの遅い、クソ雑魚っぷりに。
舌打ちしつつ、舌なめずりしていることなど。
彼女の成長に、彼女自身の努力はあまり。
関係無かった。所詮メルヘンである。
恋愛弱者は、だが諦めなかった。
まだ、抑制の目はある。
簡単だ。こやつの完璧主義。
これを利用してやればいい。
学生のうちの、ベッドイン。
明らかになれば。放校処分は、間違いない。
「スカーレット。愛情固めを一本したら。
レースは引退ってことになるだろ?
オレたちの、夢の共同住宅。予算不足になるぞ。
お前の方の寝室と、やたらでかい浴室。
三分の一の面積にしなきゃならないんだが」
「第240号は破棄するわ。引退にはまだ早いわね。
やはり、生まれ持ったこの脚。
最大限に活かすのが。親孝行であり、ウマソウルへの貢献。
さらに稼いで、愛の巣を。愛情御殿にしてやるわ」
「わかってくれて、オレも安心したよ」
ダイワスカーレットは、頭を悩ませた。
さすがに結納までの、直線一気は早かった。
愛の巣に、妥協は許されない。
子ウマの数も、サッカーチームぐらいは超えたい。
もちろん、両チームともに。我が子で構成する。
養育費は、莫大な額になるだろう。
些か時期尚早である。ウオッカが冷静で助かった。
彼女は知らない。トレーナーの愛情。
この深さを見誤っていることを。
サッカーチームなどで、許してもらえないという。
狂気的な愛情による、自らの末路を。
ダイワスカーレットは決意した。
図面とレシピのみ保存し、数年後にさらにバージョンアップさせよう。
そう考えつつも、期限は今日。
猶予は、ほぼ無い。
材料は、たらふくあるが。
何か、良いアイディアは無いだろうか。
「スカーレット。わりと、単純なもんでもさ。
愛情って、伝わるんじゃねぇの?」
ウオッカの声。
そうか。そうであった。
愛情とは。
最速で、最短で、まっすぐに。
この剛脚で、ヘイラッシャイ!
「わかったわウオッカ。さすがはあたしのライバル」
「いい顔してるぜ。答えは出たようだな」
「ええ。ウオッカ。というわけで。気絶してくれるかしら」
「ああ、いい……よくねぇよ。どういうわけだよ」
「問答無用ッ……!」
「この栗毛、話してもわからない顔をしてやがるッ!」
突如勃発する、ライバル同士の運命の戦い。
方や、栗毛神拳の構え。
対するは、鹿毛無双の構え。
奇しくも、同じ。
攻撃のみ考えた、ウマ娘らしい構えである。
(いつも通り、オレが不利ッ……!)
ウオッカは、上体をゆすりつつ。
ステップを、細かく刻む。
レースでは互角だが。格闘戦は分が悪い。
ウマ娘の暴力は、脚を起点とすることが殆ど。
ふとももが太い方が、単純に有利だ。
ヤツのふともも。凄まじい威力を感じさせる。
だが。だからこそ。先手を取らせるッ!
「シィィッ!」
前髪が、千切れ飛ぶ。
成し遂げた。
低空タックルは、基本である。
沈み込んだ、己の痩躯。
胸で足元がよく見えぬ、栗毛からは。
捉えにくかろう。泣いてなんかいないぞ。
戻しは間に合わぬ。
膝を出すにも、もう遅い。
このまま、押し倒し。マウントを……!
「甘いわウオッカ。あたしのバ体。
重要な物を見落としているわ」
ツインテの囁き。
見落としだと? そのような物……ッ!
そして顔を上げた彼女に。
迫る、莫大な質量。
「乳、だとぉッ!?ぶべらっ」
ふにゅり……めしゃどごんっ。
ウオッカは壁にめり込んだ。
栗毛神拳は、隙を生じぬ二段構え。
廻し蹴りを避けても、胴体の振り戻しにより。
反動がついた立派な山脈が、敵手の横顔を痛打するのだ。
ご褒美でもあるので、トレーナーと、ライバル。
そのぐらいにしか使えぬ、禁じ手であるが。
ウオッカに使うならば、問題は無い。
レースではライバル。
私生活では、かわいいおもちゃ。
井戸端会議から、寝室へ連れ込むのも。
百合好きな、彼女のトレーナーからは。
大喜びで、ゴーサインを得られるだろう。
百合から衝突されるのは、罪にはならぬからだ。
「あんたの敗因はね、ウオッカ。
レース以外で、あたしに勝てると思ったことよ。
つまり、戦う前に全面降伏。
それだけが、あんたがひどい目に合わない。
たった一つのアンサーよ」
優しく、壁から引き剝がし。
膝枕からの、女王宣言。
耳に、おもちゃとしての心得を吹き込む。
催眠に弱い、彼女にとって。
この美声は効くだろう。
次は、戦う前から降伏とはいかぬまでも。
一瞬の硬直が期待できる。
つまり、勝利者は常に自分。
世の理というものである。
まぁ、おとなしく降伏しても。
見方によってはひどい目に合わせるが。
自分の幸福のためだ。致し方無い。
さぁ。準備をするとしよう。
~
そして。
全身に、チョコを塗ったくられて。
彼女のチームルームに。
勢いよく、投げ込まれたウオッカ。
試金石である。
「これは……三女神様の慈悲!?
信仰の高まりを感じるッ!
全ての生命に感謝しつつッ!頂きますッ!」
「んあ?オレは一体……え゜。」
室内でまき散らされる、血液のスプリンクラー。
草木を枯らす、死のシャワー。
飛んでくるたづなさん。
平謝りする、ウオッカT。
搬送される、鹿毛。
端的に言って、地獄絵図であった。
「うん。このプレイはダメね。
知ってたわウオッカ。
あんたの無駄な犠牲。積極的に。
無駄にしてあげるわ。感謝なさい?」
ダイワスカーレットは、録画を終え。
チームルームから、足早に去った。
指紋は残していない。完全犯罪である。
これは、この女王の慈悲。
恋愛クソ雑魚を治すための、荒療治である。
そのように自らを納得させ。
愛するトレーナーの元へ向かう。
がちゃりとノブを、ひとひねり。
扉を開き、そわそわとする彼を見る。
ほころぶ顔に、確かな満足。
「やぁスカーレット。上機嫌だね」
「あら下僕。物欲しそうな顔をしているわ?」
「かなわないね。女王様。哀れな臣下に。
お慈悲をいただいても、よろしいか?」
「ええ。もちろん。女王の慈悲深きチョコ菓子。
味わい尽くして、歓喜の涙を流しなさい」
箱を差し出す。
粉糖をまぶしたブラウニー。
このぐらいが、共に摘まむのには。ちょうどいい。
「ありがたく。……おいしそうだね。
どれ、紅茶を淹れよう。君と一緒に味わいたいな」
「ええ。もちろん。今日はとっても甘いのよ。
……んふ。トレーナー。臣下の態度。
だんだん板に、ついてきたんじゃない?」
「女王様のお望みならば。このトレーナー。
道化にでも、騎士にでも。あなたが望むままに。
なんにでもなって見せるよ、スカーレット」
「生意気ね。エスコートしてくださる?」
「もちろんですとも」
椅子を引かれ、腰を落とし。
いそいそと準備する、彼の後ろ姿を見て。
彼女は頬を緩ませた。
「やっぱり愛って。なんでもない日常が。
一番実感できるわね」
ウオッカかわいそう。
おわり
ハルウララさんじゅういっさいには、成長した彼女が出てきます。ええ。ダイマですとも。ぴくしぶの、彼女でもあるかもしれませんねこやつ。
作者
デイジー@物書き見習い
代表作
ハルウララさんじゅういっさい
https://syosetu.org/novel/273902/