デスマーチスピンオフ・幸腹   作:naogran

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グルメ9「奴隷なりのぜいたく」

『BGM:未来』

 

数ヶ月前のセーリュー市。ルル達は奴隷市場に移送されていた。

 

アリサ「ルル。顔色悪いわ。大丈夫?」

 

ルル「アリサ・・・最近よく考えるの・・・私達、これからどうなるんだろうって・・・変な人に買われたら・・・アリサと離れ離れになったら・・・私・・・」

 

アリサ「・・・だーじょうぶ!何とかなるわよ!ルルは私が守る!」

 

ルル「・・・うん。」

 

そう。アリサには自信があった。彼女は1度は殺された元現代人。神様に転生させて貰えた幸運の持ち主。そして、先程彼女が見掛けた黒髪日本人顏のショタっ子は間違いなく転移者か勇者様かと。今頃転生者のアリサを捜してくれているはず。そして無事買い取られる未来を見た。

 

 

 

 

サトゥー『ああ、アリサ。君の淡い紫色のゆるふわ髪が素敵だ。』

 

アリサ『ご主人様のさらさらの黒髪も素敵よ。』

 

サトゥー『まだ薄い胸も、華奢な腕も、君の何もかもが愛おしい・・・』

 

アリサ『もうご主人様ったら♪』

 

 

 

 

そんなイメージでアリサが暴走中。

 

アリサ「夢は広がりますなぁ〜!」

 

ルル「ア、アリサ?」

 

 

 

 

 

 

その夜。奴隷のテント。

 

ルル(オークション・・・売れ残っちゃった・・・)

 

彼女の容姿は、黒髪美少女。だがこの世界ではその容姿は醜女扱いされている。

 

ルル(でもアリサと離れ離れにならなくて良かった。・・・売れ残った代わりに食事は用意して貰えなかったけど・・・)

 

”ぐぅ・・・”

 

ルル(・・・お腹空いたな・・・アリサ・・・何処行ったんだろう・・・)

 

寂しそうに眠っていると。

 

アリサ「ルル!見て!市場のゴミから良い物見付けて来ちゃった!」

 

 

 

 

外に出て、ゴミから拾った鍋とおたま。そして使われなかった野菜クズ。

 

ルル「野菜と・・・鶏の骨・・・?」

 

アリサ「井戸水もしっかり確保して来たわよ!ほら、さっきの焚き木の燃えカスも残ってるから急ぎましょ!」

 

ルル「え・・・アリサまさか・・・」

 

アリサ「晩御飯こっそり作っちゃいましょ!」

 

確保した材料で晩御飯を作る。

 

ルル「こ、こんな事して大丈夫・・・?」

 

アリサ「ニドーレンならさっき外出したし、ちょっと位平気よ。」

 

最初に鶏ガラを入れて、出汁を取る。

 

その間に野菜を食べやすい大きさに千切る。

 

ルル「良い匂いがしてきたね。」

 

アリサ「野菜も入れちゃいましょ!」

 

野菜を入れて煮込む。

 

アリサ「野菜が柔らかくなるまで煮込んだら・・・」

 

料理が完成した。

 

アリサ「出来たわ!野菜クズの鶏ガラスープ!さ、早く食べてルル!」

 

ルル「でも、アリサが材料を拾ってきてくれたのに・・・」

 

アリサ「私が食べて欲しいの!」

 

ルル「あ、ありがとう・・・じゃあ・・・いただきます。」

 

鶏ガラスープを飲む。

 

ルル「・・・美味しい。アリサもどうぞ。」

 

アリサ「わーい!いただきます!」

 

鶏ガラスープを飲む。

 

アリサ「ッ!?ちょっとお!全然味しないじゃない!薄ッ!鶏ガラだけじゃ薄かったのかしら・・・」

 

ルル「でも、久し振りにこんな温かいご飯食べたね。アリサのお陰よ。」

 

アリサ「やーっと笑ったわね。」

 

ルル「わ、私そんなに暗い顔してた・・・?」

 

アリサ「こんな状況じゃ仕方無いわよ。ルル、きっとこれから何とかなるわ。あきらめない気持ちが大事よ!」

 

ルル「・・・うん。」

 

王女時代のアリサも、そう言って無理だと言われていた農地改革を成し遂げた。アリサはルルには見えないものが見えていて、今回もきっとそうなんだと。ルルは確信した。アリサを信じていればきっと・・・

 

 

 

 

 

 

そして今。ライトとサトゥーと共に旅をしている。

 

ルル「・・・・」

 

深夜に目が覚めたルル。再び眠ろうとした時。

 

ルル(っ!野菜を煮込む匂い・・・これで昔の事が夢に出て来たのかな・・・)

 

 

 

 

キッチンへ行くと。

 

ルル「アリサ?」

 

アリサ「あら。起こしちゃった?」

 

鍋で何かを煮込んでいるアリサが立っていた。

 

ライト「何か良い匂い・・・」

 

タスク「誰が作ってるんだ・・・?」

 

そこに、ライトとタスクもキッチンへ来た。

 

アリサ「ライト様。タスク様。どうかしたの?」

 

ライト「いや、何か美味そうな匂いがするなって。」

 

タスク「俺はトイレから戻る途中に匂いを嗅いで。」

 

アリサ「ちょっと小腹が空いたから、余った食材頂いちゃったわ。」

 

タスク「おい勝手に・・・」

 

ライト「良いじゃねえか。サトゥーには俺が言っとく。」

 

アリサ「はい。ライト様。タスク様。」

 

2人に料理を渡した。

 

ライト「おぉ、美味そうだ。」

 

タスク「へぇ〜。アリサがスープをね。」

 

ルル「え?」

 

アリサ「ルルもどう?」

 

彼女が作ったのは、野菜スープだった。

 

ルル「あ・・・久々だね。アリサのスープ。」

 

アリサ「・・・諦めなければ何とかなったでしょ?」

 

ライト「ん?どうしたんだ?」

 

タスク「何の話?」

 

アリサ「秘密♪」

 

アリサ・ルル「いただきます!」

 

ライト・タスク「?」

 

ルル(ありがとうアリサ。私、アリサを信じて良かった。)

 

この信頼関係は、何よりも尊くて・・・

 

 

 

 

『ツヅク』




         キャスト

        ルル:早瀬莉花
       アリサ:悠木碧

       ライト:山崎大輝
       タスク:小林裕介

      サトゥー:堀江瞬
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