ウマ娘 恋愛ダービー『あなたはトレーナーである』読者参加型 作:雅媛
名前:あなた
身長:140cm
体型:91/57/88
毛色:栃栗毛(マーベラスサンデー色)
です。
遅くなり12時投稿になってしまいました。
選抜レースでは、ウマ娘たちはみな、思い思いのアピールをしている。
それを見るトレーナーたちの目も真剣である。
当然あなたも、真剣にその光景を見ていた。
どの子も、いい子だ。
あなたはすでにめぼしい子はピックアップしていたのだ。
誰を選んでも後悔はしない、そんなレベルの子ばかりだった。
だが、見ていて思ったのは、どの子も来るものがなかった。
こう、運命を感じないのだ。
「今日もみんなすごいですねぇ」
悩んでいると、隣から楽しそうな声が聞こえた。
桃色に近い栗毛のウマ娘が、熱心にレースを見ている。
あなたと同じように、ウマ娘のトレーナーだろうか。
ウマ娘のトレーナーは少ないが、あなたと同じように、居ないわけではない。
「誰がよさそうですか?」
「およ? そうですねぇ……」
あなたは思わず声をかけた。一人で考えていても完全に煮詰まってしまったいる。
他の人の意見も聞けば、何か打開できるかもしれないと考えたのだ。
隣の彼女はすこし考えて、一人ずつ、彼女が気になる子の説明を始めた。
「例えばあそこにいるファインモーションさん。障害競馬の本家、アイルランドの直系王族で、日本に留学に来ているお姫様です。ですが性格は明るくてお茶目で、非常に付き合いやすいところがおすすめです。ただ、彼女を担当するには王家とうまくやっていくほか、日本との政治も気にする必要がありますので、政治的センスが必要ですね」
「政治的な動きは大変そうだけど、優しくていい子そうだよね」
「ですです。個人的には手を振るシーンが一番かわいいのでお勧めです」
「あー、それわかるー」
遠目に見えるファインモーション殿下を見ていると、こちらに気づいたのか手を振ってくれた。
殿下が手を振るのは皇族と同じく、指の間を開かない。
それがまたかわいい。
「あっちにいるのは高知出身のハルウララさんです。脚は遅いですが、走るのが大好きで一生懸命走っています。かなり頑張らないと勝つのは難しそうですが、天真爛漫さと一生懸命さ、あとは体の丈夫さは素晴らしいものがありますし、彼女をうまくプロデュースすれば一躍人気者にすることができそうです」
「勝つこと以外で、ウマ娘のすばらしさを伝えるか…… 難しそうだけど、そんなことできたらすごいねぇ」
「できますよ。だってあんなにかわいい」
「かわいいねぇ」
模擬レースで最下位でも嬉しそうに手を振ってくれるハルウララ。
ある種の異質であり、しかしだからこそ彼女がいる意味があるのだろう。
「向こうに見えるのがライスシャワーさん。名門、クリ家の出身のお嬢様ですが、普段はおとなしくて優しいいい子です。ただ、レースになると闘争心むき出しになるんですよね。そのギャップが素敵なんです。あと、朝はパン派」
「よく調べてるねぇ」
「えへへ、趣味なので……」
本当にどの子についてもよく調べている。
まさに立て板に水である。
「で、どの子にするんです?」
「? あ、あやややや、失礼。もしかしてトレーナーさんでしたか」
「ああ、紛らわしい格好してたからね。ごめんごめん」
あなたは自己紹介をした。
去年まで学園に所属していたウマ娘であること。
卒業後、トレーナーになったこと。
現在スカウトするウマ娘を探していること。
バッジを見せながらそんなことを説明した。
「で、えっと、あなたは……?」
「私はアグネスデジタルって言います。担当トレーナーを探しているところなのですが…… 見る方に集中しちゃって……」
てへっ、と笑うアグネスデジタル。
それがとてもかわいらしくて……
あなたは思わず手を取った。
「あ、あの、トレーナーさん?」
「デジたん、私と結婚しましょう」
「ふえっ!?」
「間違えました。私とトレーナー契約を結びましょう」
「ふええええ!?」
あなたは、目の前の彼女に一目ぼれをした。
「本気ですか!?」
「もちろん本気だよ」
「正気ですか!?」
「正気に決まってるじゃない」
「そもそも、私の何がいいっていうんですか!? 平凡で目立たず、どこにでもいる一般ウマ娘ですよ!?」
驚いてあなたを詰問しはじめたデジたん。
あなたは答えることにした。
「まず顔がいい。すごい美人」
「はじめて言われましたよ。眼科、紹介しましょうか?」
「デジたんのかわいさがわからない連中の治療なんて不要だね」
目の前のデジたんは、非常に顔がいい。
ウマ娘という、基本顔がいい生き物の中でもかなり美人に入ると思う。
もっとも表情が動きがいろいろ残念なので、目立たないというか、悪いほうに目立ちそうだなとはあなたは思った。
「あととても博識なところだね。ほかのウマ娘のこと、よく見てる」
「ただオタクなだけですよ。キモいだけですって」
「謙遜しなくてもいいよ」
好きなことは本当に早口になるな、と言わんばかりにさっきまでまくし立てていたデジたんだが、分析は的確だし、何よりネガティブなことはほとんど言わない。
性格の良さもにじみ出ていた。
「まあ何よりも運命を感じたってことだね」
「運命……」
「ということで、ここ、サインして、ねえ、ほら、早く」
「せ、迫らないでくださいぃいいいい!!!!」
お互いウマ娘だ。走って逃げても追いつくし、力で引きはがそうとしても難しいのだ。
「顔が良いっ!! トレーナーさんの顔が良すぎますぅううう!!」
「ボクの顔が、デジたんの好みならよかったよ。ほら、契約して?」
「何か柔らかいものが当たってますううう!!!!」
「当ててるのよ♡ ボクの体も心も、デジたんのものだよ♡」
「ひょえええええええ!?」
あなたは押して押して押しまくる。
最終的にデジたんは鼻血を出しながら気絶してしまい、あなたはその鼻血をデジたんの指に付けて、血判をトレーナー契約書に勝手に押したのであった。
こうして、あなたとアグネスデジタルの3年間が始まった。
二人の運命がどうなるか、この時点ではまだ、誰も知らない。
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