ウマ娘 恋愛ダービー『あなたはトレーナーである』読者参加型 作:雅媛
最初
「タキオンは置いてたづなさんとお出かけ」
が先行しましたが、
最終的には一番人気、
「じっくりと実験に付き合う」
が勝利しました。
あなたはアグネスタキオンのトレーナーである。
タキオンといえば、実験である。
だがその内容はよくわからないものばかりである。
謎の煙を焚いてみたり。
謎の薬を作ってみたり。
謎の儀式をしてみたり。
傍から見ると意味不明だろう。
さらに、タキオンが自分が何をしているか説明するのをめんどくさがるのだ。
その所為で、不気味さがさらに加速する。
だが、何をしているか、というのは、よく見ればわかるのだ。
タキオンがしていることは、古今東西のウマ娘の怪我に効くといわれている伝承、言い伝え、そういった類の再現である。
時にオカルトチックで、時に明らかに間違った方法でも周りを顧みず試すものだから、周り(トレーナーであるあなたは除く。あなたにとってはご褒美であろう)にとっては大迷惑である。
あらゆる手段を試行し、検証し、記録する。
それをまとめているタキオンの行為は無駄とは思わない。
むしろ、それを公表すれば有用な情報として扱われるだろう。
ほとんどが眉唾物であり効果なんてマルでないが、一部意外に有効な手段もあるし、かたくなに迷信を実施し続ける者もいるのを考えると、侮れない情報の集まりであった。
時に高級な食材などを使った実験もある。そういう場合、購入者の名前がタキオンでないことも多い。
アグネスフローラに、アグネスレディー。
アグネスフローラはアグネスタキオンの母であり、アグネスレディーはタキオンの祖母だ。
娘や孫に甘いだけか、家ぐるみでタキオンの研究を支援しているのか。
おそらくどちらもなのではないかと思われた。
さて、あなたのタキオンの実験に対するスタンスは、簡単である。
単純に言われたまま付き合う、だけである。
幸い何をしているかわからず不気味、ということは多いが、危険なことはしない。
一番すごくて体が光る程度だ。
ヒトを光らせるってどういう原理なのか、純粋に感心してしまう。
それだって光るだけでそれ以上の害がなかった。
それであなたの仕事がすべて終わる、というものではない。
実験にただ付き合うだけならモルモットでもできる。
あなたはアグネスタキオンのトレーナーなのである。
だから、それ以上の成果を出さねばならないのである。
ひとまずタキオンに何が起きる可能性が高いのか、あなたは調べ、検討をした。
アグネスタキオンの母、アグネスフローラはオークスののちに屈腱炎を発症し、レースから引退をした。
アグネスタキオンの祖母、アグネスレディーも靭帯の怪我で引退している。
親族を調べてもとにかく怪我が、特に屈腱炎が多い。
腱や、靭帯といった部分が弱い家系なのかもしれない。
遺伝的な問題でそういう状況だというならしょうがないが、必ずしもそうとは限らない。
例えば生活習慣なんかは、親子で基本似る上に、それが当然と思っているからそのせいで親族一同皆、同じように虚弱体質、みたいな可能性もあるのだ。
ひとまずタキオンの生活について、じっくりと観察するのであった。
あなたがタキオンを、執拗なほど観察することで、タキオンの生活上の問題点はいくつか見つかった。
大事な愛バを観察するのはトレーナーの義務でもあるし、何より、あなたはタキオンに運命を感じているほど好きなのだから、穴が開くほど観察するのは娯楽ですらある。
仕事と趣味を兼ね備えた最高の行いの結果、あなたはいろいろなことに気づいた。
まず一つ目は、食生活だ。
タキオンの体型がほっそりしていることにあなたは気づいている。
体重についても測定拒否を続けているため、ちゃんとしたデータが存在しない。
その原因の大きなものは、食生活にあるだろうとあなたは気づいたのだ。
好き嫌いが多い、というわけではない。
ただ、タキオンの食生活はあまり良いものではない。
まず、絶対的な量が少ない。
バ食牛飲、などという諺があるように、ウマ娘というものはよく食べるものだ。
オグリキャップやスペシャルウィークのような、特によく食べるウマ娘だけが食事量が多い、というものではない。
例えばアプリのオープニングシーンで、スーパークリーク、シンボリルドルフ、ナリタブライアン、オグリキャップの4人が食事しているシーンがある。
よく食べると有名なオグリキャップを除いても、シンボリルドルフは超巨大なハンバーグを食べているし、ナリタブライアンのハンバーグには目玉焼きが3つも乗っている。
スーパークリークも巨大パフェをおいしそうに食べていたりする。
ウマ娘は時速70kmで走る生き物だ。
当然のように人の倍の速度で走るのだから、その必要なエネルギーは相当なものである。
単純計算で2倍の速度で走るのに必要なエネルギーは、2乗なので4倍である。
ヒトが全力疾走で、400mも走れないにもかかわらず、ウマ娘たちは平気で2000m、3000mと走ることまで考えれば4倍などでは全く済まないことは当たり前だろう。
だが、タキオンが食べるものはお菓子などの甘いものを除けば基本は栄養サプリメント、時々ミキサー食である。
栄養バランスはそこまで悪くなさそうだが、明らかに量が足りていない。
タキオンがそんな食生活を送るのは、タキオンの性格もあるだろうが、胃腸があまり強くないのだろう、とあなたは気づいた。
ウマ娘がみんな大好き人参ハンバーグなど、タキオンが食べているのを見たことがない。
トレセン学園の人参ハンバーグは、にんじんは非常に甘く煮てあるし、ハンバーグの味付けも甘めなので、味はタキオン好みだと思うが、決して手を付けようとしない。
油が多く、消化に悪いためだろう。食べると下痢をしたり、吐いたりしてしまうのかもしれない。
なのであなたは、タキオンのための食事を用意することにした。
あなたはタキオンの実験に手伝ったり、タキオンの世話を焼いたりと忙しい合間に、三食を作る。
まずは人参。
人参は栄養が豊富なうえに食物繊維があまり多くなく、胃腸にやさしい野菜だ。
これのグラッセを大量に準備する。下茹でもしているので火がしっかり通っていて柔らかくおいしい。味も甘いのでタキオン好みだろう。
次にタンパク質が多量に含まれているものとして、豆腐を使った豆腐ハンバーグを準備する。
豆腐は消化に良い。そもそも大豆を豆乳になるぐらいドロドロにして固めたものだから、消化しやすいのだ。
肉だと多く含まれる油が少なく、更にイソフラボンなどの成分が女性ホルモンと似た働きをするので、綺麗になる、と言われている。
ただでさえ絶世の美ウマ娘のタキオン(あなたの主観)がさらに綺麗になったらどうなってしまうのか、あなたは戦慄した。
最も油が少ないからこそ、舌触りが劣るし、味も肉に含まれるうまみ成分ほど豆腐にうまみ成分がないので、劣るところがある。
そのあたりは味付けなどで工夫が必要だろう。
あとは糖質だ。
タキオンはしょっちゅうお菓子をつまんでいる。甘党なのもあるだろうが、エネルギーとなる糖質が足りていないのだ。
気軽にそういったものをとれるものとして考えられるのは、サンドイッチやおにぎりだが、どちらも水分が少ないためあまり消化が良くない。
消化のいい糖質が多いもの、と探して見つけたのが、最終的にはコーラだった。
ペプシコーラなど、もともとは消化不良に対する調合薬として作られたものであり、消化酵素のペプシンからとってペプシというぐらいだ。
だが、タキオンにコーラを飲ませるのには、いくつか苦労があった。
まず最初にあなたはタキオンに、常温のコーラを飲ませた。
キンキンに冷えているとおなかを冷やしてしまうと考えたからだ。
「げぶううううう……」
涙目になりながら、タキオンは大きなゲップをした。
どうやら炭酸が強すぎたらしい。
あなたはゲップすらかわいいタキオン天使か、と思っていたが、タキオン側はよほど恥ずかしかったのだろう。
あなたの袖をつかんで
「忘れるんだ……」
と上目遣いで命令して来た。
あなたはその命令までのすべての光景を脳内フォルダに永久保管した。
あなたは最終的には、タキオンの研究も反映した、タキオンコーラを開発し、無炭酸タキオンコーラをタキオンに飲ませることで、問題は解決した。
体にもよい成分たっぷりであるので、学園の購買でも売り出したら、大量に売れてあなたは一財産を築き上げるのであった。
食生活の改善のほかには、あなたはマッサージを覚えた。
トレーナー試験でも試験科目に含まれており、教本がいくつも出ている分野だ。
これはタキオンだけに限らないのだが、ウマ娘たちは意外とウォームアップやクールダウンをちゃんとやらないのを、あなたは気づいていた。
最近の研究では、動的なウォーミングアップ、クールダウンよりも、マッサージのほうが効果が高い、とされているらしい。
あなたがアメリカ語の研究論文を読むのは少し難しかったので、日本語で要約を読んだだけだがそんなことが書いてあった。
あなたは、タキオンに合法的に触りまくる理由を手に入れた。
「そんな常に触ってなくてもいいじゃないか」
「でもタキオン、いつトレーニングに行くかわからないし」
あなたは暇があれば、タキオンのマッサージをするようになった。
うっとおしいかもしれないが、タキオンがしたいことを邪魔するほどではない。
今も、タキオンが机で作業している中、机の下にもぐりこんで太もものマッサージをしているだけだ。
この光景を見たら明らかに変態的だが、ただのマッサージなので合法である。
口では文句を言うタキオンも、体は正直で、尻尾が嬉しそうに揺れていて、耳も左右にやさしく倒れているのを見る限り、気持ちいいのだろう。
食生活の改善の効果もあって、であった頃のほっそりしていたトモも、かなりむっちりして来た。
肥えウマ娘に難なしである。
もっとも太くなったね、とか立派になったね、と言わないほどのデリカシーはあなたにも存在した。
こうしてあなたとタキオンの、充実した生活は過ぎていった。
傍から見ると、タキオンの無茶振りに付き合わされるあなたは、かなり苦労人とみられていた。
たづなさんはじめ、学園関係者からはかなり心配されている。
毎日のように色々な色で光っていれば確かに心配されるだろう。
だが、あなた本人はもとより、タキオンの友人のウマ娘、マンハッタンカフェやアグネスデジタルからは、あなたの真意に気づいていた。
食生活を初めとした、タキオンの生活のほとんどをあなたは握るようになっていた。
更にマッサージで毎日無条件に触り放題である。
タキオンをあなた色に染め上げる生活が、早々に完成しているのだ。
愛バをあなた色に染め上げる日々が楽しくないはずがあろうか、いや、ない(反語)
最近は、尻尾のケアまで任されるようになったあなたは絶好調である。
なお、尻尾のケアというのは、一般的には母親か、そうでなければ夫ぐらい近しい関係でなければ任せることはない。
あなたはタキオンのトレーナーである。トレーナーというのは夫よりも近しい存在なので何もおかしなことはない。
「トレーナーとウマ娘は一心同体。メジロでもそういわれています」とメジロマックイーンがドヤ顔で言っていたので、間違いなかった。
タキオンの方も、食生活やトレーニング環境の改善で、体調は絶好調を維持していた。
髪や尻尾はつやつやになっていたし、肌もきれいになった。
食生活の改善で体つきもふっくらし始め、今までもかなり良かった体型が、さらに良くなった。
あなたはタキオンがモテすぎてしまうのではないかと少し心配になった。
トレーナー契約を締結してから半年。
タキオンはメイクデビュー戦を無事勝利した。
内容は語るまでもない圧勝である。
「ふふ、研究の成果だな!! だが、まあ、トレーナー君、君のおかげでもある…… あ、ありがとう……」
そっぽを向きながら、お礼を言うタキオンもまたかわいらしかった。
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次の展開はアンケートで決まっていきます。
アンケート期限は、大体投稿した日の24時ぐらいを考えています。
アンケート終了になっていなければ受け付けていますので振るってご回答ください。
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