ウマ娘 恋愛ダービー『あなたはトレーナーである』読者参加型   作:雅媛

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アンケート結果
 今回もまた、
  皐月賞直前が、タキオンの誕生日だな
 が圧倒的でした。


4【皐月賞】誕生日のお祝いをしよう

 あなたはアグネスタキオンのトレーナーである。

 当然、トレーナーである以上、アグネスタキオンについては世界一詳しい。

 

 例えば外見的特徴で言えば、

 

 身長

 とか

 体重(タキオンは相変わらず測定拒否を続けているが、しばしばタキオンを抱き上げているあなたは正確な体重を知っている)

 とか

 スリーサイズ(最近いっぱい食べているおかげでスタイルが前より良くなった)

 肌のもちもち感

 内太もものほくろの位置

 

 なんかまで全部知っている。

 

 性格だって、

 傍若無人に見えて意外と優しいところ

 とか

 レースに対してはとても真剣に打ち込んでいること

 とか

 苦いものが苦手だが、マンハッタンカフェと仲良くなるため最近ブラックコーヒーに挑戦していること

 とか

 あなたと一緒にお出かけするときにはかわいらしい服装をしてくれること

 まで何でも知っているのだ。

 

 そんなあなたにとって、タキオンの誕生日もまた、当然知っている事実であった。

 

 アグネスタキオンの誕生日は4月13日である。

 あなたにとっては当然の事実であるが、これは、タキオンが出走予定の皐月賞の二日前である。

 

 毎年家族に、自分の誕生日を祝ってもらっているタキオンであったが、今回はすべて断っていた。

 なんせ大事なレースの2日前だ。

 レースに向けて、準備をするべき時間である。

 誕生日のお祝いなど、レース後にすればいいだろう。

 タキオンはそう考えていた。

 

 当然あなたはそのことを知っている。

 タキオンがそういう趣旨のことを言っていたし、そもそも言われなくてもタキオンの考えることなどあなたにはお見通しである。

 

 だからこそ、あなたはタキオンの誕生日当日夕方、いつもの白スーツの正装をして、タキオンをお姫様抱っこしてアグネス家のお屋敷に向かうのであった。

 

「トレーナー君!? 降ろしてくれたまえ!!」

 

 タキオンが必死に拒否するが、あなたは無視する。

 タキオンのお願いを拒否するたびに、あなたの内臓が張り裂け、文字通り断腸の激痛が走るが、タキオンの誕生日を祝うということの前では細事である。

 

 なんせアグネスタキオンの誕生日である。

 タキオントレーナーのあなたにとっては、天皇誕生日やクリスマスといった偉人の誕生日の100万倍重要な日である。

 それを祝わずして、何を祝えというのだろうか。

 

 とはいえ、タキオンのいう、レースを優先するべきという考えもよくわかる。

 皐月賞はクラシック三冠の最初のレースである。

 ただ重要なレースというだけでなく、ジャングルポケットやダンツフレームといった有力なライバルたちも参加している。

 準備の時間が惜しいという気持ちもわかる。

 

 こんなとき、タキオントレーナーのあなたなら、どうすればいいか、わかるかな? 

 

 

 

「タキオンの誕生日を祝う」「皐月賞に勝たせる」

 

「両方」やらなくっちゃあならないってのが「トレーナー」のつらいところだな

 

 覚悟はいいか? オレはできてる

 

 

 

 ということで、あなたはタキオンをアグネス家のお屋敷に連れてきた。

 追切、最終調整は昨日の時点で終わっているから、今日明日はしなければならないことは多くないのだ。

 あとは当日に太目が出ないように、食べ過ぎないようにすればいいだけだ。

 この辺り、食にすさまじい拘りのないタキオンはそう難しくはない。

 

 お義母さんとお義祖母さん(こう呼ぶように、あなたは二人から厳命されている)が用意したふわふわフリフリの白いドレスを着たタキオンはとてもかわいらしかった。

 タキオンは、家族が放任主義だというが、それは一面では正しく、一面では正しくない、とあなたは知っている。

 家族は、タキオンの自発性を重んじているだけであり、愛は深いのだ。

 今回の、いろいろ家族愛が暴発した結果が、タキオンのフリフリふわふわドレスである。

 

「うう、こんなの似合わないと言っているのに……」

「いや、すごく似合っているし、世界で一番かわいいよ」

 

 あなたが本音をしゃべると、タキオンは真っ赤になって顔を伏せた。

 

 

 

 誕生日パーティといってもそう大規模ではない、とお義母さんとお義祖母さんは、言っていた。

 確かに、外部から人は呼ばず、親族ばかり、という点だけ見れば、大規模ではないということなのかもしれない。

 だが、参加者は非常に多い。

 お義母さんとお義父さんに、タキオンの姉妹、ダービーウマ娘で有名なアグネスフライトや、そこまで有名ではないが長姉のアグネスタカオー、妹のアグネスサージャンもいる。

 そこにアグネスのお義祖母さんとお義祖父さん、お義父さん方のお義祖母さんと、お義祖父さん。

 タキオンから見ると伯母、叔母に当たるウマ娘たち。

 そこの子供である、タキオンの従姉妹たち。

 確かに皆親族だ。だがその数は量の手の指の数ではとても収まらない数だった。

 

「ウマ娘の誕生日は基本、3月から5月だろう? だからこの時期になると、一週間に2,3回誕生日パーティが行われるんだ。下手すると3日ぐらい連日になるからね」

 

 ウマ娘名家の実態をあなたは初めて知った。

 

「というか、それならタキオンも、他の子たちの誕生日でなくていいのかい?」

「前は一応ちゃんと出ていたがね。トレセン学園在学中は出ているとレースに支障が出るだろう? だから、基本出なくていいんだよ」

 

 斜に構えた態度でそんなことを言うタキオンだが、こうやって祝われるのは嬉しいようで、尻尾がゆっくり揺れていた。

 

 

 

 誕生日パーティの料理についても、あなたも意見を求められていた。

 何時もアグネス家で作られているというパーティ料理でもいいとは思ったが、どうせなのでいつもの料理をちょっと豪華にしたものを提案した。

 

 まず、タキオンの好みである。

 タキオンは味にうるさいタイプではないが、味がわからないウマ娘ではない。

 苦い物や辛い物を食べると耳がしょんぼりするし、甘いものだと嬉しそうに尻尾が揺れる。

 あとはあまり見た目を気にしないタイプだ。なんせミキサー食を食べていたような子だ。

 

 基本は消化に良い食事ばかりである。

 

 フルーツと豆腐でできたオードブル。

 甘い人参スープ。

 赤身肉で作った人参ハンバーグ。

 魚料理は白身魚を蒸したもの。

 

 油を控えてたんぱく質を重視した、いつものタキオン用メニューである。

 

 おそらく普段出てくるだろうフランス料理のフルコースなどとは、かなり感じが違うだろう。

 

 デザートもカステラとジャンボプリンである。

 どちらもタキオンには大好評のデザートであった。

 

 普段は黙々と、だらしなく、時にあなたにあーんしてもらいながら食べたりすることも多いタキオンだが、さすがに家ではそんなことはあまりしないらしく、マナーにのっとって食べていた。

 親にはいい顔をしたいのだろう。わからなくもない。

 

 でも少しは甘えてほしくなったあなたは、プリンを一匙掬ってタキオンに差しだす。

 少し赤くなりながらも、タキオンは食べてくれた。

 

 

 

 夕食が終わり、歓談が終われば、あなたは部屋に向かうだろう。

 あなたに割り振られた部屋は、タキオンの部屋である。

 トレーナーというのはウマ娘と一心同体。

 すなわち部屋も一緒でなければならないというのが、アグネス家の教えらしい。

 

 メジロマックイーンも似たようなことを言っていたので、名家というのは多かれ少なかれ、そういう傾向があるのだろうとあなたは納得した。

 

 さて、二人きりになれば、あなたはまず、プレゼントを渡す必要がある。

 あなたが準備した誕生日プレゼントだ。

 タキオンに箱を渡すあなた。

 タキオンが箱を開けると、そこには一匹の動物がいた。

 ワイルドハギス。

 私たちの世界ではUMAと呼ばれる生き物だ。

 スコットランドにいるネズミのような生き物であり、これを剝ぐとハギスができる。

 なお、ハギスは各国首脳の会議の場でネタにされるぐらいおいしくない、スコットランド伝統の食べ物である。

 

 作者の拙作、紫電の女王の栄光への道のりで、ホクトベガがスコットランドで捕まえたワイルドハギス。

 これを日本に持ち帰り、学園内で繁殖してしまったものを、あなたは捕まえてタキオンにプレゼントしたのである。

 ここまでダイレクトマーケティングである。よかったら読んでね。

 

 閑話休題、ウルトラレアな生き物を渡されて、タキオンは困惑していた。

 なんせアグネスタキオン、生き物の世話ができない。

 自分の世話すら怪しいのに、他の生き物の世話などできるはずがない。

 実験動物としては興味があるが、すぐにダメにしてしまうだろう。

 あなたはタキオンのことは何でも分かっているが、そのあたりを理解できていなかった。

 いや、一心同体だし、自分が世話をすることがタキオンが世話をすることと同義だと思っていた部分がある。

 

 結局相談の末、ハギスはあなたが飼うことになり、あなたはタキオンにペアのマグカップをプレゼントした。

 できるトレーナーはサブプランを用意しているものである。

 

 ハギスちゃんが「ハギャァ」と鳴いた。

 

 

 

 さて、プレゼントを渡せば就寝である。

 目の前にはあなたの運命の愛バであるアグネスタキオンが無防備に眠っている。

 ベッドは一つ。

 寝返りを打って露わになった鎖骨が艶めかしい。

 常人なら直ぐにウマピョイに向かいたくなるようなシーンだ。

 

 だが、あなたはトレーナーなのである。

 トレーナーというのは「鋼の意思」を持っている。

 トレーナー白書にも書いてある。

 どこかのアプリトレーナーは、お前も「鋼の意思」を持っておけよ、という某名門出身トレーナーの好意を無碍にして、ウマ娘に使えないスキルとして教えていたが、あれは使い方が間違っている。

「鋼の意思」はトレーナーのためのスキルなのだ。

 

 ハッピーミークが「鋼の意思」を持っていないのは当然なのだ。

 なんせ、持っているのは桐生院葵なのだから。

 

 例えそこに、全裸の愛バがいたとしても、眉一つ動かさずに看病できるのがトレーナーというナマモノなのだ。

 あなたも当然、その類に漏れず、タキオンの布団を直した後、ソファーでぐっすりと眠るのであった。

 

 

 

 翌日、タキオンと学園に朝帰りしたあなたは、学園側に詰問されるも、身の潔白を証明し難を逃れた。

 タキオンは絶好調のまま、皐月賞に挑み、圧倒的大差で勝利をおさめるのであった。




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日本ダービーは一番運のよいウマ娘が勝つらしいが、何を準備しようか

  • 愚直にトレーニング
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