転生したらヨツミワドウだった件   作:胡椒砂糖塩

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サンブレイクの新キャラ、なんか割と濃いキャラしてますよね。
平凡オタクなので普通に美人女騎士とか痩身イケボの黒騎士とか想像してたんですが、思ってたより面白い集団になりそう。

モンスターが徒党組んでる百竜夜行って現象は結構ヤバい気がします。複数クエもなかったわけじゃあないですが、曲がりなりにもリーダー主導で群れてるって思ったよりモンスターの知能って高いのでしょうか。まあ、“統率する”の程度にもよりますが。


傘下に傘鳥

 

 

百竜夜行という現象の特異性と危険度については、いまさら語るまでもないだろう。

 

当初、この現象の記録が伝えられた時、龍歴院とハンターズギルドは騒然となった。

 

種類の異なるモンスターたちがいがみ合うことなく行動を共にするというだけでも衝撃だったが、加えてその集団に“ヌシ”と呼ばれる統率者がいるというのは想像の埒外の話であったのだ。

 

種類の異なる動物が、上下の別と相互協力のある組織集団を形成するなどと言うことが果たしてあっていいものだろうか?

 

今まで、組織力は人類の武器であり、モンスター達はせいぜいが自分の血族で群れを形成する程度であった。それは間違いなく人類にとって幸運であった。

 

だがもしも、その前提が崩れるとしたら。

 

唯一の安心材料は、未だ古龍を組織化するような事例は報告がないという事だろう。もしそのような存在が現れれば、ミラボレアスをもしのぐ脅威と言うべきだ。

 

 

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「で、ここの周りに棲ませて欲しいってことか。」

 

「左様でございます。ヨツミワドウ殿。」

 

 こちらの問いに、目の前の鳥竜種が神妙な顔で頷いた。

 

 赤・橙・白が入り混じった羽と鶏冠、片足立ちで翼を交差させた独特なポーズ。傘鳥アケノシルムだ。

 

 それも、1頭だけではない。目の前の奴以外にも後ろに5・6頭(たむろ)していた。どのアケノシルムも翼はボロボロに傷ついており、弱っているのが一目で分かる。

 

 彼らが訪ねてきたのは俺がネロさんと一緒に泉の水の入れ替え計画を練っていた時のことだ。

 

 要件を要約すると、今までの縄張りが危険になったから俺のテリトリーに居を移したいということらしい。

 

「度重なる古龍の猛威により、皆精も根も尽き果てております。先日の鋼龍めとの大立ち回りを目にし、頼るべきはヨツミワドウ殿の他にはいないものと確信いたしました次第(しだい)。」

 

「うーん…」

 

 少しだけ考える。人間だった頃の(さが)か、はたまたモンスターにもそういう情があるのか、まさに窮鳥と言うべき姿を見ていると助けてやりたくなる。

 

 しかし、同情心だけで受け入れるのもいいが、何か問題を起こされても困るしなあ。

 

「いいじゃないかい。受け入れてやれば。」

 

 うんうん唸って悩んでいると、不意に虚空から声が聞こえてきた。透明化を解除して、オオナズチが姿を現す。アケノシルムが一瞬驚きで身を強張らせた。

 

「簡単に言うなよナズチ。」

 

「だって君の力を慕ってやって来たんだろう?なかなか見る目があるじゃないか。僕は気に入ってしまったよ。よろしく、アケノシルム君。」

 

「は、はい。光栄です…。」

 

 ナズチとアケノシルムが額を軽く合わせてあいさつする。やけに手馴れてやがる。やっぱこいつ鳥竜種だろ。

 

 と言うか、俺の力って言っても所詮ヨツミワドウだからなあ。クシャルダオラの時は疲労しているところに割り込み参戦だった上に2対1だったわけで…。

 

「部外者が口を出すことでもないが、私も個人的には賛成だね。」

 

 今度は背後から落ち着いた声。発言者は当然、溟龍ネロミェールだ。

 

「彼ら見たところ甲虫食だろう?食性はバッティングしていないし、隣人としては理想的だ。徒党を組めば外敵もさばきやすい。」

 

 思わぬ方面からの押し込みをいただいてしまった。故郷で外部圧力を感じ、それから卵を守るためにここまで来たのだ。協力者は多い方がいいのだろう。

 

 この二人に勧められては断る気力も失せてくる。

 

「分かった。じゃあ、一つだけ質問に答えてくれないか。」

 

「は、はい。何でしょう。」

 

 古龍の登場にまたも固まっていたアケノシルムの顔を覗き込むようにして、俺は問いを口にした。

 

「お前ら、卵の世話ってできる?」

 

 

 

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「ご機嫌だね。ナズチ。」

 

「そりゃあ、親友のことを認める存在が増えて嬉しくないわけないだろう?」

 

「確かに。気持ちは分かるよ。」

 

「よーし、僕の舌攻撃でアケノシルム君たちを鍛えて、親友にふさわしい精鋭にしてやるぞ!」

 

 

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少し未来の手記

 

いつからか、カムラの河童神には眷属とは別に多くの配下が付き従うようになった。

 

有名なところでは雨と霧の古龍がいるが、それに劣らず語られるのが“切り紙個体”と言われるアケノシルムの一団だ。

 

通常のアケノシルムとはまるで違う、その洗練された動きは“舞”と称されるほどであり、翼を使った鋭い攻撃は大太刀のごとき切れ味を有する。

 

火炎弾の威力も増強されており、火属性やられの誘発力が非常に高い。

 

水神の権威が高まるにつれ、彼らも神の使いとして特に武芸者の間で信仰されるようになり今日に至っている。

 

 

 

 

 




“切り紙(きりがみ)”とは、武術の教えを受けた人が貰う書付のことで免許皆伝の証明書みたいなものです。

神には舞を奉納するものであること、優れた剣術は舞に例えられること、水=雨=傘、鳥は神の使いなどの連想でアケノシルム参戦となりました。

オオナズチの訓練と泉パワーで剣士集団と化していきます。
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