今回主人公が技名とか叫びます。不評だったらこっそり消しときます。何事も挑戦。
カムラの水源の河童神が農民たちに崇められる存在ならば、寒冷群島の雪鬼たちは彼らに恐れられる存在と言える。
分けても、額に十字の傷持つ鬼は子供どころか大人でも震え上がる恐怖の象徴だ。
かつて雷狼竜と迅竜が里を荒らしまわった際、その鬼は突如として来たり、二竜を仕留めて貪りつくした。
かの額の十文字傷は、落雷のごとき雷狼竜の縦一閃と、疾風のごとき迅竜の横一閃によるものだ。
また、巷説の一つによれば、その後十字傷の鬼は里の水源へと向かっていった。それからしばし、カムラの大河はまるで氷のように凍てついていたという。
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雪鬼獣ゴシャハギ。寒冷群島に棲んでいる生物の中でも執念深くて面倒な奴だ。
しかも、あの額の十字傷、見覚えがある。
「久しぶりだなあ、糞デブ!またしてもこの俺の縄張りを荒らしやがって。今日こそ縊り殺してやるぜ!」
「ご無沙汰だ、ゴシャ。悪いが岩盤が露出してる崖は多くない。だいたい、お前いつも餌探して徘徊しているから留守だろう。多めに見てくれ。」
「うるせえ!ガンガンガンガン喧しいんだよ!」
すごい正論とともにゴシャハギが崖上から飛び降りる。右手には氷の刃、左手には氷の鈍器がすでに生成されていた。
準備は万端か。だが、おとなしく着地を待ってやる義理はない。着地狩りを決めるべく落下地点に突進する。
「オラァ!」
すかさず、ゴシャが牽制の氷礫を飛ばしてきた。突進準備で腰を落としていたため回避できずに顔面に食らう。こいつ、以前より狙いが正確になってやがる。
ズドオオン!!
目の前に着地を許す。すかさず左の
「死ね!」
「おっと!」
以前は何度も殴り飛ばされたものだが、流石にもう馴れている。重い一撃を頭の皿でガードする。
「
逆にこちらから返しの張り手をお見舞い。見事顔面に直撃した。とはいえ、こいつの顔は鬼より硬いのでダメージはあまり通らない。
のはずだが、喰らったゴシャハギは苦悶の表情とともに喉を抑える。
「ごほ!ごぼぼ…げふ、ああ…糞、相変わらずてめえの属性値おかしいぞ。何だってんだ。」
「お前らが雑に使いすぎなんだよ。ハンターを見習え。」
属性。この世界に存在する固有の物理法則と言うかエネルギー則と言うか、そんな感じのやつだ。
この世界の生物たちの結構な数が、この属性エネルギーをその身に宿しており、そのエネルギーを駆使して生存競争を行っている。生き抜く上で非常に重要な要素である。
ただし多くのモンスターたちは、保有しているエネルギーは多くともその扱いは比較的雑な奴が多い。
単純に増幅したり打ち出したりが関の山で、時たま推進力に使ったりするやつがいるくらいだ。だが…
「お前みたいな基礎スペック高い奴と違って、こっちは工夫して戦ってるってことだ。」
自然に鍛えられるだけの獣と違い俺は元人間だ。よりエネルギーを効率的に操るすべを開発していた。いやまあ、ヨツミワドウ自体が生存競争内では強くないので、必要に駆られたという点ではこっちも自然に強いられただけだが。
ちなみに、鍛錬の参考文献はワ〇ピースやドラ〇ンボールである。我ながらなぜ成果をあげれたのか不明だ。
ゴシャが先ほど苦しんでいたのは水属性の属性やられ。体内の液体機能に支障が生じ、血流などが混乱して酸素や栄養の供給が不随になる。まるで地上で溺れたかのような感じになるらしい。
「うるせええ!糞デブがあ!!!」
ゴシャが咆哮とともに四つん這いになり口を開ける。ケルビくらいは丸呑みできそうな口腔から氷雪の奔流があふれでた。氷のブレスだ。
俺は大口を開けると、“そのブレスを飲み込んだ”。
氷雪の奔流は俺の口から腹へと雪崩込み、腹部がみるみる膨張していくのがわかる。同時にゴシャの氷属性エネルギーが俺の体を侵食し始めた。
後編も今日中に投稿したい。
ゴシャ君は設定上は雄です。主人公の採掘騒音の被害者で、カチコミを敢行した際にジンオウガとナルガクルガをひき殺してます。強い。
デブは嫌いですが、イケメンはもっと嫌いなわけです。