ジュラシックな島に取り残された件。   作:むりー

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 さて、レストランに居た毒吐きエリマキオオトカゲ(ディロフォサウルス)にビビり倒してイモひいて逃げた先で、ホテルの警備室見付けました。

 

 そっと扉を開ける。

うーん、この緊張感はプレステのバイオハザード(初代)で扉を開ける時のソレに非常に似ていると思う今日この頃。

静かに踏み込んだ室内は以外と広い。

壁に設置されたモニターは、電源が落ちてる為真っ黒である。

本来はここで、ホテル内の監視カメラをチェックしたのだろうか?

そしてデスクの上には、食べ掛けのドーナツ。

 

………いや、アメリカンな雰囲気だけどさ、このドーナツ何処で作った!?

まさか、島にドーナツ屋があるのか!?

そ、そんな筈………無いよな?無いよね!?

いや、しかしもしも島外から持ち込まれたとすると、この目の前のデスクにぽつんと放置されている食べ掛けドーナツは、輸送費なんかを鑑みるにとてもお高いドーナツということに………

 

 ごちゃごちゃとどうでも良いことを考えていると、目の前にあった食べ掛けドーナツが消えていた。

ま、まさかここにも恐竜が!?

俺はドーナツに舌鼓を打ちながら驚愕した。

 

ドーナツおいちい!

 

 脳内一人遊びはここまでにして。

ここなら、何かしらのライト的な物が有るかもしれないので家捜しのお時間です。

 

 とはいえ、ここはそんなに大きな部屋じゃない。

モニター、デスクに椅子。

ちょっとしたロッカー。こいつは鍵がかかってる。

トランシーバーとその充電器。

そして、マグライト。

薄暗い中で辛うじて確認できたのは、それくらい。

 

 いや、有るじゃん!ライト!光源!!

喜び勇んでマグライトを手に取りスイッチを入れる。

よし、バッチリ点くやんけ!

ぐへへ、これで家捜しが捗るでゲス。

 

 後は何かしらのバッグ的な物が欲しいけど…あ、あった。

恐らくは警備員さんの私物と思われる、メッセンジャーバッグ。

申し訳ないけど、中身を漁って………タバコとライター、財布にコンドーム………いや、ここで使うこと有るか!?コンドーム!

一体どんな奴なんだ、持ち主さんはよう!

他にはガムに、うわ出たチョコバー。

後は、鍵。

 

 鍵の掛かっていたロッカーにそれを差し込んで回すと、あっさりと開いた。

 

 ロッカーの扉の裏には、何やらセクシーな写真が貼ってある………そっとバッグに突っ込む。お世話になるかもしれない。

警備員の制服。その上着を羽織ってみれば、だいぶサイズがデカイ。萌え袖状態である。22歳新卒男性の萌え袖………アリじゃなかろうか?

等と考えながら、袖を丁度良いサイズに捲り、胸の所にあるそれっぽい所にマグライトを差し込んで見る。

ポケットもデカイので、色々と入れられそう。いいね。

こいつもお借りします。

 

「………いや、何で有るんだよ。」

 

 最後、拳銃。

いや、マジで何でこんな所に有るんや。

職場の!私物とか!!入れる用なロッカーに!!!拳銃が入ってちゃいかんでしょ!!??

支給品では絶対に無いよね、グリップが何かお洒落だもん。何か恐竜が彫ってある、安直っ!

ゲームや映画じゃないんだから、こんなに簡単にロッカーから銃が出てきちゃ………いや、映画の世界だわここ。ハリウッド映画だったわ。

使い方………どうしよう、分かる。

スライドを引いてみる。刺さってるマガジンに弾は入ってない。

うん、()に持ってたエアガンと一緒だわ。

イタリアの銃器メーカーが作ってて、米軍で正式採用された奴。

さて弾は何処やと探してみれば、紙袋に乱雑に突っ込んであった。

マガジンに弾を込めてグリップの下から突っ込んでスライドを引く。

ジャコっ、と良い音を立てて元の位置にスライドが戻る。

 

これで安全装置(セーフティ)を外して引き金を引けば弾が出る………分かってる。

 

ろくに訓練してない俺が、狙った通りに当てられる訳がない。

そして………咄嗟に銃を抜いて発砲出来たとしても?それで恐竜(奴ら)を殺せる気がしない。

じゃぁ、この拳銃で出来ることは何か?

決まっている。

どうしようも無くなった時に自分の頭をぶち抜くこと。

これは、自衛の道具(武器)じゃない。

あくまでも自殺の為の物(道具)である。

 

少しだけ悩んでから、俺は拳銃を持っていく事にした。

 

 

 

 10:00 コスタリカ首都サンホセでのとあるレストランでの会話

 

『なぁ、お前今朝のニュース見たか?』

 

『はい、ボス。シアトル・マリナーズが………』

 

『違げぇよ、あれだ。西のダイナソー・パークの話だ。』

 

『………ジュラシック・ワールドの事ですか?』

 

『おう、それそれ。そいつの事だ。今ピンと来たんだが、あの恐竜金持ちに売れるよな?』

 

『………そりゃ、恐竜をペットにしたい金持ちは世界中に居るでしょうが、あんなデカイ奴どうやって運べば?』

 

『はぁぁぁ、だからお前はダメなんだよ。デカイ奴じゃなくても良いんだ。ちっこい奴で充分。てか、生きてる必要も無い。』

 

『………?』

 

『生きてるちっこい奴は、ロシア人に。皮を剥いでカーペットにすりゃアラブ人に。爪や歯を薬として持っていきゃ、中国人に。頭を切り落として剥製にでもすりゃ、アメリカ人に。どうだ、売れると思わねぇか?』

 

『………確かに。金があって脳ミソが詰まってない高貴なお方たちは飛び付きそうですね。』

 

『ヤクの密輸に使ってる潜水艇、今どんくらい動かせる?』

 

『プンタレナスから四隻出せます。至急手配します。』

 

『よし、行け。』

 

それから、14時間後。

日付が変わる頃に、四隻の潜水艇がひっそりと出港した。

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