ファイトレつめ合わせ   作:Takosan007

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ある日のトレーナー室…… SP達に守られたその部屋は、他の部屋とはひと味もふた味も違う… どこか異質な雰囲気を醸し出していて─────


「トレーナー! キスしようよ♪」

「はぁ……。 ファイン、自分が何を言っ… んむっ!?」

「んっ〜♪ 好き、好き〜♡」


だいぶ前から… ずっとこんな感じでファインに屠られている……。 どうしてこんな事になってしまったのか…。 少し思い返してみるか。







Overdose
Overdose


 

 

「ねぇ、トレーナー! 最近… みんなの間でご褒美を上げるのが流行ってるらしいの!」

 

「ご褒美…? それって、例えばどんな事だ?」

 

「頭を撫でるとか…… 抱きしめるとかだよ♪」

 

 

いやいやいやいや、そんなことファインにしたら… 下手すると、俺の首より上が無くなる可能性があるぞ……。 もうすでに… 部屋中から刺すような視線を感じるしな。

 

ただ、この状態のファインは絶対に説得出来ないから…… ここはファインの意向を受け入れつつ、過激なことは断じてやらないという作戦でいこう。

 

 

「そんなのが流行ってるのか…? よく分からないが、俺にとって嬉しいことを… ファインがしてくれたら、ご褒美に頭を撫でるっていうのはどうだ?」

 

「う〜ん…… 本当は抱きしめて欲しいけど… うん! まずはそれでいいよ♪」

 

 

うむ、我ながらいい着地点に落ち着けたんじゃないか…? 一言… まずっていうのが気になるが… うん、考えないことにしよう。

 

 

「じゃあ、コレ! アイス買ってきたんだ♪」

 

「あぁ… ありが…… はっ!?」

 

「ふふっ♪ 嬉しいって思った? 思ったでしょ!」

「それなら… やるべきこと、分かってるよね♪」

 

 

やられた。 ハーゲ○ダッツを出されたらそりゃ受け取るしかないだろ…。 でも約束は約束だ。 撫でる回数の指定はされていないから… 触れただけでも許されるはず。

 

 

「貴様〜、いつまで私を待たせるのだ〜?」

 

「はいはい… 今やりますよー。」

 

 

念の為… 周りを確認する。 うーん… 大丈夫なのかこれ…。 SP達のライン的にはセーフか…?

 

ええい、ままよ!

 

ナデナデナデ………

 

あっ…… なんか凄くさらさらで… ずっと撫でていたくなるな。

 

ナデナデナデナデナデ……………

 

 

「んっ……// もう… ダメかもっ……///」

 

 

ナデナデナデナ… バシッ!!

 

 

「そこまでです。」

 

「はっ!? 俺はいったい何を…!?」

 

「これ以上… 殿下に触ると言うのなら、それ相応の罰があるとお思い下さい。」

 

「隊長…。 この件は全て、私からお願いした事ですよ。」

 

「ですが…!」

 

「それとも、貴方は私のやりたい事を無下にするつもりなのかしら?」

 

「……分かりました。 但し… 必ず限度は守ってください。 もし限度を超えたスキンシップをした場合は、速攻… 陛下に連絡を入れますよ。 」

 

「……じゃ、そういう事だから♪ これからもご褒美、よろしくね?」

 

「あ、あぁ………。」

 

 

 

今思えば… この時にやめるって言っておけば良かったんだ。 まさか、この後… あんなことになるなんて……。

 

 

 

────────────────────

 

 

 

「トレーナー♪ そろそろ… 私を撫でるのにも慣れてきたんじゃないかな?」

 

「いや… 俺は毎回心臓バクバクだよ……。」

 

 

主にSP達の視線のせいでだけど。

 

 

「ふふっ♪ 私にドキドキしてくれるのも良いけど… そんなんじゃ次のステージに進めないよ〜。」

 

「次のステージ…?」

 

 

何だろう、ものすごく嫌な予感がする。

 

 

「一応聞くが… 次ってなんの事だ…?」

 

「ハグだよ♪」

 

「待ってくれ! 本当に俺の人生が終わっちまう!」

 

「私がお手本をするから、途中からキミもやってね…?」

 

 

や、やめろ… 死にたくない! うわああああ!!

 

ダキッ……

 

ん、想像以上に柔らかいな…。 女の子ってこんなに柔らかいもんなんだな……。

 

ちょっと興味が湧いてきたけど… 抱きしめ返すべきなのかを迷ってしまい… 手だけが宙をさまよう。

 

 

「もうっ…! 抱き締め返していいんだよ?」

 

 

もう、なんも分からん…。 今、俺に残っているのは… 好奇心と、微かに残った理性だけ。 そんなんもう絶対… 理性が勝てるわけなくて。

 

震える手で君の背中に手を回す。

 

ダキッ……

 

 

「あの… 殿下、トレーナー様……。 忠告を聞いていなかったのですか…? 連絡、今すぐ入れますね。」

 

「やべ! ファイン! 今すぐ離してくれ! マジでこれ以上は……!」

 

「ふふっ、トレーナーのにおい…♪」

 

 

あっ、これ耳に届いてないやつだ。

 

 

「もしもし、こちらSP。 国王陛下に連絡があります。」

 

『………何用だ。』

 

「こちら、留学中の殿下なのですが… このような状況になってまして…」

 

 

そう言ってこっちに液晶画面が向けられる。 ビデオ通話だったのか、終わったわ。

 

 

「トレーナー……♡」

 

「え、これ見られてるの? ファインのお父さんに!?」

「ファイン… 離して……!」

 

「トレーナーっ…………♡」

 

『トレーナー君。』

 

「……っはい!」

 

『この先… 多くの困難が立ちはだかると思うが…… 君なら乗り越えられるはずだ……。』

 

 

は? 急に何を……

 

 

「仰っている意味がよく分からないのですが……。」

 

『血は争えぬってことだ……。 それでは…健闘を祈るぞ。』ブツッ

 

「え? は? おーい! お父さ〜ん……? マジ……?」

 

「トレーナー♪ 親公認になったってことは… 次のステージ…… キスに進んでも問題ないってことなんだよ?」

 

「いや、なんか他にもダメな理由いっぱいあるだろ! 生徒と教師みたいなもんだぞ!?」

「隊長さんもそれでいいんですか!?」

 

「国王陛下が認めたならば、もう私が口を出せる事は何もありません。」

 

「それでいいのかよ!? 倫理観とか何とかさ!!」

 

「トレーナー…♪ キスしようよ〜♡」

 

「ああああああ!! ……んむっ!」

 

 

 

 







こうして、何故か親公認となってしまったため… 今日までずっとキスをされ続けている。 一応ご褒美ってシステムだったはずだろ……。 もう理由なんて無しにキスしてきやがる……。

まぁ、もういいか……。 どうせ俺にも国の目がついてるから、逃げられることは無いんだろう。

「受け入れるしか… ないのか……。」

「ふふっ、やっとその気になってくれたの?」
「でも、ちょっと私を待たせすぎかな。 そんな悪いトレーナーには… “ おしおき ” が必要だよね?」

「ヒェッ……」


皆も… ほんの少しの選択で、違った結末を迎えるかもしれないってこと……。 俺の犠牲で学んで欲しい。


「それじゃ、いただきます♡」




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