ファイトレつめ合わせ   作:Takosan007

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誕生日を… 君と。
前編


 

 

ファインの誕生日パーティーが終わった後の夜…… 担当トレーナーの俺は一人、残業をしていた。

 

 

「はぁ……。 今日は本当にいい思いをさせてもらったな。」

 

 

俺の担当のファインモーションは… 王族だ。 そのため、誕生日パーティーも相応に豪華なものとなっていた。 トレセンの食堂が… まるでホテルのレストランみたいになってたしな…。

 

今日のことを思い返していると、一つの通知が来たことに目に留まる。 誰からだろうと確認してみると、さっき別れたばかりの担当バからのLANEが来ていた。

 

 

『今日はパーティーに来てくれてありがとね♪』

『ところでトレーナー、キミの誕生日っていつなの?』

 

 

誕生日…… 社会人になってからはほぼ祝われることも無くて、いつだったのか忘れてしまったな。 確か、カレンダーとかには自動で打ち込まれてるはずだが…。

 

そう思い、スマホのカレンダーを確認してみる。

 

 

「あっ、明後日…… そういえば俺の誕生日なのか。」

 

 

まさか、こんなに近くに記念日があったなんて思わなかった。それに気づいてから… “ もしかしたら、今年は祝ってもらえたりするのかな…。” などと希望的な考えが頭によぎってしまう。

 

 

「あー! やめだやめ、こんな事考えてたら仕事が終わらん。 集中するぞ……。」

 

 

 

────────────────────

 

 

 

楽しかった今日も、もう終わってしまう。 特に今日は… 日中の賑やかさがあったからか、余計に寂しく感じる。

 

首に煌めく黄金色の輝き。 キミがくれたシャムロックのネックレス。 本当に綺麗で… きっと、一生の宝物になるのだろう。

 

 

「そういえば、トレーナーの誕生日って… いつなんだろ。」

 

 

ふと、それが気になった私は… トレーナーに聞いてみることにした。

 

案外早く返信が来たことに、嬉しさを覚える一方… その返信内容に、驚きの感情が隠せなかった。

 

 

『今確認してみたんだけど、俺の誕生日… 明後日みたい。』

 

 

明後日…!? キミと私、誕生日が二日違いだったんだ! っていうか、自分の誕生日も忘れてるなんて……。

 

うん、決めた。 キミに… 一生忘れられないぐらいの誕生日をプレゼントするよ。 そうと決めたからには、今から準備しなくちゃね。

 

『隊長、今から送る場所の “ 疑似貸切状態 ” を作ることと、○○ホテルの部屋と集会ホールを予約するのを頼めるかしら?』

 

『殿下の命ならば、今すぐにでも。』

『何日に予約すればいいでしょうか?』

 

『トレーナーの誕生日… 明後日の1月29日に実行してくださる?』

 

 

 

────────────────────

 

 

 

ー 翌日 1月28日 午前 ー

 

 

う〜ん… でもやっぱり、物で残るタイプのプレゼントもあった方がいいよね。 そうと決まれば… 今日はプレゼント選びをしよっと♪

 

でも、誕生日って… どんなものをあげたらいいんだろう? 昨日、皆がくれたプレゼントを思い返してみる。

 

グルーヴさんからは… ブラシと尻尾用シャンプーをもらった。 うん、実用的なものって… すっごく嬉しいよね。 使っててとても分かる。 トレーナーだと… メモ帳とかかな?

 

シャカールからは… “ 各地の味、これ一つ! ” とかかれたラーメンのパックをもらった。 美味しい食べ物って… 最高だよね。 お父さまに頼んで、国のシェフも呼ぼうかな?

 

みんなからは… 花束とか、お菓子とか… 色んなものをもらえた。 花言葉とか考えて送るのって、ロマンチックだよね。 クローバーとかを押し花にして送るのもいいかも?

 

トレーナーからは… 黄金色のネックレス。 三つ葉のクローバーをもらった。 “ キミに似合うと思ったんだ… ” って言われて、すごく嬉しかったな。 やっぱり… 相手のことを考えて送るのが一番だね♪

 

今までのを合わせて考えると… 実用的なものと、トレーナーに似合いそうなもの、あとは四つ葉のクローバーを押し花にして送るのが良さそうかな。

 

それじゃ、実際に探しに行こっと…♪

 

 

 

────────────────────

 

 

 

はっ…!? 気がついたら寝てしまっていたらしい。 今の時刻は… 8時か。 いつも起きてる時刻の2時間遅れだ。

 

 

「仕事は… 終わってないよな… そりゃ……。」

 

 

寝てる間に勝手に仕事が終わってる業務募集してます。 ひとまず今週はもうやる事がないため、十分消化は可能なのだが…。

 

 

「休日にやることじゃないよな……。」

 

 

ふと、目を落とすと… ファインからのLANEがまた来ていた。 おそらく昨日の会話の続きだろう。

 

 

『へぇ、私とトレーナー… 誕生日近かったんだね♪』

『それじゃ、1月29日は一日中あけといてね!』

 

 

あぁ…、祝ってくれる人がいるってだけで… 原動力が湧く。 よし、絶対に今日中に終わらせて、明日は一日あけるぞ…!

 

 

 

────────────────────

 

 

 

ー 1月29日 午前 ー

 

「トレーナー♪ 誕生日おめでとう!」

 

「ファイン! こんな朝から祝ってくれるなんて… 本当に嬉しいな。」

 

「ふふっ♪ 今日は私がキミのこと… エスコートしてあげるよ!」

 

「まさか… 今から出かけるのか…!? 心の準備がまだ…。」

 

「も〜っ、1日あけといてって言ったのに…。 ほら、行くよ♪ 運命が私たちを待っている〜!」

 

「ん…? その掛け声……。なんだか聞き覚えがあるような……。 って… 手を引っ張らないで! 自分でついていけるから!」

 

 

 

────────────────────

 

 

 

ま、まさか…… 国内最高峰のテーマパークと名高い… “ デスティニーランド ” に来ることになるなんて…!

 

「今日は… 二人でたっくさんの思い出、作ろうね♪」

 

「あぁ! それにしても、久しぶりにデスティニーに来たから… なんだかテンションが上がってきたな!」

 

「私、初めてここに来たんだけど…。 トレーナーの為にいっぱいリサーチしてきたから! バッチリエスコート出来るよ♪」

 

 

実の所… ほぼ何があったか忘れている。 そういう面では俺も… 実質初入園みたいな所はあるな。

 

 

「それは頼もしいな…! じゃ、立ち話もなんだし… そろそろ入園するか!」

 

「ちょっと待って! その前に… ちょっと受付に寄ろ?」

 

「ん……?」

 

 

 

 

 

 

 

 

「すみませ〜ん! 私たち、誕生日が一週間以内なんです!」

 

『お二人様ですね… お誕生日おめでとうございます!』

 

「「ありがとうございます。(♪)」」

 

『一応、身分証の提示をお願いします!』

 

 

そういえば、誕生日の前後何週間かは… 特別なシールが貰えるんだっけ。 身分証は…っと。

 

 

『学生証と… 免許証ですね。 あっ、そちらの殿方はなんと… 今日誕生日なんですね! 本当に、お誕生日おめでとうございます!』

 

「あ、ありがとうございます…!」

 

『そちらのシールは、お誕生日であるというシールのため、園内でつけていただくと… 不思議なことが起こるかもしれませんよ?』

 

「ふふっ、楽しみだね♪」

 

「ファインも… ありがとうな。 一人で来てたら絶対… このシールの事とか、いろいろ気づかなかったと思う。」

 

「まだ感謝するのは早いよ♪ これからもっと… すごいって思ってもらえるようなことを準備してるんだから!」

 

「ははっ… 本当に楽しみだ!」

 

 

 

────────────────────

 

 

 

ふふっ、トレーナーをここに連れてきて… 本当に良かった♪ 入園前からもう… キミの無邪気な表情がいっぱい見れて、私の方が幸せになってきちゃうよ。

 

隊長には、事前に頼んで “ 疑似貸切状態 ” …つまり、中にいる人々が全て… ファイン家の関係者という状態にしてもらった。

 

並ぶ時間が少なくなって、キミと色んなアトラクションへ行ける… それってとても素敵なことだよね。

 

 

「ファイン〜! 何ボーッとしてるんだ…? 運命が俺たちを待っている! ……だろ?」

 

「ふふっ♪ トレーナーが言うと… なんだかダサく聞こえるね!」

 

「な…! これは俺じゃなくて、この掛け声自体がだな……。」

 

「はいはい、それじゃあ私について来てね〜♪」

 

「だから… 手を取らなくてもついていけるって…!」

 

 

 

────────────────────

 

 

 

まずは… コーヒーカップから。 コーヒーカップはご飯を食べたあととかだと… 本当に悲惨なことになるから、午前中に消化するのがポイントだよね。

 

 

「お、コーヒーカップか。 俺、だいぶ三半規管が強い方なんだぞ?」

 

「へぇ〜…。 そんなこと言っちゃうんだね♪」

 

「なんだ……? 」

 

「ヒトはウマ娘に勝てないんだってこと… その身に教えてあげるよっ…!」

 

「お、おう…?」

 

 

 

⏰⏰⏰

 

 

 

「ファイン〜!! 速いって…!! 制限速度超えてるって!!」

 

「あれ? トレーナー… さっき三半規管強いって言ってなかったっけ…?」

 

「それとこれとは話が別だろ〜!! う〜…!」

 

「まだまだ! 終盤にスパートをかけるのが… 私流コーヒーカップ術だよ♪」

 

「まだ抑えてる段階なのか…! 回るぅ〜…!!」

 

「そろそろここから… とりゃ〜!!」

 

「ひぃ〜っ!!」

 

 

 

⏰⏰⏰

 

 

 

「ぜぇ… モチーフ通り…… 運命の向こう側が見えた気がする…… はぁ……。」

 

「ふふっ、私の勝ち… だね♪」

 

「勝てるわけないだろ…!」

「でもまぁ、今までこんなに回したことなかったから… なんだかんだ楽しかったな!」

 

「そうでしょ! 私に感謝するのです…。 ……なんてね♪ 次行こ?」

 

「あー… それなんだが……。」

「まっすぐ歩けそうにないから… 肩貸してくれないか?」

 

「……っ……もちろん♪」

 

 

ふふっ、だいたい狙い通り…ってとこかな。 今の状態だと… 少しキミとの距離が近くてドキドキする。 心臓の鼓動を誤魔化すように歩き出す。

 

次は… ジェットコースターの予定だったけど、流石に次のアトラクションは動くタイプのだと良くなさそうかも。

 

 

 

────────────────────

 

 

 

「ということで、次は追体験系のアトラクションに乗るよ!」

 

「確か… ここは “ 塔の上のお姫様 ” のアトラクションを乗れるんだっけ。」

 

「うん、そうだよ! この話は… 本当に好きなお話だから…… キミと一緒に乗りたいなって思ってたんだ♪」

 

「ははっ、それなら俺も引け目なく乗れるって訳だな。」

 

「それじゃ、行こ!」

 

 

 

⏰⏰⏰

 

 

 

『毎日… 塔の中から出られない日々。 そんな中… 私の誕生日に毎回上がる灯りが… ずっと気になっていた。』

 

 

このシーンからもう好きなんだ…。 だって、痛いほど気持ちが分かるから。 でもそんな中、キミが現れてくれて… 約束も消し去ってくれて… 塔から出してくれて。 本当に… なんて私は幸せなのだろう。

 

この後は… この子にも連れ出してくれる人が現れるんだっけ。 ふふっ、まるで私とキミみたい。

 

 

 

 

『そんな! お母さま… その人を助けて!』

 

『嫌よ…。 アナタは私の永遠のための礎… 外に行かれちゃ困るのよ!』

 

『それなら… あの人を助けさせてくれたら、一生貴方の言う通りにするから… お願い! あの人を助けさせて!』

 

『一生私の言いなりになるって… ふふふふふっ…… ふははははっ…! それならばいいわ…! そんな事に意味なんて無いだろうがねっ!』

 

 

大事な人が… お母さま(もとい魔女)に刺されてしまうシーン。 キミがいなくなったら… 私はどうなってしまうのだろう。 想像もしたくないけど… そうなる日は近づいてきていて……。

 

自然と… キミの手を握ってしまった。 離したくない。 離さないで欲しい…。 私から、離れていかないで欲しい。 ………なんて思ってしまうのは、ここの雰囲気にあてられているのかな。

 

 

 

 

⏰⏰⏰

 

 

 

「いい話だよね…… 本当に。」

 

「そうだな。 特に最後の方の、自分から落ちた雫で… 大切な人を助けられるっていうのが最高だった。」

「そういえば、ファインは本当のお姫様だから… こう言う状況になったこととか、あったりするのか?」

 

「もちろん、キミと出会った時とか… まさにこの物語と同じだったよ!」

「レースが出来ないっていう硬い塔の中から… 颯爽とキミが連れ出してくれたの♪ それに…今だって……」

 

 

今だって、キミに恋してる途中なんだ。

 

 

「ううん、なんでもない!」

 

「えぇ、なんか気になるなぁ…。」

 

「そ… れ… よ… り! お腹… そろそろすいてきたでしょ?」

 

「凄く強引だな… まぁもちろん、腹はだいぶすいてきたけど。」

 

 

う〜ん… 夜はいっぱい食べなきゃいけないから… 軽く食べて、 ポップコーンとかでつないでいくのが良さそうかな♪

 

 

「なにか今… 食べたいものとかってある?」

 

「何か食べたいものか… う〜ん、あっ。 あそこなんてどうだ?」

 

「ん〜? どこどこ…? げ…。」

 

 

トレーナー… それは裏切りだよ……。 謀反だよ!

 

 

 

 

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