ファイトレつめ合わせ   作:Takosan007

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中編

 

 

 

「いやぁ〜… やっぱカルボナーラって最高に美味しいよな。」

「ところでファイン、なんか… すごく怒ってるみたいだけど……。 俺、なんかしたっけ?」

 

「つーんっ、私より他の女を取ったトレーナーなんて… 知らない!」

 

「ちょっ、すごく人聞きの悪い感じになってるんだけど…! 」

 

 

他の女…? ま、まさか… パスタを選んだことを怒っているのか…? そうだとしても… 女呼ばわりとまではいかないだろう。

 

 

「一応聞くが… 俺がパスタを選んだこと、怒ってたりする…?」

 

「半分はそうだよ。 でも… それよりももっと許せないことがあるけど!」

 

「はぁ…? 俺、ほんとに何かしたっけ…?」

 

「1月18日… トレーナーたちの集まりの中、キミは先輩トレーナーと何をしてたの……?」

 

 

確か… グルーヴのトレーナーと、半分ずつパスタを分け合ったけど……。 え? なんで知ってるんだ…?

 

 

「カルボナーラと、ボロネーゼ… どっちも食べたかったから、半分ずつ分けて食べたな。」

 

「ズルい! 私もトレーナーと分け合いっこしたいし、何ならあ〜んして欲しいのにっ!」

 

「なぁ、言っとくが… きちんと取り皿で分けてたからな…?」

 

「つーんっ! 今日はキミが食べさせてくれないと… もう何も喉を通りませ〜ん!」

 

 

うわぁ、わがままプリンセスが降臨した。 俺の誕生日のはずなのにおかしいな…。 まぁ、ミートソースパスタも食べたいし… 分け合うこと自体はいいのだが……。

 

 

「本当にあ〜んしなきゃダメ?」

 

「貴様〜、私にあ〜んが出来ぬと申すか〜…!」

 

「一応俺、誕生日なんだけど…?」

 

「あ。 ……ごめん、それじゃ私が先にやるから!」

 

「別に良いから…っ! 一人で食べれるから!」

 

「む〜っ、仕方ないな〜…。 キミの誕生日に免じて… 今夜のディナーまで我慢するよ。」

 

 

ふぅ、なんとか切り抜けたか。 マジでこんな所であ〜んとかしたら… SPさん達に絞められたりしそうだしな…。

 

ん… ディナーってなんだ? まさか夜までこっちに居るつもりか…?

 

 

「ディナー…? 門限とか大丈夫なのか…?」

 

「あぁ、それは問題ないよ♪ ○○ホテルに今日は泊まることになってるから!」

 

 

そう言って、君は外出届とホテルの予約内容を見せる。

なんでダブルの部屋なんだろう…。 突っ込んだ方がいいのだろうか。

 

 

「まぁ、それなら俺もどっか適当なホテルに泊まるとするかね…。」

 

「もちろんトレーナーも一緒の部屋に泊まるんだよ?」

 

「いやいやいや、それは本当に洒落にならないから! 教え子と教師以前に… 男同士でも一緒のベットでは寝ないから!」

 

「でも… ベットは二つあるから大丈夫だよ♪」

 

「ダブルって言うのは二つのベットって意味じゃなくて、二倍の大きさのベットって意味だからな?」

 

「あっ…! 予約… 間違えちゃったみたい。」

「でも、キミに…… 今日という記念日を最後まで楽しんで欲しくて…。 一緒じゃ、ダメかな……?」

 

「………っ!」

 

 

今日のために… ファインはいろいろと調べてくれている。 初めて行くテーマパークを、地図まで頭に入れるほどに……。

 

だから、君のその努力を無駄にしたくない… なんて思ってしまった。 否定するための、ありきたりな理由ならいくつでも浮かんで来る。

 

けれど俺の気持ちは… “ 君のくれる誕生日を全部味わいたいな… ” って思ったんだ。

 

 

「仕方ないな。 今回だけは… トレーナーとしての俺は、目をつぶる事にする。」

 

「ふふっ♪ ありがとね、トレーナー。」

 

「でもその代わり、そのミートソースパスタ… 半分くれないか?」

 

「それだけでいいなら… 幾らでもあげるよ?」

 

「でも今日のディナー… 一昨日ぐらいの量だったらあまり食べない方がいいよな?」

 

「それじゃ… 私がカルボナーラの残り、もらっておくね。」

 

「あっ待って、俺のベーコン密集地帯が…」

 

「ふふっ♪ ごちそうさまでした!」

 

「もう食べてる…!?」

 

 

君の笑顔が見れる事が、やっぱり一番良い宝物になる…… なんて、こんなの恥ずかしくて言えないな。

 

 

 

────────────────────

 

 

 

「ん? なんか路上で座ってる人達が多くなってきてないか…?」

 

「ふふっ♪ 昼ごはんを食べ終わったら… 何が始まると思う?」

 

「え… 昼ごはんが始まる…とか?」

 

「それは絶対に違うって分かってたよねっ…! パレードが始まるんだよ♪」

 

「あぁ…、音楽に合わせてキャラクター達が来るやつか。 あれってやってる事は単純なのに、何故かワクワクするんだよな〜。」

 

「ふふっ、私達もいい位置… とっておこうよ!」

 

 

まぁ、ここの人達… 全員私の関係者なんだけどね。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅ、何とかいい位置が取れたな。 開始までは… まだ少し時間があるみたいだけど、何してようか…?」

 

「じゃあ… ここでちょっと待っててよ♪ 美味しいって評判のアレ… 買ってきてあげるね!」

 

「アレ……? なんだそれは ……ってもういないし。」

 

 

 

⏰⏰⏰

 

 

 

こういう時… やっぱり食べたくなるのは… チュロスとか… アイスとかかな。 季節的なことを考えると、チュロス一択だよね。

 

 

「あの〜、チュロス2本ください!」

 

『味はどうなさいますか?』

 

「ん〜っと… 」

 

 

せっかくだし、同じ味っていうのもあれだし…。 ここは違う味を頼んで、分け合うのがセオリーだよね。

 

 

「それじゃ、ストロベリーと… シナモンで!」

 

『分かりました! 支払いはどうなさいますか?』

 

 

一応、キミの前では普通の女の子でいたいから… このカードは封印していたけど、今は大丈夫かな。

 

 

「これで。」

 

『ぶ、ブラックカード!? 失礼します! そういえば… 誕生日の方には… ホットココアのサービスもしているんですよ…! 』

 

「ありがとうございます♪」

 

 

一つしか貰えなかったけど… さすがに二個貰うのはおこがましいよね。 それじゃ、これはキミの分にしよう。

 

 

 

────────────────────

 

 

 

「う〜ん、待ってろと言われてもなぁ…。」

 

 

仕方ないので、普段持ち歩いてるタオルで… 座布団もどきを作って待っておくことにしよう。

 

にしても、久しぶりのデスティニーランド。 かなり待ち時間が減っている気がするのは気のせいだろうか? 俺が今まで行った時には… 90分待ちとかざらにあった気がするんだが……。

 

ファイン… もしかして何かやっているのだろうか。 おそらく行く前にある程度の予定を決めて… そのアトラクションに行く客が少なくなるようにしたのだろう。

 

そう思うと… 今日の日に手をかけてくれているのを実感する。 今年は… 一生で一番の誕生日になるのだろう。

 

 

「お待たせ♪ トレーナー!」

 

 

そんな事を思っていたら、ファインが帰ってきていた。 今日の日は… 君に甘くなってもいいのかもしれない。 ……なんて、少しチョロすぎるだろうか?

 

 

 

⏰⏰⏰

 

 

 

「おお… マジで美味しいなこれ…。」

 

 

これがチュロス… どこにこんなうま味が詰まってるんだろうか。 恐ろしい食べ物だな……。

 

 

「ふふっ、こっちのシナモンも美味しいよ? 食べる?」

 

「いや… それは……。」

 

 

間接キスになるんじゃ……。 ファインは全く気にしてないのだろうか…? う〜ん、でも絶対美味しいだろうし… う〜……。

 

 

「もしかして… 照れてる? じゃあ、私が先に頂いちゃうね♪」

 

「あっ、俺のチュロス!」

 

「う〜ん♪ ストロベリーも予想通り美味しいね!」

 

 

あぁ、もう安全地帯… 無いじゃないか。 それなら……。

 

 

「いただきっ!」

 

「ふふっ、美味しい?」

 

「あぁ、すごく美味いな…。 買ってきてくれてありがとう。」

 

「どういたしまして♪」

 

 

なんか… とても気恥ずかしいけど、美味しければいいか。

 

 

「パレード、そろそろ始まるみたいだね。」

 

「あぁ、とても楽しみだ。」

 

 

 

⏰⏰⏰

 

 

 

『あの… そこの貴方? ここ辺りで腰に時計をかけた、白いウサギさんを見なかったかしら?』

 

「見て♪ さっきのコーヒーカップのとこのキャラだよ!」

 

「あれ…? なんか… 後ろにウサギみたいなキャラが見えないか?」

 

「あっ、ホントだ…。 “ 灯台もと暗し ” だね♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

『あら… アナタ達……? 今日は本当にステキな日ね… さらにステキになるような魔法… かけてあげるわ♪』

 

「ん、なんかこっち見てないか…?」

 

「それどころか周りの妖精達がこっち来てるよ…!」

 

『 have a nice day! いい一日を過ごせますように♪』

 

「わぁ、これ… このシールのおかげかな?」

 

「そういえば他のキャラたちも、基本こっちを向いてくれてた気がするな。」

 

「ふふっ、幸せな一日になりそうだね♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

『今日は… 素敵な日ね。 花は咲き誇り… 鳥たちは歌っているわ。 ふふっ、ごきげんよう♪』

 

「マジで所作から言葉遣いまでプリンセスだな…。 おぉ、ウインクしてくれたぞ!」

 

「私だって… んっ!」

 

「出来てないぞ…?」

 

「む〜っ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「おっ、あれはまさか…。」

 

『本当に素晴らしい日だわ! そうでしょ、ラッキー?』

 

『あぁ、そうだねティニー! でも、ボクたちなら… もっと良い日に出来るはずだよ!』

『ハハッ♪ 運命がボクらを待っている!』

 

「おぉ、本物のラッキーとティニーだ…!」

 

「ふふっ、私達も負けてられないね♪ 私も、今日をもっといい日にするために頑張るよ!」

 

「あぁ、楽しみにしとく。」

 

 

 

⏰⏰⏰

 

 

「やっぱり、このワクワクが… テーマパークの醍醐味だな。」

「普通の日常じゃ、こんなのなかなか味わえない…!」

 

「じゃあ次は、日常じゃ絶対に味わえない… ドキドキを味わいに行こ♪」

 

「あぁ!」

 

 

 

────────────────────

 

 

 

って、ジェットコースターかぁ……。

 

デスティニーランド、屈指の人気を誇る… “ インフィニティフェイト ” というジェットコースター。 名前の通り、∞の形にコースが取られており、スリル満点… 脱落者多数の鬼畜コースターだ。

 

 

「ほ、本当に乗るのか…?」

 

「三半規管強いってコーヒーカップの時… 言ってたよね♪」

 

「はい……。」

 

 

三半規管だけじゃ、どうにもならない相手はいるんだよ…!

 

 

 

⏰⏰⏰

 

 

 

「上がっていくね…。」

 

「うぅ、子供の頃は身長制限で乗れなかったから… 初めて乗るんだよな……。」

 

「怖かったら、私の手… 貸してあげるよ?」

 

「ファインはこういうの怖くないのか?」

 

「うん! むしろワクワクしてくるよ♪」

 

 

あぁ、住む世界が違うんだな…。

 

 

「それじゃ恥ずかしいけど… 頼むよ。」 ニギッ

 

「えっ……。」

 

「って… もう頂上!? 落ちる〜っ!!!」

 

「きゃ〜っ!!」

 

「回る〜っ!!!」

 

 

 

⏰⏰⏰

 

 

 

「ぜぇ…… はぁ………。 あの連続二回転考えた奴… 気が狂ってるだろ……。」

 

「わ、私もちょっとドキドキしたかも。 別の意味でだけど…。」

 

「ん…? 何か言ったか?」

 

「つ、次行こうよ! ほら、あそこにポップコーンのワゴンもあるし♪」

 

「って、待たずにもう行ってるじゃないか…!」

 

 

 

────────────────────

 

 

 

……〜っ!! 不意討ちはズルいよ…! キミってそういう事する性格じゃないよね…!

 

でも、こういうのも悪くないかも……? ……なんて。

 

 

「お〜い… 待ってくれって!」

 

「ふふっ、 ポップコーンは待ってくれないよ?」

 

「いや… 物だから動かないだろ…!」

 

 

キミに甘えてもらいたくなったら、またジェットコースターに来ようっと♪

 

 

 

────────────────────

 

 

 

「誕生日だから… ポップコーンまで並々入れてくれたな。」

 

「はちみつの匂いがいっぱいして、すごく美味しそうだね?」

 

「じゃ、お先にどうぞ?」

 

「ふふっ、ありがと。 はむっ…… う〜ん、美味しい!」

 

「そんなにか…? ……うわっ、うまいな…。」

 

 

こんなのがテーマパークにあっていいのか…? お昼ご飯とか食べなくても、これだけで腹がふくれるレベルだな。

 

 

「他にも色んな味があるみたいだから、気になった味があったら買ってみようかな♪」

 

「バケットなら持ち帰ることも出来るしな。」

 

「量も、今なら並々入れてくれるし… これが本当の “ お買い得 ” だね!」

 

 

 

────────────────────

 

 

 

「楽しいって噂のアレに… やって来たよ♪」

 

「ここは… “ おもちゃ大戦 ” か?」

 

 

“ おもちゃ大戦 ” 、これも人気アトラクションの内の一つで… おもちゃ達が色々なミニゲームを出してくる中、乗り物についている銃のようなものを使って点数を競うという… 子供から大人まで楽しめる感じのアトラクションなんだよな。

 

そんな内容だから、毎回120分待ちとかが普通だった気がするんだが…

 

 

「マジでロイヤルパワーってすごいんだな…。」

 

「ん? 何か言った…?」

 

「いや、何でもない…。」

 

 

 

⏰⏰⏰

 

 

 

『オレの場所では… このリングをどれだけ塔にかけれるかで優劣が決まるんだっ!』

『さぁ、キミ達の優秀さを見せつけてくれっ!』

 

「ん〜…! 全然入らないよ〜っ!」

 

「こういうのは軸を合わせてけば入れやすいんだよな。 ほらっ。」

 

「えっ…? 横一列… 全部入ってる!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

『我々の場所では… 動く我々に、ペイントボールを当てると得点が入るであります!』

『頭は50点、胴体は30点… 手と足は10点であります!』

 

「ふふっ、球がまっすぐ飛ぶなら… こっちのものだよ!」

「って、あれ…? トレーナー… もしかしてこういうの得意?」

 

「ふっふっふ… “ 荒野のガンマン ” で鍛えた俺のエイムに勝てるかな…?」

 

「むっ、負けないよ♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

『ピー…… ワタシ ノ コウジョウ デハ、 ヒカッタ ランプ 二 ポインター ヲ アテル ト ヒョウカ ガ アガリマス。』

『ガガ…… スバヤク アテルコト ガ ユウセン ジコウ デス。』

 

「あっ、光ったぞ…… って、あれ?」

 

「“ スピードスター ” って呼ばれてる… 私の速度に勝てるかな?」

 

「横取りされてる!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

「だ… ダブルスコアで負けてる…!?」

 

「いや〜、楽しかったな! 今週のハイスコアも、1位に入れたし…。 もしかしたら、才能あるかも?」

 

「ぐぬぬ… 次戦う時までに、特訓してくるからね!」

 

「並の特訓で… 果たして勝てるかな?」

 

「絶対… 絶対勝つから!」

 

 

あれ、でもよく考えたら一国のお姫様を銃にハマらせたって… なんかやばいかも…。

 

いや、俺のせいじゃないぞ…。 気にしない気にしない……。

 

 

 

────────────────────

 

 

 

「日が暮れて来たね…。」

 

「いっぱいアトラクションにも乗ったしな…。 満足感が凄いよ。」

 

「それじゃ… 最後はあれに乗ろ?」

 

 

そう言って、私は観覧車を指さす。 テーマパーク恒例の締めの場所。 それに… そろそろお城周辺で、花火が上がる時間だ。 観覧車の中から見れたら… ロマンチックだよね。

 

 

 

⏰⏰⏰

 

 

 

「おお… 上から見ると、よく出来てるって分かるな…。」

 

「雰囲気とか… 本当に素敵だったよね♪」

 

「今日は… 本当に楽しかったな。」

 

「でしょ? そう言われたら… 私もエスコートしたかいがあったよ♪」

 

「一日中ずっと楽しいなんて体験…… ファインがいなかったら、一生経験出来なかったと思う。」

「本当にありがとな。」

 

「……うん。どういたしまして。」

 

 

キミからの… 心からの感謝。 それだけで、私の心は満たされて。 私だって… トレーナーがいなかったら、こんな気持ち… 味わえなかっただろう。

 

 

「トレーナー、改めて誕生日おめでとう♪」

「誕生日プレゼント、用意したんだけど…… 受け取ってくれる?」

 

「受け取らないなんて選択肢… ないだろ?」

 

 

結局私が用意したのは… シャムロックのブローチと、一つ葉のクローバーの押し花。

 

 

「このブローチ… 綺麗な緑色だな……。」

 

「そうでしょ? グリーンガーネットっていう… 1月の誕生石を使ってるんだ〜。」

「苦境や試練を乗り越える時に力をくれるって言われてて… 身の回りの悪運も払ってくれるんだって♪」

 

 

それに、“ 真実の愛 ” っていう意味もある。

 

「へぇ… 宝石にも意味があるんだな……。 早速つけてみるよ。」

「どうだ…? 似合ってるか?」

 

「もちろんだよ♪ トレーナーに似合うと思って選んだからね!」

 

「ははは、なんかそう言われると… 恥ずかしくなってくるな。」

「もう一つは… しおりか? なんの葉っぱなんだ?」

 

「一つ葉のクローバーだよ。 花言葉は… “ 始まり ”。」

「キミが… 私の気持ちを連れ出してくれなければ、私は何も出来てなかったんだ……。」

「そういう意味では、トレーナーは私にとって… “ 始まり ” の人なんだよ?」

 

「俺だって… ファインじゃなきゃ、あんなに心を動かされなかったと思う。」

「君には人を動かす力があるんだ。 それに動かされた一人に過ぎないんだよ、俺はね。」

 

「そうだとしても… 私のためだけに、自分の全てを賭けれる人なんて… そうそういないと思うよ?」

「そんなキミだから… 好きになっちゃったのに…。」

 

 

その瞬間、花火が上がりだした。 私のか細い声は… 華やかな花にかき消されて。 でも、この瞬間に始まっちゃうってことは… 伝わらなくて良かったんだろう… きっと。

 

 

「うおっ、花火も上がるのか…! 上から見る花火とか… 初めてだ……!」

 

「ふふっ、驚いた? ちゃんとこの時間になるように、調整してたんだ♪」

 

「綺麗だな… ほんと。」

 

「うん……。」

 

 

いつか… 伝えられたら。 キミは私の気持ちを受け入れてくれるのかな。

 

 

 

⏰⏰⏰

 

 

 

「はぁ……。綺麗すぎるものを見た時って… 言葉が出なくなるんだな。」

 

「もう今日が終わっちゃう… みたいな雰囲気になってるけど、ここからが本番だからね?」

 

「へ?」

 

「今までのは、遊園地デートにしかすぎないけど…。 ここからは… 誕生日パーティーの始まりだよ♪」

 

 

 

 

 

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