【緊急】掲示板形式   作:アイギウス

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ちょっと駆け足になったかもです


3スレ目

俺こと綾司ヒロミは公共交通機関を使おうとまず校門外に出ようとした丁度目の前に赤と黒の禍々しい色合いでフロントに蜘蛛のレリーフがあるバイクが止まった。こんなバイク知らないんだけど……と思って通り過ぎようとすると──

 

『マテ、ヒロミ』

 

俺の懐から掠れた不思議と色気のある声……ってことは!

 

俺はドライバーを取り出すと電子モニターに悪魔が笑うような顔が映る。

 

「悪魔か…」

 

『アア、ソウダ。ソノバイクハ、オレカラノプレゼントダ。ノレ』

 

……正直乗ったら寿命が減るとか考えないでもないが今は一刻を争う事態だ。俺は言われるままにバイクに跨る。

 

『ハンドルノトコロニベルトヲハメロ』

 

言われて気づく、そういやこれ丁度ベルト嵌るな。俺がベルトをセットすると、バイクからエンジン音が鳴る。

 

『バショハ オレガ アンナイシテヤル』

 

随分優しいこって……うおおおおおぉ!??

 

ちょっと思ったほどでもないのかな?と油断した瞬間にバイクは一気にフルスロットルで走り出す。やっぱコイツ悪魔だ!

俺はバイクのハンドルにしがみつくようにつかまりながら言う。

 

「おい悪魔!名前は!?」

 

流石にいつまでも悪魔じゃ失礼だもんな。

 

『ベイルダ』

 

よっしじゃあ行こうかベイル!

 

 

 

 

アイランドウエスト再開発地区にて。古城たちはカニのような形をした機械こと古代兵器ナラクヴェーラに囲まれていた。

 

「さぁどうする?第四真祖に剣巫!」

 

新しい眷獣の攻撃もナラクヴェーラ学習機能によって対策され、古城自身もガス欠が近い。

 

「クソッ……」

 

「暁古城、雪菜を連れて逃げなさい」

 

「はぁっ!?」

 

「囮くらいなら」

 

「待ってください紗矢華さん。この音」

 

ブロロロ……

 

どんどん近づいてくるエンジン音に振り向くと、赤と黒の禍々しい、ぶっちゃけると趣味が悪いバイクが目の前で古城の前で止まる。そしてそのバイクを運転していた人物に古城は目を丸くする。

 

「ヒロミ!?ばっ……なにやってんだこんな所で!?」

 

「こっちのセリフだ…っと話はあとだ古城。交代するぜ。ちょっと休んでろ」

 

バイクから降りながら言うヒロミはベルトをバイクから外して片手に持ったまま前に出る。

 

「誰かと思えばさっき学校で縮こまっていた少年か……まさか私とナラクヴェーラに勝てると思ってるのか?」

 

「勝てると思ってなきゃ出てこねぇよ。ベイル、遠慮なく俺の命使え、その代わりアイツらを完膚なきまでぶっ潰す力を貸せ。奴らの全部ぶっ壊してやる……!」

 

『イイコタエ キニイッタ イイダロウ』

 

ヒロミは獰猛に笑みを浮かべるとドライバーを腰に当てる。

 

『デモンズドライバー!』

 

「俺の命を賭けて……お前を潰す」

 

手のひらサイズの蜘蛛のレリーフが刻まれた判子ようなアイテム起動させる。

 

『スパイダー!』

 

『DEEL』

 

ドライバー上部の窪みに押しつけて認証させると、ドライバーから不吉な音楽が流れ始めるが、ヒロミは気にせず叫ぶ。

 

「変身!」

 

『DESIDEUP!』

 

ドライバー中央の電子パネルに最終認証を終わらせると、ドライバーから出た蜘蛛の糸がヒロミを包んでいく。

 

『DEEP』

 

 

     『DROP』

 

 

             『DANGER』

 

 

『KAMENRIDER DEMONS』

 

 

蜘蛛の巣が晴れて姿を現したのは赤と黒の装甲に身を包み、蜘蛛の足ように尖った意匠が所々にある戦士だった。

 

「……ヒロミ…?」

 

「っーーーー!」

 

変身したヒロミは全周囲がみえている故に古城の声に振り向くことはなく。

 

そして複眼が母機のナラクヴェーラを捉えると、人間離れし、魔族の獣人にすら凌駕するスピードで駆けた。

 

「早いっ!?」

 

ヒロミ──デモンズの速度に驚愕するもガルドシュは冷静だった。

子機のナラクヴェーラ等をヒロミの前の立ちはだかるように配置する。

 

「気をつけろヒロミ!ソイツらに一度やった攻撃は効かない!」

 

「解説どうも」

 

前方のナラクヴェーラたちの炎の矢を事もなげにかわしながら答えながら思案しているとベルトの中のベイルが言う。

 

『ナラ ヒロミ ベルト ノ ヨコ ノ スタンプ ヲ ツカエ』

 

言われてベルトの横には他のスタンプがベルト部分に複数あるのにヒロミは驚くが丁度いいと、ドライバーの両サイド。デモンズノックを押し込み、スタンプを変身時と同じ手順で認証させる。

 

『Add』

 

「バッタ!」

 

『Dominate up!Get!』

 

『バッタGenomics!』

 

すると、デモンズの足に変化が訪れる。下半身は腰の辺りまで肥大化、伸縮を起こしそれは瞬時に完了し、次の瞬間にはデモンズの足はバッタのように曲がった形状となっていた。

 

「ふぅぅぅぅ………はぁ!」

 

別のナラクヴェーラの攻撃をすんでの所で文字通りバッタのように跳躍したデモンズは空高く宙を舞うと、矢継ぎ早にスタンプを認証させる。

 

『MORE』

 

『スコーピオン!』

 

『Dominate up!Get!』

 

『Demon's Requiem!』

 

デモンズは身体を更に変化させる。腰の下の部分に鋭利な先端を持ちサソリの尻尾を思わせるものへと。他から見たらまるで悪魔のように見えなくもない姿で“母機”へとキックの姿勢のまま超速で落ちていく。

 

「なにぃ!?」

 

冷静さを欠いてると思っていた敵が確かな戦略を持って牙を剥いてきた。

回避は間に合わない。ガルドシュの乗る母機は斥力場の結界を前面に展開!デモンズのキックを防ぐ構えを取る。

 

「ぶっこわれろ!」

 

デモンズの叫びとキックが斥力場の結界とぶつかるのは同時だった。

両者の力はデモンズも優勢。だがあと一押しが足りない。こうして拮抗してる間にも子機たちが母機を守ろうと集結している。

 

「くっ………どうした!?ベイル!ガラクタに負けるくらいのモンかお前の力は!?」

 

『フン アナドルナヨ』

 

不満そうな答えと共にヒロミ身体にさらに力が漲るのと、苦痛が襲う。

そして自分の中で大事な何かが削られる感覚に一瞬背筋が寒くなりかけるが、今はその思考を振り払って叫ぶ。

 

「ぐっ!?……だがこれでイケる!」

 

力が完全にデモンズの優勢となり、ついにデモンズのキックが斥力場を貫通。母機のガルドシュの搭乗席ごとキックとスコーピオンの針─デモンライドルスティンガを突き刺し、装甲ごとガルドシュを後方の地面へとぶち抜いた。

 

「ぐふっ!?」

 

血まみれの獣人化した大男を足と尻尾で踏みつけながらキックの勢いそのままに地面に叩きつけるデモンズ。全身装甲でわからないが、内部のヒロミの表情は憤怒に染まっていた。

 

母機が後ろで爆炎が上がるなか、血まみれの獣人を踏みつけにして睥睨するさまが正に悪魔に相応しかった。


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