鬼滅×東方《東方鬼滅録》   作:心の

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ずっと温めてはいたお話を気まぐれで書こうと思い、キーボードを走らせた次第。
なるべく、原作に寄せつつも違和感無いように書いていくつもりですが、暖かく見守ってくださると幸いです。。。

幽々子様は西行法師の娘ということで史実の西行法師は歌人であり武士でもあったということで
妖夢よりも刀の腕前は断然上であり、刀を取らないのはそんなものよりも舞の方が素晴らしいということで
あまり刀が好きでないという理由を前提設定とさせていただきます。。。



序章:刀を握る理由はこれで十分

これは、決して交わることのない「もしも」のお話

 

人を愛するがゆえ、一人の娘が見ず知らずの誰かのために刃を握るお話

 

――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

序章:「刀を握る理由はこれで十分」

 

・・・風の音が聞こえる。

私は縁側で寝てしまっていたのでしょう。

朝の匂いがするわ、もうすぐ御飯の時間なのかしら。

それならば、そのうち妖夢が呼びに来るわ、きっとそう。

ならば私はここでまだしばらく寝ていましょう。

 

 

・・・・あぁ、でも何故かしら。

いつもより、お腹が空くような気もするし・・・

そして、とても懐かしい気がするわ・・・

 

そう、そうね。

これは、身体がポカポカしているのね・・・

 

 

そんなことを考えながら、寝ぼけ頭な思考で考える内に徐々に違和感を感じる。

 

有り得ない。

おかしい。

 

そんな思考が駆け巡り、少女は覚醒すると古びた天井が目に入る。

それは、自身が眠った場所ではなく全く違う場所。

そう認識した少女、幽々子はゆっくりと自身の手を見た。

 

命の鼓動を感じる。

それと同時に彼女は自身の顛末を理解し思い出していた。

 

私は死んだはずだ、あの桜、<西行妖(さいぎょうあやかし)>を抑え込むために。

でも、この鼓動は間違いなく自身の鼓動。忘れるはずがない。

 

明らかに情報が欠如している、そんな状況に一旦おいておくことにすると辺りを見回す。

 

どうやらここは、自身の家である白玉楼・・・ではなく

何処かにある古びた神社であった。

 

そして、起き上がるといつもの浮遊感はなく間違いなく足が地面を捉えていた。

 

 

まぁ、前向きに行きましょう。私は何故か生き返っている。

とはいえ、あの桜が甦ったようにも感じられない。

なら私は、何も悩むことはないわ。それに、紫もきっと私のことを探しているでしょうし。

 

そんなことを考えながら、神社の正面の階段を一段、一段と降りていく

 

――――――――――――――――――――――――――――――

その夜・・・

 

途中茶屋で夕食を摂ったりしていた幽々子はしばらく歩くと二人の子供が山へ向かって走るのが見えた。

一人は大きな木箱を背負い、一人は猪の頭?を被った子が血相を変えて山の中へ入っていく。

 

しかし、一人、髪が黄色の男の子が道でうずくまっていた。

 

幽々子はいけないと思い、男の子のもとへ歩いていく。

 

すると、かなり遠くから気付いたのか男の子が幽々子の方へ振り向くと、一瞬怯えた顔をしたその子は

一瞬で凛々しい顔に変わり、声をかけてくる。

 

「お姉さん、こんな夜遅くにこんなところでどうしたんですか?」

 

そんないきなり話しかけられるとは思っていなかった幽々子は思わずクスッと笑ってしまい

 

「あらあら、お友達に置いていかれるのを見かけちゃって

気になったからこちらへ来たのだけれど、不要だったかしら?」

 

そう声をかけると、その男の子は上ずった声で

 

「い、いえ!大丈夫です!で、では僕はこれでっ!」

 

様子を見られていたのが相当恥ずかしかったのか、山の中へ走っていく。

 

 

(あらあら・・・まぁあんなところ見られたら恥ずかしいわよねぇ。

でも、子供だけじゃ危ないもの、連れ戻さないといけないわねぇ?)

 

 

そんなことを思いながら、幽々子は山の中へと足を踏み入れていく。

この先で待ち構える悲惨な現実を知らず・・・

 

――――――――――――――――――――――――――――――

 

しばらく山の中を歩いていると、匂いがしてくる。

 

それは美味しそうなご飯の匂いではなく、噎せ返るような血の匂いだった。

 

異変を感じ顔をしかめ、進む足を早めながら歩いていくとさっきの男の子二人ともう一人。

背中に滅と書かれた服を着た男の子がこそこそと話している。

 

その姿を見て、そちらに近づいていくと二人は何か緊張をした様子でこちらをみると顔を青ざめさせた。

すると、箱を背負った耳飾りの男の子が声を上げる

 

「お姉さん!早くここから立ち去ってください!ここは危険なんです!」

 

その声を聞いたと同時に辺りから、ギシギシと音が聞こえてくる。

すると三人は幽々子の周りを囲むようにして外に刀を構える。

 

「仕方ない、この人を守りながら戦うしか・・・」

 

黒い服を着た男の子がそういうと辺りの音は徐々に大きくなり、しばらくすると森の奥から血塗れの黒い隊服を着た

十代半ばから二十歳ぐらいであろう少年少女が刀を持ってゆっくりと歩いてくる。

 

それは、仲間同士で斬りあったのか既に息絶えているものや、まだ寸前で生きているものが不自然な格好で歩いてきているのである。

それを見た幽々子は思いもしなかった惨劇に思わず涙を流していた。

何故ならば、その身体から出ている魂たちがとても苦しんで亡くなっているのがよく感じられたからであった。

 

涙を流す幽々子に、耳飾りの男の子が声をかける

 

「お姉さん、俺たちの後ろに居てください。必ず守ります!」

 

そう言われると、顔をあげて男の子の顔を見る。

その男の子は優しそうな顔でこちらをふっと見ると、相対する敵に集中する。

 

すると、亡骸であるはずの隊員達は男の子たちに斬りかかるが刀をいなしながら

幽々子を守って移動する。

 

「コイツら、みんな馬鹿だぜ!隊員同士でやりあうのはご法度だって知らねぇんだ!」

 

「いや違う!動きがおかしい!何かに、操られているっ!」

 

そう言うと、イノシシ頭の男の子が布で巻かれた(のこぎり)のような刀を取り出すと

 

「よし、じゃあぶった斬ってやるぜぇ!」

 

と言い、斬りかかろうとするが

 

「ダメだ!生きてる!まだ生きてる人も混じっている!

それに仲間の亡骸を傷つける訳には行かない!」

 

と制止する。が、イノシシ頭の男の子が逆上し

 

「否定ばっか、するんじゃねぇ!!!」

 

そう言うと耳飾りの男の子のお腹にタックルをしていた。

そんな中、隊服を着た男の子が鍔迫り合いになり、その子の背後から傀儡となった隊士の亡骸が斬りかかってくる。

 

しかし、息の合わなかった二人がすかさず操られる亡骸の後ろに回り込み組み伏せると

耳飾りの男の子がハッとして、起き上がろうとする亡骸の背中で刀を振る。

 

すると、何かに引っ張られていた糸が切れたように地面に落ちた。

 

「糸だ!糸に操られている!糸を切れっ!」

 

そう叫ぶと、っしゃぁ!と声を上げたイノシシ頭の男の子が高く前にジャンプしながら空中で糸を次々と切っていき

その場に亡骸たちが崩れ落ちていく。

 

耳飾りの男の子が何かを探すように辺りを見回していると自身の身体の異変に気付くと

いきなり何かに腕がひっぱられそれを切り落とす。

 

そんな少年の動きを見ていた幽々子がふと、自身の腕をみると白い蜘蛛が糸を付けているのがわかり、するといきなり引っ張られる

 

「お姉さん!」

 

そう男の娘が声を上げるが幽々子は引っ張られた腕をむしろ引っ張り返すようにして腰の扇を抜くと

広げて振り、糸を切る。

 

「大丈夫よ、もう、大丈夫。」

 

そう告げると、涙を手のひらで払い何か決めたような顔で眼で男の子の顔を見て微笑む。

 

「私にも、協力させて頂戴な。私もこんなことをする相手が許せないのよ。」

 

 

もう片方の手にも扇を握ると、糸を切ったことで後ろから襲いかかってくる二体の亡骸を

扇の親骨(おやぼね)(扇の外側の木や鉄などで出来ている部分)で回転しながら舞うように弾くと扇面の天の部分で糸を切りその場に抑え込む。

 

「なっ!あの女やるじゃねぇか・・・!」

 

「失礼だぞ、伊之助。あの人にもちゃんと名前はあるんだ。」

 

そんなやりとりをしている二人に幽々子はクスクスと微笑んで

 

「幽々子。幽々子よ、貴方達は?」

 

そう聞き返すと、順々に答えていく。

 

「俺は嘴平伊之助様だ!よーく覚えておくんだな!」

 

「いや、一般人を巻き込むのは・・・き、鬼殺隊所属、村田です!」

 

「俺は鬼殺隊、癸。竈門炭治郎です、でも、幽々子さんは一般人じゃ・・・」

 

そう、炭治郎が渋ると幽々子は

 

「心配してくれてありがとう。でもこんな惨状をみて私も居てもたっても居られないの。

私の身は私が守れるからついて行かせて頂戴な。」

 

幽々子は炭治郎の目を見ながらしっかりとした声でそういうと

 

「・・・わかりました。でも危ないと思ったら逃げてくださいね。」

 

自分と同じように折れない性格だと分かった炭治郎は幽々子がついてくることを認め

伊之助の協力を借りて糸を操る「鬼」と呼ばれている存在を見つけることに成功する。

 

幽々子は襲いかかってくる亡骸たちの糸を斬りながら、二人の刀捌きを見ていた。

 

(あの子達の刀捌き、まだまだ粗いけれどキレがあるわね。

妖夢ちゃんほどではないにしろ十分に強いし、何よりあの独特の型かしら。必死に訓練を重ねたのね。)

 

そうしていると、村田が二人に叫ぶ。

 

「ここは俺がなんとかする!先にいけ!」

 

「ションベン漏らしが何いってんだ!」

 

「誰が漏らしだこのクソイノシシ!」

 

「あ"ぁん!」

 

「お前に話しかけてないわ黙っとけ!」

 

そんな話をしている間にも村田に傀儡となった亡骸たちが斬りかかる。

 

「くっ、情けないところを見せたが俺も鬼殺隊だ!糸を斬ればいいということが分かったし

ここで操られている者たちは動きも単純だ!蜘蛛にも気をつける!鬼の近くにはもっと強力に操られているやつが居るはず!三人で行ってくれ!」

 

「分かりました!感謝します!行くぞ伊之助!

幽々子さんもついてこられますか!?」

 

「大丈夫よ、気にせず前に行きなさい。」

 

「離せコラッ!あいつを一発殴ってからじゃないと気がすまねぇ!誰がクソイノシシだ!」

 

「うーるせぇなぁ!さっさと先にいけ!」

 

「戻ってきたら絶対殴るからな、覚えとけ!」

 

そんなやり取りをして三人で先に向かい、絡みつく糸を斬りながら進んでいくと目の前にまた操られた隊員に塞がれる。

ただ、今までと違うのはその隊士は生きた状態で糸に捕まっていた。

 

「ダメ・・・こっちに来ないで・・・誰か階級が上の人を連れてきて・・・!

そうじゃないと、みんな殺してしまう!お願い・・・お願い!」

 

彼女は先程の操られている隊員たちとは糸の太さが違うのか動きが先程よりも機敏になっている。

 

しばらくするといきなり攻撃が始まり、炭治郎に力任せだが素早く斬りかかる。

 

「逃げてっ!」

 

操られた隊員の少女は抗っているようだが全く歯が立たず

 

「操られているから、動きが全然、違うのよっ!

私達、こんなに強くなかったっ!」

 

すると、腕が大きく後ろに反り返り、痛々しいグキッと骨が折れる音と共に顔を歪めると

力任せに炭治郎に斬りかかっていく。

炭治郎は斬りかかってくる隊士を斬るわけにもいかず、ただただ攻撃をいなし続けている。

 

そうしていると、更にギシギシと音がして辺りを見回すと更に二人の隊士の亡骸や重症人が起き上がり操られていて

腕が複雑骨折と言うには生ぬるい方向に折れていながらまだ息のある隊士が苦痛に顔を歪めながら口を開き

 

「こ、殺してくれ・・・!手足も骨、骨が内臓に、刺さってるんだ・・・!動かされると・・・激痛で耐えられない・・・!

どのみち・・・もう死ぬ・・・助けてくれっ・・・トドメを・・・刺してくれっ!」

 

そう、苦痛に耐えかねた隊士に対して炭治郎が何も出来ないでいると

 

「よし、分かった!!」

 

伊之助が止めを刺そうとその隊士に突っ込んでいく。

 

「まっ、待ってくれ!なにか助ける方法を!」

 

炭治郎が攻撃を受け止めながら言うと伊之助の攻撃が止まり

 

「うるせぇっ!お前うるっせぇ!」

 

攻撃を止め、攻撃を避けながら炭治郎に言い返している

 

「だけど!」

 

「本人が殺せってっ!言ってんだろうがっ!・・・

コイツラもはえぇから、こっちもモタモタしてるとやられるぞ!」

 

「分かってる!考えるから待っててくれ!」

 

幽々子もさっきより攻撃の早くなった隊士たちの刀をいなしながら炭治郎たちの様子を見ていて

炭治郎が案を出すのを待っていて

 

(こんな状況だけど、打開策なんて思いつくのかしら。

ダメなら私が協力してあげないと・・・)

 

そう思い立った時になにか思いついたのか炭治郎は徐ろに有らぬ方向へ走り始める。

それを隊士は追撃するように追いかけ始めそれに対して伊之助が声を上げ

 

「お、おい!てめぇ!何をぐるぐると逃げ回ってんだ!ふざけんじゃねぇぞ!」

 

そしてある程度距離を取るといきなり踵を返して隊士に突っ込み子供とは思えない筋力で

隊士の身体をほおり投げるとその身体は木の上の枝に絡まり動けなくなる。

 

「よし、うまく絡まった!」

 

それを見て伊之助がしばらくの沈黙の後驚愕した声で

 

「なんじゃそりゃぁ!俺もやりてぇっ!」

 

そういうと、刀を辺りに捨てて同じように木の上に絡まらせる。

ガッツポーズを上げ、そして炭治郎の方を向いて

 

「見たかよ!お前に出来ることは俺にも出来るんだぜぇ!」

 

そう言い放つが、幽々子とともに残りの隊士の相手をしていて

 

「済まない!ちょっと見てなかったっ!」

 

なにィ!と伊之助は怒っていてどうやら伊之助は炭治郎に負けたくないのか何かしらと

突っかかっているようで、それが面白いのか幽々子はクスクスと微笑み

 

「貴方達は仲がいいのね」

 

にっこり炭治郎に微笑みかけると炭治郎は「はい!」と笑い返した。

 

「もう一人やるから、見とけよ!」

 

分かった、それでいい。と炭治郎が返すがその前に異変が起こった。

操作できない人形は用済みと言わんばかりにそこにいた全員の首を操っている鬼が回して折った。

 

その光景を見て、炭治郎たち二人は顔を青ざめさせた。

 

「あぁっ!みんなやられちまったじゃねぇかよ!」

 

幽々子はその光景を見て、目を下に伏せまた涙を流し

炭治郎はその亡骸に近づくと、怒りを顕にした。

 

「・・・行こう」

 

「・・・そうだな・・・」

 

二人がそう言い、幽々子にも声をかけようとすると幽々子は亡くなった亡骸に涙を流しながら手を合わせると

持っていた刀を取り、腰に下げ俯いたまま涙を拭いて再度決めたような目付きで炭治郎たちの方を向くと

 

「この人の刀を持っていくけれどいいかしら」

 

と声をかける

 

「えっ・・・幽々子さんは、刀が使えないのでは?」

 

「いいえ、使えないのではなく理由があって『使わなかった』のよ。」

 

そういうと炭治郎は幽々子の気持ちを案じて問いかける

 

「それじゃあ幽々子さんは刀を持つのは嫌なんじゃ・・・」

 

しかし炭治郎の気持ちとは裏腹に幽々子は横に首を振りこう告げた。

 

 

「私が刀を握る理由はこれで十分よ」

 

 

 

 

 

続。




書き始めの熱で数時間でかきあげた代物ですので、文章等、変な部分があるかもしれないのでもしダメだったら途中で書き直すかもしれません。。。
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