銀河機攻隊 マジェスティックプリンス 君は生き残ることができるか 作:てこの原理こそ最強
イズルが奮闘するも敵はリーダー機。ちょっとやそっとで倒れてくれる敵ではなかった
レッド5の攻撃も軽く躱されるか防御される。しかしこちら側はどんどんとダメージが蓄積されていきレッド5も限界を迎えそうなほど消耗していた
『イズル!』
アサギもなんとかイズルの援護に入ろうとするが敵がそれを許してはくれない。アサギだけで3、4機ほどの敵機を墜としたはずなのにまだ攻撃は続いている
『くっ!』
一瞬の気の緩みを見せてしまったイズルは敵に取り押さえられ地面に押し付けられる状態になってしまった
『こんのっ!』
イズルはゼロ距離砲撃を間一髪のところで躱しスラスターを最大にして相手と組み合う
『今だ!アサギ、タマキ、攻撃しろ!』
『うまく避けろよイズル!チッ!』
イズルの指示に出るが抑えてくれている敵リーダー機を攻撃しようとするがアサギはまだ残っている敵機に阻まれ、タマキは制御がうまくいかずほとんどの攻撃を外してしまった
『くそっ!このままじゃこっちのエネルギーが保たない!』
「でも絶対にここで食い止めないと!」
『3人ともよく頑張った』
「え...」
通信で声が聞こえたのと同時にアサギを囲んでいた敵が上空からの攻撃で全て撃破された
『なんだ!?』
今度は敵リーダー機の頭上から攻撃が迫る。しかし敵はそれを間一髪バックステップで躱した
そして頭上からの攻撃は地面に当たり土煙をあげる
「っ!」
その土煙の中にゆっくりと降り立った機体は敵に銃を向ける
「ソウ先輩」
『間に合ったようでよかったよ。あとはオレに任せくれ』
「しかし!」
『3人ともエネルギーが心許ないだろ?タマキくんの制御を手伝ってどこかで休んでいてくれ』
「...」
イズルは自分の機体のエネルギー残量を見て一度目を閉じる
「わかりました。あとお願いします!」
『任せてくれ。すぐ終わらせるから』
「アサギ、一緒にタマキの制御を」
『わかった』
イズルはその場を離れアサギと一緒にローズ3を安定させ適当な場所に降り戦闘の行く末を見ることにした
ソウはライフルをしまい、代わりに何か武器を構えることもなくナチュラルな状態で相手の出方を見た
それが敵リーダーの癪に触ったのか勢よく突進してきた。しかしソウは無駄のない動きでそれを避ける。敵はさらに砲撃をしながら突進を繰り返した。だがそれが当たることは一回もなく、5、6度攻撃を仕掛けたあとソウの居合斬りのように斬り出したサーベルで片腕を斬られてしまった
「こんなものか、宇宙人」
ソウの呟きは敵に聴こえるわけではないのだが敵の攻撃の激しさは増したような気がする。そんな攻撃にもソウは涼しい顔のまま、今度は片足をもぎ取った
『すごい...』
『敵は軍団長なんだろ?それなのにあんな軽々とやれちゃうもんかよ』
地球圏外にいるケイとスルガもソウの戦いっぷりをモニター越しに見ていた
「ラビッツのみんなは合気道って知ってるかな?」
『あいきどー?』
『名前だけなら聞いたことあります。確か武術の一つ』
「そうだね。でも合気道って空手や柔道みたいにこっちから攻めるものじゃなくて、大半の技は相手の攻撃を利用したカウンターなんだ」
『カウンター...』
「わかりずらかったら、正面から全速力で走ってくるやつを避けてそのまま足引っ掛けたらそいつどうなる?」
『それは、転びます』
「だいたいそんな感じ。歩いてる相手に足引っ掛けても倒れることってそうないけど、走ってるやつ、つまりよりスピードという力が強いやつに足引っ掛けると必ずと言っていいほど転ぶんだ」
『なるほど。でもそれが今とどんな関係が?』
「撃ち合う、殴り合うだけが戦い方じゃないってこと。現に今オレは一回もこっちから攻撃していない。敵が突っ込んでくるところに的確にカウンターを入れてるだけ」
『そうか!そういうことか!』
「アサギくんはわかったようだね。そう、相手が力強く向かってくるならそこにタイミングさえ合えば小さな力でもダメージを入れられる。そうすればエネルギーだって消耗は少ないんだ。ただ射撃特化のスルガくんや機動力特化のタマキくんにはする機会は少ないかもしれないけど」
こんな話をしつつもソウは敵の攻撃を躱しつつ着々とダメージを蓄積させていった
「イズルくんやアサギくんの機体はオレと似たような設計だ。敵と近接戦闘する場合以外と使えるものもあるから覚えておくといいよ。相手の攻撃に対して同じ力で防御していくのは完全に防御側が不利になるからね」
『わかりました』
『勉強になります!』
『なぁ...今ってあの人戦闘中だよな。なんでこんな授業みたいなことやってんだ...?』
「実践以上に学べることなんてないからね。学園で組手をやったとしてもその相手を殺そうと攻撃はできないだろ?」
『それはそうっすけど...』
「まぁそろそろ終わらせるよ」
気づくと敵は両手両足を切断されまともに戦える状態になかった。スラスターがついてるためなんとか浮遊している
「これで敵側が戦意喪失とかしてくれればいいんだけどな」
敵は宇宙へ帰ろうとしているのか上空へ逃亡を図るがソウがそれを見過ごすわけもなく、2丁のライフルを合体させ大出力ビームを放ち敵リーダー機を貫き、敵機は爆発した
「状況終了」
『お疲れ様です大尉。救援感謝します』
「いえ。イズルくん達の回収までお手伝いしましょうか?」
『いえ、回収班をこちらから向かわせます。大尉はお戻りいただいて大丈夫です』
「わかりました。ならあとのことよろしくお願いします」
『了解』
「というわけでみんなお疲れ様。オレは一足先に帰るけど、3人は学園で回収班を待つといい」
『わかりました。ありがとうございましたソウ先輩』
「今後ああいう敵にいつ出会うか分からないからね。ラビッツのみんなは特に狙われやすいみたいだし」
『それを言うなら大尉のソウさんのところの方が危ないんじゃ...』
「ウチ?ウチは大丈夫。あれくらいの実力なら全員負けることないから」
『うわーすげー』
「じゃあお先にね。敵の警戒はウチに任せられると思うからゆっくり休みな」
『ありがとうございました!』
ソウは別れを告げ空高く飛び立ち雲の中へ消えていった