銀河機攻隊 マジェスティックプリンス 君は生き残ることができるか 作:てこの原理こそ最強
プトレマイオス隊が火星を通過したころには戦闘が起こっていた。つまり、間に合ったのだ
「行くぞラフタ!」
『うん!』
スピード自慢の2人、ソウとラフタが飛び出し火中に飛び込んでいった
「ラフタ!向こう!」
『わかってる!』
戦闘区域からこちらに向かってくるライノスが1機。しかしその後ろには敵が迫っていた。あわや敵の攻撃でライノスが真っ二つにされるところを間一髪でラフタが止めた
『こんのっ!』
『ラフタちゃん!?』
「ラフタ!ここは任せた!」
『オッケー!』
『先輩!』
「よく頑張ったパトリック。あとは任せて離脱しろ!」
『先輩!ランディ先輩が!』
「あいつはこんなところでくたばるような奴じゃない。信じて待ってろ」
『...はい!』
パトリックを撃とうとしていた敵機。見るからに隊長機であるが差しならラフタでも大丈夫だし後続もすぐ来るためソウはその奥へ飛ばした
「クソッ!ここまでか!」
『タイホーン!』
「ランディ!生きてたのか!」
『勝手に殺すなよ。そろそろどっちが本物のヒーローか子ウサギどもに教えてやらねーとな』
「私はもうダメだ!お前だけでもこの情報を!」
『それはお前の仕事だ。さっさと行け』
「だが私の機体は...」
『ごちゃごちゃ言うな!さっさと行け!』
『ランディ!チャンドラ!無事か!?』
「ソウ!?」
『ソウ!お前なんで!』
『話は後だ。こっからは任せろ』
チャンドラを逃がすために特攻を試みようとするランディ。しかしその前にソウが到着した
『お前らを、絶対に死なせはしない!』
「『っ!!』」
ソウは自分の機体に搭載されている全ての砲門を開き一斉に放射した。まさにフルバーストだ
『旦那!』
『ヒルダ!ランディとチャンドラを連れて離脱しろ!』
『了解だ!』
『オレが殿をやる。仲間をここまでしてくれた落とし前つけさせてもらう!』
ソウがフルバーストを止めない中、ランディとチャンドラはマーズ、ヘルベルトに引っ張られながらその場を離れていった
『クソ...これじゃあいつがヒーローみたいじゃねーか』
「ソウはいつだってヒーローさ。またあいつに救われたな」
『まったくだ。死ぬ覚悟はできてたってのによ』
「私達がいくら覚悟したところでソウが許してはくれないさ」
『はっ!そんじゃあ、おいそれと死ねねーな』
次第に敵が引いていきチームドーベルマンは見事地球の命運を左右すると言っても過言ではない情報を持ち帰り、作戦は大成功となった
スターローズに戻ったチームドーベルマンはすぐさま精密検査となり面会も出来ない状態になってしまった。しかし命に別状はなくランディなんかはすぐさま飛び起きようとするくらいに元気である
そしてソウはシモンに呼ばれていた
「ソウ・アオイ大尉、参りました」
『入り給え』
「失礼します」
中にはシモンはもちろんのことゴデ二オンのスズカゼ艦長とMJP参謀補佐官のアマネもいた
「まずは先の作戦でチームドーベルマンの救出、感謝する」
「いえ、彼らは私の仲間であり大切な友人です。本当に間に合ってよかった」
「失礼ですが大尉。なぜわかったのですか?こちらもシモン指令の指示を待っていたのですが」
「ティファが教えてくれたんです」
「あの子が」
「ティファには昔から不思議な力があります。しかしそれは大きな力故に反動も大きい。ティファを危ない戦場に連れてまで近くにいるのは彼女の力を欲する研究室のやつらから守るためでもあるんです」
「そんなことが...」
「あなたも知らなかったのね」
「えぇ。プトレマイオス隊のことはいろいろと不明な点が多いから」
「申し訳ありません」
「いえ!大尉が謝る事では!」
「彼らがMJPに属してくれる際に私が契約を交わしたのだ。彼らの過去については一切触れない。そして口外しないと」
「そうでしたか」
「さて、君を呼んだのはさっきのことだけではない。次の作戦について君の意見が聞きたい」
「次の作戦ですか」
「あぁ。ドーベルマンが持ち帰ってくれた情報のおかげでウルガルが進行してきているだろうゲートの発見が叶った。そうなれば...」
「次はいよいよゲートの破壊、というわけですね」
「話が早くて助かる」
「いえ。ゲートをつぶさない限りウルガルの進行がなくなることはない。地球が存続するには最終的にはそこに行きつくのはわかっていましたから」
まだ何も伝えていない状態で瞬時にシモンの言いたいことを理解したソウにスズカゼもアマネも驚いている
「して、作戦内容は?」
「まだ作戦を立てる段階にきていないんです」
「と、言いますと?」
「次の作戦は文字通り総力戦となります。ですので地球の全ての経済圏の協力が必要になります」
「なるほど。まだ渋っている経済圏が存在すると」
「...その通りです」
「わかりました。シモン指令。私の乗る機体のデータを全経済圏に提示します」
「なに...?」
「待ってくださいソウ大尉!あなたはこれまでずっとプトレマイオス隊に関する兵器関連の提示を拒んでいたではありませんか!」
「えぇ。しかし今は地球存亡の瀬戸際です。地球の経済圏が一つとなり地球存続の道を全員で歩むのなら喜んで提示致します」
「大尉...」
「それを餌に全経済圏の助力が得られば問題なしですね」
「え、えぇ...しかし...」
「言っておきますが、今のどの経済圏でも自分の機体を製造することは不可能です。技術的にも、金銭的にも」
「そんな!では、大尉の機体は一体だれが...」
「それは秘匿事項となっていますのでお教えできません」
「そうですか」
実際プトレマイオス隊の機体は最新鋭と言われているチームラビッツのアッシュよりも性能は格段にいい。そしてその機体製造方法を知っているのは田舎暮らしを楽しんでいるじぃさまのみである
「話を戻しますが、これで全経済圏の協力は得られそうですか?」
「えぇ。どの国も欲しがっているのは新型機の情報ですから、すぐ掌を返すでしょう」
「あぁ。しかし製造できないで戦力が増えないのもいかんとしがたい。そのためライノスの情報も提示する」
「よろしいので?」
「今はどの国もが協力をして敵を撃たなければならない」
「わかりました。すぐに準備に取り掛かります」
「頼むぞ」
「はっ!」
敬礼するアマネに続いてソウとスズカゼも敬礼をする
「大尉。君にはもう一つ話がある」
「と、言いますと?」
「入りたまえ」
シモンの呼びかけに入口とは別の扉が開き一人の少女が入室した
「ステラ!?」
その少女、ステラはソウの声に反応し勢いよく抱き着いた
「お兄ちゃん、会いたかった」
「ステラ...もう大丈夫なのか...?」
「うん」
ソウは確認のためシモンの方に目をやった。ソウと目が合ったシモンはゆっくりと頷く
「長い療養生活は無事終了した。後ほど担当医師から連絡があるだろう」
「そうですか...ステラ、よかった...!」
シモンから報告を聞いたソウは安堵しステラを抱きしめる力を強くする
「指令。彼女は?」
「幼少のころより戦闘訓練を受けさせられていた。そこでは薬物も投与されており精神的に不安定な状態で発見された」
「そんな...!」
「精神療養に6年もの歳月がかかり先日晴れて正常と判断された」
「そうですか」
シモンが説明をしている間にソウとステラの感動的なハグは終わったがステラはソウの腕から離れようとはしなかった
「シモン指令。長い間ステラのこと、本当にありがとうございました!」
「あぁ」
「しかし、なぜステラがここに?」
「どこかで今日大尉が来ることを聞いたらしい」
「なるほど」
「お兄ちゃん」
「そうだな。では、私共はこれで失礼します。スズカゼ艦長、アマネ大佐にはまた日を改めてご紹介いたします」
「え、えぇ...」
ソウとステラは腕を組んだまま退室した。その姿はまるで恋人のようだった