銀河機攻隊 マジェスティックプリンス 君は生き残ることができるか 作:てこの原理こそ最強
プトレマイオス隊、チームドーベルマン、そして次第に連携が取れ始めてきたチームラビッツを中心に戦線を持ち直し、敵側に対して反撃に出た。その狼煙となるレーザー砲の発射で相手の基地を破壊した。本部では歓喜が湧き戦場でも一瞬気が緩んだ
『まだだ!』
そんな空気の中ソウの声が響いた。そして次の瞬間敵の接近を知らせるアラームが鳴り響いた
「なんだ!?」
「ビーム砲上空に敵機!」
「なに!?」
「レーダーに反応ありませんでした!」
喜んだことも束の間コミネ参謀次長のとっておきであるレーザー砲に敵が迫っていた
『くそっ!キャッチ22かよ!』
『ルートを出す。10秒待て』
『5秒で出します!』
『もう出しました。データ送ります!』
先輩であるチームドーベルマンのチャンドラよりも最新のパープル2を操るケイよりも早くプトレマイオスのオペレーターを務めるフェルトが敵までの最短ルートを出した
『ケイよりも早いなんて...』
『ひゅ~。よし!突っ込め!』
ランディが号令を出すがそれよりも早くプトレマイオス隊は動き出していた
『相変わらず手際がいいこって』
『ランディ、無駄話をしてないでもっとスピードを上げろ。後輩に負けてるぞ』
『性能の差はどうにもならないだろ!』
全速力のチームドーベルマンの横をローズ3がそれを上回る速度で過ぎていった
『早い!』
『やるねぇお嬢ちゃん達。後で俺とデートしない?』
『はにゃ?』
『お断りします!』
『お前...たまには真面目にやれ』
『あの、いつもこんなですか?』
『まさか~』
『あぁ、いつもだ』
『お前ちょっとは...!』
馬鹿な話をしつつもどんどんと敵に近づく一行。しかし直前で進行を阻まれ足止めをくらってしまう
敵はなおもレーザー砲に接近しもうすぐ砲撃が始まるか、と思いきやその瞬間先頭を進んでいたおそらくリーダー機であろう敵機が何かに切りつかれたように大破した
『へへへ、死神様の参上だ!』
突如として姿を現したのはブラック106。多く製造されたアッシュやライノスの中でもこの期待にかない『ステルス迷彩』という機能。別に本当に消えているわけではないく鏡の反射の要領で回りの宇宙空間と同化していると言ったほうが近いかもしれない
「デュオ、よくやった」
『おう。これぐらい俺様には朝飯前...ってうわーっ!』
姿を現したブラック105に隊長機を被弾させられた敵からの集中砲火を浴びせられた。しかしデュオはそれを紙一重のところでかわしながらその場を離れようとする
「ニール、ライル、デュオ離脱の援護」
『オーライ!』
『デュオ!ニゲロ!ニゲロ!』
『ソウ大尉!』
「何か?」
リーダー機を大破させたことで敵が下がり始るとゴデニオンから通信が入った
『現在暗礁宙域にてレッド5が敵と交戦中。ですが苦戦を強いられている模様。大尉の隊から増援を出してはいただけませんか?』
「暗礁宙域。フェルト」
「当該区域にてレッド5が敵と交戦中。エネルギー残量も少ないです!」
「わかった。了解しましたスズカゼ艦長。自分が向かいます」
『助かります。よろしくお願いします』
通信が途切れソウはティファを持ち上げながら立ち上がりティファをシートに座らせた
「クリス、ニールとマリーダに帰還要請。各自交互に補給の後艦の護衛をし指示してくれ」
「わかったよ」
「じゃあティファ、行ってくるな」
「気を付けて」
「あぁ」
「ソウ」
ティファに挨拶と一撫でしたソウにラクスが抱き着きソウもラクスの背中に手をまわした
「戻りを待っていますわ」
「あぁ、必ず戻る」
ラクスにいつもの言葉をかけ心配する妹達にも手を振りながらブリッジを出て自分の機体へ搭乗した
「クッ!」
イズルは強敵との戦いを課せられていた。相手はなによりスピードが速くライフルではまったく捉えきれない。かといって格闘戦でも経験のないイズルには分が悪い。いわゆるピンチだった
「もっと軽くしないと!もっと速く!」
イズルはスピードを上げるためどんどんと装備を外していった。すると次第に敵のスピードに圧倒されることはなくなり、レッド5がイズルの想いに応えるかのように動きが上がっていった
「まだだ...まだ!」
イズルはさらにギアを上げようとするが何度となく交わり合った剣にヒビが入り、敵が振り下ろした攻撃を受け止める際に壊れてしまいコックピットを掠め外が露わになってしまった
レッド5が動きを止め倒す絶好の機会であるのに敵は動きを止め、イズルに自分の姿を晒した。さらにイズルに向かって何か語りかけた。しかしそれはイズルの知る言語でなかったため何を言っているのか理解することはできなかった
『イズルくん!』
「っ!」
敵の予想外の行動に呆然としていたイズルは通信で入ったソウの声で我に返った。そして次の瞬間敵がその場から慌てて遠のいたと思いきや目の前をソウから放たれたビームが通り過ぎた。そして敵はそのままその場を去っていった
『イズルくん!無事か!?』
「大尉...」
『よかった』
「そうだ!早く追わないと!」
敵を追おうと機体を動かそうとするがレッド5はまったく動かなかった
「どうしたんだ?なぜ動かない!」
『無理をさせすぎたんだろう。ウチのクルーが言うにはオーバーヒート寸前だったそうだ。それに、もう追えるだけのエネルギーも残ってないだろう』
「そう、ですか...」
『ゴデニオンまではオレが牽引する。その間少しは休めるだろう』
「あ、ありがとうございます」
『とにかくおつかれさま。よく頑張った』
「はい」
『それと救援がおそくなってしまってごめんよ』
「いえ!おかげで助かりました」
『イズル君がまだまだ新米とは言えジュリアシステムを搭載した機体がここまでなるとは。相手は相当な強敵だったのか』
「はい...」
『報告が必要だね。気を引き締め直そう』
強敵の存在を確認したソウはまだ続いている戦いに向けて気合を入れ直す。しかしそんなソウとは裏腹になんと敵は撤退していった。
このまま戦闘が続けば消耗していくのは地球側なのは明確であるのになぜ?という疑問は思い浮かんだソウだったが、それを考えるのは後回しにしてレッド5をピットまで送り届けた後に帰還した
「ただいまマリーダ」
『おかえり兄さん』
「悪いんだけどみんなが戻るまで警戒を頼むよ」
『わかった』
「ニールも悪いな」
『いつものことだ』
「助かる」
プトレマイオスの護衛をしていたマリーダとニールに戻ったことを伝え、先に帰還させてもらったソウ
「戻ったかボウズ!」
そしていち早く帰還したソウを出迎えたのは整備主任のコジロー・マードックだった。ソウのことを出世前からボウズと呼んでいたため階級が上にもかかわらず今でもソウのことを昔のまま呼んでいる
「戻りました、マードックさん。損傷はないと思いますが念のため整備お願いします」
「あぁわかった。お前さんが損傷して戻ってくることなんてここんとこ見てねぇけどな!」
ガハハと笑うマードックにつられて他の整備員も笑い出す
そんなこんなしていると他の機体も続々と戻ってきた
「お兄ちゃんただいまー!」
「おかえりプル。プルツーもおかえり」
「あぁ、ただいまお兄ちゃん」
「戻ってくる時お兄ちゃん見つけてね!頑張って追いかけたんだけど全然追いつかなかった...」
「当たり前だ。お兄ちゃんの速度はスピード自慢のラフタより速いの忘れたのか?」
「それは知ってるけど〜」
「そうだったのか。通信飛ばしてくれればよかったのに」
「だってだって!びっくりさせたかったんだもん!」
「それで驚いたお兄ちゃんに敵と間違えられて斬られても知らないからな」
「お兄ちゃんはそんなことしないよ!」
「そんなこと分かっているに決まっているだろ」
「む〜!お兄ちゃん!プルツーがいじめる!」
「おーよしよし」
プルツーに弄られてソウに抱きつき、ソウに撫でてもらうプルは次第にいつものように表情が緩む
「プルツー」
「すまなかった。あまりに弄り甲斐があるものでつい」
「やりすぎは良くないからな」
「うん」
「それに、謝るときはちゃんと"ごめんなさい"だろ?」
「...プル、ごめんなさい」
「よくできました。ほら、おいで」
きちんと謝ることができたプルツーをプルと同じく頭を撫でてやる
「えへへ、プルツーもお兄ちゃんの前だと何もできないね♪」
「それは仕方ないだろ」
「ははっ、2人ともカワイイな」
「えへっ、プル達カワイイって♪」
「言葉で言ってもらうとより嬉しいな♪」
「あー!ソウ兄またプル達ばっかり!」
プルとプルツーを愛でていると帰還していたラフタに見つかった