問題児達と一緒に仮面ライダーの力を手に入れた俺が行くようだ   作:岬サナ

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ふぅー(; ̄ー ̄A
書けた………。

こうやって書いてて思うことがあるね。これを毎日更新できる人はマジで尊敬するって思うね。


サウザンドアイズへと

取り敢えずは話し合いを終え、黒ウサギは移動しようとコホンと咳払いをして気を取り直して全員に切り出す。

 

「そろそろ行きましょうか。本当は皆さんを歓迎する為に素敵なお店を予約して色々とセッティングしていたのですけども………不慮の事故続きで、今日はお流れとなってしまいました。また後日、きちんと歓迎を」

 

「いいわよ、無理しなくて。私達のコミュニティってそれはもう崖っぷちなんでしょう?」

 

「金ないのに素敵な店を予約するとかマジか……」

 

黒ウサギの言葉を飛鳥は遮って事情を知ってるからいらないと答え、千景もコイツの頭は大丈夫なのか?と残念なものを見る目で見ていた。

飛鳥の言葉に驚いた黒ウサギはすかさずジンを見る。彼の申し訳なさそうな顔を見て、自分達の事情を知られたのだと悟る。ウサ耳まで赤くした黒ウサギは恥ずかしそうに頭を下げた。

 

「も、申し訳ございません。皆さんを騙すのは気が引けたのですが………黒ウサギ達も必死だったのです」

 

「もういいわ。私は組織の水準なんてどうでもよかったもの。春日部さんはどう?」

 

「私も怒ってない。そもそもコミュニティがどうの、というのは別にどうでも……あ、けど」

 

飛鳥に問われた耀は思い出したように迷いながら呟き、ジンはテーブルから身を乗り出して聞く。

 

「どうぞ気兼ねなく聞いてください。僕らに出来る事なら最低限の用意はさせてもらいます」

 

「そ、そんな大それた物じゃないよ。ただ私は………毎日3食お風呂付きの寝床があればいいな、と思っただけだから」

 

耀の要望にジンの表情は固まった。この箱庭では水を簡単に得られる場所と得られない場所がある。ジン達のコミュニティのノーネームは水が簡単には手に入りにくい場所であった。

その苦労を察した耀は慌てて取り消そうとするが、先に黒ウサギが嬉々とした顔で水樹を持ち上げる。

 

「それなら大丈夫です!十六夜さんがこんな大きな水樹の苗を手に入れてくれましたから!これで水を買う必要もなくなりますし、水路を復活させることもできます♪」

 

一転して明るい表情に変わり、これには飛鳥も安心したような顔を浮かべた。

 

「私達の国では水が豊富だったから毎日のようにお風呂に入れてたけれど、場所が変われば文化も違うものね。今日は理不尽に湖へ投げ出されたから、お風呂には絶対に入りたかったところよ」

 

「それには同意だぜ。あんな手洗い招待は二度と御免だ」

 

「そこら辺の責任も取らないのはクズのすることだしな。……なぁ三段腹ウサギ」

 

「あう………そ、それは黒ウサギの責任外の事ですよ。あ、後!千景さんはそろそろ黒ウサギのことを三段腹ウサギと呼ばないでください!」

 

(えぇ~)

 

千景は黒ウサギの懇願にめっちゃくちゃ嫌そうな顔をする。

 

「そんなにですか!?」

 

召喚された四人からの責める視線に怖じ気づく黒ウサギ。ジンも隣で苦笑する。

 

「あはは………それじゃあ今日はコミュニティへ帰る?」

 

「あ、ジン坊っちゃんは先にお帰りください。ギフトゲームが明日なら"サウザンドアイズ"に皆さんのギフト鑑定をお願いしないと。この水樹の事もありますし」

 

俺達4人は首を傾げて聞き直した。

 

「"サウザンドアイズ"?コミュニティの名前か?」

 

「名前からして眼に関してのギフトを持ってるコミュニティの集団ってところか?」

 

十六夜と千景がそう言い黒ウサギは肯定して答える。

 

「YES。千景さんの言う通り"サウザンドアイズ"は特殊な"(ひとみ)"のギフトを持つ者達の群体コミュニティ。箱庭の東西南北・上層下層の全てに精通する超巨大商業コミュニティです。幸いこの近くに支店がありますし」

 

(ん?そんな超巨大商業が俺達みたいなノーネームも店に入れてくれるのかな?)

 

千景はそんな疑問を感じたが、黒ウサギが自信満々に話してることから大丈夫か、もしくは箱庭の貴族の特権で入れるのかと考えて口には出さなかった。

 

「ギフトの鑑定というのは?」

 

「勿論、ギフトの秘めた力や起源などを鑑定する事デス。自分の力の正しい形を把握していた方が、引き出せる力はより大きくなります。皆さんも自分の力の出処は気になるでしょう?」

 

「別に興味はないな」

 

だって出処はともかくとして力は把握しているし。と千景は思ったがゆえの言葉である。

同意を求めた黒ウサギに千景を含めた4人は微妙で複雑な表情で返した。思うことはそれぞれあるのだろうが、拒否する声がなく、黒ウサギ・千景・十六夜・飛鳥・耀の5人と一匹は"サウザンドアイズ"へと向かう。

 

「桜の木………ではないわよね?花弁の形が違うし、真夏になっても咲き続けているはずがないもの」

 

飛鳥が桃色の花が咲き散っている木を見て呟く。それを聞き千景や十六夜と耀も自身の思ったことを言う。

 

「いや、まだ初夏になったばかりだぞ。気合いの入った桜が残っていてもおかしくないだろ」

 

「………?今は秋だったと思うけど」

 

「世界が違えば生態系や季節も変わるだろ。そんくらい分かるだろ?」

 

ん?っと噛み合わない3人は顔を見合わせて首を傾げるが千景が異世界だからそんなものだと答え、黒ウサギが笑って説明した。

 

「そうですね。千景さんの言うとおり、皆さんはそれぞれ違う世界から召喚されているのデス。元いた時間軸以外にも歴史や文化、生態系など所々違う箇所があるはずですよ」

 

「へぇ?パラレルワールドってやつか?」

 

十六夜は楽しそうに黒ウサギに聞く。

 

「近しいですね。正しくは立体交差並行世界論というものなのですけども………今からコレの説明を始めますと1日2日では説明しきれないので、またの機会ということに」

 

「そんなに時間が掛かる説明を聞きたくはないな」

 

当たり前だが、そんな小難しい説明を何日も聞きたくない千景は拒否の体制をとる。

そして曖昧に濁して黒ウサギは振り返る。どうやら目的の店に着いたらしい。商店の旗には、蒼い生地に互いが向かい合う二人の女神像が記されている。あれが"サウザンドアイズ"の旗なのだろう。

 

「閉めようとしてるわね」

 

「あ!ちょ、ちょっと待っ」

 

「待ったは無しです御客様。うちは時間外営業はやってません」

 

看板を下げて店を閉めようとしていた割烹着の女性店員に黒ウサギが滑り込みでストップをしようとするが、ストップをかける事は出来なかった。黒ウサギは悔しそうに店員を睨み付ける。

 

(流石は超大手の商業コミュニティだな。押し入り客の拒み方に一部の隙もないな)

 

千景は割烹着の女性店員の対応に心の中で賞賛していた。

 

「なんて商売っ気の無い店なのかしら」

 

「ま、全くです!閉店5分前に客を締め出すなんて!」

 

飛鳥と黒ウサギから抗議が上がり、千景はマジかという視線で見た。

 

「文句があるならどうぞ他所へ。あなた方は今後一切の出入りを禁じます。出禁です」

 

「出禁!?これだけで出禁とか御客様舐めすぎでございますよ!?」

 

出禁発言にキレる黒ウサギ。流石にこれは千景も先程まで賞賛した店員の評価を下げざる負えない。

大手だから客を選ぶにしても、大手だからこそ簡単に出禁発言をするところは信用を失いやすいのだ。

 

「なるほど、"箱庭の貴族"であるウサギの御客様を無下にするのは失礼ですね。中で入店許可を伺いますので、コミュニティの名前をよろしいでしょうか?」

 

「………ぅ」

 

店員の冷めたような眼と侮蔑を込めた声や、言葉に詰まる黒ウサギの2人。

これを見ていた千景は理解した。この店員はこちらが名も旗印もないノーネームだと知っていて聞いていると。

だからこそ千景は口を開いた。

 

「大手のコミュニティって聞いたからどんなものかと思ったら店員の質がここまで低いなら所詮は名ばかりの大手らしいな」

 

「なんですって!!」

 

千景の言い分にキレるように女性店員は睨み付けてきた。

 

「おや、これは意外だな。まさか否定するのか?お前が原因なのによ」

 

「そこまで言うなら覚悟の程はおありでしょうね!」

 

「おいおい、先に喧嘩を売ってきたのはお前(・・)だぜ?人のせいにするなよ」

 

千景と店員の口論がヒートアップし、残りの問題児達は我関せずで黒ウサギがどうしましょうとオロオロしていると。

 

「いぃぃぃやほおぉぉぉぉぉぉ!久しぶりだ黒ウサギィィィィ!」

 

黒ウサギは店内から爆走してくる着物風の服を着た真っ白い髪の少女に抱き(もしくはフライングボディーアタック)つかれ、少女と共にクルクルクルクルクと空中4回転半ひねりして街道の向こうにある浅い水路まで吹き飛んだ。

 

「きゃあーーーー………!」

 

ボチャン。そして遠くなる悲鳴。

水を指されて千景は先程までの険悪な雰囲気を消した。

十六夜達は眼を丸くし、店員は痛そうな頭を抱えていた。これには千景はザマァ♪と思った。

 

「……おい店員。この店にはドッキリサービスがあるのか?なら俺も別バージョンで是非」

 

「ありません」

 

「なんなら有料でも」

 

「やりません」

 

黒ウサギのされたことに真剣な表情で自分にも頼む十六夜に、これまた同じく真剣な表情でキッパリと言い切る女性店員。2人は割りとマジだった。

 

「……はぁ」

 

思わずため息を吐く千景であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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