問題児達と一緒に仮面ライダーの力を手に入れた俺が行くようだ   作:岬サナ

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なんとか書けた( ̄▽ ̄;)


トリトニス大河での戦闘

「あの大蛇は期待外れだったけどお前は俺の期待を超えてくれよ──高島!」

 

「チッ!?」

 

そう言って十六夜は先ほどの大蛇に接近した時と同じ速度で千景に殴りかかった。

 

「面倒だな」

 

千景は十六夜の攻撃を回避してとあるベルトを反射的に呼び出して手を上に翳す。

 

「うおっ!?」

 

急に来た飛来物に十六夜は回避する。

そして飛来してきたカブトゼクターを掴んだ千景はそれをライダーベルトに差し込む。

 

「変身」

 

《HENSHIN》

 

仮面ライダーカブトマスクドフォームへと変身した。

 

「カブトか」

 

十六夜は嬉しそうな笑みを浮かべ仮面ライダーカブトに変身した千景を見る。

 

「一気に終わらせよう」

 

「来るか!」

 

「キャストオフ」

 

カブトゼクターのホーンを左から右へと動かす。

 

《cast off》

 

「ヤハハ。やっぱりこうくるか!」

 

マスクドアーマーだった部分が物凄い早さで周りへと弾け飛び、十六夜にも向かってきたそれを十六夜は殴り飛ばして対処した。

 

《change beetle》

 

こうして千景はマスクドフォームからライダーフォームへと姿を変えた。

 

「ヤハハハ!マジで最高だなオマエ!」

 

「……」

 

ドカン!とした音が周囲に鳴り響く。カブトに変身した千景と十六夜の拳がぶつかり合って発生した音である。

 

そしてすぐさま十六夜は反対の拳で千景に殴りかかるが千景もそれを予想していて難なく回避し逆に蹴りを十六夜の腹部へと当て十六夜を吹き飛ばす。

 

「ガハッ!?」

 

「これで終わらせよう……クロックアップ」

 

千景はベルト左右の腰部分にあるスラップスイッチを押す。

 

《clock up》

 

その瞬間、千景の身体全身にタキオン粒子が巡り、この世の全てを置き去りにする程の速度を千景は手に入れる。

その速度を活かして千景は十六夜に迫る。

 

「マズッ…グブ!?ガハッ!」

 

仮面ライダーカブトに出てくるライダー達が持つ基本にして強力なそれに十六夜は簡単に背後を取られて攻撃を受ける。

勿論、やられるだけではない十六夜は反撃しようにもクロックアップした千景の速度には全く追い付けない。

 

「クロックアップしてるのに、まさかここまでの速度を出してくるのは驚いたな」

 

千景はクロックアップ使用中にも関わらず十六夜の動きが他の存在よりも動きが早いことに気付いていた。

それでもクロックアップしたカブトの姿を十六夜は視認できずに攻撃を受け膝を着いてしまう。

 

「ゲホ!……ヤハハ。流石は仮面ライダーって、所かよ」

 

「こんな状況なのに楽しそうに笑うよな逆廻は」

 

「こんな状況だからこそだろ!元の世界ではマトモに相手ができる奴なんざ誰もいなかったぜ!」

 

血を吐き、それでも愉快に楽しそうに歓喜に震えながら十六夜は立ち上がった。

口からは拭った血が残っているにも関わらずに戦意は一切衰えていない。むしろ昂っている。

 

「……」

 

「……ヤハハ」

 

千景は次で終わらせるつもりで腰のスラップスイッチを押そうとし、十六夜も身体に力を込めて動こうとした時──

 

「こんの、おバカ様!?」

 

バシーン!と十六夜の頭をハリセンで叩いたのは黒い髪を淡い緋色に染めた黒ウサギだった。

 

「あれ、お前黒ウサギか?どうしたんだその髪の色」

 

「髪の色的に黒ウサギとは名乗らない方がいいと思うけどな」

 

「確かにな。……なら何て名乗らす」

 

「取りあえず淫乱ウサギかピンクウサギが妥当だろうな」

 

「……やるな」

 

「何を言ってますか、お馬鹿様!?」

 

またも十六夜と更に千景にもハリセンでぶっ叩く黒ウサギ。

2人に会った黒ウサギの胸中に湧き上がる安堵、は全くない。散々振り回された黒ウサギの胸中はもう限界だった。怒髪天を衝くような怒りを込めて2人の方を視界に入れる。

 

「もう、一体何処まで来てるんですか!?後、千景さんのその姿は何ですか!?」

 

「"世界の果て"まで来ているんですよ、っと。まぁそんなに怒るなよ」

 

「黙秘する」

 

千景は聞かれた事を喋らず、十六夜も小憎たらしい笑顔も健在であった。怒りの余り心配をしていないが、目立つ傷はないが十六夜は口から血を吐いている。だが、それも千景との戦闘で吐いたために特に問題ではない。

 

「しかしいい脚だな。遊んでいたとはいえこんな短時間で俺達に追い付けるとは思わなかった」

 

「てっきりネタ枠的な奴だと思ったのに意外だな」

 

「むっ、当然です。黒ウサギは"箱庭の貴族"と謳われる優秀な貴種です。その黒ウサギが」

 

アレ?と黒ウサギは首を傾げた。

 

(黒ウサギが………半刻以上もの時間、追い付けなかった………?)

 

その疑問に千景からのネタ枠扱いをされていたことが頭から抜け落ちてしまうくらいの衝撃だった。

黒ウサギ自身に気付かれることなく姿を消したことも、追い付けなかったことも、思い返せば人間とは思えない力と身体能力だった。

 

「ま、まぁ、それはともかく!御2人が無事でよかったデス。水神にゲームを挑んだと聞いて肝を冷やしましたよ」

 

「水神?」

 

「──あぁ、アレ(・・)のことじゃね?」

 

アレ(・・)か」

 

え?と黒ウサギは硬直する。千景の視線の先と十六夜が指さしたのは川面にうっすらと浮かぶ白くて長いモノだ。黒ウサギがそれを理解する前に十六夜に殴り飛ばされた大蛇が鎌首を起こし、

 

『まだ………まだ試練は終わっていないぞ、小僧共ォ!!』

 

その身の丈30尺強はある巨軀の大蛇が何者か問う必要はないだろう。黒ウサギは間違いなくこの一帯を仕切る水神の眷属だと気付く。

 

「蛇神………!って、どうやったらこんなに怒らせられるんですか十六夜さん、千景さん!」

 

ケラケラと笑う十六夜と特に表情を変えていない千景は事の顛末を話す。

 

「俺は怒らせていない」

 

「なんか偉そうに『試練を選べ』とかなんとか、上から目線で素敵なこと言ってくれたからよ俺を試せるかどうか試させてもらった(・・・・・・・・・・・・・・・・・)のさ。結果はまぁ、残念な奴だったが。そんで代わりに高島と戦ってたんだよ」

 

「傍迷惑だったけどな」

 

『貴様ら………付け上がるなよ人間共!我がこの程度の事で倒れるか!!』

 

蛇神の甲高い咆哮が響き、牙と瞳を光らせる。巻き上がる風が水柱を上げて立ち昇る。

黒ウサギが周囲を見れば、十六夜と千景が戦った後の他に風で水柱を上げた影響か、戦いの傷跡とみてとれる捻じ切れた木々が散乱していた。あの水流に直撃して巻き込まれたら最後、人間の胴体など容赦なく千切れ飛ぶのは間違いないと黒ウサギは思った。

 

「十六夜さん。千景さん。下がって!」

 

黒ウサギは2人を庇おうとするが、十六夜の鋭い視線はそれを阻む。

 

「何を言ってやがる。下がるのはテメェだろうが黒ウサギ。これは俺が売って(・・・)、奴が買った(・・・)喧嘩だ。手を出せばお前から潰すぞ」

 

「それに今更このゲームを止めるとか不可能だろ」

 

十六夜の本気の殺気が籠った声音と千景の状況から把握した事実に黒ウサギも始まってしまったゲームには手出しできないと気付いて歯噛みする。そして、十六夜の言葉に蛇神は息を荒くして応えた。

 

『心意気は買ってやる。それに免じ、この一撃を凌げば貴様の勝利を認めてやる』

 

「それは十六夜相手には間違った返答だな」

 

蛇神の言葉に千景はそう呟いた。それが事実であると証明するように十六夜は言う。

 

「寝言は寝て言え。決闘は勝者が決まって終わるんじゃない。敗者を決めて終わるんだよ(・・・・・・・・・・・・)

 

与えられるまでもなく勝者は既に決まっている。

その傲慢極まりない台詞に黒ウサギも蛇神も呆れて閉口した。

それを千景だけが呆れずに決着は決まってるというようにリラックスしていた。

 

『フン───その戯言が貴様の最後だ!』

 

蛇神の雄叫びに応じて嵐のように川の水が巻き上がる。竜巻のように渦を巻いた水柱は蛇神の丈よりも遥かに高く舞い上がり、何百トンもの水を吸い上げる。

 

「十六夜。代わってやろうか?」

 

「いらねぇよ」

 

竜巻く水柱は計3本。それぞれが生き物のように唸り、千景が十六夜に自分がやろうかと聞いたが十六夜はそんな助けはいらないとばかりに拒否をした。

 

「十六夜さん!」

 

襲いかかってきた竜巻く水柱に黒ウサギが叫ぶ。竜巻く水柱は川辺を抉り、木々を捻り切り、十六夜の体を激流に呑み込む───!

 

「───ハッ───しゃらくせぇ!!」

 

突如発生した、嵐を越える暴力の渦。

十六夜は竜巻く激流の中、ただ腕を一振りで嵐をなぎ払ったのだ。

 

「嘘!?」

 

『馬鹿な!?』

 

「当然の結果だな」

 

驚愕する二つの声と落ち着いた声が一つ。だが、驚愕の声を上げた黒ウサギと蛇神はしかたないだろう。それはもはや人智を遥かに超越した力である。蛇神は全霊の一撃を弾かれ放心するが、十六夜はそれを見逃さなかった。

 

「決めるのか」

 

千景は獰猛な笑いと共に着地した十六夜を見て察し、十六夜も、

 

「ま、中々だったぜオマエ」

 

大地を踏み砕くような爆音。胸元に跳び込んだ十六夜の蹴りは蛇神の胴体を打ち、蛇神の巨軀は空中高く打ち上げられて川に落下した。その衝撃で川が氾濫し、水で森が浸水する。

 

「危なっ!?」

 

千景はそれは予期して近くの木々に跳び移り全身が濡れるのを回避した。

回避した千景とは違い、また全身を濡らした十六夜はバツが悪そうに川辺へと戻る。

 

「くそ、今日はよく濡れる日だ。クリーニング代ぐらいは出るんだよな黒ウサギ」

 

「そうだよな。これは謝罪費や迷惑料も込みで請求しないとダメだよな」

 

そこへ、変身を解除した千景も寄ってくる。

 

「お前はさっきと今回の両方で濡れてないだろ?」

 

「濡れかけたんだから一緒だよ」

 

そんな会話をする千景と十六夜の声は黒ウサギに届いていなかった。

彼女の頭の中はパニックにより、それどころではなかった。

 

(人間が………神格を倒した!?それも只の腕力で!?そんなデタラメが───!)

 

ハッと黒ウサギは思い出す。彼らを召喚するギフトを与えた"主催者"の言葉を。

 

『彼らは間違いなく───人類最高クラスのギフト保有者よ、黒ウサギ』

 

そう言った信用できる"主催者"からの言葉を思い出していた。

 

(信じられない……だけど、本当に最高クラスのギフトを所持しているのなら………!私達のコミュニティ再建も、本当に夢じゃないかもしれない!)

 

黒ウサギは蛇神を圧倒した十六夜と十六夜相手に優位に立っていた千景を見ながら内心の興奮を抑えきれず、鼓動が速くなるのを感じ取っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次は黒ウサギのコミュニティの状況を知る話だな~
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