ハンター×刀語   作:日 健太

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一次試験×忍法×合格

前を行くスーツの男から、試験中ケガをしたり、死んだりする可能性があるとの忠告を受けるが、それ聞いて、試験を辞退する者は一人もいなかった。

 

「承知しました。第一次試験、405名全員参加ですね」

 

それを歩きながら確認した男は、足を早めていった。

 

「申し遅れましたが、私一次試験担当官のサトツと申します。これより皆様を二次試験会場へ案内いたします」

「二次・・・?ってことは一次は?」

 

294番のハゲ頭がサトツの言葉に当然の質問をする。

 

「もう始まっているのでございます。二次試験会場まで、私についてくること。それが一次試験でございます」

 

サトツの言葉に皆が驚く。

 

「場所や到着時刻はお答えできません、ただ私について来ていただきます」

 

 

「変なテストだね」

 

試験官の言葉を聞いてゴンが、率直な感想を言う。

 

「さしずめ持久力試験ってとこか。望むところだぜ。どこまででも、ついて行ってやる」

「なるほどな・・・」(どこまで走ればいいのかわからない心理的負荷で、精神力も同時に試されてるわけだな)

 

レオリオもクラピカも多少変と思いつつも、常識の範囲だと考え、むしろ試される方向性がわかったぶん、表情は明るい。

 

「・・・持久力ですか」

 

だが、三人と違ってナナミは不安な顔しており、元々あまりよくない顔色がさらに悪くなってる。

 

「どうしたの?ナナミ」

「実は私・・・・・・体力がなくて、長く走るのとか苦手なんです」

((だろうな!))

 

クラピカとレオリオが心の中でツッこむ。

 

「あ~、あまり無理はするな」

「そうだぞ、試験は今年だけじゃねぇしな」

 

試験が始まって、まだ数分だというのに暗にリタイアを勧める二人。

 

スーー

 

その時、4人の間を銀髪の少年がスケボーに乗って通り過ぎた。

レオリオが、持久力のテストだから反則だと言うが、それ聞いたゴンが

 

「違うよ、試験官はついて来いって言っただけだもんね」

 

と言い、クラピカも肯定する。

 

「なるほど!、確かに試験官は持久力テストとは言ってませんでしたね」

 

何か思いついたのか、ナナミはそう言ってキョロキョロと周りを見渡す。

 

「あの人が良さそうですね」

「ん、何か言ったか、ナナミ」

 

レオリオの言葉には答えず、ナナミは トンッ と斜め前方に飛び上がった。

 

「えっ!」

「なっ!」

「ナナミっ!」

 

周りにいた試験者達を軽々と飛び越えるほどの跳躍を見せたナナミに驚く三人。

そしてナナミは一人の男の肩に着地した。

 

「あれは!?、さっきトンパが一番危険だと言っていた」

 

44番のヒソカであった。

 

 

 

「すみません。肩に乗せてもらっても宜しいでしょうか?」

「っ!・・・・・・いいよ♠」

 

ヒソカはいきなり肩に降り立ったナナミに多少驚くも、すぐに笑顔になり肩を乗ること了承した。

 

「一次試験退屈そうだからね、話相手が出来てうれしいよ◆」

「ふふ、私はナナミと申します」

「僕はヒソカ♥」

 

片方が肩に乗っているという異様な状況でもごく普通に自己紹介をする二人。

 

「それにしてもすごいね、確かに肩に乗ってるのに全然重さを感じない♠」

「これは忍法足軽と言いまして、自分や自分が持った物の重量を消す技なのです」

「忍法?ということはナナミは忍者なのかい?」

「いえ、この忍法は忍者と戦った時に覚えたもので、私自身は忍者ではなく剣士です」

「・・・剣士という割に、剣の類は持ってないようだけど◆」

 

隠して、ナイフなどを持っている可能性もあるが、だったらそもそも剣士だなど言わないだろうと、ヒソカは考えた。

 

「はい、無手の剣術ですから」

「無手の剣術・・・面白そうだね♥」

 

無手の剣術、その矛盾した言葉に笑みが濃くするヒソカ。

 

「試験が進めば見せる機会もあるかもしれませんね」

「それは楽しみだ、ちなみに僕は奇術師だよ♠」

「奇術師・・・手品とかをする人ですか」

「僕の手品は、普通のとはワケが違うよ。試験が進めば見せる機会もあるかもね◆」

「それは楽しみですね。ふふふ」

「ハハハ♥」

 

 

 

「何か楽しそうに話してるね」

「そうだな」

 

ナナミの突然の行動に驚いたが、特に問題なさそうで、安心半分呆れ半分のゴン達。

 

「あのねーちゃん何者なんだ」

 

銀髪の少年、キルアがナナミを見ながらゴンに聞く。

 

「さぁ」

「知り合いじゃねーの」

「上の定食屋で合ったばっかしだよ」

「ふうん、・・・めっちゃ弱そうに見えるけど、只者じゃなさそうだな」

 

確かに、先ほどの跳躍といい、走ってるヒソカの肩に乗ってもブレない体幹といい、並の者では出来ない芸当だ。

 

(やはり、見た目通りの病弱な女性ではなさそうだな)

 

クラピカは再度、ナナミの認識を改める。

 

 

 

それからしばらく走り続け、階段を登り、受験生一行は外へと出た。

試験官のサトツが、ヌメーレ湿原 通称”詐欺師の塒”の説明の最中、

猿が受験生を騙して連れさろうとするハプニングがあったが、ヒソカが猿と試験官に攻撃するという見分け方であっさり看破。

 

受験生312名がヌメーレ湿原へ突入する。

 

 

 

「トランプを投げなくても、ヒソカさんは本物がどちらか見抜いていたのでは」

 

湿原でもナナミはヒソカに肩に乗せてもらっていた。

 

「まぁね、でもあの方が楽しいでしょ♠」

「確かにトランプで攻撃というのは、奇術師っぽいですね」

「あの程度、手品の内にも入らないけどね・・・・・・それにしても」

「退屈ですか?」

「わかる?」

「はい、殺気が漏れてますから」

「君と話すのは楽しいけど、さすがに長々走るだけってのはね~・・・試験官ごっこでもしようかな◆」

 

ヒソカは先程まで見せていた、楽しそうな笑みではなく、邪悪な笑みを浮かべる。

 

「試験官ごっこ・・・ですか」

「ナナミはどうする?待っててくれるなら、その後二次会場まで送るけど?」

 

ヒソカに聞かれ、少し考えるそぶりをする。

 

「いえ、私は先に行かせていただきます」

「そ、じゃあまた二次試験で♥」

「はい、・・・ところで」

「ん?・・・」

「ヒソカさん的審査では、私の合否は?」

「・・・もちろん合格さ♠」

「ふふ、ありがとうございます」

 

ナナミはそう言って前方へと飛んでいった。

 

 

 

 

「えっ!ナナミ!」

 

ゴンは肩に違和感を感じたと思って見てみたら、自分の肩にナナミが乗っていた。

 

「すみません、ゴン君、肩を貸していただけますか?」

「いいけど・・・すごいね全然重さを感じない、どうなってるの」

 

ゴンのヒソカと同じような質問に同じような説明をするナナミ。

 

「だから、ヒソカもずっと乗せてたんだ」

「でも、ヒソカの肩に乗るのをやめたのは、やっぱり殺されそうになったからか」

 

ゴンの隣を走っていたキルアが、先ほどから感じていたヒソカの殺気からそう推測し聞いた。

 

「・・・君は?」

「こっちはキルア、オレと同じ年で仲良くなったんだ」

 

ナナミがまだキルアの事を知らないのを思い出し、説明するゴン。

 

「そうですか、私はナナミと申します」

「ああ」

「さっきの質問ですが、ヒソカさんは他の受験者を殺すつもりのようでしたが、私の事は殺そうとは思って無かったみたいですよ。合格と言っていましたし」

「「合格?」」

「はい、試験官ごっこをするそうです」

 

ナナミがそう言った時、後ろから

 

「ぎゃっ」

「ぐっ」

「ってえー」

 

次々と悲鳴か聞こえた、

そのうちの一つはレオリオの声に似ており、

 

「レオリオ!!」

「おっと」

「待て、ゴン!!」

 

それを聞いてゴンはキルアの制止も聞かず後ろへと走っていく。

 

「行ってしまいましたね」

「ああ、・・・てか何俺の肩に乗ってんだよ」

 

ゴンが後ろに走っていった為、キルアへと乗り換えたナナミ。

 

「すみません。二次試験会場まで乗せてもらえませんか」

「オレはタクシーじゃねぇぞ・・・・・・まぁ軽いからいいけどよ。・・・あんたは心配じゃねぇのか」

「いえ、全然」

 

そう言ったナナミの顔は、言葉通り微塵もゴン達を心配していないようだった。

それは信頼しているなどのという意味ではなく、生きようが死のうが興味ないといったそんな冷たい目だった。

 

「あんた何者なんだ」

「ナナミ=ヤスリ。ハンター志望者です」

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