アメーバ女神によって異世界転生した俺、リセマラで良いスキルを手に入れたんだけど故郷からは使えないと追放されたので孤島に引きこもってスローライフを満喫します   作:嫉妬レウス

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エンディング ~「あなた」だけが知る事~

***やり直す世界

 

 

 

 

 

 

 

 魔の島の主が魔王を倒してから、魔の島の主が死ぬまでには、30年程度の時間しかなかった。彼は誰にも嘆かれる事も、誰に看取られる事もなく、その望みのままに、独りでひっそりと息絶えた。

 

 

 

 原因は、生活を維持するために寝る間もなく動き続けた事による負担が過度に祟っての脳梗塞。皮肉にも、幸せなスローライフを維持しようと働き続けた彼を殺したのは、何事も無ければ前世で死んで居た死に方だった。

 

 

 

 

 

 

 

 ヒトが居なくなったとしても、世界は動き続ける。ヒトを殺しつくした事で、死病を振りまいていたウィルスも、増える事が出来なくなり絶滅し……近寄るモノ全てを殺しつくしていた魔の島も、長い時の中の地殻変動で、海中に没する。

 

 

 

 そう、ヒトが居なくなり、魔族が消えたとしても、生命の営みは変わらない。そして唐突にあいた「ヒト」という生物が締めていた空間の間隙は、新たな生命の進化を促すのに十分な幅を持っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 ヒトの残した文明の残滓は堅牢に構築された物を残して自然の中に沈み、時と共に朽ちていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 新たに命がその進むべき道を求めてどれだけの時が過ぎただろうか。

 

 

 

 今、一匹の獣が手にした石で自らに襲い掛かってきた獣を打ち倒した。

 

 

 

 そいつは不思議そうに手の中の石を見つめると……ようやく、自分が絶対の死から逃れ、勝利したことを理解して、手にした石を掲げ揚げ、雄叫びを上げた。

 

 

 

 

 

 

 

 時と共にその石は石斧となり、加工された棍棒となり、剣となり、槍となった。

 

 

 

 ヒトの足跡は、常に血に濡れ、赤黒く染まっている。

 

 

 

 あるいはそれこそを、歴史と言うのだろうから。

 

 

 

 

 

*** 

 

 長い時の果てに、人は知恵を発展させ、街をつくり、国を作った。

 新たな道を求めて若者が故郷から旅立ち

 そうして旅立つ者たちを墨守こそを至高とする年寄りが「冒険者」と嘲笑う。

 だが、誰もが前に進む事をやめる事などできはしなかった。

 

 成功と栄光は、前にしかなく。

 それらは未来を見据える者たちにこそ必要で、墨守を良しとする者には、ただの薄汚い汚れにしか見えなかったのだから。

 

***

 

 

 

 

 

 

 

「アルフレッド、どうか……無事で帰ってきてね」

 

 

 

「大丈夫さ、リーザ、俺は必ず帰ってくる」

 

 

 

 

 

 

 

 今、辺境の名も無き村から、一人の青年が希望を胸に旅立ちの時を迎える。

 

 

 

 果たして彼を待ち受けているのは、栄光の光か、挫折の闇か。

 

 

 

 それは、それだけは神にだって判るものではない。

 

 

 

 

 

 

 

 この世界で、新たなヒトが物語を紡いでいる事……

 

 

 

 

 

 

 

 ……それは「あなた」だけが知っている事なのだから。




アメーバ(以下略)はこの話にて終了です。
最後までお読みいただきありがとうございます。

主人公最低とか、なにこのクソアメーバとか、ざまぁ要素何処よ、とか色々おありでしょう。
さて、ざまぁ要素に関してですが。
最後の新しい世界に、主人公は言及されておりません。
つまり、転生も新生もなかったのです。
「あなた」はどう思いましたか?
当然の罰だ、と少しすっとしませんでしたか?

https://bookwalker.jp/def32d16d6-4750-4c13-b8de-07f105f219be/?_ga=2.148094900.245374145.1650783247-1802298666.1650783247



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