いざ、神の山がまかり通る   作:ニンジンデース

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元々はウマ娘を書こうとしたのですが、競走馬の話しか書けていないので原作タグを現代/スポーツにしてます。
もしウマ娘の話が出来ましたらタグの変更を行う予定です。


第1走 霊峰の地より畜生へと生まれ変わる

(なん……だ、こいつは)

 

 

 男は、自分が悪い夢でも見ているのかと目の前の光景に絶句していた。

 

 ついさっきまで、男は富士山の頂上にいたのだ。

 季節は夏。久方ぶりにまとまった休みが取れたのを利用して、最近行っていなかった富士山の山頂からまた日出を拝んでやろうと登山グッズを背負い込んで、山開きされて間もない件の山へと男は向かった。

 夕方から登りはじめ、夜に到着した8合目の山小屋で仮眠。日付が変わった頃に小屋を出て山頂を目指し、危なげなく山頂部へと到着。

 夏の暑さが広がる下界とは打って変わり、一桁の気温で寒風吹きすさぶ富士の山頂にて体温を逃さぬように防寒シートを纏いながら体を丸め、よすみで男は来光の時を静かに待っていた。

 

 そこでうつらうつらと睡魔に襲われ、船をこぎ、意識が朦朧としていき、次第に男は瞼を閉じてしまう。

 

 

 おぼろげな意識の中、何故か男は狭く温かい場所にいた。

 

 ぬるま湯で満たされた袋の中に詰め込まれればこんな気分なのだろうか。

 

 男は自分が目を瞑っているのだろうか、嫌に暗く感じた。

 

 そんな不思議な感覚もつかの間、今度はその狭い袋状の壁面が男を押し潰さんばかりに狭まってきた。

 

 未だぼやけた意識のまま困惑する男は、突然頭の方から外へと押し出されるように身体が動き出した。

 

 気分は押し出されるところてんの心持。あるいは、チューブから絞り出されるワサビか辛子はこんな気持ちだったのかもしれない。

 

 ゆっくりと、狭まる壁面の圧力を推進力にして一方通行の道を通って行くと、次第に頭上が明るくなってきた。

 

 すると今度は明るみの向こうから誰かが自分を引っ張り出そうとしてくる。

 

 何者かの助力もあって男の身体は外へと出された。

 

 身体にまとわりつくものを丁寧に取り除かれ、礼を言おうにも言葉が出ず、とりあえず立ち上がる事にする。

 

 少しばかり怠く感じつつも危なげなく立ってみせると、周りからどよめく声が聞こえてきた。

 

「も、もう立ってる!?」

 

「まだ一分も経ってないのに……」

 

(何だ? 周りの奴らは何を言っている?) 

 

 言葉の意味が理解できずに困惑しながら男は首を振ってぼやける視界を晴らしていく。

 

 そうして見えた視界に広がる世界に男は絶句し、冒頭に至る。

 

 

 

(なんだこれは、何がどうなってる?)

 

 床に藁の敷かれた部屋の中、男が首を回して見てみれば、立ち上がった自分よりも遥かに大きな人間の男が数人と、男の側で横になっている大きな馬が一頭。

 馬はじっとこちらを見つめ、男達はにこにことこぼれそうな笑みを浮かべて見下ろしてくる。

 

「やあ、この世界にようこそ」 

 

「バンセイフジの第一子誕生だ!」

 

「お前もよく頑張ったな、本当によく頑張った」

 

「しっかしでっかい仔だなぁ、普通の“仔馬”の一回り以上はあるかも? フジよく産んだなぁ」

 

 

 

(……あ? 仔馬?)

 

 男達の一人が口にした言葉に慌てて自分の体を見下ろした。

 藁の敷かれた地面を踏みしめているのは人間の二本脚ではなく、どう見たって仔馬の二本の前脚だった。

 

(な、何ぃっ!? 何の冗談だ!?)

 

 首を回し、体を捻って更に自分の体を見てみれば、羊水で濡れた産まれたての仔馬の体である事が嫌でも理解できてしまう。

 

 男は知らないうちに、馬として産まれてしまったらしい。馬だけに。

 

 

 遠い別の世界で、どこかの誰かさんのやる気が下がったそうな。

 

 

 

 

 千葉県某所に牧場を構える守松牧場では、預託されていた繁殖牝馬が無事に仔馬を産んだことで皆ホッと一安心していたのだが、その仔馬が他の仔馬とはひと味もふた味も違っていた。

 

「クロマツの奴、また唸ってるのか?」

 

「あぁ、なんであんなに怒ってるんだろう?」

 

 

「ヴヴウオォォォォォ……!!」

 

 スタッフの二人は、放牧地の片隅で顔を俯かせながら耳を後ろに倒し、不機嫌そうに唸り声を上げている一際大きな仔馬の姿を見ながら首を傾げていた。

 

「産まれてからずっとあの調子。何が気に入らないのかな」

 

「分からない、だからと言って暴れる素振りはないんだよな。餌の時とか静かにしてるし」

 

 この度産まれた仔馬は幼名をクロマツと名付けられた。

 というのも理由は単純に全身がまっ黒。しかも馬によくある青毛よりも更に黒い、信じられない事に太陽や照明の光を浴びても光沢が出来ない闇のような黒い体毛を有していた。全身全てが黒一色、そして父馬の功績にあやかる意味も込めてその馬の幼名の一部を頂いてクロマツ、と言うわけである。馬主の方にも牧場長の方から確認済みでOKを頂いている。

 

「しかし……あいつどうして青毛というか、あんなにまっ黒なんだ?」

 

「それも分からないんだよなぁ。どうしたって両親の血統に青毛だっていないのに。あんな艶の出ない黒色初めて見たぞ」

 

 しかし、不思議な事にクロマツの両親は黒鹿毛と鹿毛、その双方の両親も黒鹿毛や栗毛、鹿毛はあっても青毛の馬はいないのだ。

 遺伝の法則的にあり得ない筈なのだが、母馬のバンセイフジに種付けをした父馬は鹿毛の馬で間違いないのも確かな事であり、出産に立ち会ったスタッフ達は一同仔馬の誕生を祝福しつつも不思議に思っていた。

 

 クロマツの特異な点はそれだけにとどまらない。

 産まれた当初の体重は90kgと、普通の仔馬がおよそ50kg前後である事を考えれば倍近くは大きかった。

 母馬のバンセイフジが680kgという他の馬よりも驚くほどに大柄でかつ頑丈な馬体だったからか思いのほかすんなりと産まれたが、これが普通のサラブレッドサイズの繁殖牝馬であったら大変な難産だったかもしれない。

 そんなクロマツは出生から10日経った現在では、他の同年代の仔馬と比べても一回り大きく、とても同い年には見えない。

 

「おまけに産まれた時からもう歯が生えてた。まさに鬼子って奴だな」

 

「でもバンセイフジから母乳飲んでるとき噛んだりしなかったんだよな? まさか飲み方知ってたのか?」

 

「さてなぁ、あのバンセイフジの産んだ仔馬だから、他の仔馬と同じように考えちゃいかんかもしれんぞ」

 

 その母馬であるバンセイフジはというと、クロマツと一緒に放牧しているのだが、少し離れた場所で時折ちらっとクロマツの方を様子を見るだけで基本子供の好きにさせているようだ。

 

 当のクロマツは、謎の不機嫌状態を続けたままだった。

 当歳馬に似つかわしくない馬体と怒る姿は産まれて数日しか経っていない仔馬とは思えない怒気を放ち、同い年の仔馬はもとよりその親の馬ですら怯えて近寄ろうとしない有様だ。

 唯一例外の馬は、そのクロマツから少し離れた場所にいる黒鹿毛の母馬バンセイフジである。 時折息子へ向ける眼が、呆れた眼差しをしている様にも見えるのは、その場にいたスタッフ達の気のせいだろうか。

 

 

 

(おのれクソったれめが! あの腑抜け野郎しょうもない事でおっ死にやがってえぇぇぇぇ……ッ!!)

 

 仔馬に生まれ変わった男ことクロマツはあれから数日後、放牧された牧場地の片隅で仔馬に非ざる憤怒の表情で唸り声を上げていた。

 馬として第二の生を突然得たクロマツは、訳も分からず周りのスタッフや馬主達に祝福されながら数日を過ごし、訳が分からないなりに仔馬としての日々を過ごしつつ現状について推察していた。

 

 そして、人間だった頃の自分がどうなったのかある結論を下す。

 元の人間だった自分は、死んでしまったのだろう。

 恐らく原因は凍死。富士山山頂で一桁の気温の寒さに耐える中で突如襲ってきた急激な眠気、あれが凍え死ぬ前段階だったのかもしれない。

 

 そう理解した途端、クロマツの心に湧き上がったのは悲しみではなく、燃えたぎる様な怒りだった。

 その矛先は人間だった自分自身。万全な体調で防寒対策を準備しておきながらこの体たらく、いつから自分はそんなに脆い男になっていたんだと不甲斐ない自分にクロマツはただただ只管に行き場のない憤(いきどお)りを内に滾らせ続けていた。

 

 当初は同じ放牧地で放牧されていた仔馬達がふざけてじゃれ付いて来たが、クロマツの殺意すら籠った睨みと怒気を伴う唸り声にすっかりおびえて母馬達の方へと逃げて行き、今世の母であるバンセイフジはクロマツの怒りを察してか母乳を与えるとき以外は一定の距離をとっていた。

 だがクロマツ的にはこの距離感が丁度よかった。突然馬として生まれ変わり、馬を母や同族と見做すには、かつて人間だったクロマツの心の整理が出来ていなかったのだ。

 

 

 そうやってやり場の無い怒りに苛まれ続けていたものの、流石に産まれてから10日間も捌け口の無い怒りを燃やし続けていれば自ずと鎮火していくもの。

 自分の身に降りかかった状況がどうしようもない事を再確認したクロマツは、とても深いため息をついてとうとう怒りを鎮めた。

 

 

(…………これから家畜として生きなきゃならんのか、俺は)

 

 放牧地にて柵に顎を乗せて力なく空を見上げるクロマツの様子は、およそ先日まで怒り狂って大人の馬ですら怯えて近寄る事を恐れさせた仔馬とは思えない有様である。リストラされて将来が見えないサラリーマンみたいだった。

 その様子を見ていたスタッフ達は、「ようやくクロマツの癇癪が治まった……のか?」と一応は胸をなで下ろしたが、今度は気落ちしだしたのでそれはそれで心配そうに見ている。

 

 クロマツは己の将来を想像して、暗澹(あんたん)たる思いで胸がいっぱいだった。どんなにじたばたしても馬として生きなければならないのは確定しているのだ。

 そもそもクロマツは馬について殆ど知識が無い。精々が動物園や牧場で飼ってて乗馬が体験できて、暴れ○坊将軍がOPでめかし込んだ白馬に乗って浜辺を駆けているのくらいしか思いつかない。

 ……あとは、馬肉に処されるくらいか。

 

 

(クソったれが、最悪は馬肉加工行きが俺の運命かよ)

 

 何が悲しくて健康的に成長したら屠畜場でぶち殺されてどこぞの食卓に並ばにゃならんのだ。

 いよいよとなったら牧場から脱走する事も視野に入れなければならないが、かといって、それで逃げおおせたとしてその先に安息の地がある保証などどこにもありはしない。

 まったくもって、世は人間に都合の良い世界になってしまったものである。畜生道とはかように過酷な世界なのだろうか。

 

 

 自分が屠殺されて桜肉になったものを誰かがニコニコ顔で食べる光景まで想像して名状しがたい破壊衝動が芽生えかけていたクロマツは、柵から頭を離して思考を切り替える。

 

 目下の目標は食肉加工されずに馬なりに老後を過ごして大往生する事だ。人間の時はしくじって40歳にもならない内に死んだから、この馬生くらいは老衰で安らかに死にたい。

 無為に牧草地で食っちゃ寝して過ごすのが牧場の馬の仕事ではないだろうから、将来のざっくりとした展望は牧場の乗馬体験コーナーの馬あたりだろうか。この牧場にそんなサービスがあるかは不明だが。

 

 未だ定まらない自分の未来に不安が募る中、牧場の方が俄かに騒がしくなっているのをクロマツの馬としての聴覚が聞き取った。

 誰ぞ来客らしい。牧場の代表が客と会話をしながらこの放牧地へと近付いてきている。

 

 音の方へとクロマツが顔を向けて目を凝らすと、ぞろぞろと人がこっちにやって来た。

 

「万世(ばんせい)さん、あの仔ですよ。あの凄く真っ黒い仔馬」

 

「おぉ、あれが!」

 

(……あん?)

 

 クロマツの方へ指をさす牧場長に声を上げるのは、スキンヘッドの中年男性だった。

 背丈は低めだが着ている上等なスーツ越しにがっしりとした体をしているのが分かるくらいがたいが良い。

 頭は剃っているのか知らないが太陽の光を浴びて艶光が見える位つるりとしており、いかつい顔にはスポーツサングラスをかけている。

 これだけ見ていると筋者(すじもの)の様に見えなくもないが、お付きの者らしき男達はきっちりとスーツを着こなしたサラリーマンと言った風体をしているので、堅気の人間だと思われる。

 それに一人だけ若い男がいる。育ちの良さそうな好青年と言っても良さそうな若者だ。年齢は大学生くらいに見える。他のスーツの男達に合わせてカジュアルなスーツ風の私服を着ていた。

 クロマツが不思議そうにその集団を見ていると、牧場長がクロマツとバンセイフジについているスタッフ達へ声をかけた。

 

「杉、谷村、フジとクロマツを連れて来てくれ!」

 

 それに返事を返すスタッフの二人がバンセイフジとクロマツの方へと近付いて来る。

 クロマツを担当しているのは谷村と言う男だが、「頼むから怒りださんでくれよ?」と頭絡に手綱を繋げて牧場長達の所へ連れられていく。

 

 柵から出て連れてこられたのはスキンヘッドの男の目の前。スキンヘッドの男はサングラスを外して裸眼でクロマツを凝視した。思いの外綺麗な眼をしている。

 

「お、おおぉぉぉ……っ」

 

(なんだこのパチンコ玉みたいな頭のおっさんはさっきから……)

 

 身体を左右に動かしながらクロマツの体を見回すスキンヘッドの男の動きは歳の割には非常に軽やかで、今にも反復横とびでもはじめそうな勢いだ。

 そんなフットワークを披露するスキンヘッドの男を困惑気味にじっとクロマツが見ていると、スキンヘッドの男は牧場長と話しだした。

 

「守松さん、本当に産まれて11日目の仔馬なんですか?」

 

「驚いたでしょう? 間違いなくこの仔はこの間の3月12日に産まれたバンセイフジの仔ですよ。私もその場にいましたからね」

 

 説明を受けたスキンヘッドの男は、体をプルプル震わせるや否や、突然滂沱の如く涙を流した。

 

「こ、こ、こいつだ……こいつこそ新たなる我が運命の愛馬、これぞ次の時代を切り拓くサラブレッドだ!」

 

(はぁ、サラブレッド)

 

 確か馬なんかでよく聞く品種だったような、とクロマツは思い返していたが、その言葉の本当の意味までは思い至らなかった。

 

 感極まったスキンヘッドの男の近くにいる育ちの良さそうな若い青年が、困った様子で涙を流す中年スキンヘッドを見た。

 

「父さんそんな大げさな」

 

「大げさなものか、俺の勘はそうだと告げている」

 

(親子だと? 全然似とらんな)

 

 武闘派ヤクザの組長と言われても違和感の無さそうなスキンヘッドの男と爽やかそうな好青年の二人の造形の違い過ぎに親子の関係が結びつかず絶句しているクロマツを他所に、スキンヘッドの男は握り拳を震わせながら熱弁する。

 

「ケツから脳天を突き抜けるような電撃が走ったのよ……、セリに出されていた仔馬のバンセイフジを見た時と同じような衝撃を、確かに俺は今感じたんだ……ッ!」

 

 「フジよぉぉぉ、よくぞこんなすげえ仔を産んでくれたなぁ。ありがとう、ありがとう」と泣きながらバンセイフジを労うスキンヘッドを見ながら、クロマツは情報を整理した。

 今の言葉を聞くに、どうやらこのスキンヘッドは自分の今世の母であるバンセイフジの飼い主と思われる。

 と、言う事は、バンセイフジから生まれた自分もまたこのスキンヘッドが飼い主という事になるのだろうか?

 いかんせん畜産関係の取引の仕組みを知らないクロマツだが、目の前の男に対して無体を働いてはいけない事だけは理解できた。

 

 

 

「こいつだよ」

 

 スキンヘッドの男が震える手で宝物を取り扱う様にクロマツの鼻筋を撫でる。

 

「こいつは将来、とんでもない事をしでかす馬になるぞ」

 

「……それほどですか?」

 

 今まで聞きに徹していた牧場長が思わず訊ねれば、スキンヘッドの男は確信を以て是と答えた。

 

「ああそうだとも、“七冠馬”の母と“五冠馬”の父を、こいつは越えられる!」

 

(……“ななかんば”だとか“ごかんば”の意味が分からん。野球の三冠王みたいなものか? いや野球もそこまで知らんが)

 

 クロマツはここまで絶賛してくれるスキンヘッドの男に少し申し訳なく思いつつも、馬の知識に疎いためスキンヘッドの言う言葉が分からず反応に困ってしまっていた。

 

 

 

 

 

「それでは、クロマツは万世さんが馬主になるって事で良いんですね?」

 

「ええもちろん! 守松さん達には引き続きこの仔の世話を頼みますよ」

 

 クロマツと馬主の対面は恙なく済み、その後は人間同士のビジネスの話となったため、クロマツとバンセイフジは再び放牧地へと戻された。

 

「すげえなぁクロマツの奴、万世社長ベタ惚れだったじゃん」

 

 放牧地に戻されたはいいが、手持無沙汰でぶらついていたクロマツは谷村と杉の会話が聞こえて足を止め、それに耳を傾けた。

 

「だな、まぁ俺達の目から見ても他の仔達とは体つきが全然違うの分かるもんな」

 

「思い出すな、フジがこっちに来た時も牧場長に熱弁してたもんな、「あいつは日本一になるぞ!」って。実際本当に負け知らずの七冠馬になったし、あの人の相馬眼というか直感ってやっぱり凄いんだな」

 

「一代で日本一の玩具会社を作った人は違うねえ」

 

(何だと? 玩具会社? あのボーリング玉が?)

 

 思わず谷村達を凝視してしまったクロマツ。

 嘘だろ? あの顔で? 土地転がしでも金貸しでもなくて? と自分の馬主に対して失礼な事を思ってしまう。

 恐らく何らかの企業を立ち上げた人なのだろうとは思っていたが、予想外の業界の、しかもトップであった事に耳を疑ってしまった。

 そして、次の二人の会話で更なる追い討ちがかかる。

 

 

「最近なんかすごい流行ってるらしいじゃん、ほら、ロボットのプラモデル」

 

「あぁ、ガンダムのやつね。実は俺買ってるんだ」

 

 

(……ガンプラ? まさかバン○イ? 嘘だろ?)

 

 クロマツは、自分の馬主がとんでもない人物であった事を、事ここに至って思い知る事になった。

 後に世界に羽ばたく大手玩具会社の社長だったとはつゆ知らず、ヤクザもどきみたいな認識だったクロマツは早々にそれを払拭し、次に会う時はもう少し愛想良く接しようと心に誓う。




主人公の馬名を思いつく

折角だから母馬の名前も冠名つけて統一しよう

冠名:バンセイ
※思いついた理由はおいおいどこかで書くと思います。

バンセイ?……バ○ダイっぽいね

主人公の馬主を玩具会社の社長にしよう

という流れで馬主が出来上がりました。
母馬とか血統についてはどこかの後書きにでもちょっと書いてみようと思います。
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