機動戦士ガンダムSEED〜ラスティ生存√リメイク〜   作:残月

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砂漠の虎と意気投合

 

 

 

 

あれから一週間程が経過して俺とニコルとイザークはアークエンジェルが降り立った砂漠へと来ていた。

その間に俺の体調は回復しており、コーディネーターの身体能力の高さに改めて驚かされたもんだ。

 

 

「なんだ、これは……」

「凄い風ですね」

「地球だからなコロニーとは環境が違うのも当然だろ」

 

 

到着早々に砂塵による歓迎を受ける俺達。特にイザークとニコルは舞い上がった砂に驚いている様だ。砂が口の中に入ったのかイザークはペッペッと唾を吐いている。

そんな中、副官らしき男を連れた人が笑みを浮かべながら歩いて来た。その人物が誰なのかを察した俺は敬礼をしてイザークとニコルもそれに続く。

 

 

「クルーゼ隊ラスティ・マッケンジーです」

「同じくクルーゼ隊イザーク・ジュールです」

「同じくクルーゼ隊ニコル・アマルフィです」

「アンドリュー・バルドフェルドだ。ようこそ砂漠へ、歓迎するよ」

 

 

位置的に近くに居た俺と握手をするバルドフェルド隊長。ん?なんか品定めのような目で見られてるんですけど。

 

 

「噂には聞いているよ。降下ポッドを使わずにジンで大気圏突入したデンジャラスボーイが居るとね」

「俺のジン単体で降りた訳じゃないですよ。状況と……コイツ等の手助けが無かったら途中で爆散してたでしょうから」

 

 

握手をしたまま笑みを浮かべるバルドフェルド隊長。アッハッハッ、こちとらマジで死に掛けたっての。

 

 

「彼等の機体のアシストね……成る程、確かに似ているな」

「あの……バルドフェルド隊長もストライクと交戦したと聞きましたが?」

 

 

握手を解いてデュエルとブリッツを見上げるバルドフェルド隊長。ニコルがストライクとの戦闘を聞きたいと言うと苦笑いになった。

 

 

「僕もクルーゼ隊を笑えないな。なんせ砂漠でバクゥと互角に渡り合う様なMSだ」

「やっぱ規格外って感じだな……宇宙から降下した後の地上戦でバクゥと互角って…-」

 

 

アニメで見た時は『凄い』の一言に尽きるが戦闘中に砂漠に適応したOSに書き換えるって、あり得ないよな。こっちはジブラルタル基地で砂漠用のOSに切り替え作業に二日も費やしたってのに。

 

 

「あのディンはキミの機体かな?補充のリストにはザウートのみだと報告を受けていたのだがね」

「ああ、はい。俺としても砂漠ですからバクゥが欲しかったんですがジブラルタルで修理中だったディンを受領しました。一応、修理は済んでいます」

 

 

バルドフェルド隊長がデュエルとブリッツの後ろに格納されていたディンを見て疑問を投げかける。俺のジンは完全にお釈迦になってしまい、乗るのは不可能。一応、ジブラルタル基地で修理は請け負ってくれたが今回の戦いには間に合わない。そこでジブラルタル基地で修理途中だったディンを受領して修理の後に持ってきた訳だ。

 

 

「航空戦力が増えるのは嬉しいな……嬉しいと言えば増援に美しいお嬢さんが居るのもね。キミもドレスが似合いそうだ」

「え……ぼ、僕ですか?」

「バルドフェルド隊長……一つだけ言っておきます」

 

 

ディンを見て飛行能力のある機体は有り難いと言うバルドフェルド隊長。そして視線がディンからニコルに向けられる。『キミも』なんて言う辺りキラとカガリにはやっぱり会ってるんだろうな。だが俺は此処で言うべき一言がある。俺は一歩前に出た。

 

 

「ニコルのドレスのデザインは足が出る物でお願いします」

「ラスティ!?」

「成る程、脚線美と言う訳か。因みに僕は腰のくびれが好きでね」

 

 

俺の一言にニコルは顔を真っ赤にした。バルドフェルド隊長はニヤリと笑みを浮かべる。そして俺とバルドフェルド隊長は何も言わずに握手を再び交わす。

 

 

「キミとは気が合いそうだ。そうだ、コーヒーは好きかね?美味いのを淹れてやろう」

「ゴチになります!」

 

 

バルドフェルド隊長に背をポンと叩かれてレセップスの中へ案内される。うん、本当に気が合いそうだわ、この人。

 

 

「そ、そっかぁ……ラスティは僕の足が……エヘヘ……」

「足付きとストライクの話はどうしたぁっ!?」

 

 

俺とバルドフェルド隊長の後ろではニコルが嬉しい様な恥ずかしい様な気持ちが入り乱れたなんと言えない表情をしていてイザークはいつも通り怒っていた。

バルドフェルド隊長に淹れて貰ったコーヒーはめちゃくちゃ美味かった。ニコルとイザークは微妙な顔してたけど。

 

 

「足付きだな、間違いなく」

「それにストライクも……砂漠での戦いに完全に対応してますね」

「ストライクゥゥゥゥゥッ!」

 

 

コーヒーを飲みながらアークエンジェルとストライクの映像を見ていた。映っているのは間違くアークエンジェルだし、戦闘中の映像も間違いなくストライクだ。

しかし、完全に砂漠に適応してやがるな。普通、砂漠でバクゥ相手に優勢は取れないって。

 

そんな事を思っていたら警報が鳴り響く。副官のダコスタさんの話ではアークエンジェルが砂漠からの脱出を図ろうと発進したとの事だった。

 

 

「もう少し時間が欲しかったが仕方あるまい、レセップス発進だ。キミ達はザウート部隊と同様に各艦の上で援護射撃を行なってくれたまえ」

「な、何故なんです!?我々に控えろと言うのですか!」

 

 

バルドフェルド隊長の号令でレセップスと僚船の発進が決まったが案の定、イザークが噛み付いた。

 

 

「おやおや、クルーゼ隊では上官の決めた事に部下が逆らっても良いのかね?キミ達の機体は宇宙での戦いを主体としているのだろう?ラスティ君の発案で砂漠用のOSは組まれている様だが簡単には適応出来まい。高速戦闘をするバクゥとの連携は取れないよ」

「し、しかし……ストライクとの戦闘経験は我々の方……がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」

「ったく……指揮下に入ったばかりで指揮官に逆らうなよ」

 

 

バルドフェルド隊長の命令に早速背こうとしたイザークの背後に回った俺はイザークをロメロスペシャルを極めて吊り上げる。

 

 

「こりゃ見事だ。流れる様に技を極めたな」

「貴様……ストライクは俺の手で……仕留める、と……」

 

 

ギリギリと締め上げるがイザークに反省の色が見えない。仕方ないな……

 

 

「何処から痛めます?膝、背骨?」

「うむ、では膝で」

「がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」

 

 

俺の問いにノリが良いバルドフェルド隊長は箇所を指定してきたので締め上げた。

 

 

「さて、程よく緊張も解れた所で行こうか」

「そですねー」

「貴様……後で覚えてろ……」

 

 

アホなやり取りも終わって、さあ行こうってなったのにニコルの姿が見えなかった。格納庫を見渡すとニコルがアイシャさんと何やら話をしている。時折、俺の方を見てはニコルは顔を赤くして、アイシャさんはニコニコとしていた。

 

 

面白くて美味いコーヒーを淹れてくれたバルドフェルドさん。ニコルと既に仲良くなっていて優しいアイシャさん。

 

 

「死なせたく……ねぇよな」

 

 

ミゲルの時は何も出来なかった自分を呪ったが……今は違うと思いたい。俺はメットを被り、ディンへと向かった。

 

 

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