機動戦士ガンダムSEED〜ラスティ生存√リメイク〜   作:残月

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転生してから感じた原作との違い

 

 

 

前世を思い出してから早三日。俺は未だに頭に包帯を巻いて過ごしている。

俺が前世を思い出す切っ掛けとなったナイフによる格闘訓練。俺はアスランと組手をしていたのだがエキサイティングし過ぎてマジの戦いになっていた。その最中に俺はアスランのナイフをスウェーで避けた際に額にナイフが擦り、更に足を滑らせて後頭部を強打したってのが話の始まりでありオチである。血が出たのは切れた額に衝撃が加わった事による出血で比較的軽症だ。

正直、頭痛も額の傷も治った様なものなのだが何故、未だに包帯が巻かれているのか。

 

 

「どうしたんですか、ラスティ?まさかまた傷が!?」

「いや、ちょっと考えごとをしていただけだよニコル。つうか、心配し過ぎだよ」

 

 

上目遣いで俺を覗き込む様に見上げているのはニコルだ。今回の俺の怪我を一番心配してくれたのはニコルで治療と検査を終えて医務室から出た後も色々と気に掛けてくれている。原作でも気弱だが優しいイメージだったしな。

 

 

 

「だが、心配したぜラスティ。いつもは笑わせてくれるお前がマジの気絶とはな」

「ふん、軟弱だからだ!」

 

 

皮肉気味にだが俺を心配する様子のディアッカとあからさまに俺を罵るイザーク。ディアッカは皮肉屋でも俺の見舞いに来てくれて、医務室で寝ていた俺にグラビア雑誌を持って来てくれた。その時の熱い握手は今でも忘れられない。対するイザークだが見舞いには来なかったもののアスランに「やりすぎだ馬鹿者!」と抗議に行ったらしい。口は悪いが友情に熱い男め、ツンデレか。

 

 

「改めてすまなかったラスティ」

「謝罪ももう良いってアスラン。それに俺も鈍臭かったって事だよ」

 

 

アスランはアスランで毎日見舞いと謝罪に来ていた。流石に毎日、謝られるとこっちが悪い気になってくる。

話をしながらアカデミーの廊下を歩く彼等の背中を見ながら……俺はこの世界がガンダムSEEDの世界とは似て非なる世界だと感じていた。

 

頭を打って前世を思い出した時は『此処はガンダムSEEDの世界だ』と直感した俺だった。そりゃそうだろうラスティとして生きていた今世の記憶に前世の記憶が混じったのだから目の前のアスランやイザークを見れば『ガンダムSEEDの世界だ』と思ってしまう。

地球から離れたコロニーであるプラントやMS。それらもガンダムSEEDなのだと改めて思い知らされるのだが……一点だけ。そう一点だけ俺の知るガンダムSEEDとはかけ離れた事が起きているのだ。

 

 

それは俺の前を歩く『少女』の存在だ。そうニコル・アマルフィさんは女の子なのだ。原作でもあどけない中性的な顔立ちだったけど、今目の前のニコルは完全なる女の子だ。しかも僕っ娘。

前世を思い出し、ガンダムSEEDの世界に転生したのだと気絶した俺だったが、医務室で目覚めてから混乱の極みと化した。だが、いつまでも混乱ばかりはしてられない。ガンダムSEEDに似て非なる世界でもキャラの配置的な部分は変わらない筈だし、このまま行くとヘリオポリスで頭パーンの運命が待っているのだ。それを考えればニコルが女の子でも構わない……正直、可愛いし何の問題があるんだ?と結論付けた。

 

 

当面の目標としてはアカデミー卒業は勿論だがヘリオポリスで頭パーンされない様にするしかない。そして目指すのはニコル生存。ぶっちゃけナチュラルがどうとか地球軍がどうとか今の俺はどうでも良いとすら思ってる。だが、アスラン達が戦場に行くとなれば原作の悲惨な結果が待っているのは目に見えている。

 

 

「ラスティ?どうしたんですか、真面目な顔をして」

「んー……休んでた分は補習になるのかなって考えてた」

 

 

アスラン達との会話に加わらなかった俺を不思議に思ったのかニコルが振り返って聞いてくる。心配そうな顔ですら可愛いと思える美少女である。俺は咄嗟に思い付いた言い訳を口にした。まさか本当の事を言う訳にもいくまい。

 

 

「大丈夫ですよ、遅れた分の勉強なら僕が見てあげます!」

 

 

ニコルはそれを信じたのか遅れた分の座学は教えると言ってくれた。それは正直助かる。ニコル以外は理詰めだったり、怒鳴ったり、そもそも勉強してなかったりで他は他人に教えるには向かない連中ばかりだからな。

 

 

「ニコルは良い子だねー」

「エヘヘ……じゃなくて子供扱いしないでください!」

 

 

俺が頭を撫でると嬉しそうに微笑むニコル。こんな良い女の子を死なせるわけにはいかんでしょ。

 




『転生ラスティ』

普通の高校生が憑依転生したラスティ。前世の記憶とラスティとしての記憶を両方持ち合わせており、自身に待ち受ける運命に争うと決意。

元々の人格と原作のラスティもそうであった様に他者を明るく笑わせる事が好きでムードメーカーになる存在。
ディアッカとはグラビア雑誌で意気投合し、一足飛びで親友となった。

ガンダムSEEDの事はうろ覚えだが自身の事とニコルの死亡フラグをへし折る為に奮闘する。
ニコルが女性である事から転生した世界が『ガンダムSEEDに似て非なる世界』だと考えており、今後に多少の不安を抱えている。


『ニコル・アマルフィ』

この世界において女性であるニコル。
見た目は原作とほぼ変わらないがボーイッシュな美少女になっている。
一人称は『僕』
貧乳が悩みのタネ。
ラスティの事を実は意識している。
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