機動戦士ガンダムSEED〜ラスティ生存√リメイク〜   作:残月

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此処に至るまでの経緯

 

 

 

 

あれからアイシャさんに支えてもらいながら起き上がり……俺の身に何が起きたかを教えてもらった。

俺は傭兵の叢雲劾に助けられたのだという。ああ……クルクルシュピンの人ね。じゃなくてブルーフレームに乗る凄腕の傭兵サーペントテール。

あの人はブルーフレームの水中装備のテスト中に俺とストライクの戦闘に遭遇。俺のジンが敗れて海中に落ちた段階で機体のダメージがヤバい事に気付き、爆発寸前だった背面のブースターを無理やり引き剥がして、爆発から俺を逃してくれたらしい。だが、爆破の衝撃が凄まじくて俺のコクピットへ影響が出たらしく俺は気絶。その後、ザフトに俺を引き渡そうと思案したが任務の都合上、それは叶わず仕方なくマルキオと呼ばれる信頼出来る人物に治療を依頼して引き渡したらしい……マジかよ。

 

 

「本来であれば貴方をザフトにお送りするべきなのでしょうが……少々事情がありまして、私の所で治療を行わせて頂きました」

「成る程……経緯は理解しましたが、なんでアイシャさんが此処に?」

 

 

なんとなく話の流れは読めてきた。多分、『少々事情』ってのはキラの事だよな。うろ覚えだが、キラとアスランの死闘の後にキラを助けたのはジャンク屋のロウだった筈。そのロウがマルキオ導師にキラを預けて、治療中だった俺も搬送……って所かな。

 

 

「ラクスと呼び捨てで結構ですよ?敬語も必要ありません。アイシャさんの方は……」

「そこからは私が説明するわ。貴方と最後に会ったのはラゴゥで出撃した時よね。あの坊やに負けた後、貴方が助けてくれたのでしょ?ラゴゥが爆発した時にアンディが私を庇ってくれたのよ。私は体に傷跡が残った程度だけどアンディが重傷だったの。私はアンディの治療の為にプラントに戻り、今はラクス様のお手伝いの途中なの。護衛も兼ねてるけどね」

「アイシャさんの事情は理解しました。バルドフェルドさんには後で見舞いにでも行かせてもらいます。んで、お姫様の方も了解だ。今後はラクスと呼ばせてもらうよ」

 

 

アイシャさんから事情を聞いておおよそ理解した。あの時、ストライクのアーマーシュナイダーが俺の妨害でコクピットに届かなかったからラゴゥの爆発は小規模で収まり、バルドフェルドさんがアイシャさんを庇った事でアイシャさんは生存。傷跡は残ったものの軽傷で済んだとのなら結構な話だが……問題はバルドフェルドさんだよな。アイシャさんが生存で軽傷で済んだって事はバルドフェルドさんが原作以上の重傷になった可能性がある。アイシャさんが生きているんだから結果としては良しと思いたいが……ちょっとモヤモヤするな。もっと良い結果があったんじゃと思ってしまう。贅沢なんだろうな、この考えは。

ラクスからは呼び捨てと敬語を許してもらったので普通に喋る事に。

 

 

「はい……その事情なのですが……実は地球軍のストライクとアスランが相打ちに……」

「そのストライクのパイロットが居る……って所かな?」

 

 

ラクスが口ごもりそうになったので推理した風の口調で話すとラクスとアイシャさんは驚いた表情になる。

 

 

「俺が生きていてプラントに搬送までは理解したがラクスの所に送られる理由として俺がアイシャさんの知り合いだからってだけじゃ説得力に欠ける。だったら俺が此処で治療を受ける理由として他に重傷者、それもラクスと親しい人が居ると考えるべきだ。それも俺がいた地球のあの地点から近隣。そして、俺の知ってる範囲でその条件に当て嵌まるのは足付きに保護されていた際に地球軍からザフトへラクス・クラインを送り返したストライクのパイロット……と予想したんだが。話の途中だったけど相打ちになって死んでいなきゃ治療を受ける筈だ」

「お見事ですね……アスランが貴方を称賛していた理由が分かる気がします」

 

 

俺の原作頼りな推理に驚くラクスとアイシャさん。いや、穴だらけで矛盾が見え隠れしてるからあまり誉めないで欲しい。却って恥ずかしいわ。ん?アスランが称賛?

 

 

「アスランが俺の事を話してたのか?」

「MSに詳しく、優しい方で周囲を見る事が多く沢山の方を笑顔にしてくれる方だと聞き及んでいます」

 

 

ラクスは俺の問いに答えてくれたが過大解釈だと思う。多分、アスランは学生時代の俺のエピソードを話してラクスが良い方向に受け取ったんだな。

 

 

「大分、過大解釈をしていると思いますよ。俺はただ、気ままに生きてるだけなんで。えーっと、そのストライクのパイロットは?」

「今はまだ目覚めていません。彼に会いたいのですか?」

 

 

俺がストライクのパイロット……キラの事を問うとラクスの顔が曇る。まだ怪我の影響で目覚めていないらしい。

 

 

「見事な実力だったんで純粋に気になったってのと……アスランがやたらストライクを気にしていた……いや、固執していたって言うべきか。まあ、気になる事は色々と」

「彼に……恨みは無いのですね」

 

 

ラクスはキラが俺を倒した事に恨みがあるのではと考えていた様だが、それは違う。あそこまで完膚なきまでにやられちゃ恨みも無い。

いや、恨みはあるっちゃあるよ?ミゲルの仇で、しかもその形見のジンをバラバラにされた訳だし。

だが、それとは別にキラとは話をしておきたい。今後の為にも。

 

俺はラクスの案内でアイシャさんと共にキラが眠る別室のベッドへと向かっていた。まだ目覚めてはいないが、顔を見に行くだけでも良かろう。

そして、部屋を移動する途中で……気付いた事がある。俺が眠る病室の隣にもう一つベッドがあった事だ。

 

 

そっちは後々聞くつもりだが……まさかねぇ。

 

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