機動戦士ガンダムSEED〜ラスティ生存√リメイク〜   作:残月

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テスタメント発進

 

 

 

あれから数日。キラが発進したステーションから逃亡した俺達は、他のステーションに身を隠した。流石に同じ場所に留まるのはマズいと判断したからだ。

 

テスタメントのコクピットでOSのプログラムを組み立てながら俺は考えていた。今、この状況が今後にどう響くのかを。俺は今まで所謂原作知識を元に助けられる命は助けてきたつもりだ。アイシャさんの命を拾い、ニコルを助け、トールとも友達になった。だが、これからはある意味予想できない事態へと繋がっていく。

それは俺がテスタメントに乗ると言う事だ。本来ならラスティ・マッケンジーは頭パーンされて退場してるし、テスタメントも連合に強奪され後に……えーっと名前が思い出せないがMSVのキャラが乗る筈だった。だが、それらが今、根本から崩れていくのだ。悩みもする。

俺はてっきりゲイツの試作型の火器運用試験型ゲイツ改辺りでも貰えるのかと思ってたから。

 

しかし、まあ……俺がテスタメントとはね。テスタメントは言ってしまえばザフト生産のストライクだ。ストライクを強奪する予定だった俺が乗るとはどんな皮肉だよ。

 

 

「どうですか、ラスティ。テスタメントは使えそうですか?」

「機体そのものは問題なさそうだ。だがストライカーパックはこれから試運転だから、ちょっと不安かな」

 

 

コクピットを覗き込む様にラクスが尋ねてくる。完全に試験運用を済ませたフリーダムやジャスティスと違ってテスタメントは俺がOSを組み上げた上にストライカーパックはこれから試運転ってんだから不安しかない。武装も試作品だし。俺好みの武装……って言うか、ちょっと世界観を超えた武装だったから言葉を失ったけど。

 

 

「それと……ラスティのお母様の保護は上手く行きました。事情をお話しして私達の潜伏先で保護させて頂きました。万全を期しています」

「そりゃ安心……これで俺も地球に向かって飛び立てるな」

 

 

OSの組み立ても終わり、俺はコクピットから出る。ザフト製の試作ストライカーパックの装備も済んでるし、後は飛び立つのみ。キラはアラスカでアークエンジェルと合流しただろうから、俺はオーブを目指して行くとするか。

 

 

「アレは……トール、病み上がりなんだから無理すんなよー」

「わかっ……て……ぐ……」

「ほら、集中しなさい」

 

 

テスタメントのコクピットから降りた俺は格納庫の端でシュミレーターを熱心にしているトールに声を掛ける。トールはキラが一足先に地球に行った事で焦り、リハビリをしながら俺が組み上げたナチュラル用のOSでMSのシュミレーターをしている。スカイグラスパーを乗りこなしていた事もあって筋は良い。だが俺が組んだOSだしナチュラルには完全に適応出来てないから苦戦してるっぽい。アイシャさんがトールの指導はしているがまだまだ未熟って印象だな。

『トールが美人で年上のお姉さんにつきっきりで特別授業を受けている』とミリアリアに伝えたらどうなるかなーって考える俺は悪い子だと思う。

 

 

「アラスカのスピットブレイクは失敗か……ザフトはしてやられた感があるな」

「沢山の人が……」

 

 

フーッと一息つきながら失敗したスピットブレイクのデータを眺める。地球連合はザフトのスピットブレイクを予見してサイクロプスを起動して侵攻してきたザフトの部隊を殲滅……って話になってるが、話が纏まり過ぎてる。なんで地球連合はピンポイントでザフトの侵攻を予想していたのか。ザフト側に裏切り者がいた?地球連合は最初から自爆用に設置していた?この事態を知っている者がいる?アニメを見ていた当時から気になっていた事だ。だが知識も不十分でうろ覚えの頭じゃ考えても意味は無さそうだ。ならば目の前の事に全力を尽くすのみだ。

 

俺はパイロットスーツに着替えてテスタメントに乗り込む。機体を起動させ発進シークエンスに入った。試作型のエールストライカーと試作型のトリケロスを装備した初期型のテスタメントの初陣である。ディバインストライカーとトリケロス改が無いのは非常に残念だが仕方無い。

 

 

『ラスティ、ご武運を』

「ラクスも頑張れよ」

 

 

とラクスから激励を受け。

 

 

『ラスティ、坊やによろしくね』

「バルドフェルドさんの見舞いに行けなかったのは残念でしたけど、また会いましょう」

 

とアイシャさんからキラにヨロシクと言われる。本当にキラを気に入ってるのな、あの二人。

 

 

『ラスティ、俺もすぐに行きたいけど……まだ無理なのはわかってる。だからアークエンジェルを頼む!』

「安心しろ。と言うかお前の一番の心配は恋人の事だろう?ミリアリアも守ってやるよ」

 

 

とトールからアークエンジェルの事を頼まれた。まあ、本心で一番心配してるのは地上に残して悲しませてる彼女さんの事なんだろうけど。ついでにお姉さんからの特別授業の事も教えてやるから安心しろ(笑)。

 

俺はテスタメントのPS装甲を発動させる。PS装甲になったテスタメントは俺のカラーリングである赤に染まっていく。要は原作のテスタメントカラーな訳だ。ペダルを踏み、背部のブースターに火が灯る。正面のモニターにはラクス、アイシャさん、トールが手を振っていた。彼女達は前回と同様にこのステーションを離れる予定だ。上手く逃げてくれよ、と思いながら俺はテスタメントを発進させる。

 

 

「ラスティ・マッケンジー、テスタメント発進するぜ!」

 

 

俺はブースターを全開にして一気にステーションの外へと飛び出した。凄いな……機体性能もさる事ながら対G性能が高いから一気に加速しても苦しくなかった。ジンで今の加速をしたら洒落にならん事になってた。

 

 

『止まれ、貴様!』

『新型ばかりを盗まれてたまるか!』

「あらら……気合い入ってんな……」

 

 

すると当然防衛隊が出てくるのだが五機のジンが行手を阻んできた。フリーダムの強奪事件は軍内部でも問題視されて同じくロールアウトしたジャスティスの警備は相当なものになっていたらしいが俺のテスタメントは既に強奪済みだったからアンタ等に落ち度はないと言ってあげたい。

 

 

「アンタ等にも警備隊として守らなきゃいけないもんがあるんだろうが……こっちも色々と背負ってるんでね!」

『な、何っ!?』

『馬鹿な、速すぎる!?』

『まるで……赤い彗星……』

 

 

手前に居た三機のジンの頭部を試作型のトリケロスのビームライフルで撃ち抜く。思っていた以上に使い回しが良さそうだな。テスタメントそのものの操作性にも問題は無さそうだ。それと三機目の人、俺はそんな大層な二つ名を名乗る気は無いです。

 

 

「こっちも試しておくか!」

『な、関節を!?』

『ぐわあっ!?』

 

 

左手にハンドガンを構えながら急接近しながら残ったジンの武器を持つ手と足を撃ち抜く。そして動きが止まったと同時に試作型のトリケロスの折り畳んでいた実体剣を展開させると頭部を斬り落として行動不能にしてから一気に加速して地球方面へとテスタメントを走らせた。

 

 

「分かってはいたけど……やっぱジンとは全然違うな。機体の動きもしなやかで動かしやすいのに加速には粘りがある。良い機体を貰っちまったな」

 

 

今まで乗っていたジンもザフトの中では高性能機なのは間違いない。だが『ガンダム』はやはりモノが違う。俺は新たな機体に心を踊らせながら地球、そしてオーブを目指した。

 

 




『試作型エールストライカー』
テスタメントの為に急遽作成されたストライカーパック。
エールストライクと同型で背面に大型ビームキャノンを装備している。

『試作型トリケロス改』
ブリッツのトリケロスを模した攻守一体型の武装。見た目はブリッツのトリケロスに似ているが小型化されている。ランサーダートが無く、ビームライフルもルプスビームライフルと同等の物になっている。接近戦用に折り畳み式の実体ソードを内蔵している。イメージ的にはガンダムエクシアのGNソード。

『ハンドガン』
試作型トリケロス改の中に収納されているハンドガン。
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