機動戦士ガンダムSEED〜ラスティ生存√リメイク〜   作:残月

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オーブへ……?

 

 

 

宇宙から地球に降り立って数日。俺は地球のある場所で……

 

 

「おーい、兄ちゃん。そろそろ休憩しよーよ」

「そうだな。耕すのも大体終わったからちょうど良いな」

 

 

タンクトップにオーバーオールを着て、農作業に勤しんでいた。何故こんな事をしているかと言えば俺の立場故に迂闊にオーブに入れなかったからである。

そもそもキラはフリーダムに乗り換えてアラスカでアークエンジェルを助けた後に一緒にオーブへと行った。後のアスランは乱戦の最中にキラの援護でオーブに入った。

つまりはどちらもある程度の理由があったからなのだが今の俺の立場はMIA認定されながらもザフトの新型を奪った脱走兵的な扱いでオーブとの繋がりは皆無だ。このままテスタメントでオーブに行った所で『未確認のMSが接近中!』等とスクランブルが掛けられてしまう状態なのだ。かと言ってオーブに居るキラとの連絡手段も無いのだ。

俺は調べ物が済んだ後に悩み迷った挙句、マルキオ導師の下へと行った。助けてもらった礼も兼ねて訪ねて行くとマルキオ導師は快く迎え入れてくれた。

 

そして孤児院の子供達と交流を深めながら孤児院の仕事を手伝って数日が経過。最初は警戒されていたものの今では孤児院の子供達も俺の事を『兄ちゃん』と呼ぶ程に打ち解けている。

因みに『ザフトなんか俺がおっきくなったらやっつけてやる!』なんて脛を蹴られるポジションは俺になってしまった事も記しておこう。

俺は孤児院の子供達と共に孤児院に戻るとお客様がいらっしゃった様だ。やれやれ……やっと来たか。

 

 

「マルキオ導師……この中継は……」

「地球連合の艦隊がオーブに向けて進軍しているらしいですね」

 

 

テレビのニュースを共に見ているアスランとマルキオ導師。マルキオ導師は目が見えないから音声だけで判断してるんだろうな。

 

 

「また戦争か。つくづく戦火は広がっていくな」

「な……ラスティ!?」

 

 

俺が孤児院の中に入りながら声を掛けるとアスランの顔が驚愕に染まる。そりゃ死んだと思っていた奴が生きていれば驚くか。いや、案外ラクスから俺の生存は聞いていたのかも知れないが此処に居るとは思ってなかったのだろう。

 

 

「ザフトから命令が下され……ラクスから話は聞いてはいた……お前やキラが新型を強奪して逃走している、と……」

「今はただの農夫と化していたけどな」

 

 

困惑しながらもアスランは俺を見つめながら状況を説明してくれた。やっぱラクスがある程度の説明をしていたらしい。まだ半信半疑だったんだな。

そんな事を思っていたら孤児院の男の子が2人程走ってきた。一人がアスランの前に立つと、もう一人が背後からアスランの足にタックルして体勢を崩し、片膝をついたアスランへ正面に立っていた子はラリアットを仕掛けた。

 

 

「ぐはっ!?」

「やったぜ!」

「ザフトをやっつけた!」

「タイミングバッチリだったな。実にグッドだ」

 

 

子供達の見事なツープラトンにアスランは沈んだ。俺は子供達にビシッとサムズアップをしてから奥の部屋に行くように促す。アスランはラリアットを食らった首を押さえながら立ち上がり、俺を睨んだ。

 

 

「絶対に……ラスティの仕込みだろう」

「筋が良くてな。教え甲斐があるんだわ、コレが。あの子達は戦争でザフトに親を殺されたらしくてな。会ったばかりの頃は俺も足を蹴られたよ。この孤児院に居る子供達の大半は親を亡くしている」

 

 

二人の男の子がプロレス技を仕掛けた事で俺の仕込みだと確信したアスラン。うん、正解だ。だが重要なのは、そこじゃない。

 

 

「親を……」

「憎しみの連鎖……って所か。随分と怨まれる立場になっちまったよな」

 

 

俺が孤児院の子達の現状を話し、アスランの顔が更に曇る。

 

 

「俺はこの数日間……この孤児院に居た。ザラ隊として戦っていた頃よりも……戦争の悲惨さを感じたよ。あの子達を見ていたら尚更な」

「ラスティ……俺は……」

 

 

俺の言葉にアスランは何かを口にしようとしたが口を閉ざしてしまう。今のアスランは元々抱いていたナチュラルへの恨みと軍の命令とラクスの言葉とキラへの友情とかで揺れ動いてるからな。まだ自分の中で答えを見出せてないから『それ』を口にする事も出来ない。

 

 

「んじゃ、行くか」

「行くって……」

 

 

俺が孤児院の扉を開けようとするとアスランは首を傾げた。

 

 

「オーブへだよ。オーブにはお前が追うフリーダム……キラも居る。それに俺の予想が正しければニコルとディアッカもオーブにいる筈だ」

「キラがオーブに!?ニコルとディアッカも!?」

 

 

俺が行き先を告げるとアスランは驚愕する。フリーダムの追跡任務で近くに寄っただけだからキラがオーブに居るとは思ってなかったのだろう。ニコルとディアッカの方は原作的にもアークエンジェルに乗っている可能性が高い事と……俺が地球に降り立ってから、近隣の調査をした。調べた結果この近隣での戦闘の後に破壊されたMSで新型らしき物は確認されなかった。つまりブリッツもバスターも破壊されずにアークエンジェルかオーブに回収されたと言う事だ。

 

 

「と言う訳だ。それを確かめる為にもオーブに行く……お前は俺のテスタメントやキラのフリーダムの追跡任務があるから目を離さない方が良いじゃないか?」

「それは尤もだが……お前はその格好で行く気か?」

 

 

アスランの指摘に俺は未だにタンクトップにオーバーオール姿だった事を思い出す。この姿でMSの操縦したら、かなりシュールな絵面になるな。

取り敢えず着替えてこよう。そんでオーブに行ってニコルに会いに行こう。

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