機動戦士ガンダムSEED〜ラスティ生存√リメイク〜 作:残月
俺はマルキオ導師に挨拶を済ませた後、着替えてから隠しておいたテスタメントに乗り込んでオーブを目指していた。アスランのジャスティスもテスタメントと並ぶ様に飛行している。
『それがラスティのMSか……強奪された時はまだ未完成だったと聞いたがお前が完成させたのか?』
「俺が望む機体にはまだ程遠いけどな。ま、これから良くしていくさ」
アスランの疑問に答えこそしたが俺はテスタメントは完成していないと思っている。なんせトリケロス改やディバインストライカーが無いんだからテスタメントとしては未完成になる。かと言って今から急造した所で間に合う訳もないので試作型のトリケロスとエールストライカー改を使用しているのだし。
「それはそうと……もうオーブで戦闘が始まってるみたいだな。地球連合の部隊も展開が速いな」
『ああ、余程オーブを落としたいんだろう。マスドライバーとモルゲンレーテの工場は喉から手が出る程に欲しい筈だ』
オーブの海域に入った俺達だがオーブ軍は俺とアスランに構っている暇が無いのか乱戦で俺達に気付いていないのか特に騒がれた様子は無い。だが、これは酷いもんだ。地球連合の部隊はオーブを取り囲む様に進軍しており、様々な角度から攻め入っている。特にマスドライバーとモルゲンレーテの工場側に戦力を割り振っている印象だ。民間の方にも少なからず被害が出ているみたいだな。
『俺達の戦いも……こうだったんだな』
「アスラン……」
恐らくヘリオポリスの一件や今まで俺達の戦いで壊滅した街の事を思い出しているのだろう。アスランも難しい顔をしていた。他人がしている事で初めて自分を客観的に見る事が出来るんだから。
「後で悔やむから後悔ってか?だったらこれから後悔しない為にも……行こうぜ」
『フリーダム、キラ!……ああっ!』
俺がテスタメントでジャスティスの肩を叩きながらオーブの空を指差す。そこには連合の新型三機に追い回されているフリーダムの姿が。アスランは意を決してフリーダムに急接近して行った。俺もワンテンポ遅れてテスタメントを走らせる。
アスランのジャスティスはフリーダムに直撃しそうだったビームをシールドで防いだ後、ビームライフルを構えて牽制した。レイダーの動きが止まったので俺はテスタメントでドロップキックを放ち、レイダーを蹴り飛ばす。
『ぐあっ!?なんだテメェは!』
「自己紹介なんざ照れくさいが……敢えて言うとするなら愛と言う陽炎を追い続ける平和の狩人……みたいな感じ?」
レイダーから通信が入り、怒鳴られながらも誰かと問われたので返答した。一瞬の間があった後にレイダーが変形しながら突っ込んできた。
『ぶっ殺す!』
「やってみろよ!」
口からビームを吐きながら迫るレイダーに俺は試作トリケロスの刃を展開しながらビームを弾く。そして返す刀でレイダーのボディに一撃を与えた。TP装甲だからダメージは無いだろうけど威嚇程度にはなった筈だ。加えてさっき俺がボケた事で相手の冷静さも奪う事に成功した模様。レイダーは再度俺に突撃しようとしてきたが下から放たれたビーム砲に阻まれる。そこにはキャノン砲を俺達に向けたカラミティの姿が。
『此方、ザフト軍特務隊……アスラン・ザラだ。フリーダム、聞こえるか?キラ・ヤマトだな?』
『アスラン!?どう言う事だ、ザフトがこの戦いに介入するのか!?』
「……ったく、余裕だなアイツ等は。キラ、アスラン。俺は下の奴の相手してくるわ」
フォビドゥンとレイダーの相手を口喧嘩しながら普通に圧倒しているキラとアスラン。やっぱ並じゃないよな、アイツ等。
俺は機体を降下させながらビームライフルでオーブに攻め入ろうとしているストライクダガーを撃ち抜いていき、最終的にカラミティと対峙する。
『ヘヘッ……行くぜ、狩人さんよ!』
「あら、やだ……聞かれてたとは恥ずかしいね」
ストライクダガーを撃ち抜きながら降下しているとブリッツとバスターの姿も見えたのでニコルとディアッカも無事なんだとホッとしているとカラミティがバズーカを構えながら小馬鹿にしてきた。どうやらさっきのボケを聞かれていたらしい。後になってくると割と恥ずかしいな、おい。
カラミティのバズーカから放たれた砲弾を避けながら試作トリケロスのビームライフルを放つ。装甲も厚いのかカラミティはシールドで防御しながら一気に突っ込んできたので背面のビーム砲で迎撃する。これは防げないと判断したのかカラミティも回避を選択し、詰めていた距離を空けた。成る程、三馬鹿で仲間意識はほぼ皆無だったけど一応はリーダー格だけの事はある。一歩止まって冷静になりやがった。
と思っていたのだが、急に動きがおかしくなった。上空のレイダーとフォビドゥンも同様だ。ああ、そう言えば時間制限とかあったなコイツ等には。
レイダーに回収されカラミティは一目散に撤退していった。フォビドゥンもそれに追従する形で。
「やれやれ……一先ずは話し合いかな?」
並んでオーブに降り立とうとしているフリーダムとジャスティスを見て俺は安堵の気持ちを抱きつつ……ニコルとの再会にも心を躍らせていた。