機動戦士ガンダムSEED〜ラスティ生存√リメイク〜 作:残月
地球連合が一時撤退し、フリーダムとジャスティスが並んで立ち、キラとアスランがコクピットから降りて行く。
「感動の再会……って感じじゃないよなぁ」
俺はテスタメントのコクピットから歩み寄るキラとアスランを眺めながら呟いた。二人は険しい顔をしながら徐々に近付いている。
そして少し会話をした後に金髪の少女がキラとアスランに間に入り込み抱き着いた。ありゃカガリだな。
「さて……俺もそろそろ降りないと怪しまれるな」
もう少しキラ達の事を見ていたかったが俺のテスタメントの隣に立つブリッツの圧迫感が凄いのでそろそろ限界だろう。ついでにバスターもテスタメントの隣に立っており、『逃さねぇぞ』と言った次第である。
テスタメントのコクピットを開くとその場の全員の視線が俺に突き刺さる。う……ちょっと恥ずかしい気分だ。だが、取り敢えず自己紹介して……
「えーっと俺は……ぐはっ!?」
「ラスティ!」
地面に降り立ってから話しかけようとしたら左側から何者かのタックルを喰らう。地面を滑る様に倒れ、俺にタックルした奴を見上げると緑髪の癖っ毛を持つ……涙目のニコルだった。
「馬鹿馬鹿馬鹿!心配させて……もう馬鹿!」
「アッハッハ……馬鹿しか言われてねー」
「馬鹿と言われても否定出来ないだろ」
俺に跨って馬鹿を連呼するニコル。苦笑いを浮かべたら、ニコルの背後から呆れた様な声が聞こえる。ニコル越しに見上げるとディアッカが立っていた。
「まあ……色々あったとしか言えないな」
「なんですか、色々って……全部喋ってもらいますよ、ラスティ」
「それはそうとニコル……会えなかった期間も長かっただろうが、随分と積極的になったな」
「ニコルったら……大胆……」
俺の一言にニコルは俺に跨ったまま俺を睨み、ディアッカと外側にハネた髪型の少女……恐らくミリアリアが見て呟く。ミリアリアの頬は少し赤く染まっていた。
そして指摘されてから客観的に自身を見てみる。
俺は地面に寝そべり、ニコルに押し倒されている。ニコルは俺の腹に腰を下ろして、両手は俺の両肩に添えられている。
成る程……ニコルが情熱的に俺に迫ってる様に見えるな。そしてニコルもその答えに辿り着いたのだろう。顔が真っ赤になり、目がグルグルとなっている。あら、やだ……凄い可愛い。そしてニコルの拳が振り上げられ……え、ちょっと待って?
「いやぁ!」
「あうちっ!?」
振り下ろされた拳を避ける事は叶わず、それに心配させた詫びも含めて俺はニコルの一撃を甘んじて受け入れた。
◆◇◆◇
あの後、俺とアスラン、ニコル、ディアッカは敵じゃないとキラからアークエンジェルやオーブの皆さんに取り成してもらってからお互いの話をする事に。
俺はオーブ海域の後の経緯を話した。とある傭兵から助けられた事。助けられて治療を受けた場所でキラとトールに出会った事。テスタメントを貰った事。地球に来てからマルキオ導師の所で数日過ごした事。
逆に俺もニコルとディアッカがどう過ごしていたかを聞いた。なんと言うかまあ、ニコルとミリアリアが仲良くなっていたのは意外だったな。ディアッカもミリアリアには多少恨まれてはいる様だがキラからトールが生きていた事を聞いていたからなのかミリアリアもディアッカやアスランを原作程憎んではいない様だ。
キラもある程度は話していたのだろうが、俺が生きていた経緯やトールの話はニコル。アスラン、ディアッカは相当驚いていた。
そりゃそうだよな。互いの憎しみ合い殺し合いの切っ掛けの当事者二人が生きていたってんだから。
「そっちの子はミリアリアさんだよな……トールから話は聞いてるよ。良い尻を持つ子だと」
「トールから何を聞いてるんですか!」
俺の話を一緒に聞いていたミリアリアがスカートの端を押さえながら顔を赤くしていた。
「トールとはそんな話をするくらいの仲になったって事。寧ろ、俺はほぼ毎日キミとの惚気話を聞かされていたんだがな。好きが溢れ過ぎて胃もたれ起こすくらいに」
「そ、そうなんですか?」
俺の発言にミリアリアは嬉しそうだ。んじゃ、そろそろ爆弾投下と行くか。
「ああ、そしてトールはこれからキラの助けになりたいと今はMSの操縦訓練を受けているぞ。一流の美人歳上女性MSパイロットから付きっきりで」
「ラスティさん。そのお話を詳しく」
目の光が無くなってガシッと俺の肩を掴むミリアリア。しまった、フリが効き過ぎたな。
「話してやりたいけど……俺もやらなきゃならない事が沢山あるからさ。それに直接会って話をした方が良いんじゃない?」
「う……でも、トールが今どこに居るか……」
俺のごまかしにミリアリアは言葉に詰まる。会いたいけどトールが何処に居るか分からないと言うミリアリアに俺は上空を指差した。今は宇宙にいますよってね。
さて、俺も大凡の話が終わったし本命との話をさせてもらおうか。
「あー……ニコル、散々心配させてすまなかった。だが俺は……」
「ラスティ、僕も話したい事は沢山あります。でも、今一番話さなきゃいけない事があります」
俺が諸々の事を謝罪しようと話し掛けるとニコルは意を結した様な表情で俺を見つめた。こりゃまだ怒ってるかな……もう二、三発は殴られる覚悟をした方が良いか?
「その……シンとマユちゃんの事です」
「え、シンとマユ?何があったんだ?」
「貴方がラスティ君?ちょっとお話良いかしら?」
ニコルから予想外の名前が出た事に驚きながらもシンとマユの状況が気になった。いや、俺が居ない間に何があった?
何ですか、エリカ・シモンズさん?え、俺のジンを回収して修理したから来て欲しい?いや、ニコルからシンとマユの話を……え、マユの話もそこで話す?イージスも修理したから見てほしい?ナチュラル用のOSを組み込んだ?
ちょっと待って情報量多すぎるから一旦整理させてくれ!