機動戦士ガンダムSEED〜ラスティ生存√リメイク〜   作:残月

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オーブ防衛戦③

 

 

 

オーブに戻った俺達はアークエンジェルに身を寄せていた。キラやマリューさん、少佐はオーブの行政府に呼び出されている。アスランとディアッカは今後の事を話し合っている。そんな最中、俺とニコルはマユの診察結果を聞いていた。

 

 

「記憶喪失に視力の低下……それに精神的なトラウマですか」

「彼女が目覚めてから何度か受け答えをして確認したが彼女は記憶の殆どを失っている。両親や兄の事を思い出そうとすると寧ろ恐怖で身を震わせる程だ。今は無理に思い出させるよりも、心の回復を待った方が良いだろうね」

「そんな……」

 

 

オーブの軍医から聞かされたマユの今の状態に俺とニコルも言葉を失う。俺としては当初、生きているのだから原作よりはマシになったと思っていたかったが、余計に拗れている気がしていた。

心の拠り所になりそうな家族の事がトラウマとなったマユ。こうなると迂闊にシンに会わせる訳にはいかなくなったな。家族の話をするだけで身体が震えるんだ。直接家族に会わせるとどうなるか予想がつかない。

 

 

「まさかマユちゃんの症状があそこまで酷いものになってるなんて……」

「そう思い詰めるなよ。ニコルとディアッカのおかげで命を拾ったんだぞ、あの兄妹は。マユの状態が良くなったらプラントに避難させた兄の行方も探してみよう」

 

 

辛そうな表情になるニコルに命が助かったのだから、良かったと告げる俺だが内心では焦っていた。

シンは家族が皆殺しになったと思っていて、マユは記憶喪失な上に家族の事を思い出させようとするとトラウマで体が震える。コレ、ある意味詰んでないか?

 

 

「兎も角、記憶の方は時間をおくとして視力の方はプラントの技術でなんとかなるだろう。前に視力デバイスで盲目の人でも人並みに視力を回復させたってニュースをやってたからな」

「だったら……尚更、オーブを守らなきゃですね」

 

 

視力デバイスに関してはニュースで見たのも本当だし、ASTRAYシリーズでそんなキャラがいた筈。名前は忘れたけど。

ニコルは俺の話を聞いてオーブと言うか、マユを守る決意を固めた様だ。プリプリと張り切る姿が可愛くて……俺はニコルの肩に手を回そうと……

 

 

「ラスティ、ニコル。アークエンジェルとオーブの艦隊は宇宙に脱出を決定したそうだ!」

「俺達も宇宙に上がる事を考えているんだが……ラスティの意見も聞きたい」

 

 

慌ただしくディアッカとアスランが走ってきた。どうにも俺はラブコメには向かないらしい。話を聞いた後でディアッカとアスランは絞めてやる。

 

アスランとディアッカから話を聞くと強固な防衛線を張っていたオーブ守備軍も、地球連合が動員する圧倒的な物量の前に瓦解し始め、防衛線も下げざるを得なくなった。俺の嫌がらせが効果的だったのか原作よりもオーブの戦力は保てている様だがジリ貧なのに違いはない。増援も見込めない状態ではこれ以上事態が好転する事はないだろう。

そこでオーブの首脳陣は戦力がある内に宇宙への脱出を決めたとの事だ。カガリの父であるウズミは自国の陥落を前にして『自国の理念を託せる者』としてアークエンジェルとオーブの軍隊を宇宙に上げて想いを託すとの仰せらしい。その話を聞いた後でアークエンジェルで元ザフト組とキラで話し合う事に。

 

 

「そりゃあ、このままカーペンタリアに戻っても良いんだろうけどさ。今オーブと敵対してんのは地球軍なんだし」

「今までなら……ザフトの為に、とそうしてましたね」

「『ザフトのアスラン・ザラ』か。彼女にも……そしてお前等にもわかってたんだな……」

 

 

ディアッカの発言にニコルが口を開き、アスランが悲痛な面持ちで何かを思い出したかの様にポツリと呟いた。そして『お前等』の所で俺とキラを見るアスラン。彼女ってのはラクスの事だよな。

 

 

「国や軍の命令に従って敵を撃つ……オレはそれでいいんだと思っていた……仕方ないと思った……それでこんな戦争が一日でも早く終わるなら……でも、オレたちは本当は……何とどう戦わなくちゃいけなかったんだ?」

「俺だってそうだよ。こんなくだらない戦争なんざ早く終わって欲しいと思ってたし、前にも言ったろ。俺は戦争なんざ色んなもんを飲み込んで何も生まないってな」

 

 

アスランの絞り出した悲痛な思いに皆が黙ってしまう最中、俺も同意する。

 

 

「一緒に行こう……アスラン。皆で一緒に探せばいいよ……それもさ」

「キラ……」

 

 

未だ悩むアスランにキラは微笑みながら告げる。キラの言葉にニコルもディアッカも笑みを取り戻した。俺も口を開こうとした、その時だった。背中に柔らかな何かが押しつけられたと思ったら襟首を引かれる。

 

 

「あ、こんな所に居た!エリカ・シモンズ主任が探してたわよ!ストライカーパックの改造の相談と試作の武器の調整をお願いしたいって!」

「ほらほら、こっちに来て!」

「ディアッカの話も聞かせてくれない?」

「え、あ、ちょっ……まだ重要な話をしてるんだけど!?」

「……ラスティ……最低です」

 

 

振り返るとジュリ、マユラ、アサギが居た。ジュリが笑みを浮かべながら俺の背中に張り付く様にしていて、マユラが襟首を引く。アサギは恋する乙女の顔でディアッカの事を聞かせてくれと言ってくる。それは後で良いんじゃないかしら!?

 

引っ張られる最中、ニコルが頬を膨らませながら俺を睨んでいた。可愛いんだけど俺が望んで彼女達に絡んだと思わないでほしい。寧ろ、巨乳の彼女達を睨んでいるのか?

 

キラ達は苦笑いで俺を見送っていた。少しはフォローしろや!

 

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